いつものように過去記事のまとめを。
Queen カラフルな3rdアルバム「シアー・ハート・アタック」
Queen 過去から現在へつなぐ曲 Doing All Right に絡むお話
Queen フレディがマイケル・ジャクソンと残した録音などなど
Queen ロジャー・テイラーについて思うこと
Queen ブライアン・メイ初めてのソロ・プロジェクトが楽しい
Queen ジョン・ディーコン参加の最後の曲 そしてフレディデビュー前の曲
Queen 映画「ボヘミアン・ラプソディ」三番目のフレディ Marc Martel
Queen フレディ存命中最後の作品 INNUENDO
私が選ぶQueenの最高傑作アルバム Queen Ⅱ
PENTATONIXのボヘミアン・ラプソディ
Bohemian Rhapsody の素敵なカバー Brooklyn Duo
1976年12月10日,クリスマス商戦に間に合わせるべく,イギリスで発売された5作目は A Day At The Races(邦題:華麗なるレース)と名付けられました(日本では,翌1977年1月9日発売)。
アルバム・ジャケットは,「オペラ座の夜」と同じように,中央にフレディの手による大きなロゴマーク,そして下部の大きくレタリングされたバンド名とアルバムタイトル。背景が,「オペラ座の夜」が白で,「華麗なるレース」が黒。
アルバム・タイトルは,「オペラ座の夜」が,アメリカのコメディ俳優マルクス兄弟の1935年の映画 A Night at the Opera(邦題:オペラは踊る)から取られてるのに対し,今作もマルクス兄弟の次作で,1937年の映画 A Day at the Races(邦題:マルクス一番乗り)から取られたもの。
というところから,「オペラ座の夜」と「華麗なるレース」は,対となったアルバムであるだとか,続編であるだとか言われたものです。
しかし,発売時に初めて聴いた時の印象は,「オペラ座の夜」の「予言者の唄」や「ボヘミアン・ラプソディ」のような長尺な曲や複雑な構成をもった曲はなくなり,「華麗なるレース」は,普通にいい曲の集まりであり,発展途上にあった過去4作の行き着いた先,というものでした。
この当時のアルバムって,レコードを買って家に帰る時の様子や,初めて聴いた時の印象って今でもしっかり残ってるんですよね。
一度聴いただけなのに,ちゃんと頭の中に曲が残ってるし。
一ヵ月に何枚も欲しいアルバム買えるわけじゃないからってのもあるけれど,それだけじゃない気がします。
閑話休題
1曲目のブライアン作Tie Your Mother Down(タイ・ユア・マザー・ダウン)は,B面2曲目(CDでは7曲目)の同じブライアン作White Man(ホワイト・マン)でのバックにつながる短いギターフレーズで幕を開け,一点激しいギターリフから,ブライアンのギターとフレディーのボーカルが競い合う表題曲へと展開します。
ライブでも盛り上がる曲ですね。
3rdアルバムのブライトン・ロックに続くブライアンのストレス発散ソングとでもいいましょうか。
当時の私は,レコードの音圧のせいでしょうか,「うるさい曲だなぁ」としか思いませんでした。
ライブを聴いてもそう思わないので,ここらへんが,クイーンのセルフ・プロデュースとこれまでの,ロイ・トーマス・ベイカー作品との聞かせ方の違いなのかもですね。マイク・ストーンだけでは力不足だった?
私的にはA面のハイライトはこれ。4曲目のThe Millionaire Waltz(ミリオネア・ワルツ)です。3拍子のワルツ(一部4拍子の部分あり)は,クイーン初の試みでしょうが,
この楽曲の構成は,けっこう練られてます。プチ・ボヘミアン・ラプソディ?
そしてA面最後にジョン作の小品You and I(ユー・アンド・アイ)。フレディは,ジョンの作る楽曲が好きなんでしょうか。ここでものびのびと歌うフレディの声が生きてます。
ただ,集中して聞かなければ,このA面の2曲目から5曲目までは,ほとんど印象に残らないまま過ぎていってしまうのです。上でも書いたとおり,いい曲,どまりという感じです。1曲目のタイ・ユア・マザー・ダウンが強烈過ぎるってこともあるでしょうが。
なので,B面1曲目のSomebody to Love(邦題:愛にすべてを)が流れると,「オペラ座の夜」のクイーンを期待して聴く耳には,最高に心地よく聞こえます。
アカペラで始まるイントロと,途中のゴスペル調のコーラスがとても効果的に使われて,一度聴いただけで頭から離れなくなってしまいます。
気になるのは,心が折れてしまいそうなこの歌詞。「誰か,僕に愛する人を見つけてくれ」と訴えるフレディの心情はどんなものだったのでしょう。このブログでも,ゲイという表現をしていましたが,フレディは女性も愛しています。つまりバイセクシャルが正しい表現なのかと。で,当時のフレディは,愛のない,心がしばられない行為を不特定多数と行っていたことからも,心の底では,身も心も愛せる人を求めていたのではないかと思うのです。
まぁ,それこそ聴く側が勝手に解釈してるだけで,本当の答えを求めてはいけないのですけれど。
B面3曲目のフレディ作Good Old Fashioned Lover Boy(邦題:懐かしのラヴァー・ボーイ)は,4人が最高に楽しそうに録音してる様子が浮かびます。思わず頬が緩んでしまうような愛らしい1曲です。
ロジャー作のDrowse(邦題:さまよい)ですが,こんな流れるようなゆるやかな楽曲で歌うロジャーも素敵です。クイーンのアルバムの中で聴くロジャーの曲は,本当にいい曲が多いなって思います。
あ,またよけいな言葉を加えてしまいました^^;
なんと言ってもこのアルバムのなかでの一番の話題は,アルバム最後を締めくくるブライアン作Teo Torriatte (Let Us Cling Together)(邦題:手をとりあって)ですね。
ローマ字表記にしたときに,Rが重なってるのはどういうわけだ,ってネタはおいといて^^
だったら,「手を」は,tewoじゃないのか?そこは突っ込まない?
日本語で歌われる2連の詩が,初めて聴いた時は違和感ありまくりでしたけど,理屈抜きで私は好きな曲ですね。
今では,カラオケの高得点を狙うときの1曲です(笑)
今日も長々と最後までお読みいただき,ありがとうございました。
それでは,79年の東京ライブから,「手をとりあって」ご覧下さい。