肩こりを東洋医学でみると その4 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

「肩こりを東洋医学でみると」シリーズ、その1その2その3とお届けしました。その2・その3は、気血の滞りによる「不通則痛」に相当するケースでした。4回目の今日は、もうひとつの「不通則痛」ケースと「不栄則痛」ケース。

  肝陽上亢による肩こり

肩コリを起こしている直接的な原因は内熱であり、実証性のコリと痛みです。しかし、その状態をつくったのは、もともと陰液、おもに津液の不足による陰虚にあるため、からだ全体としては虚実の入り混じった虚実夾雑の状態。

どんなふうに混ざっているか?というと、からだの胸から下では虚していて、それより上で実している上実下虚(じょうじつかきょ)です。肝陰虚腎陰虚、あるいはそれらが合併した肝腎陰虚があって、肝陽を抑えきれずに、肝陽が亢進して、くびや頭に上がってしまうと、肩背部で気血が滞るというしくみ。

陰虚によって肝陽が亢進して上がっているワケですから、陰を養って肝陽を抑えてあげればいい。ってことで、治法は育陰潜陽(いくいんせんよう)となります。

症状: くびから肩にかけてのコリ、はったような痛みなど。
特徴: 顔の熱感、目の充血、イライラ感、高血圧、めまい、耳鳴りなどを伴う。
ツボ: 太衝曲池 、共通穴、反応点

 肝血虚による肩こり

東洋医学講座No.37 にあるように、肝の蔵血作用が低下して肝血虚を生じ、栄養不足になると、「不栄則痛」ケースの肩こりになります。治法としては、肝の状態をととのえてを補えばいいワケで、補益肝血(ほえきかんけつ)となります。

眼精疲労がひどいときや、出産後、月経過多、慢性的な出血性疾患、外傷、過労、老化、脾胃虚弱による生血不足などがあると、肝血虚が起こりやすくなります。

症状: 肩背部のコリやつっぱり感、痛み。
特徴: 眼精疲労、目の乾き、唇や爪の色が薄い、顔色が白っぽいなどの症状を伴う。
ツボ: 三陰交陰陵泉、共通穴、反応点

さて、肩こりが何から来ているのか?見分け方のポイントは随伴症状にあります。ところが、それがハッキリしないこともありますよね?たとえば、目の乾き。充血して乾いてる場合だってある。熱があれば水分は飛んでいくから乾く。乾けば疲れやすいから眼精疲労にだってつながる。

 の鑑別、ひとつは顔色です。血色がよければ で、悪ければ 。もうひとつは、肩こりを指圧したとき。「東洋医学で体質をみる その3 からだの冷えと熱(寒熱)」でご紹介してますが、肩こりを指圧したとき、ただただ気持ちいいのが で、ちょっと痛いのが  です。

気血の滞りであれば、体操やストレッチで肩こりはかなり解消されます。動かせば気血の流れがよくなりますからね。気血が不足している場合は、コリ自体はさほど強くありませんし、ちょっと動かしたくらいでは解消しにくいかもしれません。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

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プリムラ
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