先日、認知症基本法というものが制定されました。
認知症でも希望をもって暮らすためにというのが、基本方針のようです。
認知症は今や年々増加傾向にあります。[1]
予測では、2060年に高齢者人口の3人に1人が認知症を発症するといわれています。
さて、脳や神経の病気で共通しているものがあります。
それが酸化ストレスです。
酸化ストレスは他にも、心疾患やがんなどにも共通しています。
酸化ストレスは、身体の中で発生する活性酸素が起因となっています。
その活性酸素が、さらに反応性の高いハイドロキシラジカルとなって、
さまざまなものを酸化させることで、病気になる可能性を持っています。
その中でも特に酸化すると厄介なのが、
現代型の食生活で多用していて、現代人の脂肪の多くに含まれる多価不飽和脂肪酸(プーファ)です。
プーファが酸化すると、4-ハイドロキシ-2-ノネナール(HNE)、4-ハイドロキシ-2-ヘキサナール(HHE)、アクロレイン、マロンジアルデヒド(MDA)、アイソプラストン、ニューロプラストンといった過酸化脂質が発生します。
酸化ストレスの結果で作られる過酸化脂質が、脳や神経の病気で共通しているものとなります。
前にも同様の記事がありますが、
さらに深掘りして、
今回は、脳や神経の病気について。
次回は、それに関わる文献を多数紹介します。
脳や神経の病気には何がある?
脳や神経の病気では、神経が変性してしまうのが確認されています。
アルツハイマー病は、認知症の60〜70%の原因となっていて、
最近の出来事が思い出せなくなったり、言語障害、徘徊、意欲や気分の低下などが起こります。
少しずつ身体機能が失われ、診断後の余命は3〜9年とされています。
脳にβアミロイドという異常なタンパク質が蓄積することが原因とされています。
日本での推定患者数は、入院患者で約 5万人いると推定されています。
パーキンソン病は、手の震えや歩行困難など、運動障害が起こります。
進行してしまうと、自力での歩行が困難になり、車椅子や寝たきりの生活になります。
40歳以上の中高年の発症が多く、65歳以上になると更に増加します。
日本での推定患者数は、関連疾患では約 10万人以上いると推定されています。
多発性硬化症は、神経線維を覆うミエリン鞘が破壊される病気で、
視力障害、感覚障害、運動麻痺などの神経症状が再発と寛解を繰り返す指定難病です。
日本での推定患者数は、約1万7千人いると推定されています。
クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオン病とも呼ばれ、
脳に異常なプリオンタンパク質が沈着し、脳神経の機能が障害される指定難病です。
狂牛病もプリオン病の一種です。
日本での推定患者数は、約500人いると推定されています。
ハンチントン病は、大脳中心部にある線状体尾状核の神経細胞が変質または脱落することで、
進行性の不随意運動(自分の意志とは無関係に運動すること)が起こり、
認知障害や情動障害などが併発する指定難病です。
過去にはハンチントン舞踏病とも言われていました。
日本での推定患者数は、約1千人いると推定されています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、身体中の筋肉がだんだんと痩せてしまい、力が無くなっていく病気です。
手足が使いにくくなったり、のど、舌の動きが悪くなるといった症状が出てきます。
主に運動を司る神経のニューロンが障害を受けます。
日本での推定患者数は、約1千人いると推定されています。
というように、脳は生命らしい活動を司る器官ですので、
脳が病気に冒されるということは、健康を大きく損ねるということにつながります。
つづいては、脳や神経の病気と過酸化脂質についての文献を紹介します。
[1]平成29年 高齢社会白書外部サイト 第1章 第2節 3 高齢者の健康・福祉より:内閣府
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