移転を決断してから、何度も自分自身に問いかけてきました。
銀座を離れるという決断は本当に正しかったのか。この場所を超えることができるのだろうか。ここまで大きな投資をして良いのだろうか。
長年歩んできた銀座の街を見るたびに、心が揺れることがあります。
それでも、そのたびに私の中で答えは一つです。
私が目指しているのは、銀座にいることではありません。
日本の中心から、世界に誇れる生殖医療を届けることです。
私たちが今回の移転で大切にしたのは、目に見える豪華さではなく、患者さんが安心して治療を受けられる環境をつくることでした。
新しいクリニックは、国内でも最高水準の耐震性能を備えた建物に入ります。
万が一の災害が起きたときにも、大切な受精卵や胚を守り続けるため、液体窒素を自ら製造できる設備を導入します。
また、ビルには停電時でも約3日間電力を維持できる非常用電源が備えられています。 これらは設備を自慢するためではありません。
患者さんからお預かりした大切な命を守る責任があるためであり、そして、その医療を支えるスタッフが安心して働き続けられる環境を整えるためです。
培養室では、胚や精子の取り違えを限りなく防ぎ、安全性をさらに高めるため、世界的に導入が進んでいるRI Witnessシステムの導入も進めています。人の力だけに頼るのではなく、システムの力も活用しながら、限りなく安全な医療を目指していくことが私たちの責任だと考えています。
通院環境も大きく変わります。新しいクリニックは東京駅に直結し、雨の日でも濡れることなくお越しいただけます。
新幹線、高速バスターミナル(地下に国内最大のバスターミナル)、空港からのアクセスも格段に向上し、都内だけでなく全国から通院される患者さんにとって、これまで以上に負担の少ない環境になります。
さらに、ご好評いただいている託児施設も継続し、広さを約2倍に拡充します。改札からバリアフリーでアプローチ出来ます。小さなお子さんを育てながら治療を受ける方にも、安心して通院していただける環境を整えていきます。
私が考える「安心」とは、優しい言葉だけでは生まれません。 安心とは、安全な建物であること。災害に備えた設備があること。最新の医療技術を取り入れること。スタッフが安心して働ける環境があること。そして、患者さん一人ひとりに真摯に寄り添うこと。 そのすべてがそろって初めて、本当の安心になるのだと思っています。
もちろん、この移転には大きな責任が伴います。不安がまったくないと言えば嘘になります。 それでも、不安よりも「もっと多くの方に幸せを届けたい、そしてその責任が我々にはある」という思いです。
より安全に、より確実に、より安心して治療を受けていただける環境を追求し続けること。
そして、一人でも多くの方に新しい命との出会いを届け、その先にあるご家族の笑顔につなげていくこと。それが、私に託された使命だと信じています。
これからも、一歩一歩改善を重ねながら、日本で、そして世界でも「ここなら安心して治療を受けられる」と思っていただける生殖医療クリニックを目指して歩み続けます。















