極真空手の立ち稽古に於ける正拳突きや受け技は、現代と、昭和期や大山総裁の動きには大きな違いがあります。
現代は身体の正中線を体軸にして動きます。
しかし昔は正中線をずらしながら動いています。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
なぜ、変化していったのでしょうか?
良いと思う動きならば、良い動きを継承し続ける筈です。
継承されていないという事は、正中線をずらす動きの良さが認知されてこなかった事を意味します。
そこでこの記事では、
正中線をずらして動くメリット
を紹介します。
・顔面パンチ
ボクシングのような顔面パンチの攻防がメインになる格闘技は、
ヘッドスリップ
ウィービング
スウェーバック
スリッピングアウェー
等、頭部を動かす技術が多彩にあります。
そしてパンチを放つ際はそれらの動きと合わせながら行います。
本来の空手はルールの無い戦いを想定しています。
よって、当然顔面パンチを想定します。
正中線をずらす動きは、ボクシングに於ける
ヘッドスリップに近い動き
だと考えられます。
ヘッドスリップをしながら突きや受けを行う事で、相手の顔面パンチを受けるリスクを減らす事が可能です。
しかし極真ルールは顔面パンチが反則です。
よって、先ほど挙げた頭部を動かす技術は殆ど使わなくなります。
それどころか、不必要に頭部を動かしていると、蹴りを貰いやすくなってしまいます。
むしろ、正中線を維持しながら打撃を繰り出した方が、胴体の打たれ強さが増し、極真ルールには適しています。
・中心軸と二軸
スポーツの世界では、
身体の中心線を軸にして動く運動を中心軸、又は一軸
右肩から右骨盤、又は左肩から左骨盤を結ぶ線を軸にして動く運動を二軸
と表現される事があります。
現代の正中線を維持した動きは中心軸で動いていると言えます。
中心軸のメリットは重心が安定する事です。
昔の正中線がズレる動きは二軸で動いていると言えます。
二軸のメリットは大きなパワーが生まれる事です。
・それぞれのメリットとデメリット
「顔面パンチ」と「中心軸と二軸」について理解する事で、おのずと正中線を維持する動きと、ずらす動きの、それぞれのメリットとデメリットが理解できたでしょう。
〈正中線を維持した動き〉
メリット
・重心が安定する。よって初心者が始めに覚えやすい
・極真ルールに向いている
デメリット
・大きなパワーがでない
・顔面パンチに対応できない
〈正中線をずらす動き〉
メリット
・大きなパワーがでる
・顔面パンチに対応できる
デメリット
・重心が不安定。よって初心者が始めに覚えるのには難しい
・極真ルールに向いていない
昔の動きと、現代の動き、どちらにもメリット、デメリットがあります。
しかし昔の動きのメリットを知る人は少ないと感じます。
なので、しっかりと昔の動きのメリットを理解した上で、それぞれの目的に合わせて選択する事が良いと思います。
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