【電験63】電験三種の理論の攻略法 | 技術士を目指す人の会

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勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●電験三種の理論の攻略法
電験三種に合格したので、「理論の攻略法」について説明したいと思います。
 

 

コンデンサと電荷を攻略する
コンデンサと電荷について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。

コンデンサと電荷に関する問題は、平均で5問出題されています。
25点分ですから、相当なウエイトを占めています。
コンデンサと電荷で、最も出題されている論点は何か?
それは、 E=V/L=Q/(εA) ※電荷の場合、A=4πr^2 です。
電界の強さは、距離に対する電圧の割合であり、電気力線の密度でもあるわけです。この考え方と上述の数式を憶えておく必要があります。
難問が含まれている場合があるので、15~20点はゲットしておきたいです。


●磁気は比較的簡単
磁気について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。


磁気に関する問題は、2問出題されます。10点分です。
磁気の問題は、比較的簡単です。
それから、磁気と電荷は同じ考え方なので、電荷の知識が応用できます。
電荷の場合、電界の強さは、電気力線の密度で、E=V/L=Q/(εA) と表せます。
磁気の場合、磁界の強さは、磁力線の密度で、H=I/L=m/(μA) となります。
そこそこ勉強すれば、10点ゲットできます。


●交流回路と三相交流回路は全ての科目の基礎
交流回路と三相交流回路について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。

交流回路と三相交流回路は、合計4問出題されます。
20点分です。
交流については、「機械」と「電力」でも出題されます。
電験の基礎になるため、確実に理解しておくべきテーマです。
交流回路はA問題、三相交流はB問題。B問題の(2)は難問の場合があります。
このため、15点はゲットする必要があります。


●直流回路はひねった問題
直流回路について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。


直流回路に関する問題は、2問出題されます。10点分です。
直流回路は、計算問題の基礎です。
並列回路の電流 I
1=1/R1/(1/R1+1/R2)×I=R2/(R1+R2)×I は必ず憶えるべきです。
なお、この数式は、コンデンサの電圧にも応用できます。
直列回路の電圧 V1=1/C1/(1/C1+1/C2)×V=C2/(C1+C2)×V となります。
ただし、最近の直流回路は、1問はひねった問題になっています。
簡単には解けません。
このため、5点を確実にゲットする必要があります。


●電子回路や電子力学等は手を抜く
電子回路と電子力学について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。


電子回路と電子力学に関する問題は、平均で5問出題されています。25点分です。
電子が得意な人は、電荷・コンデンサーではなく電子で勝負するべきです。
ただし、電子の出題範囲は広いです。電子が得意でない人は、深入りせず、基本的なことだけ憶えた方が無難です。

それから、過渡現象と電気測定について過去10年の問題を整理してみました。
問題の出題年度、種類、解答する上で必要な知識は、以下のとおりです。

過渡現象と電気測定に関する問題は、合わせて2問程度出題されます。
過渡現象は、従前は難問が多かったですが、最近はシンプルな問題です。
そこそこ勉強しておけば得点できます。
電気測定は、範囲が広いですし、計算問題は捻ったものが多いです。
また、参考書の解説も限定的で、分かりにくい。
深入りせず、基本的なことだけ憶えた方が無難です。

電子回路、電子力学、過渡現象、電気測定で10点~15点ゲットすることを目指して勉強すれば良いでしょう。

●まとめ(
電験三種の理論の攻略法
電験三種の参考書は、直流回路を最初に学びます。
電気の基礎は、やはり直流回路です。

しかし、試験では、コンデンサと電荷に関する問題が、問1、問2で、出題されます。

これを解けないと、ペースを崩されます。

しかもコンデンサと電荷に関する問題は、トータルで5問程度出題されます。

 

というわけで、電験三種で最も重要なテーマは、コンデンサと電荷です。

難易度の高い問題も含め、重点的に勉強することをお勧めします。

次に重要なのは、交流回路と三相交流回路です。

交流回路と三相交流回路は、機械、電力の科目でも出題されます。

電験三種全体を通じて、最も重要なテーマです。

難易度の高い問題も含め、重点的に勉強することをお勧めします。

磁気、過渡現象については、比較的解きやすい問題が出題されるので、深入りせず、基礎だけをやっておけば良いでしょう。

それから、直流回路、電子回路、電子力学、電気測定についも、基礎だけをやっておけば良いでしょう。

なぜなら、これらのテーマについては、難易度の高い問題は相当勉強しても解けないからです。

基本的な問題が出たら、これを落とさないようにしておけば良いでしょう。

これが電験三種の理論の攻略法です。

 

 

※一つ前を見たい方は、こちろ をどうぞ。

 

【電験三種に合格するために必要な勉強時間について】

  こちら をどうぞ。

 

【令和2年の電験三種 3ヵ月間の勉強経過】

 初日は こちら

 2週目の「勉強開始から2週間。大きな誤算」は こちら

 3週目の「理論のインダクタンスについて理解したこと」は こちら

 4週目の「理論が一通り完了。コンデンサーのエネルギーについて理解したこと」は こちら

 5週目の「機械の勉強をスタートしつつ、ローレンツ力を復習」は こちら

 6週目の「機械が分からなかったので理論に戻って三相交流を勉強」は こちら

 7週目の「機械のAND回路について理解したこと」は こちら

 8週目の「全科目合格を目指す戦略」は こちら

 9週目の「電力は正誤問題でトレーニング」は こちら

 10週目の「全科目一通り完了」は こちら

 11週目の「期待と失望」は こちら

 12週目の「法規の過去問を7年分解いてみた結果」は こちら

 13週目の「受験票が届く。でも合格レベルに到達できそうにない」は こちら

 14週目の「ラストスパート」は こちら

 15週目の「試験本番(15週間勉強で挑んだ試験の手応え)」は こちら

 「驚きの自己採点の結果」は こちら 

 「合格発表」は こちら 

 令和3年の「合格発表の結果」は、 こちら