バンコク観光のメインイベント的なワット・プラケオ と王宮 を訪ね、人出の多さに些か辟易したところで、次の目的地はあまり観光客が立ち寄らなさそうな場所を目指すことに。移動に使ったのはまたしてもチャオプラヤ川の水上バス でありました。
下船と同様にターチャーン船着き場を利用しますが、がらんとしている…ように見えるのは日向が暑いからですね。船を待つ人たちはみな屋根の中にいて、結構な人数が水上バスを待っておりましたよ。
川を少々下る水上バスの中からは対岸に聳えるワット・アルンの仏塔を眺めらるのでして、バンコク観光の本来的なゴールデンコースとしては、ワット・プラケオと王宮、次いで対岸のワット・アルンを訪ね、また川を渡り返してワット・ポーに立ち寄るというものになりましょうなあ。
とりわけワット・アルンは(英語ではTemple of Dawnというところから)三島由紀夫の小説『暁の寺』の舞台ともなっていることから、日本人には根強い人気スポットになっているのではありますが、一度訪ねたことがありますので(といって、30年も前の話ですけれど…)今回はパス。人も多いでしょうしね。
で、それらの一大観光スポットをパスして向かったのは、船着き場で二つくらい下ったラーチニーからほど近いサイアム博物館なのでありましたよ。タイ国政府観光庁日本事務所HPには「「タイ国がどのようにしてできたのか」をテーマに、タイ人とタイ国のルーツを探り、今に至るまでの歴史を知ることができる博物館です」と紹介される施設です。
うっかりしていたことに博物館の外観を取り忘れてしましたが、この大きな階段室を巡る壁面のようす(個人的に言うところの洋菓子のような色合い)からコロニアルな建物とはご想像くださいまし。
ともあれ、館内の展示方法は実にさまざまであって、上の紹介にありましたように「タイ人とタイ国のルーツ探り」をいろいろな形で気付かせるような形になっておりました。上の部屋の場合は、壁に引き出しやら扉やら仕込んでありまして、気になる展示に近いところを開いてみるという仕掛けですな。
例えば、いかにもタイらしいと思われる三輪タクシーの「トゥクトゥク」に関しては、日本との関わりが紹介されていたりも。さもそのオリジンに日本のダイハツが製造した三輪トラック「ミュゼット」があるように語られることがありますが、実際の起源としてはイタリアからということのようです。
1948年に生産されたピアッジョ・アペ(Piaggio Ape)が始まりで、その後に日本のミュゼットが1960年から輸入されるようになり広がったと。ちなみに「トゥクトゥク」の名称は三輪トラックがたてる音をそのまま名前にしてしまったようですな。
タイという国の歴史にまつわる辺りは別のところで触れましたので、ここではちと雑多な印象とはなりますが、「ほお!」てなところをちらほらと。まずはタイらしさの感じられるものなどを。
筒型の小銭入れ?とも見える代物は他の土地ではみかけないものですけれど、説明には「Bus ticket vending tube」と。今回の旅で路線バスに乗ることはありませんでしたが、水上バスの車掌さんも同じものを持っていましたなあ。乗客で溢れかえる船内で、これを振ってじゃらじゃらと音を立てながら検札に回り、乗車券ならぬ乗船券を持っていない人には切符を売って、ここからお釣りを出したりしてましたですよ。
一見したところでは単なるビール?と見えますが、説明書きに曰く「Beer-on-ice」とありました。要するにビールのオンザロックでして、タイでは他の飲み物を冷たく飲む方法として、ビールにしても同様というわけのようです。
そういえば、河畔のテラスレストランで食事をしたときにビールを頼んだら「氷は?」と聞かれましたっけ。それと知らずに「そういうものか…」とお願いしてしまいましたですが、道端の露店で同じことをすると一発でおなかがアウトになっていたかもですなあ…。
食べ物の話となりますと、「外国名前のタイ料理」なんつう展示も。中には「Tokyo Roll」なるものが見受けられ、てっきり春巻きのようなものかと思いましたが…。
説明に曰く「もちろん東京には存在しない」と断ったうえで、これはデザートであるというのですなあ。「red bean paste as their filling」とあるところをみると、あずきというか、あんこが入っている菓子の類らしい。あんこ入りのところから「八つ橋」とか「どら焼き」とかの和菓子の連想を経て、東京ロールとなった…らしいっす。
と、展示のほんの一端ながら長くなってしまいました。時間をかけてよくよく見て回れば、突っ込みどころ満載のタイらしさが他にも数多発見できる場所でないですかね。空いているのは幸いですが、空いているのがもったいない気もしたサイアム博物館なのでありました。