…てなふうな旅立ちのきっかけでもって、大宮駅から山形新幹線「つばさ」に乗り込んだ次第でありますよ。最新型のE8系が投入された出発便だけあって、大宮を出ますと福島まではノンストップで1時間足らず。速いですなあ!

 

で、福島駅でもって連結していた仙台行きの東北新幹線を切り離すしますと、その先はご存知のとおりに山形新幹線、線路が在来線仕様となりますので、やおら新幹線らしさが無くなってしまう…。せっかく大宮から福島まで1時間足らずで藤茶しながら、福島から山形まで1時間強かかってしまうとは、なんとも残念な路線ではありませんか。ですので、この日にまず目指した仙山線の山寺駅には、乗り継ぎの時間帯によってはともすると東北新幹線で仙台へ出て仙山線に乗った方が良いということになったりもするようで。このあたり、山形県民の方々にとって仙台の近接感といいますか、もっとも近しい大都会感はあるだろうなあ…と、この先にもつらつらと考えたりしたものです。

 

とはいえ、山形へ行くというのに仙台経由というのは…という(非常に個人的な)こだわりもあり、山形新幹線利用で山形駅乗り継ぎを選択したわけですが、福島駅を出たとたんにローカル線色が至って濃くなる。米沢に抜けるまではほとんど山の中といった感じですものね。と、そんな旅情が醸されてきたところで、ふっと耳にとまったのが新幹線の車内アナウンスなのですな。もっとも、車掌による到着駅の案内とかそういうのではなくして、車内販売のお知らせの方でして。

 

曰く「数量限定とはなりますが、『牛肉どまん中弁当』も販売いたしております」と。「はて、どまん中弁当?」と思ったところへまた都合よく?ワゴンが通りかかったものですから、ついつい「どまん中弁当ってどんなんですか?」と尋ねてしまったという。どうやら駅弁愛好家(個人的にはそこまで行ってないわけでして)の間では夙に知られた名物駅弁であると、ほのかに山形弁(たぶん)が香るおだやかながらも熱い口調で聴かされたものですから、つい「ひとつください!」というひと言が口を突いて出てしまいました(笑)。当初の目論見では山寺駅を下車したところで何か昼飯をと考えていたですが…。

 

 

ということで、少々早めの昼食をてに入れたところで「あら、これは米沢名物であったのであるか…」と思ったり。今回は米沢素通りなんですけれどねえ…と、折しも米沢駅を過ぎたところで、山形駅到着までに食べ終わろうと食し始めたのでありました。

 

 

それにしても開けてびっくり(予備知識が無かったもので)、ものの見事に牛肉弁当ですなあ。ただ、弁当のネーミングの由来は敷き詰められた牛肉の下に隠れたご飯のようでして、山形県産米「どまんなか」が使用されているのであるそうな。これを「ふっくら炊き上げ、その上に特製のタレで味付けした牛そぼろと牛肉煮をのせた牛丼風のお弁当」(製造販売元・新杵屋HP)であるということで「牛肉どまん中弁当」と。出来立てではありませんので、多少ぼそつく感はありましたけれど、冷めてもおいしくいただけるという駅弁のキーポイントはしっかり押さえられておりますな。味付けがしつこくないので、何度でも食べられるのが人気の元でしょうかね。

 

 

なにやら話は山寺への道というよりもすっかり駅弁に向いてしまいましたですが、そうこうするうちに新幹線は山形駅に到着。15分ほどの待合せで仙山線の快速電車に接続し、山寺駅に向かいます…が。なぜに人影が見当たらないのであるか。山形県の県庁所在地であるのに…と思うところですけれど、ちなみに山形県の人口(2024年6月1日現在)は101万4千人余で、県下最多の山形市は24万人余だそうな。県の面積は全国9位の広さでありますのに。うむむ…。

 

と、このあたりのこともこの先で触れることになりましょうけれど、ここではちと仙山線の隣のホームに停車していた可愛らしい塗装の列車に目がとまったのでありまして。上の写真では柱の陰になって停車中の姿が見えませんので、ちと近づいてみるといたしましょう。

 

 

電光掲示板には「普通 ワンマン 11:56 左沢」とありまして、「おお、これが左沢線であるか」と。もったいぶって読み仮名と付けてませんが、よくある難読地名の一つに挙がる「あてらざわ」ですなあ。難読と言っても至って易しい漢字が使われながら「そんな読み方、あり?!」てなものでありましょう。同じ沿線にある寒河江(さがえ)駅もまた難読に挙がるかもしれませんですねえ。

行先がに傍らに停まっていた別の車両をご覧くださいまし。

 

閑話休題。左沢線はともかくとして右のホームに停車中の仙山線快速に乗って20分ほど。これでも普通列車よりは少々早く着くのでしょうけれど、単線なので途中で列車のすれ違い待ちが無ければもっと早く着くはずですが、なにはともあれ、山寺駅に到着と相成りました。目指すは言わずと知れた宝珠山立石寺…ながら、ちと長くなってきましたので、地獄の石段登り?は次の機会にということで。