いやはや甲府にかくも人が集まるとは?!どうやら「信玄公祭り」を舐めておったようでありましたよ。生まれも育ちも甲府で、今も在住する友人の曰く「この祭りの日は雨が多い」てなことですが、覗いてみて5日の土曜日はお天気に恵まれていたからか、またちょうど桜が満開という時季のあってか、より多くの人出でにぎわっていたのかもしれませんですな。
会場のひとつになっている舞鶴城公園には、飲み食いの屋台がたくさん繰り出していて、シートを広げてもっぱら花見という人たちも。ただ、このお祭りは「蘇る戦国歴史絵巻!世界最大の武者行列」を売りにしていますので、舞鶴城から出陣して街中を練り歩く甲州軍団こそがメインイベントであると。
もっとも、舞鶴城(甲府城)は武田軍団とは縁もゆかりもない場所ですけどねえ…とか、世界最大を謳うも武者行列は日本のものなのでないの…とか、興を殺ぐようなことが浮かんだりもするところながら、それはそれとして祭り気分に染まるのも一興と、街角で配布していたかような被り物を頭に載せて、甲府の町をふらふらしたのでありましたよ。
で、もひとつ街中で配布しておりましたのが、「2025年度信玄公祭り公式ガイドブック」なるもの。50頁にも及ぶ冊子を無料配布するのは意気込みが感じられますな。もちろん、かなりの部分を地元の広告で占めているのは、この手のものによくある話ですけれど、なにかと経費節減のターゲットにされやすい広告費、たくさんの地元企業や事業主が広告掲出に応じているというのも、また祭りに掛ける心意気でもありましょうか。
ところで、武者行列の主役を飾るのはやっぱり武田信玄ということになりますが、この役割は毎年、TVなどで有名な俳優を呼んできているようす。とはいえ、公式ガイドブックの表紙から想像されるのはどうも信玄のイメージにちとそぐわぬような気が。どうしても、武田信玄といえば甲府駅前にどっかと腰を下ろした像こそがぴったりでもありますし。
となれば、白羽の矢が立つのは松平健とか…てなふうに思ってしまいますが、2025年の信玄役は元宝塚の紫吹淳であるそうな。公式ガイドブック表紙のイメージはそんなキャスティングを反映していたのでしたか。
しかしまあ、16時に始まる出陣式に目指して、あちこちから武者隊が三々五々集まってくるという、このゆるさもまた祭りの一環、のんびりした雰囲気を醸しておりましたよ。
と、これがいざ出陣となりますと、颯爽とした姿になったりするのですな。それにしても、徒武者も騎馬武者も女性の参加者が結構多いようで。そりゃ、総大将の人選にも影響するてなところかもしれませんですね。
で、肝心の武田信玄本陣隊が行列を繰り広げるころ、すっかり出来上がって千鳥足てな状態になっておりました。まあ、うららかな春の一日を昔馴染みの友人と楽しく過ごしたことこそが、個人的信玄公祭りだったわけでありますよ。