映画「ボヘミアン・ラプソディ」の中で非常に不満だったことがあります。
それは,1stアルバムを作った後,このQueen Ⅱが取り上げられることなく,いきなり3rdアルバムに入っていた楽曲Killer Queen(キラー・クイーン)のヒットに続くアルバムとしてBohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)の制作の流れになっていたから。
確かに,映画の流れとしては一つ一つの制作過程を取り上げるわけにはいかなかったであろうし,ヒット曲という観点では弱いアルバムでしょう。
しかし,1974年に発表されたアルバムとしてQのuenn Ⅱを,彼らの最高傑作とする評価の声は多いのです。
私個人も,彼らのアルバムとしては一番好きなアルバムであり,結局これを超えるアルバムはなかったのではないか,と信じています。発売からこれまで,Queenのアルバムで通して聴くことが一番多いのが,このアルバムでもあります。
Queen Ⅱは,レコードという特性を生かし,A面をブライアン・メイの「ホワイト・サイド」(5曲目のみ,ロジャー・テイラーの曲),B面をフレディ・マーキュリーの「ブラック・サイド」とコンセプト・アルバムの体をなし,その対比が見事な流れとなっています。
このアルバムの中で,1曲取り上げられた,アルバムの流れの中で楽曲としては多少違和感のあるロジャーの曲は,単独で取り上げるとロジャーのボーカリストとしての力強さ,魅力が感じられ,外せない曲であったこともわかります。
Queen Ⅱのそれぞれの楽曲は,プログレ的な壮大で変化の多い楽曲,オペラチックなコーラスがすでに聴かれ,Bohemiann Rhapsodyの発想がKiller Queenの後に突然出てきたものでなく,必然の流れであったこともうかがえます。
アルバムの制作秘話など,今ではかなり詳しいことがネット上に溢れていますので,ここでは長々と書きません。気になる方は,Queen Ⅱでググってみてくださいね。
何度も書くように,どの曲が,というよりアルバムの流れが素晴らしいアルバムなので,ご紹介が難しいのですが,今回は「ホワイトサイド」を代表する曲として Father To Son(邦題:父より子へ),「ブラックサイド」を代表する曲として Ogre Battle(オウガ・バトル)。。。。
いや,「ブラックサイド」で1曲選ぶのは悔いが残るのでもう1曲,コーラスが美しい Nevermore(ネヴァー・モア)をどうぞ。