かっちゃんの民法総則案内ブログ
  • 13Nov
    • 主物と従物

      第87条① 物の所有者が、その者の常用に供するため、自己の所有に属する他のものをこれに附属させたときは、その付属させたものを従物とする。② 従物は、主物の処分に従う。民法は、個々の独立の物は処分の場合においても、それぞれ独立になされることを原則としています。しかし、母屋と物置、家屋と畳・建具、鞄と鍵などのように、二個の物の間に、客観的・経済的な主従結合関係があるとき、これを法律的運命においても、同一に取り扱い、その結合を破壊しないよう要請される場合が多いのです。この要請に応じて、設けられたのが、主物・従物の制度であり、民法第87条は、これを規定したものです。従物の意義については、本条第一項に規定されています。これを分説すれば、次のようになります。まず、従物は、主物の常用に供せられることが必要です。社会観念上、継続して主物の効用を全うさせる動きをすると認められなければなりません。主物の効用を助けるためであっても、一時的に付加されるようなものは、従物とはなり得ません。主物の常用に供せられるか否かは、一般取引上の観念によって定まるべき客観的標準に従って決めるべきで、附属させるものの意思はなんら影響を与えるものではないというべきでしょう。

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  • 30Oct
    • 先取特権・質権などの客体

      不動産と動産の差異について、先取特権における違いがあります。不動産の先取特権は債務者の特定不動産のうえに成立するのに対し、動産の先取特権は債務者の特定動産のうえに成立します。前者は、登記を要件とするが、後者は占有を要件とせず、しかもその動産が第三者に引き渡された後は、先取特権の効力は、これに及び得ないなどの相違が生じます。質権における差異もあります。質権には、動産を目的とするもの(動産質)と、不動産を目的とするもの(不動産質)とがあるが、両者が要件を異にします。すなわち、前者は質物の占有移転をもって質権の成立要件とし、占有の継続をもって対抗要件とします。一方後者は、占有移転を質権の成立要件とする点では前者とは異ならないが、登記をもって対抗要件とする点で相違します。抵当権は目的物の占有移転を伴わないものであるから、抵当権の客体となりうるものは、登記・登録の可能なものに限られます。したがって、不動産には抵当権の設定が認められるのに対し、動産には原則としてそれが認められません。もっとも、戦後における一連の動産抵当立法は、農業用動産・自動車・航空機など、一部の動産について抵当化の道を開くに至っています。その他、無主物の帰属や符合についての法律効果を異にすること、用益物権や買戻し制度は不動産についてしか認められません。また、不動産に限って裁判管轄につき、特別の規定があること、不動産と動産とで強制執行の方法や担保権の実行としての競売手続きが異なることなど、その数は極めて多いです。

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  • 17Oct
    • 動産の公信力

      不動産と動産とを区別する前記(不動産と動産(その7))の二つの理由のうち、第二の理由は、現在なおその意義を有していますが、第一の理由はもはやその社会的意義を失ってよいでしょう。(前記の第一の理由は、不動産は財産的価値においてはるかに動産に勝るという点です。)近代資本主義の発達は、有価証券という財産権を表象・化体する証券を生じさせ、今日ではこれらの証券が財産上重要な地位を占めています。そのうえ航空機・船舶などの効果な動産が現れるに至っては、不動産だけを重要な価値ある財産として保護することは、不適当だからです。かくして、現代の法制においては、むしろ公示方法を異にする点に、両者の区別の重点をおかなければならなくなったと言えます。不動産と動産の法律上の取り扱いを差異について、公示方法における差異があります。不動産の物権変動の公示方法は、登記であるのに対し、動産のそれは、引渡しです。公示方法に関し、我が民法は対抗要件主義を採用しているから、物件変動を第三者に対抗するためには、不動産の場合には登記を、また、動産の場合には引渡しを必要とします。次に、公信力における差異があります。動産の占有には、公信力が与えられていますが、不動産登記にはそれが与えられていません。動産には引渡しという公示方法が採られているが、動産の移転性から言って、それによって第三者に物権変動を明確に認識せしめうることは困難です。そこで、この欠陥を補う方法として、動産の占有に公信力を付与する必要が生じます。即時取得(民法192条)の制度が、これにあたります。なお、不動産登記には公信力が与えられていませんが、これを与えるべきだという積極的見解が一部において、主張されるにいたっているので、注意を要すると言われています。

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  • 10Oct
    • 不動産と動産の区別

      貨幣は、法的支払手段としての価値表象物であり、貨幣の取得はそれによって表象されている一定数額の価値の取得にすぎません。したがって、貨幣は動産の一種ではあるが、通常、ものとしての個性を有せず、価値そのものと考えるべきであって、動産に適用される規定の多くは、貨幣には適用されないと解すべきです。不動産と動産とを区別することは、程度の差こそあれ、古くからすべての法制の等しく認めるところです。その理由としては、一般に次の理由が挙げられます。第一の理由は、不動産は財産的価値において、はるかに動産に勝るということです。歴史的にみても、封建時代においては、土地は宗家の世襲財産として特に重要なる社会的価値を有して、法律上特殊の保護を必要としました。民法が、「不動産その他重要な財産」という文字を用い、不動産をもって当然に重要な財産として、これに関する権利の得喪変更を特に厳格に扱っているのは、このような理由に基づくものでしょう。第二の理由は、不動産の不動性、動産の動性、という性質の差異に由来するという点です。すなわち、動産は、常にその場所を転々とするのに反し、不動産は、容易にその場所を変えないので、そのうえに存する権利を、他人に公示する方法を、異にする必要があります。近世の立法が不動産については登記制度を採用し、その権利の得喪変更すべてを公簿のうえに記載して公示しているのに対し、動産については占有、つまりそのものの事実的支配を公示方法としているのは、このような理由に基づくものです。

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  • 03Oct
    • 動産

      明認方法に関して、判例は、未分離のみかん・桑葉・稲立毛にも認めています。すなわち、いずれも明認方法を施すことによって、独立のものとしての取り扱いを承認しているのです。不動産以外のものは、すべて動産です。仮植中の植木などのように、土地に不着していても、定着物でないものは動産です。樹木も伐採されると動産になります。しかし、理論上は動産とみるべきであっても、船舶・自動車などのように、特別法によって、一般の動産の取り扱いを区別している場合があります。特殊の動産について検討します。無記名債権、たとえば無記名公社債・商品券・乗車券・劇場鑑賞券などのように、証券に債権者を表示せず、債権の成立・存続・行使がすべて証券によってなされる債権です。債権は有体物ではないから、物には含まれないはずですが、無記名債権の場合は、債権が証券に化体され、債権の取引はすべて証券によってなされるので、民法は証券の面からとらえて、無記名債権を動産とみなしています。その結果として、無記名債権の譲渡は、証券の引渡しをもって対抗要件とし、さらに民法192条の即時取得の適用をも受けることになります。しかしながら、現在、有価証券に関する諸制度や理論が著しく整備、発展して、有価証券取引の迅速性や安全性は、動産以上に保護されています。したがって、無記名債権の動産擬制は、もはや実際上の機能を喪失したとみて差し支えないようです。

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  • 26Sep
    • 樹木の扱い

      建物の戸数に関してですが、一戸の建物として登記簿上記載されていても事実上分割して二戸の建物とすれば、二つの建物として所有権の客体となるのですが、その標準としては、建物の物理的構造だけでなく、周囲の建物との接着の程度、連絡の設備、所有者の意思などをも考慮すべきでしょう。判例は、増築部分が独立の不動産となるか否かが争われた事件につき、増築部分を除くと既設部分が経済上の独立性を失う場合には、増築部分を独立の不動産とすることはできないとしています。樹木は、本来、土地の構成部分として、土地所有権と一体をなすものであるが、実際には樹木のみを土地から独立したものとして、取引の目的物とする慣習が、古くから存在していました。しかし、それにも関わらず、法律はこれを土地と一体となすものとみて、登記法上も特別の登記を認めませんでした。その後、立木法が制定されました。この法律によれば、一定の樹木の集団について、土地とは別個に独立して所有権保存登記の道が開かれており、この登記をした樹木の集団は独立の不動産とみなされることになっています。したがって、その条件を満たした流木は、土地から完全に独立した不動産となります。それ以外の樹木の集団や個々の樹木は、明認方法(たとえば、樹皮を削り、あるいは標木を立てて、これに所有者の墨書をするなどして所有権の所在を公示すること)を施して、独立の取引の目的とする慣行が広く行われており、判例も承認しています。したがって、これを施せば土地とは別個の独立したものとして、扱われます。

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  • 19Sep
    • 建築中の建物

      建築中の建物がいつから独立の不動産となるかは、建築中の建物についての権利の変動に際し、重要な問題を生じます。裁判例は、木材を組み立てて地上に定着させ屋根をふき上げただけでは、未だ法律上の建物とは言えないとしています。しかし、建物はその使用の目的に応じて、構造を異にするのであるから、建物の目的からみて使用に適する構造部分を具備する程度になれば建物と言うことができ、完成以前でも登記ができます。また、住宅用でないものは、屋根および囲壁ができれば、床や天井ができていなくても、建物とみることができるとしています。建物が崩壊すれば、もはや不動産ではなくなります。したがって、建物の上に、抵当権が設定されていた場合は、その抵当権は消滅します。ただし、改築をしたり、場所を引き移しても、必ずしも建物の同一性を失わしめるものではありません。同一性を失うとすれば、従前の登記が効力を持たなくなり、その上の抵当権も消滅するから、その決定は慎重になすことを要します。建物の構成部分と解せられる、ひさし・湯屋の洗い場の如きは、建物の一部であって独立のものをなすものではありません。建物の戸数は、土地と異なり、登記簿によるのではなく、社会観念によって決せられます。したがって、登記簿上一戸の建物として一用紙に記載されていても、事実上分割して二戸の建物とすれば、二つの建物として、それぞれ所有権の客体となります。

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  • 12Sep
    • 土地の定着物

      土地の定着物も不動産とされています。土地の定着物とは、継続的に土地に固着し、しかも固着して使用されることが、その物の取引上の性質と認められるものを言います。定着物のうち、最も代表的なものは建物です。その他、樹木、石垣・沓脱石の類い、さらには機械も、それが土地または建物に造りつけられたときは、定着物となります。しかし、造り付けの程度は、具体的な場合に即して決しなければならず、工場内においてコンクリートの土台にボルトで固着させられた程度では定着物とは言えません。樹木は、一般に定着物ですが、仮植中のものは、定着物ではなく、動産です。定着物はすべて不動産ですが、その不動産としての取り扱いには差異があります。その差異により、①石垣・沓脱石のように、土地の一部として土地の権利の変動に当然に従い、独立の不動産とは認められないもの、②建物のように、土地とは別個独立の不動産として扱われるもの、③樹木のように両者の中間に位するもの、の3種に分けることができます。建物は、土地の定着物ですが、土地とは別に登記の制度が設けられ、独立の所有権の客体となります。したがって、建物はいかなる場合にも、その土地の上の所有権、その他の権利に吸収されることはありません。同一人が、土地とその上の建物を有する場合にも、土地と建物とは、別個の所有権の客体となります。

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  • 15Aug
    • 土地の一部の取引

      不動産の一筆の土地の一部について、実際の取引においては、分筆手続前に一筆の土地を、当事者が事実上区分して、その一部を売買する例が、少なからず存在します。判例は、当初これを否定的に解し、買主は所有権を取得し得ないものとしていました。しかし、後に改め、その部分が当事者間において、具体的に特定している限り、買主の所有権取得を有効と解しています。また、一筆の土地の一部について、他人の取得時効が完成し得るか、という問題に関しても判例は、時効取得はもっぱら占有だけを基礎とし、公示方法たる登記とは無関係に認められているとの理由をもって、これを肯定的にとらえています。満潮時には海水下に没し、干潮時には地表を海水上にあらわす干潟の土地所有権が問題になったケースにつき、判例は、海はいわゆる公共用物であって、特定人による排他的支配は許されないから、そのままの状態では、所有権の客体たる土地にあたらないとしています。公有水面埋立法に基づく埋め立て免許を受けて埋め立て工事が完成したのち、竣工認可がされていない埋立地が土地所有権の客体となるかが争われたケースがあります。この点について、判例は長年にわたり当該埋立地が事実上公の目的に使用されることもなく放置され、公共用財産としての形態、機能を完全に喪失し、その上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく、これを公共用財産として維持すべき理由がなくなり、同法に基づく原状回復義務の対象とならなくなった場合には、土地として私法上所有権の客体となるとしています。

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  • 15Jul
    • 不動産

      第86条① 土地及びその定着物は不動産とする。② 不動産以外のものは、すべて動産とする。③ 無記名債権は、動産とみなす。本条は、物を、不動産と動産に分類した規定です。後述のように、民法は不動産と動産とでその取扱いに著しい差異を設けているため、特に規定されたものです。本条一項は、土地を独立の不動産としています。土地とは、地表を中心として人の支配及び利用の可能な範囲内で、その上下に及ぶ立体的存在です。したがって、地中の岩石・土砂は土地の構成部分をなすものであって、土地と別個のものではありません。ただ、鉱業法は一定の種類の未採掘の鉱物に関して、その採掘取得の権能を国に留保しています。よって、その適応を受ける鉱物は土地所有権の内容に含まれません。土地は、本来、物理的に無限に連続しているものでありますが、便宜上これを人為的に区分し、一筆ごとに地番を付して登記簿(登記記録)の表題部に登記し、その個数を計算しています。一物一件主義の建前からすれば、土地の所有権は、一筆の土地に一個成立するのみで、一筆の土地の一部については成立し得ません。したがって、一筆の土地の一部の処分も、またなしえないものと言わなければなりません。このような場合には、分筆をして二個の土地として処分するべきでしょう。

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  • 15Jun
    • 物の定義

      第85条この法律において「物」とは、有体物を言う。① 法律上、排他的支配の可能なものであるという点では、発明・意匠・著作物などの、いわゆる無体物としての性格を持つ知的創作物も、有体物となんら異なるところはありません。② だが、この無体物を民法上の「物」としてこれに所有権を認めたとしても、それが具有する性質上の特殊性のゆえに、その法的内容は、民法の所有権に関する規定によってそのまま規律されるのに適せず、それぞれ特許権、意匠権、著作権として特別の規定により復せしめなければならないこととなり、法技術的にはまったく無意味なものとなってしまいます。③ そこで、本条は民法上の「物」を有体物に限定したものです。以上の趣旨から明らかなように、本条は、物権・特に所有権との関連において、異議を有するものです。④ 本条に言う、有体物とは、空間の一部を占める外界の物質、すなわち固体・液体・気体のすべてを含むというのが通説です。有体物であっても、生きている人の身体は、権利の客体とはならないから物ではない。ただし、身体から分離した歯・毛髪・血液などの人体の一部は公序良俗に反しない限り、物として取り扱われます。⑤ 法律上、物として取り扱われるのは、人の支配が可能なものでなければなりません。太陽とか星などの天体は、有体物ではあっても、民法上での物ではありません。また、空気とか海洋のように、誰でも自由に支配し利用し得るものも、物とは言えません。

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  • 01Jun
    • 法人の登記

      第36条法人および外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。① 自然人とともに、私法上の権利義務の帰属主体となる法人については、公益を目的とする法人、営利事業を営む事業、特定非営利活動を行う法人や学校法人、宗教法人などその他の目的の法人など、すべての内国法人の成立は、法定によるものとしています。(法人法定設立主義)② そして、本条ではこれらすべての内国法人だけでなく、外国法人についても、登記をするものとしています。法人は、私法上の法律関係における法的主体となることが予定されていることから、法人と取引関係に入ろうとする者に対して、取引上必要な事項、その存在・組織・財産状態などを容易にすることができるように公示することが要請されます。③ そのために、民法その他の法律で、それぞれの法人に適合した一定の事項を、公の帳簿に記載し、公示させることにしたわけです。このように、法人につき登記を必要とするのは、取引安全の保護の要請によるものです。④ 本条は、法人登記の効果について、定めめるものではありません。平成18年改正民法では、登記の効果としては、それぞれの法人の根拠法で定めるものとしています。ちなみに、一般社団法人ないし一般財団法人の設立の登記を成立要件とし、その他の登記を対抗要件としています。特定非営利活動法人の登記は対抗要件です。

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  • 20May
    • 外国法人(その2)

      ① 外国人たる自然人に権利能力を認めねばならないとの同じ必要に基づいて、①外国および外国の行政区画、②外国会社、③外国の非営利法人で法律または条約によって特に認許されたものに限ってわが国では、私法上での権利能力を認めています。認許された外国法人は、日本に成立する同種の法人と同一の権利能力を有するが、外国人が共有し得ない権利、および法律や条約で特別に制限された権利は、これを許容し得ません。② 認許されない外国法人は我が国法上、法人とは言えませんから、その代表者または代理人の行為は個人の行為として取り扱う他はありません。もっとも、我が国において、法人と類似の組織を有すれば、権利能力なき社団としての地位は認められます。③ 外国法人が、日本に事務所を設けて活動する場合には、我が国の取引界とかなり密接な関係が生ずることが予想されるので、民法は次のような登記義務を規定して、その組織内容を公示することにしました。④ すなわち、日本に事務所を設けた場合には、第三者の利益の保護のため、民法第37条1項所定の登記をしなければなりません。事務所移転の場合も同様です。登記をしない外国法人には、代表者に50万円以下の過料の罰則適用があります。また、外国法人がはじめて事務所を設けた場合に、その登記をするまで、第三者は法人の成立を否認することができます。

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  • 13May
    • 外国法人(その1)

      第35条① 外国法人は、国、国の行政区画および外国会社を除き、その成立を認許しない。ただし、法律または条約の規定により認許された外国法人は、この限りでない。② 前項の規定により認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。ただし、外国人が共有することのできない権利および法律または条約中に特別の規定がある権利については、この限りでない。1. 外国法人とは、外国法に準拠して設立された法人です。日本法に準拠して設立した内国法人に対する用語です。内国法人と外国法人とを区別する標準については、一般には、日本法によって設立され、日本に住所を有する者が内国法人で、そうでないものが外国法人であると解されています。2. 外国法人は、我が国法によって法人格を与えられたものではなから、我が国内で当然に権利能力を有するものではありません。民法は、一定の範囲内で、外国法人もまた我が国の領土内において権利能力を有し得るものとし、その監督をすることにしています。外国法人を認許することは、この意味においてである。認許とは、新たに権利能力を与えるのでなく、外国法人として権利主体であることを承認するものです。3. 民法により認許される外国法人は、外国、外国の行政区画および外国会社に限ります。外国会社とは、「外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のものまたは会社に類似するものをいいます。」。外国の公益法人ないし非営利法人は、法律または条約で認許されたものを除いては、認許されません。

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  • 01Mar
    • 法人の能力(その2)

      法人は、性質による制限があります。したがって、法人は精神的苦痛の損害賠償、いわゆる慰謝料請求権の如き権利も共有できないとされています。なお、昭37年の民法の一部改正で、相続人がないときは、被相続人の特別縁故者に相続財産を分与し得る規定を設けました。この縁故者に養護老人ホームのような法人が含まれることを注意しなければなりません。法人の権利能力は、法によって付与されたものですから、その権利能力の範囲も法令の制限に服します。しかし、一般的に法令の規定で権利能力を制限したものはなく、たとえば、法人は、他の一般法人の役員(理事・監事)や評議員になることもできないという規定や、法人は株式会社の取締役や監査役になることができないという規定のように、個別的制限が存するだけです。法人は、一定の目的のために組織され活動するものですから、その権利能力の範囲もその目的によって制限されます。法人は、その目的の範囲外の権利能力を共有できないわけです。たとえば、育英事業を目的とする財団法人は営利事業を営むための営業権を持つことはできません。判例は、営利法人に関しては、定款の目的自体に包含されない行為であっても、目的遂行に必要な行為は、法人の「目的の範囲」に属するものと解しています。

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  • 12Feb
    • 法人の能力(その1)

      民法第34条法人は、法令の規定に従い定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。法人はいかなる種類の権利を、いかなる範囲で持つことができるか、というのが法人の権利能力の問題です。そして、法人は、いかなる種類の行為を、いかなる範囲でなすことができるか、さらに、何人がいかなる要件の下に、いかなる行為をしたときに法人の行為となるか、というのが法人の行為能力の問題です。本条は、法人の権利能力の範囲を示すとともに、その行為能力の範囲をも示すものと解するのが通説的考えです。本条は、法人一般に適用される根本理論であることから、通説的規定として民法におかれています。法人も、自然人と同じく法によって法人格を付与された者であるから、権利能力を共有します。共有し得る権利は、財産権はもちろん個別的な人格権的諸権利、たとえば団体の名称を専用する権利、名誉権などである。したがって、法人の名誉が侵害された場合にも、法人に損害賠償請求権があるとされます。法人の権利能力は、その性質・法令・目的によって制限されます。法人は、自然人のように生命・肉体を有しないから性・年齢・親族関係に関する権利義務(親権、未成年後見人となる権利、婚姻・養子縁組・扶養の権利・義務)などは、共有することができません。

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  • 31Dec
    • 法人の成立等

      民法第33条①法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。②学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。本条は、法人の成立、法人の設立・組織・運営および管理について、民法その他の法律の定めるところによるという、法人法定主義を宣明したものです。その判断基準は必ず法律によって定められることになります。ここで法律とは、国会の可決した法律を意味します。法人を認める基準については、種々あります。現在では、法人の種類または性質に応じて、次の諸主義がとられています。①特許主義法人を設立する為には、特別の法律の制定を必要とするという主義です。日本銀行・日本放送協会・日本年金機構などが、これにあたります。②認可主義法律の定める要件を具備し、主務官庁の認可を受けることによって、法人が設立されるとの主義です。農業協同組合・医療法人・学校法人が、該当します。③認証主義法人格取得に関し、所轄庁の認証を要するという主義です。宗教法人・NPO法人は、これによっています。④準則主義法人の設立要件を、予め法律で一定しておいて、この要件を具備すれば当然に法人とする主義です。会社・一般社団法人・労働組合などが、これに該当します。⑤強制主義国が、法人の設立または法人への加入を強制する主義です。司法書士会・税理士会などが、該当します。⑥当然設立主義法律上、当然に法人とされる主義で、地方公共団体・相続人不存在の相続財産などが、該当します。

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  • 09Oct
    • 同時死亡の推定

      民法第32条の2数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後に、なお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。数人が死亡し、その死亡時期の先後が分明でないことが、要件とされます。この場合、同一の危難である必要はなく、異なる土地で、別々の危難により死亡した場合でも、適用されます。また、一方の死亡時刻が分明であっても、他方が不分明で、前後が定まらない場合でも、よいとされています。効果は、数人が共同の危難により死亡した場合など、死亡の前後が不分明なときは、同時に死亡したと推定されることです。推定ですから、年齢・体力・死体発見場所・法医学的推定などを、判断資料とする反対立証により覆せます。しかし、わずかの差が大きな影響を及ぼすので、同時死亡の推定を破るためには、充分明確な反証を必要とします。同時死亡というのは、死亡の前後を区別せず、死亡者相互の相続を認めないという事です。父と子が、同時死亡すれば、お互いに相続しません。つまり、父から子、子から父への各相続は生じません。ただし、子に孫がいた場合は、父の遺産は、孫に代襲相続されます。同時死亡の推定による相続がなされた後に、死亡の先後が明らかとなり、推定が覆されたときには、真の相続人による相続回復請求権が、行使されることになります。また、保険金や損害賠償金が支払われていた場合には、すでに給付を受けている者に対して、不当利得返還請求権が行使されることになります。

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  • 08Oct
    • 失踪の宣告の取消し(その3)

      失踪の宣告が取り消された場合、身分関係はどうなるのでしょうか。たとえば、夫の失踪宣告後、妻が、姻族関係終了届および復氏届を提出した後、夫が復帰し失踪宣告が取り消されたときは、妻が再婚前であれば、婚姻は回復するでしょう。問題となるのは、残留配偶者が再婚している場合です。①再婚当事者双方が善意であれば、前婚は復活しないと解するのが、通説および実務の取扱いです。②再婚当事者の一方、または双方が悪意であるときが、問題です。通説の考えは、再婚当事者のいずれか一方でも悪意であれば、失踪宣告取消しにより、前婚が復活して重婚状態を生じると解します。そして、後婚につき取消原因、前婚につき離婚原因になる、といっています。失踪宣告によって財産を得た者は、取消しで権利を失います。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、財産を返還する義務を負います。ここにいう財産取得者とは、失踪宣告を直接の原因として財産権を取得した者です。つまり相続人・生命保険金受取人・受遺者などを、いいます。ところで、この場合の財産返還義務者は、善意の利得者に限られるのか、悪意者でもよいのか問題です。通説は、悪意者への適用を排除しています。なぜなら、失踪宣告の誤りを知りながら財産を相続した者が、現存利益の返還で許されるのは、失踪宣告を信じた者の保護という制度趣旨に反するので、善意者に限っているのです。なお、財産取得者が、即時取得・時効などの要件をみたすときは、失踪宣告の取消しがあっても、その財産取得には影響がないとするのが、通説・判例です。

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  • 07Oct
    • 失踪の宣告の取消し(その2)

      失踪宣告の取消しは、家庭裁判所の審判により行います。この点、失踪宣告が、審判により行われるのと同様です。なお、失踪宣告を取り消す審判、および失踪宣告取消し請求を却下する審判に対しては、即時抗告をすることができます。失踪宣告取消しの結果、失踪宣告の効果として生じた、身分上・財産上の変動は、なかったものとされます。したがって、婚姻は解消されず、相続も開始しなかったものとされ、移動した財貨は、もとに戻されることになります。しかし、これでは宣告を信じた者に、思わぬ損害を与えることになるため、民法は、二つの例外を規定しています。その一は、「取消しは、失踪の宣告後、その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない」(第32条1項)との、善意の行為そのものの効力維持です。その二は、「現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う」(同条2項)との、返還すべき財産の範囲に関する特則です。善意の行為の有効性維持に関して、「善意」とは、失踪者が生存していること、あるいは宣告と異なる時期に死亡していることを、当該行為の時に知らないことです。財産関係に関して、たとえば、被宣告者の相続人が取得した相続財産を売却し、それが転々譲渡されたとしましょう。通説・判例は、取引両当事者が善意の場合に限り、その行為の有効性を認めています。したがって、この場合、被宣告者は、相続人・譲受人・転得者いずれかに、悪意者がいる場合には、財産を取り戻すことができます。    

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