少々のお休みを頂戴して出かけておりましたが、つつがなく戻ってまいりました。梅雨どきという季節柄、また各種施設のお休みが単純に月曜とは限らない点でも苦労はありましたですが、取り敢えず。ともあれ、出向いた先はざっくり「東北」とだけ、またもったいぶってしまいましたけれど、山形へ行ってきたのでありますよ。
ですが、やおらこの時期に山形へ出かけようとなりましたのは、予め何かしらの思い入れなどがあったわけでもないのですなあ。旅立ちのきっかけとしては、ひとえにJALのマイルが中途半端に溜まっていたから…と言えましょうか。
ふと気づけばこのマイル、放っておくと10月には失効してしまうということのようでして、ではこれでどこかへ行けるのか?となりますと、それがまた中途半端な溜まり具合なればこそ、東京-セントレア(中部国際空港)間か、東京-山形間くらい、それも片道にしか使えないのですなあ。余談ながら、マイル利用で予約を入れたとたんに、JALが国内線特典航空券で基本マイルから片道最大2,000マイル引きなんつうタイムセールが始まったのには口あんぐりと。これが使えていたら、行ける候補地が格段に広がったのですが…。
と、後悔先に立たずは措いといて、名古屋方面は昨秋に「美濃瀬戸やきもの紀行」の旅をしてきたところでしたので、それならば山形へ行くか…くらいの感覚だったという。東京から山形へ出かけるのであれば、新幹線で十分(その方がむしろ便利)ながら、ほかしてしまうくらいならてなものだったわけでして。
ということで往路を新幹線、帰路をJAL便として山形に出かけるにあたり、さてとどこを訪ねたものか…ということが思案のしどころでありましたよ。山形市へは以前(もう10年も前になるのでしたか…)出張で出かけた折の休憩時間を使って、山形城やら最上義光歴史館やら山形美術館やら山形市郷土館やら、市内のめぼしいところは見て回っていたものですから。で、ミュージアム系で行ってないのは山形県立博物館か…となりましたときに、同館HPを覗いてみれば、「おお!」と。最上川をクローズアップした特別展が開催されておるではありませんか。
最上川はいえば、ちょいと前に山梨県立博物館で水運の300年を顧みた富士川と並んで、日本三急流のひとつに数えられていることが思い出されますし、また松尾芭蕉が『おくのほそ道』に残した名句を思い浮かべたりも。ここでやおら気分は「山形にでも行くか」から「そうだ、山形へ行こう!」となったわけでして。
山形県立博物館の特別展はもとより、芭蕉ゆかりの山寺や最上川、そして最上ついでに思い出したのは最上徳内の記念館もあったような…と、あれこれ出て来たお目当てに、一気呵成とプランニングを進めたですが、あいにくと「京阪淀川紀行」のときのように出向く先々を京阪電車が頻繁に結んでいるのと異なって、JR山形線(要するに奥羽本線ですな)のダイヤたるや、かなりお寂しい限りの状況(ま、指宿枕崎線ほどではありませんが)に難儀することしきりでありましたですよ。
さてと、そんなこんなのプランニングの結果、そしてその場その場で大きな変更を強いられつつも行って帰ってきた山形の土産話、またゆるゆると振り返ってまいりたいと思っておる次第でございます。どうぞよしなに願います。