勢いに乗って,再び Queen(以下クイーン) です。

今日は,フレディ存命中のラスト・アルバム,1991年発表のInnuendo(イニュエンドウ)から。
フレディの死期が近く,歩くこともままならないほど衰弱していた時期に,フレディの健康状態の良い時期に録音をしたため,制作期間が長くかかったアルバムです。
その分,その内容は,とても充実した聴き応えのあるものとなっています。

アルバムとしては,Queen Ⅱのように統一感を感じられるものではありません。しかし,それはQueen Ⅱ以降のアルバム全てが,いい意味で様々なジャンルの曲がごった煮的に詰め込まれたものであったため,今さら驚くことでもないですね。彼らの魅力は,常にノージャンルであり続けながらも,クイーンの音であったというところにあり,それ故にフォロワーの存在を許さなかったところにあると思います。そんな中で,本作は,ここまでの彼らの集大成とも言えるものでしょう。

この作品も詳細は,他の方のブログにゆずって,早速お勧めの曲をご紹介します。全ての楽曲に聴き所があり,全部を紹介したいのですが,今日は4曲だけを。


まずは,1曲目,アルバムタイトル曲の Innuendo(イニュエンドウ)です。この曲は,Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の名曲Kashmir(カシミール)に似ていますね。フレディの追悼ライブで演奏しているので,本人達も隠すつもりはないのでしょう。それでも,そこで終わらない展開が彼らの強み。途中のフラメンコ・ギターは,YES(イエス)のSteve Howe(スティーブ・ハウ)によるもの。彼らが,自身のアルバムでゲストを招いた曲はこの曲のみだったはず。

 



7曲目は,フレディがソロ作品,Barcelona(バルセロナ)のために作られたという All God's People(神々の民)です。ゴスペルを基調にしたロックですが,非常に練られた展開となっています。

 


そして,アルバムの統一感が失われるからと,メンバーの反対をよそに,猫好きとして知られるフレディが,どうしてもこのアルバムに入れたいと駄々をこねた(笑)と言われる9曲目,Delilah(愛しきデライラ)。数いる飼い猫の中で一番フレディが可愛がっていたデライラへの気持ちを歌った曲で,猫好きにはたまらなく理解できる歌詞となっています。ぜひ和訳を探して聴いてください。途中に入るフレディの猫の鳴き真似と,ブライアンのギターによる鳴き真似がとってもかわいい1曲です。

 



11曲目のBijou(ビジュウ)でのブライアンの透明感溢れるギターの音色に続いてのアルバム最終曲は,映画「ボヘミアン・ラプソディ」でもエンドロールの2曲目に流れた The Show Must Go On(ショー・マスト・ゴー・オン)です。このイントロを聴いた途端,それまでの全ての曲が色あせてしまうほど強烈なインパクトを感じさせます。フレディの「もっと生きたい」「もっと歌っていたい」という悲痛な叫びが胸を打ちます。