K-POPちょっといい話

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keitadjのK-POPブログ "K-POP Never Grow Old"

Red Velvetアイリーンが2018年3月のファンミーティングでこの本を読んだと言っただけでフェミニスト宣言したと非難され、グッズの写真を切られたり燃やされたりした。防弾少年団RMが「示唆するところが格別で、印象深かった」と語った。少女時代スヨンも「何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され急襲を受けた気分だった」とこの本に言及し、自らのリアリティ番組のタイトルを「90年生まれチェ・スヨン」とした。これらのことが影響し、チョナムジュ著「82年生まれ、キム・ジヨン」はキムフン著「刀の詩」(2007年)、シンギョンスク著「母をお願い」(2009年)以来9年ぶりのミリオンセラー(100万枚以上販売)となった。さらに、キムジヨンの男性版「74年生まれユ・シミン」が刊行された。これは、20代に通貨危機、30代に金融危機に遭い、40代の今も明日がない人生に悩む男性を描いた。

 

通常、文学の分野でベストセラーの基準が1~3万冊であり、販売量が伸び悩む最近の傾向の中でのミリオンセラー誕生に大きな社会的波及力を持った。本の内容は女性が子供の頃から結婚出産までに経験する様々な不利益や差別を綴ったものである。この本は韓国のフェミニズム運動を推進し、韓国文学界はフェミニズムとともに盛り上がっていく。

 

ここでは、戦後初めて南北分断を批判的に扱い20世紀の韓国現代文学を代表する小説と言われているチェイヌン(崔仁勲)「広場」(1960年)から70年代のソウルの都市再開発を扱ったチョセヒ著「こびとが打ち上げた小さなボール」(1978年)、80年代の光州民主化運動を扱ったハンガン「少年が来る」から現在の人気作家パクミンギュ、キムヨンス、チョンセラン、チョナムジュまで、おすすめ韓国文学を紹介する。

 

そして最後に、2020年4月に公開された防弾少年団RMの書斎にある様々なジャンルの本を紹介する。

 

 

【おすすめ韓国文学】

 

チョンセラン「屋上で会いましょう」(2018年)力強く生きる女性を描いた

チェウニョン「わたしに無害なひと」(2018年)傷つけ合いながらも一緒に成長する女性たちの物語

ソンウォンピョン「アーモンド」(2017年)感情を持たない少年の成長物語

 

キムオンス「設計者」(2010年)クライムスリラー

チェイヌン(崔仁勲)「広場」(1960年)朝鮮戦争後の南北分断

チョセヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」(1978年)70年代ソウル再開発

チョナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」(2016年)フェミニズム

ハンガン「少年が来る」(2014年) 80年光州民主化運動

イヒョン「1945, 鉄原」(2012年)45年解放後の朝鮮

ファンソギョン(黄晳暎)「モレ村の子どもたち」(2001年)朝鮮戦争直後のモレ村

シンギョンスク(申京淑)「母をお願い」(2008年)母が行方不明

 

パクミンギュ「三美スーパースターズ 最後のファンクラブ」(2003年)82年プロ野球発足

パクミンギュ「亡き王女のためのパヴァーヌ」(2009年)85年ソウルでのラブストーリー

パクミンギュ「ピンポン」(2006年)卓球とともに成長

パクミンギュ「ダブル」(2010年)SFなど短編集

イジン「ギター・ブギー・シャッフル」(2017年)60年代音楽シーン(米8軍舞台)

 

ファンジョンウン「誰でもない」(2016年)短編集

キムヨンス「夜は歌う」(2008年)歴史に翻弄された1930年代の若者たち

キムヨンス「世界の果て、彼女」(2009年)韓国の村上春樹

キムヨンス「ワンダーボーイ」(2012年) 84年の超能力少年

チョンセラン「保健室のアン・ウニョン先生」(2015年)超能力者ウニョン

チョンセラン「フィフティ・ピープル」(2016年)病院での出来事

キムヘジン「中央駅」(2014年)ホームレスの恋

パクミンジョン「モルグ・ジオラマ」(2018年)違法撮影物

 

<番外編>

長谷川洋平「大韓ロック探訪記」

斎藤真理子責任編集 完全版『韓国・フェミニズム ・日本』(2019年)

防弾少年団RMの書斎

 

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チョンセラン「屋上で会いましょう」(2018年)

 

「ヒョジン」と表題作「屋上で会いましょう」が面白かった。

 

「ヒョジン」は家父長的な家の中で育ち、父の反対を押し切ってソウルにある大学に進学したが望んでいたことを成し遂げられず、現在は東京で製菓を学んでいる女性と友人とのおしゃべりを描いた。「屋上で会いましょう」では有名スポーツ新聞の広告部門で働く主人公の女性が、職場での不条理な労働とセクハラに苦しみ、屋上に上がりそこから飛び降りたい衝動をいつも感じている。そんな時に会社の姉から呪文書を受け継いで、最終的に絶望から抜け出す話を盛り込んだ。

 

 

 

チェウニョン「わたしに無害なひと」(2018年)

 

作者は本のタイトルとは正反対に「私には無害な人は存在しないという話をしたかったです」と言う。「誰も傷つけたりしないと信じていた。苦痛を与える人になりたくなかった。だけど、あの頃の私はまだ何も分かっていなかった」というように、傷つけ合いながらも一緒に成長する10代後半から20代初めの女性の7編の物語を綴った。作者が時間が経った後になってしっかりと向き合うことになったあの頃と、時間が経っても消えずに残っているあの時の心、その時間の壁をたどる物語である。

 

16歳の夏に出会った高校生イギョンとスイを描いた「あの夏」、抑圧的で家父長的な家庭に住む小学生ジュヨンとヒョジンの「六〇一、六〇二」が特に面白かった。どれも主人公は女性だ。そこには、女性という理由で受けてきた不平等なことも描かれている。

 

 

 

ソンウォンピョン「アーモンド」(2017年)

 

「感情を持たない」16歳の高校生ユンジェが、暗い傷を持つ同級生ゴニや澄んだ心を持つ初恋相手の少女ドラ、ユンジェを助けたいシム博士、ゴニの父親ユン教授らと関わりながら成長していく物語である。

 

「アーモンド」と呼ばれる扁桃体が小さいため、喜怒哀楽を感じることがなく世界をありのままに見るだけの少年ユンジェが、不良少年ゴニと出会い、周囲が理解できない特別な友情を築いていくところからどんどん引き込まれて行き、さらに陸上少女ドラに恋する展開が面白く、最後は感動。

 

ある8月末にテレビで音楽番組を見ているとデビュー3年目で初めて1位を獲得した5人組ガールズグループが「愛してくださって、ありがとうございます。皆さん、本当に愛しています」と受賞スピーチするシーンを見て、愛という言葉はそんなに気軽に使われていのだろうか、と疑問に思うところから少年ユンジェの初恋が始まった。そして同級生の陸上少女ドラを意識するようになり、彼女とすれ違う時に「彼女の匂いを乗せた風が僕の鼻に入ってきた。初めて嗅ぐ匂いだった。春の新芽の匂いのようであった... その晩は眠れなかった」って、それ恋だよ!おめでとう!ってなった。デビュー3年目で初めて1位を獲得した5人組ガールズグループのモデルはGIRL'S DAYやEXIDと推測されます。

 

表紙のイラストは韓国の作家 0.1 さんの作品。SHINeeテミンが2019年12月5日自宅で行ったインスタライブでテーブルの上にこの本があったことで「テミンが読んだ」と話題になった

 

SHINeeテミンが2019年12月5日自宅で行ったインスタライブで「アーモンド」がテーブルの上にあったことで話題になった(5:15頃)

 

 

キムオンス「設計者」(2010年)

 

顧客からの依頼により暗殺を計画する「設計者」と実際にターゲットを暗殺する「暗殺者」を描いた儚くも切ないクライムスリラー。濃厚な韓国アクション映画を見ているようで面白かった。米国で出版されニューヨークタイムズ「2019年ベストウィンタースリラー」に選定された

 

 

 

 

チェイヌン(崔仁勲)「広場」(1960年)

 

朝鮮戦争時の捕虜交換で南も北も選ばず第三国に出るために船に乗ってインドに渡る青年の苦悩を描いた。李承晩政権が倒れた1960年に発表され、戦後初めて分断の問題を南北両方を批判的に扱った作品。20世紀韓国最高の小説と言われている

 

 

 

チョセヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」(1978年)

 

70年代ソウル市内の無許可住宅から団地に強制移住させられた住民が起こした広州大団地事件がモデル。朴正煕政権の最初で最大の都市蜂起でありソウル市長は住民側の要求を全面的に受け入れた。ギターとパンジーを愛する17歳の娘ヨンヒが愛しい

 

 

 

チョナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」(2016年)

 

Red Velvetアイリーンがファンミーティングでこの本を読んだと言っただけで「フェミニスト宣言した」と非難され写真を切られたり燃やされたりしていたから読むのを躊躇していた作品。女性が子供の頃から結婚出産までに経験する様々な不利益や差別を綴った

 

 

Red Velvetアイリーンが2018年3月のファンミで「最近本をたくさん読んだ。『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ」と述べたことでフェミニスト宣言したと非難されたことも影響し、2007年キムフン著「刀の詩」、2009年シンギョンスク「母をお願い」以来9年ぶりのミリオンセラー(100万部以上販売)となった

 

 

 

 

 

ハンガン「少年が来る」(2014年)

 

1980年の光州民主化運動を死臭漂う遺体安置所で遺族の世話をする中学生ら6人の視点で描く。民主化運動に関わった学生や市民が受けた拷問の描写が生々しく気持ち悪くなったが、筆者は忘れ去られる光州事件を危惧し「若い読者がたくさん読んでくれればいい」と話す

 

 

 

イヒョン「1945, 鉄原」(2012年)

 

1945年8月15日、日本の植民地支配から解放された朝鮮はどんな姿だったのか?年齢、信条、階級が異なる市民は何を考え、どんな夢を見たのか?を生々しく描いたヤングアダルト小説。若者が38度線以北の鉄原を抜け出し京城(ソウル)に向かうところがロードムービー的で興味深い

 

 

ファンソギョン(黄晳暎)「モレ村の子どもたち」(2001年)

 

大人のための童話と異名を持つ小説で、朝鮮戦争直後を背景にモレ村で起ったことを挿絵と一緒に描き出したオムニバス式の小説であり、作家の幼少時代を書いた自伝的回顧談でもある。

 

朝鮮戦争直後と言えば、まだ人の死が身近にあり、混沌としていた苦難の時代である。モレ村の子どもたちはいろいろな体験を重ね、その時代を生き抜き、大人になっていった。

 

主人公スナム(ファンソギョン自身)の視点を中心に10の短編で構成される。中でも、母親に置き去りにされた青い目の少女キナミとの出会いを描いた「金のボタン」、ダンスホールの娘で同級生の美少女ヨンファとの初恋を描いた「ぼくの恋人」、村に来たサーカス団の少年ジョンサミとの物語「姉と弟」が面白かった。

 

母親に置き去りにされた青い目の少女キナミとの出会いを描いた「金のボタン」

 

 

シンギョンスク(申京淑)「母をお願い」(2008年)

 

田舎から上京して行方不明になった母親を家族が訪ねて行く過程を描いた。妻・母である前に一人の女性としての人生を家族それぞれの目線で示す。212万部が販売され、過去10年で中高生が図書館で最も多く借りた書籍1位(国立中央図書館2019年8月)

 

 

 

パクミンギュ「三美スーパースターズ 最後のファンクラブ」(2003年)

 

1982年プロ野球発足元年に超弱小チーム三美のファンになった小学生の生き様を通して80〜90年代韓国激動の時代を描き、競争を強要する社会の問題点を暴露する。不器用な少年の青春時代を覗き見しているようでもどかしくも面白い

 

 

 

パクミンギュ「亡き王女のためのパヴァーヌ」(2009年)

 

資本主義が本格的に稼動し始めた1985年ソウルを舞台に、外見コンプレックスに悩む女性と彼女を愛する青年の恋愛ストーリー。「ラブストーリー(クラシック)」や「建築学概論」といった恋愛映画を観ているようでときめきとせつなさが止まらない

 

 

 

パクミンギュ「ピンポン」(2006年)

 

いじめに苦しむ二人の中学生が原っぱで卓球を始め、卓球用品店の外国人マスターと出会いながら人生を学んでいく。マスターが二人に言った「ラリーの重要性を忘れずにな」が重い。文体は軽いが深い余韻が残る作品。後半はパクミンギュらしいSF要素が強くなっていく

 

 

パクミンギュ「ダブル」(2010年)

 

サイドB「ディルドがわが家を守ってくれました」が圧倒的に面白い。車が売れなくて自暴自棄になったセールスマンが火星に行き、そこで出会った人との交流を通して平常を取り戻すSFファンタジー。火星で出会った「奥様」にディルドを売る箇所は韓国文学史上最も不遜な描写らしい(笑)

 

2枚組LPレコード(ダブルアルバム)へのオマージュとしてタイトルが付けられており、日本版はそのコンセプトに沿ってレコード盤のA面、B面をモチーフにしたブックデザインになった。個人的には覆面作家パクミンギュということで韓国版のメキシコ・ルチャリブレ(プロレス)の覆面レスラーの方が合っている気がする

 

 

イジン「ギター・ブギー・シャッフル」(2017年)

 

韓国の大衆音楽は1960年代に米8軍舞台から生まれたと言っても過言ではない。米8軍舞台は歌手たちに最も安定した生活を保障するだけでなく、トロット(韓国式演歌)一色だった大衆音楽界に新風を巻き込んだ。

 

本書は1960年代前半のソウルを舞台に龍山(ヨンサン)米軍基地内のクラブステージ「米8軍舞台」で活躍する若きミュージシャンの姿を描いた音楽青春小説だ。朝鮮戦争で孤児となった主人公キムヒョンの楽しみは、米軍向けラジオ局(AFKN: American Forces Korea Network)から流れてくる最新のポップスだった。どん底の生活を続けていたヒョンは偶然の積み重ねで、米軍基地内のクラブにギタリストとして立つことになる姿を描く成長小説でもある。芸能プロダクションは政府傘下の軍納入業者であり、所属する芸能人が米8軍で稼ぐ1年分の所得総額が韓国製造業の輸出総利益をはるかに上回っていた時代。芸能人は米ドルを稼いで国民所得の増大に貢献する輸出産業の一員だった。

 

米軍内のクラブで演奏するためのオーディションシステム(A~Dのランク付け)や当時の芸能界に蔓延していた麻薬と暴力についての描写はリアリティがあり興味深い。また、芸能事務所が登場して、実力が優れている歌手が日本やアジア(香港やマニラ)、米国(ラスベガス)へ海外進出をする過程が半世紀が経った現在のK-POP市場構造とかなり類似している。さらに、主人公が新しいバンドを結成した1963年にはコレラが流行り800人以上が亡くなったことや、翌年(1964年)に東京オリンピックを控えていたことは現在の状況と類似している。

 

タイトル「ギター・ブギー・シャッフル」は主人公キムヒョンがギター練習したザベンチャーズの曲名から。主人公の初恋である歌姫キムキキのモデルは1967年米国からミニスカートで金浦空港に帰国し韓国でミニスカートを流行させた歌手ユンボッキや、1989年に韓国での大ヒット曲「離別(イビョル)」で紅白歌合戦にも出演した歌手パティキムであるようだ。天才ギター少年キッドチェのモデルは後に「韓国ロックの父」と言われるシンジュンヒョンである。

 

ユンボッキ率いるKorean Kittens

ユンボッキは1963年フィリピン、香港、シンガポールを経て英国、西ドイツ、スペイン、スウェーデン、米国と順次渡り、1964年から米国ネバダ州ラスベガスで1976年まで活動した。1976年には歌手ナムジン(映画「国際市場で逢いましょう」で東方神起ユノが演じた)と結婚したが1979年に離婚した

 

 

ファンジョンウン「誰でもない」(2016年)

 

平凡な人々が日常的に直面する様々な問題を描いた短編集。少女の失踪を目の当たりにし罪悪感に悩む「ヤンの未来」は韓国未解決事件映画を見ているようで、不慮の事故で妻DDを亡くし部屋の中で孤立する「笑う男」は作者の最新作「DDの傘」にも収録された

 

 

 

キムヨンス「夜は歌う」(2008年)

 

1930年代初め、日本植民地時代の北間島に集まった人々のそれぞれの事情と悲しみを描き出し、彼らが経験した悲惨な現実を生々しく記した。歴史小説であり、切ない恋愛小説であり、そして国家・民族・イデオロギーに翻弄された若者たちの不条理な生と死を描いた小説である。朝鮮人隊員400名以上が親日スパイと疑われて仲間に粛清された民生団事件(反民生団闘争)を扱った韓国初の小説である。

 

 

 

キムヨンス「世界の果て、彼女」(2009年)

 

図書館で一編の詩を目にした青年が詩人の人生に思いを馳せ、愛を語る。まるで村上春樹作品を読んでいる気分になる。表題作は韓国でパステルミュージックからアルバムを出しているworld's end girlfriend(前田勝彦)からインスピレーションを得た

 

 

 

キムヨンス「ワンダーボーイ」(2012年)

 

1984年、15歳の少年ジョンフンはトラックで果物を売って、父と一緒に家に帰る途中に交通事故に遭ってしまう。ジョンフンが見た最後の父の顔は宇宙飛行士のように夜の街の明かりに向かって進んでいたその横顔であった。奇跡的に一命をとりとめ病室で目覚めたジョンフンは、事故をきっかけに人の心の声が聴こえるという「特殊能力」を身に着けるようになる。

 

しかし、ジョンフンは才能開発研究所という施設に入れられ、その超能力は軍部に政治利用されていく...  1988年のソウルオリンピックを目前にした軍事政権下の韓国で、超能力を身に着けたために国家に利用されそうになる少年の成長小説である。

 

キムヨンスは、車の中でworld's end girlfriend(前田勝彦)の「Birthday Resistance」という曲を聴いて、ある少年が宙に止まっている無数の雪片を見つめながら手を伸ばしているイメージが浮かび、そこからインスピレーションを得て本作を書いたと記している。

 

なお、本作は2020年4月5日防弾少年団RMが自分の本棚を撮影した写真を公開した際に、その中に含まれていた一冊である。

 

 

 

チョンセラン「保健室のアン・ウニョン先生」(2015年)

 

他人には見えないものを見てそれらと戦うことができる能力を持つ擁護教諭アンウニョンの日常を描く。

 

「アヒルの先生」と「てんとう虫のレディ」が面白かった。チョンユミ、ナムジュヒョク主演でドラマ化され撮影を終えた。Netflixで2020年上半期公開予定

 

 

チョンユミはNetflixドラマ「保健室のアン・ウニョン先生」出演について、 「撮影しながらこの作品がどのように出て視聴者がどのような反応を見せるかと思った。CGが多く今仕上げ作業中なので期待が大きい。デビューしたばかりの新人俳優がたくさん出演して視聴者がどのようにご覧になるか気になる」と語った。

 

 

 

チョンセラン「フィフティ・ピープル」(2016年)

 

2016年1月から5月までのブログで連載した文章をまとめて出版した。ソウル郊外の総合病院を舞台にタイトル通り50人の人物を話を盛り込んだ。50人のうち何人かは直接的あるいは間接的に繫がっているところも興味深い。総合病院が舞台であるということは登場人物や彼らを取り巻く人々が何らかの理由で病院に運ばれてきたということである。

 

小説の中では一人一人が直面している苦境や悩みを描く。彼らが直面する苦境や悩みは現在の韓国社会が抱える問題そのものである。チョンセランは彼女特有の繊細さと優しさで50人の主人公を見つめ、今あなたが経験している痛みと苦しみは一人だけのものではない、私たちの社会が一緒に勝ち抜かなければならないものだよと伝える。それは次の世代に進むため試練であり、次の世代に向けた筆者の心強いメッセージでもある。

 

特に面白かったには38歳のゴルフキャディー「ヤンヘリョン」と中高年の社交場で働く大学生「ナムセフン」の話だ。これ以外にも感動的な話がたくさん盛り込まれているので是非読んでみて欲しい。

 

 

 

 

キムヘジン「中央駅」(2014年)

 

ソウル駅と思われる中央駅に現れた若いホームレスと、彼のキャリーケースを盗んだ年老いた女性ホームレスのラブストーリー。未来が見えない絶望の中に自ら進んで入り込み、自分たちだけの世界をひたすら生きる二人。絶望の中の愛は救いなのかそれとも破滅なのか

 

 

 

パクミンジョン「モルグ・ジオラマ」(2018年)

 

19世紀のパリの遺体安置所モルグで死体を公開したように現代では様々な媒体によって違法撮影物が楽しい見世物になっており、作家は「写真は魂を奪うことができる現代の武器だ」と訴える。斎藤真理子責任編集 完全版『韓国・フェミニズム ・日本』収録

 

20019年3月に発覚したチョンジュニョンとチェジョンフンの団体チャットルーム不法映像流布事件を想像させて読んでいて辛い。二人は同年11月29日特別準強姦などの疑いで懲役6年と5年の実刑判決

 

 

<番外編>

長谷川洋平「大韓ロック探訪記」(2014年)

 

95年に初めて韓国を訪れレコード屋巡りをする前半の描写が、自分も一緒にレコード屋巡りをしているようでそのワクワク感がすごい。96年にはホンデのインディシーンに潜入して紫雨林(ジャウリム)の前身のバンドを観たり、レコード探しと並行して自らもロックバンドで音楽活動を開始するところがとても興味深い。それから、米八軍舞台の話や音楽鑑賞室セシボンを中心としたフォークブーム、ロック系歌手を取り締まった浄化運動などの話も面白い。韓国音楽シーンのバイブルとして常に手元に置いて読んでいます。

 

 

 

斎藤真理子責任編集 完全版『韓国・フェミニズム ・日本』(2019年)

 

父親が家出し慌てふためく家族を描いた(82年生まれ、キム・ジヨンの)チョナムジュ著「家出」、エキストラが突然スターになるイラン「手違いゾンビ」、違法撮影物を見世物にするパクミンジョン「モルグ・ジオラマ」どれも面白かった

 

 

 

防弾少年団RMの書斎

 

RMは2020年4月5日自分の本棚を撮影した写真を公開した。「日常を維持する」という短い文も一緒だった。新型コロナウイルス感染症拡散の中で社会的距離の維持を奨励するメッセージであった。

 

ファンたちの視線を捕らえたのは彼の本棚にある様々なジャンルの書籍であった。国連演説で話題を集めたRMは芸能界でも有名な読書愛好家だ。ソクラテスから軽いエッセイを盛り込んだ本まで、ジャンルも種類も様々なRMの本棚に見られた書籍タイトルを紹介する。

 

金素月「つつじの花」 

尹東柱「空と風と星と詩」 

村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ」 

キムヨンス「ワンダーボーイ」 

ファンソギョン「見慣れた世界」 

三浦綾子「道ありき」

サマセットモーム「月と6ペンス」 

ドストエフスキー「カラマーゾフが兄弟たち」 

フランツカフカ「変身」 

「ゴンブリッチ世界史」 

ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」 

チョンヘジン「適正心理学あなたが正しい」 

ジョングレイ「男性は火星から、女性は金星からやってきた」

 

 

<終わり>