（後編）突然亡くなった父。僕に何か言いたいことがあったのではないか。

この記事は、命日ホロスコープ占い（case6）

（前編）突然亡くなった父。僕に何か言いたいことがあったのではないか。

の続きです。

「命日ホロスコープ占い」とは？・・・

ご依頼者にとって大切な方が天に旅立たれた日（＝命日）の星空のチャートとご依頼人のチャートを合わせて読むことで、魂と魂の関係性を読み解いていくという試みです。

誕生日占いがこの世での生き方を読み解けるものであれば、命日はもう一つの大切な節目と考え、生きている人にとってのメッセージが含まれているという仮説に基づいたものです。

命日ホロスコープ公開占い募集はこちら＞＞＞

かげした真由子のプロフィールはこちら＞＞＞

さて、つづきです。

お父様の星が語りかけるもの。

こうして、一連のM雄さんの人生の流れが、命日と重なったサターンリターンを節目に変わっていったのですね。

次にM雄さんのお父様がどんなことを語り掛けられているか、読み解いていきましょう。

お父様はとてもストレートな方でしたが、そのストレートさは、根っからの豪快さや寛容さから生まれたものではなく、自分の繊細さを感じたくないための防御であったように思います。

奥様の心のお病気についても、どこか問題と感じていながらも、「問題と思いたくない！」と強く思われていたかもしれません。

M雄さんは「もっと早く問題に対応していれば」とおっしゃっていましたが、これはなかなか難しかったこともお察しします。

●なぜならば、M雄さんにとっては、この家族が日常だったわけですから、何が問題かなど見つけづらかっただろうというのが理由の一つ。

●そして、もう一つの理由は、お父様自身が「一人でなんとかしようとしていた。」ことにあります。いや、厳密にいうとお父様にとっては「どうしようもない。」という諦めや苛立ちのようなものに近かったかもしれません。

そんな様子のお母さんに接するお父さんを見て育ったM雄さんとしては、お父さんのあり方を尊重せざるを得なかっただろうことは想像できます。

なかなか複雑な状況だったのではないかと思います。

その複雑さの上に、お父さんは「この問題を感じたくない！見たくない！」というベールをかけていました。何かを曖昧にすることで、生きやすさをなんとか手に入れてこられたのかもしれません。

お父様が一番伝えたかった事はなんだろう・・。

そして、お父様のチャートを読み、長め、感じ・・・お父様の命日のチャートから聞こえてくるメッセージはこうではないかと思うのです。

「私は、自分が抱えている問題を

　誰かに委ねることが

　できない人生だった。

　問題解決を何処か、

　あきらめることで、

　自分を保ち続けることが

　私の生き方になってしまった。

　でも、M雄には同じ道を

　歩んでほしくない。」

と私には聞こえます。

思うのですが、家族間で起こる愛情表現は、時として、第３者、もはや身内でも理解できないものがあります。お父様はまさにそのタイプかと。

お父様は生前、苛立ち、諦めながらも、お母様のことを大切に思ってらっしゃったと思います。もちろん息子さんたちのことも。

さて、あと少し・・・今回は一気に書いてしまおうと思います。

M雄さんと命日の関係性。

さて、お父様の旅立ちの日である命日のチャートはM雄さんにどう関係してくるでしょうか。

M雄さんのチャートのアングル（縦軸IIC-MC軸）に、命日のドラゴンヘッドとテイルが重なっています。

これは、未来を切り開きたい自分が社会へと出ていく配置でもあると同時に、自信がなくなると過去に閉じこもってしまう自分がいる状態でもあります。

自立欲求と、役割を抜け出すことへの罪悪感とがシーソーのようになっています。でも、その葛藤の中にお父様がエールを送っています。

もう一つ、アセンダントに（横軸）命日の海王星が乗っています。

実は海王星は、お父様を代表する天体です。（お父様の出生時の太陽と海王星と月は重なっています）

そのお父様の星＝「海王星」がＭ雄さんの行動のきっかけを表すアセンダントに乗っている・・・。

例えるなら、M雄さんの行動力や決断力に関わるところをお父様がしっかりとサポートしてらっしゃるんですね。

「M雄ならできるだろ。」

とおっしゃっているようです。

すでにお父様の意思を継がれています。

「これから先は、お前が決めていいよ。」と、そうおっしゃっているようにも、私には見えました。お母様のことも、自分のことも「自分が決めてやればいい。」とおっしゃっているようです。いささか、占星術のセオリーからは外れた読み方になりますが・・・。

これは、お父様がご家族に対して持っていた課題を、M雄さんに自分と同じ形で引き継がせたくないお父様の愛情の現れだと思います。
↑
この２行にお父さんからのメッセージ全てが凝縮されています。

誤解を恐れずにいうと、お父様はご自身の死をもって、この「苛立ちと諦め」で行き詰まっていた問題を手放されたようにも思います。

お父さんのアイデンティテイは、いつもご家族の問題とともにあったのです。
だから問題を手放すことは、自分でなくなることに等しかったのかもしれません。

でも、息子さんであるM雄さんには、自分と同じように問題を背負わないでほしい、と思ってらっしゃった訳ですね。自分と同じような愛情表現はしなくていいと、M雄はもっといろんなやり方を知っているだろうと・・・。

実際、現在は、お母様は治療を受けられ、M雄さんはお母様とも時折会話を楽しむことができ、子供の時の自分が救われたような経験をなされているとか・・・。

そういったことをお聞きしますと、お父さんの意思は、M雄さんによってしっかりと尊重されていると思います。