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私は、2004年にフリーランスの翻訳者として独立しました。
それ以来、ずっと独立系翻訳者として翻訳を専業としてやってきました。
実際には、通訳の仕事やファイナンシャルプランナーの仕事も並行してやっていますが、翻訳の仕事だけでも十分(以上に)生計を立てられるくらい、翻訳業単体でも収入を確保できています。
しかし、2004年に、突然翻訳者として独立しようと思って翻訳の仕事を始めたわけではありません。
私には会社員時代があり、翻訳を副業としてやっていた期間もありました。
では、私が翻訳をやろうと思ってまず何をやったのか?どんな準備をしたのかをお話してみたいと思います。
私は、大学で翻訳の勉強をしたわけでも、語学を専攻したわけでもありません。
大学では法律や政治を勉強し、その後、就職したのは保険会社でした。
ただ、大学はアメリカですし、保険会社もアメリカの現地の会社でしたので、英語はかなり鍛えられたと思います。
しかし、このブログでも何度も言っていますし、いろいろなところでもお話していることですが、英語ができれば翻訳ができるというわけではなく、やはり翻訳をするには、翻訳のスキルが必要です。
翻訳の仕事をするために私が何をやったと思いますか?
答えを言いますと、「何もやっていない」です。
そうなんです。特に何の準備もなく、仕事を始めたのでした。
とはいえ、アメリカでは翻訳に関わる機会は皆無だったものの、日本に帰国してから就職した会社が英会話などの研修をやる会社で、留学業務を担当することになったため、その業務の一環として、資料を訳したり、通訳をしたりする機会はありました。
しかし、それ以外、特に「翻訳」という仕事を意識した訓練を受けたことはまったくありませんでした。
ということで、ある日突然翻訳の仕事を始めたわけですが、まず最初に何をやったのか?といいますと・・・
「翻訳会社を探して、翻訳者として登録をした」でした。
正確い言うと、その前に「翻訳者になるには?」みたいな本を書店から買ってきて読みました。
しかし、翻訳者について勉強したのは、それ1冊か2冊くらいだったと思います。
そして、副業として翻訳の仕事をするには、まず翻訳会社に登録して翻訳の仕事をもらうのがいちばんよい方法だろうと思ったのでした。
そもそも、なぜ翻訳の仕事をしようと思ったのか?というと・・・
「副業をして収入をアップしたい」ということでした。
きっかけはそれだけだったと思います。
特に、独立を視野に入れていたわけでもありませんし、自分が翻訳者としてやっていけるという自信があったわけでもありません。
ですから、「翻訳者として成功したい!」とか「翻訳の仕事で生計を立てたい!」という思いは、当初はありませんでした。
だから、何の準備もなく(訓練も受けずに)翻訳会社に藪から棒に登録して、仕事を始められたのだとは思います。
翻訳会社に登録するにあたって、1社だけでなく、数社登録を試みたと記憶していますが、もちろん登録に当たりトライアルを受けさせられ、すべての会社に合格したわけではありませんでした。
でも、幸い数社から合格をいただき、登録をすることができました。
しかし、当然のことですが、実際に仕事をすぐにもらえるわけではありませんでした。
登録はしたけど、まったく仕事が来ないところまりました(一度ももらわなかったところもあったかと思います)。
でも、わりとすぐに仕事をもらえた翻訳会社が1社ありました。
その会社とはいまだにお仕事をやらせてもらっていますが、翻訳の経験や訓練がほぼ皆無の私が、すぐに良い仕事ができたわけではなかったと思います。
実際に、その翻訳会社からいただいた仕事で、発注者からクレームをいただいた仕事もありました。
誤訳があってクレームをいただいたり、翻訳が酷くてお金を払えないと言われたりしたこともあります。
その他の会社からいただいた仕事でも、やはり私の翻訳のレベルが不十分だという指摘をいただいたことがありました。
そのとき、どういうところが問題かを指摘していくれる翻訳会社やクライアントもいました(赤入れをした原稿をくれた人もいます)。
こうして、実際の翻訳の現場でいろいろと勉強させていただいてきた翻訳者人生なのです。
UnsplashのCampaign Creatorsが撮影した写真
もちろん、これが翻訳者としてあるべき姿(翻訳者になるための正当な道筋)とは思いません。
そして、こんなひどい翻訳者人生を送ることを、これから翻訳者になろうとしている方々にお薦めするわけではありません。
しかし、翻訳者になろうと思っていて、何から始めればよいか分からない・・・という方へのアドバイスとして、「これも翻訳の仕事をはじめる一つの方法だよ」ということが伝わればという思いで、今日は私が翻訳の仕事を始めたときのことをお話しました。
まあ、確かに多くの人に迷惑をかけたかと思いますが、みなさんのお陰もあって、こうして20年近く、フリーランスの翻訳者としてやってこれましたし、副業時代も含めれば、22年ほど翻訳の仕事を懲りずにやって来れました。
私の反省としては、やはり駆け出しのころにもっと「翻訳」そのものの勉強(翻訳の基本やテクニック)を勉強すればよかったと思います。
しかし、実際に、先走って仕事を始めたことは、決して間違いではなかったと思っています。
それは、第1に「翻訳の勉強をして十分にスキルを磨いてから」と思っていたら、結局翻訳を仕事として本格的に取り組むことがなかったかも・・・と思うからです。
そして、第2に(これがいちばん大事だと思いますが)、「翻訳のスキルが十分になった」と思える日は、(今までやってみて)決して来ないだろうと思うからです。
今でこそ、少し自信を持って翻訳ができるようになりましたが、それでも、いまだに「自分は実力不足・・・」と思うことがありますし、今でも自分の翻訳に苦情を頂くことがあり「まだまだスキルを伸ばさなければ」と思うことがたくさんありますし・・・
結局、現場で厳しい現実をつきつけられ、厳しいお言葉をいただけたからこそ、今の自分があると思っています。
ご迷惑をおかけした(している)クライアント様には本当に申し訳ないことですが。
ですから、もちろん、(私のように)何の準備もなしに翻訳の世界へ飛び込め!と言わせていただこうとは思いませんが、ある程度、翻訳(そのものの)イロハが分かったところで、実際に翻訳会社のトライアルを受けるなどして、現実の仕事にチャレンジしてみることをお薦めしたいと思います。
私の場合、先ほどお話したように、翻訳のイロハはまったく知らずに仕事を始めました。
しかし、その後、現実にお叱りを受けたり、難しい仕事に直面したりするなかで、どういうスキルを伸ばすべきかとか、どういう教材で勉強すれば良いかというものが分かってきたり、教えていただく機会があったり、そして自分で書籍や雑誌を購入したり、SNSで情報を収集したり、同業者のお話を聞いたりして、具体的に勉強を重ねてきたという感じです。
それはそれで、役に立ったので、今の自分があるのではないかと思っています
結局、今もそうですが、これからも、自分のスキル伸ばしは永遠に続く(終わりがない)作業なのだと思っています。
ですから、翻訳者になるための勉強が終わることはありませんし、「これで勉強は修了!」なんていう日は来ないのだと思います。
翻訳の仕事についてある程度の知識が身についたら(現場で使える翻訳のレベルがどのようなものかという漠然としたイメージや、翻訳の業務の流れなど)、あとはさっさと現場の仕事をしてしまった方が良いと思います。
実際に、自分が使い物になるまではそれからも時間がかかると思いますし、登録を許してくれて仕事をくれる翻訳会社であれば、辛抱強く、長い目で見てお付き合いをしてくれると思います。
もちろん、毎回の仕事は、プロとして質の高い翻訳を提供できるように全力でやるわけですが、結果、クレームをいただくようなことがあっても、それは真摯に受け止め、自分の勉強とすれば良いと思います。
特に、駆け出しのころは、100%毎回、クライアントに気に入ってもらえる完璧な翻訳を提供できるとは限らないと思った方がよいと思います。
あまり良いアドバイスではないかもしれませんが(特に翻訳を発注する側にとっては)、でも、翻訳者になるにあたってまず何をすれば良いか?と迷っていらっしゃる方がいれば、私は「とにかく現場の仕事をやってみること」をお薦めしたいと、いつものことながら思うのです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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