【韓国文学】わたしに無害なひと | K-POPちょっといい話

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チェウニョン 『わたしに無害なひと』(2018年)

 

作者は本のタイトルとは正反対に「私には無害な人は存在しないという話をしたかったです」と言う。「誰も傷つけたりしないと信じていた。苦痛を与える人になりたくなかった。だけど、あの頃の私はまだ何も分かっていなかった」というように、傷つけ合いながらも一緒に成長する10代後半から20代初めの女性の7編の物語を綴った。作者が時間が経った後になってしっかりと向き合うことになったあの頃と、時間が経っても消えずに残っているあの時の心、その時間の壁をたどる物語である。

 

16歳の夏に出会った高校生イギョンとスイを描いた「あの夏」、抑圧的で家父長的な家庭に住む小学生ジュヨンとヒョジンの「六〇一、六〇二」が特に面白かった。どれも主人公は女性だ。そこには、女性という理由で受けてきた不平等なことも描かれている。

 

 

<終わり>