二人目希望の方とお子さんの様子をお聞きすることが何よりも嬉しいときです。
これは生殖医療に携わっていて本当に良かったと思うときです。
数年前に大変な思いで初診を受けていたときと、二人目で久しぶりにお会いするときの表情が全く違い、妊娠出産を通して母となり強くなり自信を持っていることを感じます。
そして何より、お子さんの話をするときの幸せな様子を見てとても幸せになります。
私は東京都中央区銀座にある両角レディースクリニックの院長です。
産婦人科専門医であり、また生殖医療専門医でもあります。
専門は不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術です。
毎日、不妊治療、体外受精、顕微授精に携わっております。
専門医の立場から生殖医療に関する正確な情報をお伝えして、出来るだけ多くの方に早く妊娠して頂けたらと思いブログを始めました。
ブログには生殖医療に関係する最近の話題を、わかりやすく書きたいと思っております。可能な限り書籍、文献に基づき記載していく予定です。
また国内外の学会や論文で発表された最新の治療等についても書いていきたいと思います。
できるだけわかりやすく説明したいと思いますが、もし難しい内容があれば気軽にコメントを頂けたらと思います。
詳細はクリニックのホームページ
を見て下さい。
個人のホームページ
も良ければ見て下さい。
ハワイに数年間留学していたので、息抜きにハワイの事も書きたいと思います
どうぞよろしくお願いいたします
以下はこれまで掲載した記事の主なテーマになります。
二人目希望の方とお子さんの様子をお聞きすることが何よりも嬉しいときです。
これは生殖医療に携わっていて本当に良かったと思うときです。
数年前に大変な思いで初診を受けていたときと、二人目で久しぶりにお会いするときの表情が全く違い、妊娠出産を通して母となり強くなり自信を持っていることを感じます。
そして何より、お子さんの話をするときの幸せな様子を見てとても幸せになります。
この1年間一度も胚盤胞にならないためいつも移植ができません。初期胚で移植をしたいと伝えましたがうちでは胚盤胞移植しかしてないからと医師からは断られました。初期胚で移植すべき方はどの様な方でしょうか?
胚盤胞と初期胚移植に関して、「初期胚移植をすべき場合はどのような方が好ましいか」に関してですが、考え方としては以下のようになります。
当院でも他院でもまた多くの論文でも証明されていますが、初期胚よりも胚盤胞の方が妊娠率は有意に高くなります。
そのため妊娠率を考えると胚盤胞移植の方が好ましいことは明らかです。これはエビデンスが出ています。
ただ胚盤胞にはデメリットがあり、一番のデメリットは胚盤胞にならなければ移植ができないことになります。当然ですが移植しなければ妊娠はしません。
「胚盤胞にならないのならば移植しても妊娠しないのではないか??」、この様に考える方が多くいて、その様な疑問を持つことは理解できますが、体外で胚盤胞にならなくても体内なら胚盤胞になり妊娠するケースは多くあると考えています。
その理由として体外と体内でどちらが優れた環境か?ということから考えていかなければいけませんが、それは絶対に体内になります。現在の培養システムは体内の環境を極限まで真似て行われています。
企業の努力で日々進化しており相当イコールに近づいていることは間違いありません。
特にエンブリオスコープの場合には一度も外に出さずに胚を培養できるため様々なマイナス要因を極限まで取り除いています。また胚分割を詳細に観察できるため本当に素晴らしい培養システムだと思います。
ただ残念ながら所詮真似でしかありません。様々なホルモンによる微妙な変化、母体からのシグナル、自己修復機構、未知の要因、培養液の問題など解決すべき点は多くあります。もしかしたらこの辺りは永遠に解決できないのかもしれません。
高齢になると体内と体外のわずかな違いが胚の発育に影響を与えてきます。
若い方の場合そのわずかの差は胚自身に余力があるため、胚の力で修正することができるためどちらで培養しても変化がない様になっています。
高齢の方で体外で胚盤胞ができいない方こそ初期胚で移植をして体内で育てる方法が好ましいということになります。
技術を過信してはいけなく、常に原点である胚本来に好ましい環境を意識しなければいけなく、それはやはり子宮や卵管の中です。
胚盤胞のもう一つの弱点として、凍結融解に弱い胚があるということがあげられます。
初期胚と胚盤胞の大きな違いとして、胚盤胞は発生の過程で構造的に胚の内腔に水が入り拡張してきます。凍結は瞬間的に脱水させ、融解の場合にはその逆のことを行わせます。
高齢の方の胚盤胞はこれらの過程において対応する機能が追いついてこないことがあります。
つまり凍結融解に対して弱いということになります。初期胚の場合胚盤胞と違いそこまでこれらの影響は受けません。
胚盤胞を融解しても凍結前の様に拡張せず収縮が続くのであれば、それは凍結胚盤胞移植が向かないということになります。
この2点が初期胚の方が好ましいと言える点です。
全ての方に通じる方法というものはなく、技術を過信することなく、症例毎に経過を見つつ個別に対応していく事が好ましいのかと思います。
移植する時期に関しての質問が多くありますので以前の記事を再度掲載いたします。
第1子を移植して妊娠出産し、その数年後に二人目を希望して来院します。
産後1年程度で断乳し、移植をする方が多いかと思います。
第1子の時の凍結胚があり移植するとすんなりと妊娠する方が多くいます。
ただここから先が注意が必要で、第1子の時よりも年齢が上がることによる高齢妊娠により母体への合併症が増加します。
例えば妊娠糖尿病、妊娠高血圧症、癒着胎盤、弛緩出血などが明らかに増加します。
特に第1子を出産後に体重が増えたケースではそのリスクが高まります。
もちろん第1子をしっかりと育ててから第2子という考え方はとても大切である一方、凍結胚だけでなく自身の周産期リスクを念頭に入れ、年齢が高い方の場合この辺りを良く考えて第1子を出産したら長い期間という間を空けずに第2子を考える方が良いのかと思います。
胚は若いのですが、自身の体は着実に老化しており、高齢の場合にはやはり早く第2子も妊娠出産をすべきと言えます。
結婚して2年半が経ちましたが授かりません。ここ1年半は排卵日に性交渉をしています。来年で32歳になります。周りはどんどん妊娠していき、自分は生理が来るたびに毎月落ち込みます。できないことは理由があることはなんとなくわかり、そしてなんとかしなければいけないことは分かるものの、自分が不妊と認めるのが嫌であり、そして恥ずかしくもあり怖くもあります。どうしたら良いでしょうか?
このようなご質問がありましたのでお答えします。
日本産婦人科学会のHPにもありますが、「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
つまり1年授からない場合には原因があると考えなるべく早く病院で検査を受けるべきです。
また不妊の原因は女性だけではなく、男性にも半分は原因があるため、必ず二人で受診すべきです。
そして何より年齢が上がるにつれて、年齢そのものが原因になります。
恥ずかしい気持ちや怖いという気持ちは当然であると思います。
ただこれらの事実を踏まえ、先送りはせず二人で正面から向き合い、最優先事項としてなるべく早く専門施設で検査を受けるべきだと思います。
現在は体外受精を含めほとんどの標準的な治療は保険が通り費用面でもかなり負担は減っています。
そして大勢の方が治療を受けて元気なお子さんを授かっています。勇気を出して一歩踏み出しましょう。
採卵数が少ない場合には新鮮移植を行う方が好ましいとの記事に関して質問が多くあります。
これはまさにその通りで、採卵数が少ないという事は妊娠しても副作用であるOHSS:卵巣過剰刺激症候群は起きにくい事になります。
そのためわざわざ凍結して時間をかけ、かつ胚へ負担をかけることなくそのまま移植をした方が良い事になります。
全胚凍結が全盛期の日本において改めてその必要性を考えさせる良い論文であると思います。
ただこの場合において一点注意があります。
それは凍結胚を事前に複数作っておくことがとるべき作戦として考えなければいけない点となります。
もし新鮮胚移植で妊娠して無事に生まれれば言う言事なしですが、流産という問題があります。
流産をすると3か月〜5か月程度治療期間が空く事になります。
このリスクを考えると事前に良好胚を複数凍結して保険を掛けておくことが好ましいと思います。
保険をかけてそのあと新鮮胚で勝負すべきです。
奥様の年齢が上がりとても苦戦しています。刺激方法や受精方法、培養環境など様々改善していますが限界があります。子供が生まれるためには健康な卵子と健康な精子が必要です。卵子が限界にきている中でここを乗り越えるためには旦那様の強い精子が必要です。弱っている卵子を強い精子が卵子内のあちこちを補強してより強い胚に出来ることがわかっています。
女性が高齢でも男性が若いと妊娠率が高くなります。同様に高齢の男性でも健康に気をつけている場合妊娠率が高くなります。つまり女性が高齢の場合、旦那様の協力無しには妊娠という奇跡を成し遂げることは難しくなります。食生活、運動、睡眠、アルコール、喫煙、ストレス、これらをしっかりと気をつけより良い精子ができるような生活を送っていただきたいと思います。
最近の論文に男性不妊の方は内科的疾患の割合が妊孕性がある男性よりも高い事が報告されています。
男性不妊 vs. 妊孕性がある男性
高血圧 17.8% vs. 7.1%
高脂血漿 5.9%. vs. 2.7%
尿酸値が高い 5.2%. vs. 2.0%
そしてこれらの内科的疾患の治療により精液の所見が改善され妊娠率が上昇したと報告されています。ここから言えることとして健康でいることが妊娠率を上げることにつながることがわかります。
Fertility and Sterility p1006–1011.November 2018
Effects of medical comorbidity on male infertility and comorbidity treatment on spermatogenesis
こちらの動画を是非みてください。
治療経過が長くなり、お二人と治療だけでなく
旅行や仕事や日々の事など話す機会が増えます。
会話から感じ取れるお互いへの気遣い
診察の際の仲の良い二人の姿を見て
この二人に子供ができたら絶対に幸せになると本当にそう思います。
そして何より本当に子供を欲しくて頑張っているその姿を見て
どうしても、なんとしてでも妊娠して欲しい、
主治医として妊娠させなければいけない、
そう強く思います。
開催日:1/25(土) 16:00~17:00
次回オンラインセミナーは、PFC-FD(Platelet-derived Factor Concentrate Freeze Dry)がテーマです。
PFC-FDは、PRP(多血小板血漿)に含まれる「成長因子」のみを抽出・濃縮し凍結乾燥させたもので、体内の組織修復・治癒などを促す因子濃縮物です。
患者様ご自身の血液から抽出した高濃度の血小板に含まれる成長因子を子宮内または卵巣内に注入します。血小板由来の成長因子は、細胞の成長をうながす物質や免疫にかかわる物質を含むため、着床不全や卵巣機能が改善される可能性があります。
《オンライン説明会スケジュール》
16:00-17:00 PFC-FDに関するセミナーと質疑応答
当院でのこの3年間の使用経験をもとに丁寧に説明をいたします。
詳細なデータはライブでのみお見せしますので是非ライブでご参加下さい。