2020年10月の鹿児島&宮崎ハシゴ湯一人旅は2日目のラスト記事。
泊まった宿の温泉話となる。
恒例のここまでの道のりリンク集をば。
<初日>
<二日目>
前回の<建物編>で中原別荘の紹介したが、次はいよいよ宿の<温泉編>。
これまで巡ってきた温泉銭湯の源泉とはまたちょっと違った湯であった
温泉ホテル 中原別荘 <温泉編>
こちらの浴場はフロントのすぐ脇に入口がある。
同じフロアなのだ。
天然温泉の看板の下には803m掘削し、源泉温度が55度ある塩化物泉とある。
入浴可能時間は16時~23時、6時~9時。
そしてこちらの湯は立寄り入浴をやっていない。
宿泊するか、宴会コースを利用しないと入れないのだ。
これもまいど宿選びの基準の一つ。
ガラスの向こう、灯篭のあるところに源泉の湧出場所と思われる表示があった。
昭和36年に掘削したとある。
正真正銘敷地内湧出の自家源泉だ。
その横にちょろちょろ液体が出ているのがお分かりいただけよう。
当然源泉だろうと思うじゃないですか。
これは水だった
お客様へのパネルが2枚。
温泉の説明がしてあった。
そう、褐色系透明の湯なのである。
そして加温・加水なしの100%かけ流しともしてある。
深度掘削の湯でよくある地層のお話。
そういえば甥っ子のいとこ(何て呼ぶんだっけ?)は大学院で地層を研究していることを最近知った。
お馴染みの温泉利用証。
新湯注入率が3だが、後は5。
参考までに。
もう一つ、こんなものも掲げてあった。
昭和36年に掘削した際に分析したものの抜粋であろう。
この他には一般的な分析書などが掲示してあった。
では男湯へ。
ぼくは夜と朝に1回ずつ入った。
この日は宿泊客もかなり多く、夜朝ともに完全に独り占めにできた時間はそれほど長くはなかった。
いつもは夜朝混合で写真を並べるが、今回はある理由により夜の写真の後に朝の写真を載せる。
脱衣所はさすがホテルの大浴場といった感じで広々としていた。
畳の小上がり?もあったり。
それでは浴場内へ。
露天風呂もあるようなのだが、ここのところは利用できなくしているとのこと。
浴槽は真ん中に埋め込み型の広いものが1つ。
10人ぐらいは入れそうである。
そしてこの褐色。
後で詳しく見ていくが、これだけ見たらモール泉と思うわけだが、あのモール泉がもつ独特の香りがまったくない。
それとは別に塩素消毒しているとのことだが、嫌な消毒臭も全くしなかった。
洗い場は2面にたっぷりと。
カランから源泉は出ず、真湯(真水)を使っていた。
浴場の奥、浴槽の脇に大きな壺があり、どうやら源泉が張ってある。
高温注意とされているが、湯口からは湯が出てなかった。
夜2回目で22時を回っていたので、もう源泉供給を止めてしまったのだろうか。
この状態で温度を測ってみると。。。
湯の投入がないのにしっかり45.3度ある。
かけ湯(上がり湯)ではなさそうだ…浴場の一番奥にあることでもそうでないことは分かるが。
さて、その源泉。
浴槽での色はかなり濃く見えるが、実際は淡い褐色透明。
源泉名は「甲突川左岸12号」。
源泉温度49.9度、pH7.7のナトリウム-塩化物泉。
成分総計は2.866g/kg。
先述通り803m掘削し、湧出量は200リットル/分とかなりの量。
浴槽の温度を測ってみると。。。
42.5度と仕舞い湯の時間でもまさに適温。
しかしオーバーフローがほとんど観察できなかった。
かといって循環もしてないことは間違いなさそうである。
ごつごつした岩の湯口。
ここから確かに湯が投入されているが、この22時過ぎのタイミングでは30度ない透明の水?だった。
理由は分からないが、遅い時間はどうやら源泉の供給を止めるようである…いつもそうかは分からないが、この日はそうであった。
これは早朝に再確認の必要があると思いながら、入浴半顔写真を。
しっかりとしたスベスベ感があった。
翌朝フライングしようと思ったがやや寝坊、6時20分頃に浴場へ
お、浴槽にしっかり投入され、オーバーフローもある
奥の黒壺にも湯の投入あり。
しっかり熱い源泉まんまがドボドボと投じられている
やはりモール臭っぽい香りはなく、ほぼ無臭。
淡い塩味とこれまでによくあった僅かな化粧水っぽい味あり。
あのモール泉の甘味系はなかった。
ここは色味的には植物起源かもしれない褐色系でモール泉のカテゴリーに入るかもしれないが、風味はそれっぽくないのでモール泉と呼べるかどうかは保留とさせていただく。
ザ・モール泉を期待された方、はっきりしないでスンマセン(^-^;
ではこの褐色はどこからくるのか?…もちろん分かりません!
温度は測れなかったが、朝はしっかり新鮮でもう少し熱めの湯だった。
ごつごつ湯口からも、今度は熱い源泉がしっかり投入されている
やはりこうでないとねぇ
ちなみにナトリウムイオンと塩化物イオンの他に目立つイオンはというと、陽イオンではカルシウムの121.3mg、マグネシウムの51.3mg、あとマンガンの5mgというのはやや珍しいか。
陰イオンではミリバル%的にほとんどなく、遊離成分でメタケイ酸が125.2mgあった。
というわけで、完全かけ流し仕様を朝にしっかり確認でき、満足できたのであった。
3日目もしばらくは鹿児島市内の温泉銭湯を巡るので、続きをお待ちあれ。
温泉ホテル 中原別荘
鹿児島県鹿児島市照国町15-19
099-225-2800
GoToトラベルで素泊り 3575円(+地域共通クーポン1000円分)
他にも宿泊プランは様々
車の場合は駐車場代 1100円必要
立寄り入浴不可
入浴時間 16時~23時 6時~9時
<源泉名:甲突川左岸12号>
ナトリウム-塩化物泉 (低張性・弱アルカリ性・高温泉)
49.9度
pH7.7
成分総計 2.866g/kg
803m掘削
200リットル/分
淡褐色透明
ほぼ無臭
淡塩味、微化粧水味あり
しっかりとしたスベスベ感あり
完全かけ流し(早朝に確認)
2020年10月宿泊
※数値はH25の分析書より