（後編）20年前に何も告げずに自らこの世を去った父。

さてこちらは、前の記事の続きです。（命日ホロスコープ占い７件目です）

「命日ホロスコープ占い」とは？・・・

ご依頼者にとって大切な方が天に旅立たれた日（＝命日）の星空のチャートとご依頼人のチャートを合わせて読むことで、魂と魂の関係性を読み解いていくという試みです。

誕生日占いがこの世での生き方を読み解けるものであれば、命日はもう一つの大切な節目と考え、生きている人にとってのメッセージが含まれているという仮説に基づいたものです。

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命日が教えてくれるメッセージ

さて、命日の日はグランドクロスといって星たちの配置が十字架のように真四角に配置される日でした。専門用語でいうと「固定宮のグランドクロス」です。

★蠍座の火星

★日食（獅子座の太陽）

★牡牛座の土星

★水瓶座の天王星

の４点が形作ります。

グランドクロスという図形は、その昔「凶角度」の代名詞のように言われてましたが、破壊と創造の力の強さを物語る形です。

しかもその一点を担当するのが日食の太陽なのでパワフルといえばパワフルです。

グランドクロスといえば、私が思い出すのはAppleのスティーブ・ジョブズの出生ホロスコープです。彼はグランドクロスを持っており、パワフルな創造と破壊を繰り返し、大きな功績を成し遂げた人です。

鏡リュウジ先生は、ジョブズのグランドクロスは「この世界に実現させようとする自己犠牲的な努力や激しい情熱を示します。強いカリスマを感じさせる配置。」と表現されています。

惑星の構成は違いますが、そんな同じグランドクロスが形成されたのが命日。

トキオミさんいわく「天国で楽しくやっていると信じているが実際どうなのかが気になる。」とおっしゃってましたが、それに関してはどうも「楽しくやっている」というよりは、天に召されても尚、「果敢にチャレンジし続けるお姿」がイメージとして浮き上がってきます。

私自身、命日は故人にとってはもう一つの誕生日だと考えています。そう考えると、お父様が地球にいらっしゃった時に様々な制限で成し遂げられなかったことを、天でその続きとして取り組まれている・・・と言った感じでしょうか。

★蠍座の火星

★日食（獅子座の太陽）

★牡牛座の土星

★水瓶座の天王星

この組み合わせには、本当にお父様の魂の意志の強さを感じます。

寄り添うお父様の魂

そして、命日が形作るグランドクロス。その十字架の一点である、日食（獅子座の太陽）に息子さんであるトキオミさんの「土星」が重なり、関わっているというのは、親子（天地）での共同創造の一つのポイントではないかと思います。

「土星」はこの世での役割、責任、着地点です。

一度はお父様が旅立たれたショックで、人生のビジョンがリセットされてしまったトキオミさん。

・社会的に成功するとはどういうことなのか？
・社会的に貢献するとはなんなのか？
・他の人に対して貢献するとは？責任とはなんなのか？
・生きるとは？しあわせとは？

といったことを改めて、命日を起点に問うていくことになるのです。

そして、その問いかけには、ちゃんと着地点が用意されており2006年にそこに達することになっていたようです。

なぜなら2006年はトキオミさんのサターンリターンの年。占星術的にサターンリターンは社会的な自分の姿が整う時とも言われますし、更に

１）命日の日の日食がトキオミさんの土星に重なっていた。

２）トキオミさんは山羊座生まれで、山羊座にとって土星は支配（守護）星といってトキオミさんのパーソナリティにとても影響する星だ。

という点から見ても、そう考えられます。

つまり、トキオミさんのパーソナリティの中でコアな要素である土星をお父様の太陽（日食の太陽＝まさに冥界の太陽）が、ずーーーーーっと寄り添ってらっしゃる、ってことなのです。

そして、ここで私は再び「もしかして・・・いや、そんな出来すぎた話はないでしょう・・・。」と思い、こちらのトキオミさんの著書を読み返してみると・・・

ああ、やっぱりでした。

2006年は、トキオミさんの今後を決定するような師匠と出会われた年だったのですね。ここにもお父さんの計らいがあります。

もしお父様が生きてらっしゃったなら、ご自身でトキオミさんの社会的な成長に寄り添いたかったはずです。トキオミさんの人生で起こる葛藤や疑問に、父として生きている時のように答えたかったはずです。

そのお父様の思いと、トキオミさんの「社会でどんな風に生きればいいんだろうか。」という思いが「トキオミさんの人生に大きな影響を及ぼす師匠との出会い。」という形で地上で現れていたのです。

お父様にとっての命日

前編で私は「鑑定前にご本人からお話を伺っている際、お父様の信頼感のようなものが私の中に流れてきた。」という感覚についてお話ししましたが、これについてはホロスコープを読んでみて腑に落ちました。

お父様は、ご家族を始め、お仕事で関わられた方など、この世に残された方に対し並々ならない信頼感をお持ちだったようなのです。

それはどこか「自分の死さえ許してくれるはずだ。わかってもらえるはずだ。」という信頼感です。

実際、長い年月をかけて、トキオミさんも昇華されてきたのだと思います。

私は「責任感が強いお父様だったんだなあ。」という印象を受けたのですが、ホロスコープにはグランドクロスなど、大変力強い確固たる思いがにじみ出ていました。責任感だけではこの頑固さ・・・は出ません。信頼感だったのですね。

そして日食という光を失った太陽は、天国でちゃんと輝いていてトキオミさんを照らし続けていた、そしてトキオミさんも移りゆく人生の中でその光を受け取ってらっしゃった訳です。日食の光を受け取るということは、あちらの国で輝いている光を受け取っていると例えられるのではないでしょうか。

日食によって天岩戸の中に隠された光は、お父様の命の光でもあり、トキオミさんにとっては人生のゴールのような光でした。一見、その光は失われたように見えましたがお二人の間では光のやりとりはされていたのです。

お父様にはそれが全部わかってらっしゃったんじゃないか・・・と思うほどです。

お父様は、この世を去られる前は、ご家族にも何もおっしゃらなかったとのこと。それはなぜでしょうか。これは星を読ませていただいた上での、私の想像ですが「自死を止めることができなかった。」という感覚をご家族に一切味あわせたくなかったし、そういう痕跡を残されたくなかったのだと思います。それ程、自分で固く決めてしまわれたのだと思います。

ただでさえ、受け入れがたい「自死」という自分の選択がご家族に与える影響は、もちろんよくわかってらっしゃいました。もちろんお父様の苦悩は計り知れないものがあったでしょう。

だからこそお父様は「私はこれで良かったと思っているんだよ。」と言い切ってしまいたかったのではないでしょうか。それ以上のことは残したくなく、あの世に旅立ちたかったと思えてなりません。

お父様の告別式は、その地域ではお祭りがあり、花火が上がっていたそうですですが、大変お父様らしい日取りだと思いました。

「私はこれで良かったと思っているんだよ。」って声が聞こえてきそうです。

（何度も言いますが、この鑑定は自死の是非を問いたいのではありません。ただ星のチャートから私がそう感じるし、見えるという話を率直にお伝えしています。）

物語は続きます

お父様の生き様は、誰よりもそれを見てこられたトキオミさん自身が知ってらっしゃると思いますし、ここまで読んできた命日ホロスコープにもそれが現れていたのではないかと思います。

しかし、トキオミさんの人生の物語は、もちろんまだまだ続きます。

お父様の生き様を超え、現実を創造していかれることになります。

そして、どのような物語なのかは、トキオミさんの土星が教えてくれます。土星は様々な経験を経て、いろんな次元へと成長していかれるように思います。

トキオミさんの土星は少し特殊でした。（獅子座の逆行土星、インターセプト）

簡単にいうと、マトリョーショカ人形のように幾重にもなっている土星です。実態がいくつもある、というか本質にたどり着くまでの仕掛けがたくさんある・・・といった方がいいかもしれません。

土星を発揮し出すのは、一般的には５５歳以降といわれますが、現在は４０歳代前半でらっしゃるので、そこに向かってらっしゃるプロセスの中にいらっししゃるといえます。これからも多くの躍進を遂げていかれるでしょうし、重要な役割を担っていかれるのだと思います。

また現在、トキオミさんをはじめ生まれサイン山羊座の方全てに言えることですが、来月から木星が山羊座に入り、12年に一度の拡大期が訪れます。2020年も大きな一つの節目となられることでしょう。

すでに生前のお父様を越えられている部分もすでにあると思いますが、内的に更に越えていかれることがテーマになってきます。なぜならお父様はそのためにずっと寄り添って来られたのですから。

親は子供に自分を越えていって欲しい存在です。

しかし子供は親をどこか越えちゃいけない、と思うものなのかもしれません。

「お父さんの幸せを見届けてから。」という思いをどこかに持ってしまうものかもしれません。もちろん無意識の中で。

でも、トキオミさんは更に更にそういった次元の思いを越えていかれます。

なぜなら、日食は「生まれ変わり」を象徴し、その生まれ変わりの太陽が、トキオミさんの土星に寄り添っているということは、土星という制限を超えていって欲しいと願うお父様の思いに見えるからです。

（土星は制限をも象徴します。日食は突破力とも言われます。）

つまり「私を超えて欲しい。」という願いです。

何かしら、お父様とはまた違った

新しい貢献の形

これを創造していかれるのではないかと思います。

そういう時期だからこそ、今まさにそういうタイミングでこの鑑定をご依頼いただいたのだと思います。

お名前の公開を承諾いただいての公開鑑定となり、本当にありがとうございました。

天国のお父様。鍵を与えていただきありがとうございました。ご本人にお父様の思いをお伝えできていれば幸いです。

トキオミさん。この度はご依頼ありがとうございました！

鑑定を終えて

今回もベストなタイミングでの鑑定だったと思います。

お父様の命日から20年の年月を経て、ご本人の中では色々な思いはすでに昇華されていたと思います。ですので、この鑑定は昇華させるためというより、確認というか、言語化しておくことに意味があったのかもしれません。

個人的には、あたたかく強いエネルギーをずっと感じていましたし、トキオミさんが様々な出会いを通してご自身を向上させて来られたプロセスそのものに、お父様の魂がずっと寄り添って来られたことも感じました。

「残された方々」のことに関してお父様は「信頼している」という以外あまり何も浮かび上がらないことも印象的でした。

普通は、残された方々への「すまない気持ち」や「心配事」とかあるのでは？と想像してしまいますが、そういう感じはしなかったのです。

最初、私はお父様の懐の深さを感じつつも、鑑定が終わる頃には、トキオミさんをはじめ残された方々の懐の深さを感じるというところに着地しました。

星読みとはいえ「死」をテーマにすることは、まだ躊躇がなかったわけではありません。でも、こうして「死」を言葉にすることは、「生」を言葉にすることでもあり、毎回生きることに私自身が向き合わせていただいていることは、とても貴重な体験ではないかと思っています