2020年10月、鹿児島と宮崎を一人で湯巡りした際のお話。
最終の5日目は、途中から京町温泉郷に戻って宿を立寄っていってる。
恒例のここまでの行程のリンク集、常連の方は飛ばしてくだされ。
<初日>
<二日目>
<三日目>
<四日目>
<五日目>
京町温泉郷にあった人気のラーメン屋「慶珉」にてガッツリ系のランチをとった後は、また湯巡りへ。
JR京町温泉駅から徒歩なら数分以内にある宿、「玉泉館」が次の目的地。
京町温泉、吉田温泉、加久藤温泉エリアで展開されているというバス停みたいな案内が立っている上に、尖った三角屋根の建物がよく目立つ。
京町温泉 玉泉館
大正4年創業というから、100年以上の歴史がある宿だ。
12時過ぎに到着。
その目立つ三角屋根の建物が正面玄関。
玄関入って正面が受付。
だが三角屋根の上に向かって階段があり、天井の梁など思わず見上げてしまった。
階段上がった部屋は201となっていた。
受付で立寄り入浴料の300円を支払う。
入浴時間は調べた際は10時~21時となっていたが、サイトの方では確認がとれなかった。
受付の写真もピンボケで詳細が読み取れない(^-^;
一応要確認ということで。
建物はこの三角屋根の部分だけでなく、横に広く伸びている。
大広間は立寄りでも休憩に使っていいのかもスミマセン、未確認。
浴場エリアへ到達。
浴場は男女別の内湯&釜風呂みたいな露天風呂(女湯もあるのか?)。
これらが立寄り入浴料の300円で入れる浴場。
その他に立寄りで1000円という家族風呂。
またこの宿の名物「すっぽんぽん風呂」という洞窟風呂&露天風呂があるのだが、これも別料金500円がかかるらしい。
入口も違う。
ぼくは300円しか払ってないのでこのすっぽんぽん風呂は未体験だが、そもそもどの風呂もすっぽんぽんではないのか、などとみんなが思うようなツッコミを無言でしながら男湯へ。
脱衣所棚の上に掲げてある分析書は平成10年のものだったが、受付の脇に平成21年の分析書があったので、以下にでてくる数値は後者の平成21年のものから。
終始独り占めで入ることができた。
まずは内湯から。
L字型に近い浴槽は数人ぐらいは入れる規模。
常に窓が開いており、浴槽から這い出す感じで庭に出て釜風呂みたいなのに入れるが、それは後ほど。
洗い場はシャワー付カランが2セット。
カランを捻ると。。。
源泉が出た。
なおこのカランから出た源泉の温度がまだ低いときのみ、タマゴ風味を僅かに感じることができた。
色は微妙で分かりづらいが、淡く黄白色ほぼ透明~ささ濁りの湯は、源泉名が「玉泉館」。
源泉温度55.3度、pH7.3の単純温泉。
成分総計は0.5461g/kg。
この湯を完全かけ流しにて使用している。
浴槽規模の割には投入量は多いとは言えず、オーバーフローもご覧の感じ。
浴室内の柱にこのような表記があった。
浴室内の壁についてる泥(のろみ)…これがよく分からなかった。
たしかに若干のぬめりはあったが、泥とまで呼べるか…のろみの意味もぼくは分からず。
さらにpH8.77となっているが、先に見たように現状ではpH7.3の中性。
表のバス停もどきにも単純アルカリ温泉とあったが、源泉の水素イオンがかなり変わってしまったのだろうか。
温度などが変わることはよくありそうだが、水素イオンもここまで変わったりするのかなぁ。
それはさておき、現実の源泉をもう少し見ていく。
成分の特徴についても簡単に。
陽イオンではナトリウムが82.7mg、64.17ミリバル%と過半数で、カルシウムが28.7mg、25.49ミリバル%とこの2要素で大半を占める。
陰イオンでは炭酸水素イオンが250.5mg、74.05ミリバル%で、塩素イオンの24.2mg、硫酸イオンの35.7mgあたりでほとんど。
遊離成分のメタケイ酸が110.6mgあった。
浴槽の温度を測ってみると。。。
39.9度とかなりぬるめ。
メインの浴槽なのでもう少し投入してあと2度ほどは上げて欲しいと思ったが、これは個人の好みか。
ごく僅かにアブラ臭、僅かに金気臭がした。
タマゴ風味は先述通り、この湯口からは感じられず。
淡い甘味、僅かな鉄味、化粧水のような薬味は僅かにあるかないかさらに微妙。
湯口の温度を測ってみると。。。
55.0度としっかりある。
湧出量は不明だが、他にたくさん浴槽があるということは余裕があるなら、やはりもう一息投入量を増やしてくれないかな~。
とろみのあるスベスベ感があった。
これが先の「のろみ」なんかな。知らんけど。
松尾旅館の源泉ともまた違う湯で、京町温泉も色んなバリエーションの湯が出ていて面白い
ではこの湯口の脇から窓を超えて庭へ。
奥に小さな浴槽が2つ、階段状に並んでいる。
この浴場を何て呼ぶのか分からないが、2つとも完全におひとり様サイズ。
上(写真↑の右)の浴槽のオーバーフローが下(写真↑の左)の浴槽に注がれ、排湯されている完全かけ流しスタイル。
使用源泉は同じであろう。
源泉の風味は内湯に準ずるので省略。
ただし湯口の温度ですでに42.2度と低い。
風味的に加水しているとは思えなかった。
湯口の温度は高くないが、浴槽も小さいので温度はあまり下がらない。
上の浴槽温度を測ってみると。。。
41.8度とまずはみんなが思う適温。
浴びるように入浴でき、これはこれで気持ちよかった
下の浴槽の温度を測ってみると。。。
41.2度とこれでも内湯よりも高い。
まあ一応入浴写真も撮っておく。
源泉温度が55度あるわりには熱い浴槽が無いのがちょっと残念だったが、宿内にはまだ入ってない浴槽がいくつもあるわけで、泊まって楽しむのがやはりいいのだろう。
このときはある浴槽を使って交互入浴。
素泊まりもでき、2食つけても8000円台から泊まれそうなので、いつかすっぽんぽん風呂、そして家族風呂を目指して泊まってみるのもいいかな。
京町温泉 玉泉館
宮崎県えびの市向江647-1
0984-37-155
立寄り入浴料 300円 (男女別の浴場のみ)
10:00~21:00 (要確認)
<源泉名:玉泉館>
単純温泉 (低張性・中性・高温泉)
55.3度
pH7.3
成分総計 0.5461g/kg
淡黄白色ほぼ透明~ささ濁り
微々アブラ臭、微金気臭あり
カランの源泉の低温時に微タマゴ風味あり
淡甘味、微鉄味あり
とろみのあるスベスベ感あり
完全かけ流し
2020年10月入湯
※数値はH21の分析書より