夫婦の年齢差が生まれてくる子供の健康にどのように影響するかを調べている興味深い論文がありましたので紹介します。今月号の論文からです。
この研究では両親の年齢の差と周産期の予後との間に関連があるか評価するために行われている後ろ向き分析です。
2012年から2018年の間にアメリカの国立統計システムから収集された20,613,704件の出産のデータを用い、親の年齢差を11に分類し(4歳間隔)、7個の母親の年齢カテゴリーによって層別化しています。
低体重、かなりの低体重、早産、超早期早産、成長遅延、5分後のアプガースコア、脈拍、顔の表情、活動性、呼吸スコアの低さ、先天性欠損症、染色体異常などの不良な周産期とその関連を評価しました。
結果:両親の年齢差が大きい場合、母親の年齢をコントロールしても、先天性欠損症を除くすべての不良な結果に対してリスクが有意に増加することが示されました。
特に父親の年齢が9〜12歳若い場合、生まれた児は周産期の結果が悪くなる可能性が27%高くなり、逆に16歳以上年上の父親から生まれた児は14%リスクが高くなりました。
結果:母親や父親の年齢と共に両親の年齢差が周産期の結果にネガティブな影響をもたらす事があり、リスクを考慮すべきであることを示唆しています。
特に年上の女性と年下の男性の場合、母親が高齢になるとその影響を悪化させる可能性があります。
この論文から言えること
親の年齢差が大きいほど周産期の結果のが悪くなりリスクが高まることを示しています。
特に年上の母親とかなり年下の父親の組み合わせが最もリスクが高いことが分かりました。
親の年齢だけでなく両親の年齢差も出生時の子供のリスクを評価する際の重要な要因であると言えます。この様な結果は周産期のリスクを予測でき今後の対策を立てる上で重要な情報と言えます。
The association between parental age differences and perinatal outcomes
Human Reproduction, 2024, 39(2), 425–435