【韓国文学】フィフティ・ピープル | K-POPちょっといい話

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チョンセラン『フィフティ・ピープル』(2016年)

 

2016年1月から5月までのブログで連載した文章をまとめて出版した。ソウル郊外の総合病院を舞台にタイトル通り50人の人物を話を盛り込んだ。50人のうち何人かは直接的あるいは間接的に繫がっているところも興味深い。総合病院が舞台であるということは登場人物や彼らを取り巻く人々が何らかの理由で病院に運ばれてきたということである。

 

小説の中では一人一人が直面している苦境や悩みを描く。彼らが直面する苦境や悩みは現在の韓国社会が抱える問題そのものである。チョンセランは彼女特有の繊細さと優しさで50人の主人公を見つめ、今あなたが経験している痛みと苦しみは一人だけのものではない、私たちの社会が一緒に勝ち抜かなければならないものだよと伝える。それは次の世代に進むため試練であり、次の世代に向けた筆者の心強いメッセージでもある。

 

特に面白かったには38歳のゴルフキャディー「ヤンヘリョン」と中高年の社交場で働く大学生「ナムセフン」の話だ。これ以外にも感動的な話がたくさん盛り込まれているので是非読んでみて欲しい。