【韓国文学】声をあげます | K-POPちょっといい話

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チョンセラン『声をあげます』(2020年)

 

韓国文学の代表作家の一人に成長したチョン・セランのデビュー10周年初のSF小説集。

2010年に書いた表題作「声をあげます」から10年間書いたSF小説を初の小説集をまとめた。

どれも良かったが、特に、自分の声が原因で16名もの教え子が殺人者になったため、収容所に閉じ込められた英語教師スンギュンが声より大切な心を初めて発見することになる「声をあげます」が面白かった。

また、認知症患者向けに開発された錠剤を一粒飲めば3時間の記憶が鮮明に覚えられるため、「試験に受かる薬」「恋人たちが思い出の時間を覚えておくための薬」として重宝される「小さな空色の錠剤」も実際に起こりうるテーマで興味深かった。