読んだり観たり聴いたりしたもの
無期限にブログ書きをお休みします。
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

三国志魂 下/荒川弘/杜康潤

と言う訳で、上巻に続いて下巻も読む。

 

後半は蜀取りの辺りから。構成や内容は上巻と同様。

こうして改めて見てみると、本巻の後ろ1/3、つまり三国志演義の終盤は、あまり盛り上がりも無くて印象薄いなあという感想。

やはりいくらフィクションが入っているとはいえ、綺羅星のスターが次々死んでいなくなっていくのは史実として致し方ないし、するとどうしても寂しい思いが増してくる。

演義のストーリートレースは完了した訳だが、本シリーズとしてスペシャルという巻が出ているようなので、次はそれを読んでみようと思う。
 

荒川弘/杜康潤
三国志魂 下

中ヒットに導くゲームデザイン/T・フラートン/中本浩

「風の旅ビト」の開発者などを指導したゲームデザイナー&ゲーム開発メンターとして、その知識を余すところなく詰め込んだゲーム開発の入門的教科書。

内容程度としては専門学校や大学専攻での、ビデオゲーム制作の教科書にもってこいだろう。実際に取り組める課題も多く提示され、例示されるサンプルゲームとして最近のヒットゲームが多数俎上に登り、何より、レジェンドから現役バリバリの最前線選手まで、多数のゲーム開発者がコラムとして自身のゲーム観、ゲーム開発観を惜しげも無く開示しているのは大変に読みでがあって素晴らしい。この部分だけでも購入する価値があるだろう。

 

ただし、日本語訳が最低最悪の最凶の水準である。

誤字脱字誤変換が多数あるのは技術書にはありがちなことなので、百歩譲るとしても、一昔前のGoogle翻訳に申し訳程度に手を入れました、と言わんばかりの翻訳精度や日本語としての文章の読みにくさは、怒り心頭に発するレベルだろう。読んでいて何度本書を投げ捨てようかと思ったことか。そのせいで読み終わるのに、こんなにも長い時間が掛かってしまった。大変興味深い内容に、ふんふんと熱中して読みにくい文章を「解読」していると、ついに、全く意味の分からない文章に衝突するのだ。一見日本語としてそつなく書かれているように見えるが、「その」とか書かれた代名詞が何を差しているのか全く読み取れず、また単体でも、その主語と述語の組合せで一体何を意味しているのか理解できない、そんな、よくよく読めば読むほど意味が分からなくなる文章が、実に多数出てくるのだ。当然、そうした箇所で読書スピードは停止する。

機械翻訳を、内容に目をつぶって体裁だけ整えると、実にこんな感じになると思う。訳者が原書の「内容」を理解していない事は、例えば、クリエーターが例示する、個々のゲームの具体的なシーンの描写などを読めば一発で明らかだ。

 

本書の原書の内容は大変素晴らしい物だが、これらの理由により、訳本である本書自体は、全く薦めない。内容的には実に教科書に相応しいが、実際に本書を教科書に選べば、その本来は不要であるべき「言語的読解」部分で多数の生徒が脱落するとことは明らかだ。内容の理解に進む前に、日本語が読めなくて積まれることになるだろう。この訳書は罪である。偉大な原書を殺してしまったのだ。本来ならば知識を環流させることにより産業の発展をもたらすべき書籍が、日本では、翻訳の拙さにより完全に足を引っ張る事になるだろう。本書を購入することは、訳者やそれを監修した者に対価を払うことになり、その価値をほんの些少でも認めてしまうことになる。

 

 

クールジャパンなどと浮ついた構想をぶち上げるなら、例えばこうした教科書の出版などに予算を割くべきだろう。その内容をきちんと監督すべきだろう。それが技術者を育てるという事であり産業を育てるという事だ。

 

もし私が日本のゲーム産業を停滞させようと目論む策士ならば、本書のような訳の酷い技術書を大量に出版するだろう。世界的に共有されるべき素晴らしい内容が日本人にだけは伝わらない上に、すでに訳書が存在することで、ちゃんとした訳書を作り直そうという有志の気概をも挫くことができる。別の翻訳本が日本で出版されることは商業的にあり得ないだろうし、つまり本書の珠玉の内容はは日本では完全に封殺された、と言う事である。本書の訳者や監修者が海外の産業関係者の回し者だ、などと陰謀論をぶち上げるようなことは流石にしない。本件は単に無能な人間が招いた事故だろう。しかし、万が一陰謀論が事実だったとしても驚かないだろう。本書をじっくり読んだ者ならば誰しも異論は無いはずである。

 

T・フラートン/中本浩
中ヒットに導くゲームデザイン

陳寿『三国志』(100分 de 名著)/渡邉義浩

5月のテーマが三国志と言う事で、相変わらずブームに沸く我が家では、本書の元となる4回シリーズのTV番組を毎回楽しみに見ていた。

演義ではなく、正史の方の三国志を紐解くとあって、大変期待した。もともと史実7割と言われるだけあって、大筋では変わらないものの、史実と虚構とに跨がる相違は大変興味深いものがあった。

また、私は初めて知ったのだが、解説の先生が三国志研究家と言う事でその筋では有名な方らしく、独自の名士論などを軸に、この大変に魅力的な大陸の一時代を快刀乱麻に切り解いてゆくのは、大変に胸がすく思いだった。

すっかり番組と先生のファンになったので、早速番組テキストを購入。それが本書である。テキストで補強という、こういう手厚い構成というのはやはりNHKならではだなあと思う。まあ、テキストを購入するのはビジネス英会話以来なのだが。

 

内容は、番組で解説した大筋部分に補強を入れた展開が半分、それ以外の細かな解説がもう半分という感じ。大変読みでが有り、買って良かった。

黄巾党の掲げる口上の、蒼と黄色がどういう意味を持つのかとか、いろいろ為になる雑学も多く、筋金入りのマニアを除けば、概ね読んで楽しめるのではないだろうか。

先生は孔明のファンらしく、その語り口は他の回より明らかに熱を帯びて、彼の生涯の禍福を語る際の気の入りようは聞いているだけで胸を打つものがあった。あてられたのだろう。

 

しかし、伊集院は、いい加減三国志ぐらい読め。ゲームファンなら読むだけで絶対楽しめるし、ゲームプレイにも活かせるはず。

 

渡邉義浩
陳寿『三国志』(100分 de 名著)

泣き虫チエ子さん2/益田ミリ

妻が図書館で借りたので又借りして読んだ。

前作同様、ほっこりした感じで楽しめる雰囲気はそのまま。

チエ子さんの押しがやや強くなった気がするのと、意識的な作者視点の多用が若干気になった。

その辺りの配分がどうなるのかと、どんなネタを拾ってくるのか楽しみな部分があるので、続刊も読んでみたい。

 

 

益田ミリ
泣き虫チエ子さん2

江河の如く 孫子物語/杜康潤

三国志物でいろいろお世話になったので、著者の別の著作を当たる。

本当は孔明のヨメが良かったのだが、大阪市立図書館には無かった。

 

本書は、兵法で有名な孫子の物語。連載をまとめた物だ。

著者お得意のチマチマ解説が活きており、兵法そのものについての解説にも割合ページを割いているので、読みでがある。

如何に勝つかではなく、如何に戦わないか、こそが孫子の兵法の神髄である。そのためにきちんと計算をし、準備を怠らない事。そして、そうしたポイントを、高度に抽象化してまとめてある点。それが現代まで生き残りなおかつ現代でも至高の兵法書とされる理由であることが良く分かった。戦争とは経済である。

 

杜康潤
江河の如く 孫子物語

Unity5ゲーム開発レシピ ハマるゲーム制作のノウハウ/BATA/まつだす

Unity勉強本第12弾。

 

これまた良書じゃないかな。

3Dアクションの2本にゲームを絞り、その代わりゼロから完成まで、同一構成で淡々と作業を綴った紙面が特徴的。それぞれのページにはキーとなるテーマがあるので理解が進むし、逆にその「やりたいこと」であるテーマからの逆索引もあって使い勝手が良いだろう。完成ゲームも見栄え良くモチベーションが上がる。

1冊仕上げて知識ベースとしても良いし、逆引き本として手元に置いても使えるコスパの高い本だろう。

 

BATA/まつだす
Unity5ゲーム開発レシピ ハマるゲーム制作のノウハウ

ゲーム雑記 2017/06/11

今日は地域の防災訓練。

 

雷子。蜀編終盤。現在の所、総合的な評価としては今ひとつか。確かにキャラとか面白みが無いわけでは無いが、掘り下げも浅く淡々としているし、ストーリーは演義ベタで、まあファンにはそれも良いと思うが、だからといって、わざわざゲームに仕立てたからどうだ、という程の物でも無い。三国志に触れるのが初めての人はハラハラするのかも知れないが、購入層を考えれば、これだけというのは寂しいだろう。一方のシムパートは、簡単すぎてほぼ作業。システム的な幅が無いので工夫の余地も無い。ひと言でいえばガッカリだ。ただし、この程度のゲームがカルト的人気を博す訳が無いので、きっとこの後の展開に工夫があるのだろうとは薄く期待しているが…。さて如何に。

 

閃の軌跡。 ノルド探訪。仲間も増えて賑わってきた。となると整備量も増えるので、金とセピスが圧倒的に不足。Uマテも切れて改造できず。稼ぎの必要性ありか。北の果てに不思議な洞窟を見つけて探索中。脇道かな?

 

ロボティクス・ノーツ。分岐エンド3つ目、フラウエンドクリア。お話はまずます。フラウは結構好きなキャラ。真エンドでも活躍して欲しいね。

 

DQ9。まさゆきBF15でコツコツレベルアップ中。

SENの「DAYS OF PLAYキャンペーン」が悩ましい。6/18まで。候補を書いておく。Brut@l\300。The Last of Us Remastered\2646。アンチャーテッド コレクション\3186。人喰いの大鷲トリコ\2980。Fallout4\1723。ぐらいかな。トリコ行ってみるか…。

読書は、三国志関連本を読みあさり。

Unity5 アドベンチャーゲーム開発 実践入門 JOKER SCRIPT対応

Unity勉強本第11弾。

 

良書だった3D/2D ゲーム開発実践入門と同じ出版社の同じシリーズと言う事で期待したが、やや微妙だった。

 

タイトルに偽りは無い。

本書は、Unity上でJOKER SCRIPTというADV開発支援パッケージを使ったADVゲームの開発を一から十まで手取り足取り指南する。

その際重要視するのは、ADVゲーム開発のプロジェクト推進およびADVゲームの構造そして設計についてである。開発部分に関しては、JOKER SCRIPTのスクリプトファイルの実際の書き方を中心に解説する。

 

つまり、平たくいうと、ADVの企画の作り方と、JOKER SCRIPTのスクリプトの書き方の解説書であって、Unity自体の説明は、そのインストールとビルドに関して必要最低限を割いているだけだ。

 

プログラマ向けでは無く、デザイナ向け、と言う事だ。

この1冊だけで、ずぶの素人がゼロから初めて、ちゃんとADVが作れるようになるのは間違いない。しかし、それはツクールでも可能なわけだから、「Unity」という意味合いは薄い本。それにUnityなら宴とかもある訳で。

 

JOKER SCRIPT自体の構造のUnity的解説書だったら面白かったかも。

 

Unity5 アドベンチャーゲーム開発 実践入門 JOKER SCRIPT対応

Unreal Engine&Unityエンジニア養成読本

Unity勉強本第10弾。

 

ちょっと毛色が変わっていて、Unityだけでは無く、同時にUE4も解説。

ただでさえ結構薄い本なのに、ゲームエンジンを2つも扱っているので、その密度は推して知るべしだろう。

 

一体どういうメリットがあるのかな、と思ったが、例えば、Unityでこうやるところを、UE4ではどうすんのかな、ああ、こうやるのか、といった、ゲームエンジンを移行する際の参考にする、という用途には使えなくもない、という感じ。

 

ただ、本当に一方のゲームエンジンに詳しければ、もう一方のエンジンの良い入門書を1冊読めば済む話だと思うので、メリットと言うほどのことは無いと思う。

 

Unreal Engine&Unityエンジニア養成読本

光のお父さん/MBS

全7話を観終わった。打ち切りかと思ったら当初から7話の予定だったらしい。

 

第1話を見た時にグッと来た、凄い!面白い!という印象はどんどん薄れていったけど、まあ、最後まで何とか見れたかな、という所か。そこそこは楽しかったし楽しみだった。

 

うちら夫婦にとっては、このドラマの現実パートは不要だった。ゲーム世界に誘われたお父さんとそれを導く息子の、そのゲーム世界での細々を、ネチネチと描いて欲しかった。そもそもゲームすらやり付けてない初老の男性がいきなりネトゲに挑戦したのだ。右も左も分からない、何をして良いかも分からない、そこからコツコツと学び、行動が、世界が広がっていく様を描いて欲しかった。

現実世界でのマイディーの成長とか類比とか、そんな物はどうでも良いのだ。

愛してやまないエオルゼアの世界と言うのなら、その素晴らしさとやらを畳み掛けるように浴びせるように伝えて欲しかった。ひと言でいうと薄かった。一人の男性が、人生の意味を見いだし、手術をして病に挑戦する決意を生み出すほどの幸福がそこにあった、数ヶ月の濃密なゲーム体験がそこにあったという、その説得力が感じられない。7回通して見た印象では、ゲームシーンがバラバラで、かつそもそも少なくて、精々十数時間ゲームしていた程度に思えてしまうからだ。

 

あと、ゲームパートの絵は素晴らしいものがあったが、一方で現実パートは、表現的にも今ひとつだった。リアリティの薄さはもう何度も指摘した。

 

ターゲットが曖昧だったのでは無いだろうか。現実パートの厚さを思えば、ゲームに全く興味のない一般を狙ったようにも思う。しかし、その割には、MMORPG自体の説明がほとんど無かった。ベースストーリーや、基本的なシステムの説明すら無く、曖昧なままで進んでいくのは気持ちが悪かった。例えば、毎回出てくるエオルゼアとは何かすら説明が無い訳だ。それは惑星の名前なのか、世界の名前なのか、大陸の名前なのか、それとも国の名前なのか?インディさんが今いる街の名前は何なのか?なぜ最初そこにいるのか?マイディー達が集っていた家は何なのか?誰かの持ち物なのか?家が建てられるのか?世界を治めているのは誰なのか?危機が迫っているのか?ここは人間の世界なのか?どんな種族がいるのか?などなど、さっぱり何も分からないまま説明されないままだ。こんな状態で引き込まれろ、という方が無理があるだろう。もしくは、こうした「常識」なんて説明するまでも無い、FF14プレイヤーに向けたドラマだった、ということだろうか。

私達夫婦のように、ゲームは大好きだけどFF14の事は何も知らない、というような層は、結構歯がゆい思いをしたのでは無いだろうか。

 

お父さんがゲーム頑張っているシーンは楽しかったし、ゲームとは人生に大きな楽しみを与えるものなんだというテーマは素晴らしいと思う。クリスタルのテーマが流れるだけでグッと来るようなゲーマーとしては、見て良かったと思うし、楽しめた部分も多かった。

ただ、単なる一ドラマとして評価するなら、表現(特に現実パートの)も構成も技術も今ひとつだったと言わざるを得ないだろう。

そして、ゲーマーだからこそ、そのゲーム部分の薄さを非常に惜しむ、そんなドラマだった。

 

「光のお父さん」

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>