緑内障は、眼球内部の圧力の眼圧が高くなることによって、網膜神経節細胞の変性とそれに伴う視神経乳頭の変化を特徴とする進行性の視神経疾患群で、
発症に伴って徐々に視力を失っていく病気です。
今の医学での原因ははっきりしておらず、遺伝やストレス、加齢によるものだといわれています。
なぜ眼圧が高くなるのかというと、眼球を循環している房水という水の循環がストップすることで、眼圧が高くなります。
その房水が流れる排水管をシュレム管といい、そのシュレム管が何らかの要因で目詰まりするからです。
このシュレム管が目詰まりを起こす要因について、リスクファクターを紹介します。
緑内障はステロイド剤の長期使用による副作用によって起こることがあります。
ステロイド剤はストレスホルモンであるコルチゾールを薬にしたものですので、
ステロイド剤やコルチゾールがリスクファクターとなります。[1]
また、テルグリドやプロモクリプチンといったプロラクチンというストレスホルモンを抑える薬が効くことからも、プロラクチンというストレスホルモンが関係しています。[2]
血管攣縮、偏頭痛、近視の急激な進行、無呼吸症候群、糖尿病などがあることから、
セロトニンや代謝障害もリスクファクターとして関係します。[3]
また、酸化ストレスや炎症もリスクファクターとなります。[4]
酸化ストレスについては多くの文献でも示唆されており、
酸化ストレスの増加ならびに、内因性の抗酸化物質の低下も確認されています。[5][6][7][8][9]
そして、ミトコンドリアの機能障害も緑内障のリスクファクターです。[10]
代謝障害については、代謝をアップさせるナイアシンアミド(注:ナイアシンではない!)に緑内障への改善効果がみられています。[11][12]
甲状腺眼症(TED)は甲状腺機能低下によって起こりますが、甲状腺眼症の患者は緑内障の有病率が高いことが確認されています。[13]
これらのことから、ストレスホルモンによる異化、酸化ストレス、代謝障害、甲状腺機能低下といったものが主要なリスクファクターとなります。
つまり、低血糖やプーファ(多価不飽和脂肪酸)による酸化ストレスや代謝障害に注意し、
甲状腺機能を回復させることが、緑内障改善への道筋になります。
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【参考文献】
[1]Steroid-induced iatrogenic glaucoma
Ophthalmic Res . 2012;47(2):66-80.
[2]The effects of lisuride, terguride and bromocriptine on intraocular pressure (IOP)
Br J Clin Pharmacol . 1989 Feb;27(2):159-63.
[3]Glaucoma history and risk factors
J Optom. 2017 Apr-Jun; 10(2): 71–78.
[4]Immunomodulatory and Antioxidant Drugs in Glaucoma Treatment
Pharmaceuticals (Basel) . 2023 Aug 22;16(9):1193.
[5]Oxidative stress in primary open-angle glaucoma
J Glaucoma . 2008 Jun-Jul;17(4):263-8.
[6]Expression of nitrotyrosine and oxidative consequences in the trabecular meshwork of patients with primary open-angle glaucoma
Invest Ophthalmol Vis Sci . 2008 Jun;49(6):2506-11.
[7]Oxidative stress markers in aqueous humor of glaucoma patients
Am J Ophthalmol . 2004 Jan;137(1):62-9.
[8]Evaluation of oxidative stress markers in aqueous humor of primary open angle glaucoma and primary angle closure glaucoma patients
Curr Eye Res . 2014 Aug;39(8):823-9.
[9]Oxidative stress markers in patients with primary open-angle glaucoma
Curr Eye Res . 2010 Apr;35(4):295-301.
[10]Energy Metabolism in the Inner Retina in Health and Glaucoma
Int J Mol Sci . 2021 Apr 1;22(7):3689.
[11] Glaucoma as a Metabolic Optic Neuropathy: Making the Case for Nicotinamide Treatment in Glaucoma
J Glaucoma . 2017 Dec;26(12):1161-1168.
[12]Niacinamide and Neuroprotection: The Glaucoma Holy Grail
J Curr Glaucoma Pract. 2022 Sep-Dec; 16(3): 141–143.
[13] Associations Between Thyroid Eye Disease and Glaucoma Among Those Enrolled in the National Institutes of Health All of Us Research Program
Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2023 Jul-Aug; 39(4): 336–340.
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