従物の第二の要件として、従物は特定の主物に附属すると認められる程度の、場所的関係にあることが必要です。

 

従物の第三の要件として、従物は独立したものであることが必要です。二個の物のうち、一方が他方の構成部分となり、または両者合して単一の物と認められるような場合には、主物・従物の観念は生じません。

 

したがって、たとえば、料理店に配置された石燈篭や五重塔は、土地の従物となりえます。しかし、土地の構成部分と認められるほどに密着符合させられた石や砂利とか、あるいは既存建物を物理的に拡大ないし延長した増築部分などは、それぞれ土地あるいは建物の従物ということはできません。

 

なお、主物・従物はともに、動産であるか不動産であるかを問わないから、二個の不動産の間にもこの関係は成立します。したがって、物理的には離れている納屋・便所・湯殿なども、他の不動産に対する従物となりえます。

 

従物の第四の要件として、主物と同一の所有者に属することが必要です。二個の物の法律的運命を共通にさせることがこの制度の趣旨であることから、これによって第三者の権利が不当に害されることになってはなりません。そこでこの要件が、設けられたとみるべきです。

 

このような趣旨、すなわち、第三者の権利を不当に害しないようなら、所有者を異にする二個の物の間にも、主物・従物の関係の成立を認め、ただ、他人の権利を害しない範囲において、従物は主物の法律的運命に従うものと考えることも可能となるでしょう。

 

そこで、一部の学説は本条一項の趣旨を拡張して、債権関係にこの理を認め、また、他人の所有に属する従物も即時取得の要件を満たせば、主物とともに物権取得の客体となりうると解しています。