「あぎとひ」の「ひ」の脱落。つまり、動詞「あぎとひ」の連用形名詞化。あぎとふところ、の意。「あご(顎)」や(魚の)「えら(鰓)」を言います。
動詞「あぎとひ」は「あへきとひ(喘き問ひ)」の「へ」の脱落。(魚(とりわけ鯉)が水面で)喘(あへ)ぐように、激しく呼吸するように、何かを問ふように、口を開閉すること。これは人にも言いますが、魚によく言います。魚の動作から生まれた動詞でしょう。そこでは同時に鰓(えら)が開閉しますから「あぎと」は鰓(えら)も意味します。「魚皆浮き出で、水のまにまにあぎとふ」(「まにまに」は、水の動きのままに、ということです。間に間に、ではありません。「波のまにまに」も、間に間に、ではありません)。
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