東洋医学講座 No.37 血の不足 | 春月の『ちょこっと健康術』

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先週のNo.36 の病気について、その概要をお伝えしました。今週は、血の不足である血虚をもう少し詳しく見ていくことにしましょう。


血虚では、血の不足によって、貧血+栄養不足の症状があらわれます。特に、心と肝に関連する部位に、症状が強く出る傾向にあります。


まずは、血虚の原因をもう一度確認していきましょう。


① 脾胃虚弱あるいは思慮過度による脾胃機能失調

② 飲食失節(→No.31 )による栄養摂取不足

これらは、脾胃に問題があって消化吸収がうまくいかない、食べる量が少ない、食べるものに偏りがあるなどによって、血のもとになる物質が十分に得られないために、血を十分につくることができません。つまり、つくれないから不足してしまった状態。


③ 大病、慢性疾患、老化、労倦(→No.31 )などによる過度な血の消耗

大きな病気をした後や慢性的な病いを抱えている場合は、身体の修復のために血がたくさん使われます。出産や働き過ぎでも、血を消耗します。老化が進んでいる場合は、つくる力も弱りますから、気血津液すべてが減少していきます。


④ 外傷や失血性疾患による過度の失血

これは出血したために不足した状態。


⑤ 肝の蔵血作用低下(→No.10 )あるいは脾の統血作用低下(→No.11

肝の蔵血作用が低下して、血を貯蔵しておくことができずに不足した状態。

脾の統血作用が低下して、血を脈中にとどめておけず、出血しやすくなったために不足した状態。


まとめると、つくれないか、使い過ぎたか、出ていってしまったか、ということになりますね。また、量的には足りているとしても、血の滋養力が低下していれば、つまり血が薄ければ、不足した場合と同様に、身体は十分に滋養されません。これも血虚です。


血虚の出やすい症状をまとめると、次のようになります。


頭部…めまい、立ちくらみ、目のかすみ、顔色が青白い、唇や舌の血色が薄い

経脈…筋肉がひきつる、手足のマヒやしびれ、関節が動きにくい

皮膚…乾燥、かゆみ

心血虚…心身ともに疲労して力が出ない、健忘、不眠、動悸、不整脈

肝血虚…爪の色が淡い、爪が硬くなったり変形したりする、手足を屈伸しづらい、目が乾く、視力減退

衝脈・任脈…月経が遅れやすい、月経血の量が少ない・色が薄い、月経困難、閉経


血虚だからといって、↑にあげた症状が全部出るわけではありません。もともとの体質も影響しますし、身体のどこで血虚が起きているかにもよります。血虚の原因が、脾胃虚弱にあるとすれば、脾気虚の症状も混ざってくることになります。


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今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-菊