【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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15年以上前から続く尿漏れの整体治療
14診目で改善していた症例の解説です

患者Yさん=33才-男性・会社員の症例

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、鼻詰まり、後鼻漏、耳管開放症、顎関節症、下痢など、多彩な愁訴がありましたが、尿漏れもありましたので、併せて整体治療することになりました。
【Yさんは遠方にお住いのため、一度の来院で2枠分の施術時間を設けたり、あるいは一度の来院で、午前診は二枠分、午後診で二枠分の施術時間を設けて(合計4枠分)治療したりしました。またYさんは会社員であるので、会社に1か月の休暇を取られ、その間で治療が完了する集中治療計画を立てて施術しました。その際、施術による副作用に細心の注意を払いながら、施術を進めていきました。】




②    Yさんの診察
【尿漏れに関する所見】
・Yさんが尿漏れに初めて気づいたのは今から15年以上前だそうです。その頃から排尿後に時折り少量の尿が漏れるようになり、それが少しずつ悪化してきて、最近ではほとんど毎排尿後に尿漏れがあるそうです。排尿後以外の状況ではめったに尿漏れは無いそうです。
・残尿感は時折りあるそうですが、頻尿(尿意切迫感)や膀胱痛、排尿痛、血尿、混濁尿などは無いそうです。排尿回数は一日平均6回前後だそうです。遷延性排尿(排尿を開始するのに時間がかかり、尿が出づらい状態)は無いそうです。
・いつ頃かは忘れたそうですが、Yさんは一度だけ本件で泌尿器科を受診した事があるそうです。漢方薬を中心に数か月間治療したそうですが結果的には改善せず、尿漏れの原因もよく分からなかったそうです。
・10年前に尿管結石になったことがあるそうです。ただ、左右どちらだったかは覚えていないそうです。
・高校時代の3年間、自転車で片道30分ほどの道のりを通学していたそうです。その際、陰嚢のしびれ等の記憶は無いそうです。
・小学3or4年生の頃、カンピロバクター腸炎になり、ひどい腹痛と下痢で一週間以上学校を休んだそうです。この時は、入院はしていないそうです。
・7年前に虫垂炎に似た急性腸炎になり、右側腹部痛と下腹部痛、下痢、40°の高熱が出たそうです。この時は一週間ほど入院加療していたそうです。その半年後にもよく似た急性腸炎になったそうですが、この時は入院せず、一週間ほどの自宅療法で済んだそうです。
・十代の後半頃から両足首の冷え性が生じるようになったそうです。また同じ頃から、両足裏の多汗症(足蹠多汗症)にもなっているそうです。
・Yさんは十代から現在に至るまでもお腹が弱いらしく、特に朝食後には下腹部痛が生じ、お腹を下しやすい事が多いそうです。排便は毎日あるそうですが、硬い便の時もあれば軟便の事もあるそうです。ここ数か月はほぼ軟便か下痢便だそうです。また昼食後はほぼ毎回強い眠気が襲うので、午後からの仕事にかなり支障が出ているそうです。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音はやや弱めで聴取されました。
・腹部触診上、回盲部で著明な緊張と圧痛がありました。特に右上前腸骨棘(ASIS)から右鼠経靭帯~恥骨結合にかけて、数mm大のしこりと緊張および強い圧痛がありました。特に恥骨の直上部位は極めて硬く、かつ極めて強い圧痛がありました。心窩部や左季肋部(十二指腸空腸曲付近)でも緊張と圧痛がありました。打診上、臍より下方は全般的に濁音で、かつ触診的にも下腹部全般的にかなり硬めの粘土状の感触がありました。
・血圧は正常で、血液検査で異常を指摘されたことは無いそうです。
・Yさんの身長は170cmで、体重は55kgだそうです。

【その他の頭顔面に関する所見】
・右耳で自声強聴が初めて出たのは5年前で、近医を受診すると「耳管開放症」と診断を受けたそうです。自声強聴は毎日出るのではなく、数日に一度の割合で出るそうです。ただ運動後やエレベーターの昇降時には生じやすいそうです。左耳で自声強聴が生じることは無いそうです。耳鳴りや難聴は無いそうです。
・幼稚園の頃に右耳が痛くなったので近位を受診すると、中耳炎と診断されたことがあるそうです。それ以降、時折右耳の奥にボコボコとした違和感を感じる時がたまにあったそうです。
・近視ですが、眼圧などは正常で、今まで眼科医から異常を指摘されたことは無いそうです。
・鼻がつまるのは右鼻だけで、左鼻はあまりつまらないそうです。鼻閉はあっても鼻水はほぼ出ないそうです。ただ後鼻漏はあるそうですが、サラサラとした液体調でほぼ無色透明だそうです。これらの症状はどちらも10年ほど前から毎日のように続いているそうです。耳鼻科の担当医から「治すには手術しかありません」と言われているそうです。
・今までの検査の中で、花粉症などのアレルギーや鼻腔、副鼻腔、上咽頭などに炎症所見が確認されたことは無かったそうです。
・虫歯や歯肉炎(歯周病)は無いそうですが、歯をかみしめる癖、歯ぎしりがひどいそうです。歯科医より歯のすり減りを指摘されていて、それは左右ともあり、5年前からマウスピースの処方を受けているそうですが、よくマウスピースをつぶしてしまうそうです。
・5年ほど前から、上下左右の小臼歯付近に知覚過敏があり、冷たい飲食物やドレッシングなどの酸っぱい飲食物で知覚が過敏になるそうです。今までいろいろな治療を受けたそうですがどれも改善するには至らず、知覚過敏の原因はよく分かっていないそうです。
・10年以上前から左の顎関節症があり、顎関節付近の軽度の疼痛と、顎の開閉時のクリック音、および口の開閉時の非対称(右顎が先に動く)があるそうです。また左の奥歯のかみ合わせが悪く、両方の歯をかみ合わせたとき、左の上下の奥歯の間が1~2mmほど開いているそうです。
・高校生の時に3年間ほど歯科矯正をしていたそうです。その際に左右上下の奥歯(4本)を抜歯しているそうです。
・下顎を前方に突き出す検査ではほぼ正常でしたが、下顎の左右側方への運動については、左側方への運動は、かなり制限されていました。
・いびきがひどく、両親や奥さんからよく指摘されるそうです。睡眠時に無呼吸があるかどうかは不明だそうです。
・発声や構語の異常は無いそうですが、嚥下時にむせる事(誤嚥)は度々あるそうです。鼻腔への逆流は無いそうです。
・カーテンサインは陰性でした。
・頭顔面の視診上、気管は正中にあり、甲状腺の腫脹、委縮はありませんでした。鼻梁は「し」状に右側凸で軽度彎曲していました。左右の上・下眼瞼に、かなり濃い「くま」があり、顔面全体がくすんでいました。
・残業があると頭が全体的に痛くなることが多いそうです。
・左の後頚部から左肩甲骨上角にかけて、しびれに似た疼痛が常時あるそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は無く、心音に特段の所見はありませんでした。
・頸頬部触診上、第5,6棘突起(C5,6)の押圧で著明な圧痛がありました(特にC6)。左右の下顎切痕部や頬骨弓下方(側頭下窩)にも著明な緊張と圧痛がありました。左右の眼窩下孔やオトガイ孔に圧痛・放散痛はありませんでした。しかし眼窩下孔の下部とオトガイ孔の上部に軽度のしこり(硬結部)と圧痛がありました。頸部の筋肉群は、前後左右の筋肉全般が緊張し、圧痛がありました。特に右側の頸椎(C1~C7)横突起前後には数mm大のしこりを伴う緊張がありました。また同部の押圧により、右耳の奥のほうで「パコパコ」といった振動(?)が誘発したそうです。

 





➂ 治療目標と整体治療
【初診から3診目までは後鼻漏など頭顔面の愁訴の治療を優先したので、尿漏れの治療は4診目から開始しました】
⑴    膀胱平滑筋(特に内尿道括約筋)の膠着を緩和し、柔軟性を改善して、内尿道括約筋の絞扼機能を回復する
⑵    骨盤神経叢、膀胱神経叢の緊張を解放し、自律神経機能を改善して、内尿道括約筋の括約機能を回復する
⑶    アルコック管内を走行する陰部神経の絞扼性伝導障害を解放し、外尿道括約筋の絞扼機能を回復する
⑷    骨盤臓器間にあると推定されに癒着部位をはがし、各臓器の機能および血管系の循環阻害や神経系の伝導障害を改善する

     ・膀胱平滑筋解放テクニック
     (内尿道括約筋解放テクニック)
    ・膀胱神経叢解放テクニック
    ・骨盤神経叢解放テクニック
    ・アルコック管解放テクニック
    ・内腸骨動静脈解放テクニック
    ・骨盤神経叢解放テクニック
    ・消化管平滑筋解放テクニック

 





④    経過と結果・・・
【Yさんは遠方にお住いであり、また数多くの愁訴がある方でしたので、今回の来院でそれらを一括して整体治療を受けたいとの事でした。その為に、会社に一か月間の休暇届けを出され、その間にまとめて整体治療することになりました。この様な状況ですので、下記の経過にはそれらの愁訴の経過がランダムに記されていて、本件(尿漏れ)については分かりにくくなっているかと思います。そこで本件については青字で記しています。】

・初診治療後、

「施術の途中から右鼻が通ってきて、今も鼻の通りは良いです」と不思議そうに仰っていました。また左側方への下顎の移動は、かなり改善されていました。


・2診目来院時、

「鼻が通っていたのは(治療終了後)3時間くらいでした。それからはいつもと同じく鼻がつまりました。その他の症状も元に戻りました。ただ歯の知覚過敏についてはかなり楽で、普段の2/10程度が今でも続いています」と仰っていました。また「治療後すぐに体がだるく、眠気も強くなったので、ホテルに戻ってからすぐに眠りました。それと頻尿気味になりました」とも仰っていました。


・6診目来院時、

「後鼻漏や自声強聴はありませんでしたが、鼻閉はつまったり通ったりの繰り返しでした。ただ通っているとしても6~7分くらいの間でした。歯の知覚過敏は、(初診以来)ありませんでした。」と仰っていました。また「下痢便はなくなりましたが、やはりまだ軟便ですね」とも仰っていました


午前診後の休憩後、

「さっき食事をしている時に気が付いたのですが、左の歯の”かみ合わせ”が良くなりました! 十年以上もかみ合わせが悪かったのに、急に良くなってビックリしています」と仰っていました。また「”知覚過敏がどこまで良くなっているかな~”、と思い、思い切って氷で満たしたお水を飲んでみましたが、ほんの少し違和感がある程度で無理なく飲めました。つい先日までは、こんな事をすると飛び上がるほど歯に響いていましたが、今は全然ましです」とも仰っていました。


・8診目来院時、

「後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはあり、それが強くなったり弱くなったりしました。それとこれは関係ないかもしれませんが、昨晩の就寝中にオデコに汗をいっぱいかいていました。こんな事は今までに記憶がなかったですが、これも治療と何か関係があるのでしょうか」と仰っていました。お通じについては、まだ軟便が続いているそうです。しかし「そう言えば、下腹部痛は気にしなくなりましたね」とも仰っていました。


・10診目来院時、

「鼻つまりは今週もやはりありましたが、一時止まっていた後鼻漏や自声強聴も今週は時折ありました。それと前回の治療で良くなっていた歯の開き具合とかみ合わせが、今週は元に戻りました。でも歯の知覚過敏は無かったです。」と仰っていました。尿漏れについてお聞きすると「そういえば、今週はあまり気にすることは無かったですね。いつもの半分くらいかもしれません。」とも仰っていました。お通じについてはやはり軟便ですが、下腹部痛はここのところ感じていないそうです。


施術後、

「顔面の治療中、右耳の奥のほうで”パコパコ”とした音が鳴っていました。今は、さっきまであった自声強聴が無くなっています。それと左歯のかみ合わせも良くなって、さっきより大きく開く気がします」と仰っていました。鏡で口の開閉を確認していただくと、治療前は左右の顎関節が非対称的に開閉していましたが、治療後は対照的にバランスよく開閉していました。
 

・12診目来院時、

「後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはありました。尿漏れについても、漏れそうになった感じはありましたが、結局一度も漏れずに済みました。それと、今日はまだ一度しか排便はありませんが、軟便でなく比較的硬い便が久しぶりに出ました」とも仰っていました。


・14診目来院時、

「後鼻漏、自声強聴、歯の知覚過敏は非常に調子よくなり、ほとんど無かったです。左顎の痛みやクリック音もほとんど感じませんでしたし、かみ合わせも良好です。ただ鼻つまりだけはありました。」と仰っていました。また「便は硬めの普通の便で、最近は緩い便が出なくなってきています。そう言えば、尿漏れも一度も無かったですね」とも仰っていました。施術後、「今は鼻がスッキリと通っています」と仰っていました。


この段階で、鼻づまりに関しては少し不充分でしたが、その他の愁訴(知覚過敏、耳管開放症、尿漏れ、下痢、顎関節症)については日常生活的に問題の無いレベルにまで大幅に改善していました。またYさんの休暇期間がほぼ満了に近かったので、今回の集中治療は一応の終了としました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
少なくない男子の尿漏れ患者さん、、、
Yさんの尿漏れ原因は何なのか>>>>>

・尿漏れは、一般的には女性に多い愁訴とされていますが、男性にも尿漏れでお悩みの方は少なからずおられるようです。ただその原因は「加齢、前立腺肥大症/腫瘍、骨盤底筋の衰え、膀胱炎、尿道結石、肥満…」などですから、上記「② Yさんの診察」の【尿漏れに関する所見】からすると、Yさんにはどれも当てはまらないか、あるいはその可能性がかなり低いものでは思われます。またYさんは10年前に尿管結石(☚尿道では無い)にはなっていますが、尿漏れはそれより以前の15年以上も前からですから、これも主たる原因ではなさそうです。

 

 

 

 

内/外尿道括約筋と尿漏れの直接的な機序について、、、
・ところで、尿漏れの最終的な機序は次のように言われています。


内/外尿道括約筋(下記 注1参照)の括約機能が”何らかの理由”により減弱することで、膀胱内に畜尿されている尿が漏れやすい状態になる。その状態下で排尿したり、あるいは運動時の腹圧上昇などで膀胱圧が高まると尿が減弱した尿道括約筋をすり抜けて排出され尿漏れが生じる


注1)    内および外尿道括約筋
尿道にある内および外尿道括約筋が常時収縮することで膀胱から尿が漏出することを防いでいる。

内尿道括約筋は平滑筋からなり、内尿道口(☚前立腺の手前で膀胱壁内にある)に位置し、自律神経支配(膀胱神経叢)である。

これに対して外尿道括約筋は横紋筋からなり、前立腺の直下に位置し、随意神経(陰部神経)支配である。

従って前者は、そのコントロールは随意的(意識的)には制御されず、無意識下で制御されるので、膀胱内に尿が溜まれば溜まるほど(膀胱内圧が上昇すれば上昇するほど)自律性に強く収縮し、排尿(尿漏れ)を制御する

後者は随意的(意識的)にコントロールできるので、膀胱内の尿が増えて尿意が増すと意識的に外尿道括約筋を収縮させ、排尿(尿漏れ)を制御することが出来る

尿漏れに関しては、内尿道括約筋の制御が主役と言われている。

 

 


科学的検査に馴染まない尿漏れ原因もある?!
整体的には、その方が興味深い>>>>>

・ここで重要な事は、上記の「内/外尿道括約筋の括約機能が減弱する”何らかの理由」にあります。それが分かれば、具体的な治療方針が見えてくるからです。ところがYさんの場合、その理由が泌尿器科でも分からなかったそうです。ただ整体的な観点でいうと、「その理由が泌尿器科でも分からなかった」事こそが、大きなヒントとなることがあります。つまり、血液/尿検査やX線、MRIの様な西洋医学が誇る「化学的、画像的な検査法には馴染まない原因があるのでは?!」と、整体的には考えるからです。


・言い方を変えると、上記の「化学的、画像的な検査法には馴染まない原因があるのでは?!」とは、例えば血液検査やMRIでは描出されにくい臓器間の癒着や血腫、あるいは平滑筋の緊張(凝り)や、それに起因する血管や神経の絞扼、または自律神経失調的な機序、、、などです。

 

  

骨盤神経叢と男性泌尿生殖器


・これらは血液検査などの科学的な検査では証明されにくいですから、残念ながら推測に頼らざるを得ません。その意味では不完全ですが、現実の臨床ではある程度の推測=信憑性が確認できれば、その方向性で進むことが一般的です。でないと、100%の確証がなければ何もできない、、、という事態に陥るからです(当然、万が一にもその信憑性に間違いがあった場合、当該医療家はその重要度に応じて何らかの責任を負う覚悟が必要です)。

 


Yさんの尿漏れ原因の仮説とは、、、
・以上の事から、今回のYさんの尿漏れについてある程度信憑性のある仮説を考えることにしました。そしてその要旨は次の通りです。


Yさんは10代からいわゆる”お腹が弱い”体質だった。特に小学生時代にはひどい腸炎にもなった。その際、腸or大網などから膿が漏れ出て腹腔や骨盤底部(特に膀胱直腸窩~坐骨直腸窩-アルコック菅など)に漏出し、その残渣が消化管、膀胱、および近接する血管群や神経叢などに浸潤/癒着した。

その一つが膀胱(特に尿道括約筋付近-❶)および膀胱神経叢-➋であり、あるいはアルコック管-❸などであった。

その為、

❶により、尿道括約筋機能が膠着し、その柔軟性が阻害されて尿漏れしやすい状態になった。

➋により、排尿や著尿に関する末梢性自律神経の機能に失調が生じ、それによっても内尿道括約筋機能のコントロール不全に陥り、尿漏れしやすい状態になった。

❸により、アルコック管内を走行する陰部神経に絞扼性伝導障害が生じ、外尿道括約筋のコントロール不全に陥り、尿漏れしやすい状態になった

これら❶~❸が冒頭に記した「内/外尿道括約筋の括約機能が減弱する”何らかの理由”」ではないか、、

と考えました。

 

アルコック管と骨盤深部の神経系

 


Yさんの尿漏れをさらに悪化させた原因があった・・・
急性腸炎、足の冷え性、足蹠多汗症も尿漏れと関連している?!?

・さらにYさん、7年前にも二度にわたって急性腸炎になり(そのうち一度目は一週間の入院が必要だった)、上記原因仮説に追い打ちをかけるように骨盤神経叢などにさらなるダメージを与えることとなり、尿漏れが次第に悪化していったのではないか、と考えられます。


・骨盤神経叢のダメージについては、別角度からも推測できます。それは、Yさんは下記の様な足の冷え性および多汗症所見もあったからです。
『十代の後半頃から両足首の冷え性が生じるようになったそうです。また同じ頃から、両足裏の多汗症(足蹠多汗症)にもなっているそうです。』


・ちなみに冷え性は交感神経緊張による血管収縮(血流低下)も有力原因の一つですし、多汗症は汗腺を支配する交感神経の緊張によって発汗が促進します。何となれば、両者の交感神経はそれぞれ、骨盤深部に位置する骨盤神経叢から起始して下肢に伸びていますので、この足の冷え性および多汗症(足蹠多汗症)自体が、骨盤神経叢の失調を推測させる有力な所見であることの信憑性が高いのでは、と思います(下記Yさんの症例参照)。

 

骨盤神経叢


【参考資料】
靴下を三枚重ねしても赤く腫れあがる足のしもやけ(凍瘡) 20才の頃から続くしもやけ(凍瘡)の整体治療
     患者Yさん=63才-女性-主婦の症例
20年前から続く、足の裏の多汗症(足蹠多汗症)の整体治療
     患者Yさん=63才-女性-主婦の症例

 


高校時代の自転車通学も原因していた?!?
・これらとは別に、高校時代の三年間にわたり、片道30分間の自転車通学をしたことによって、坐骨直腸窩-アルコック菅-にサドルからの物理的圧力が加わり続け、その結果アルコック管(特に右アルコック管)付近に硬結部ができ、その硬結によって陰部神経が絞扼されやすい状態に陥っていたことも尿漏れにつながったのでは、との推測もできます。

 

  
 

 

Yさんの尿漏れ治療方針とその結果、、、
・以上のような考察から、「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴    膀胱平滑筋(特に内尿道括約筋)の膠着を緩和し、柔軟性を改善して、内尿道括約筋の絞扼機能を回復する
⑵    骨盤神経叢、膀胱神経叢の緊張を解放し、自律神経機能を改善して、内尿道括約筋の括約機能を回復する
⑶    アルコック管内を走行する陰部神経の絞扼性伝導障害を解放し、外尿道括約筋の絞扼機能を回復する
⑷    骨盤臓器間にあると推定されに癒着部位をはがし、各臓器の機能および血管系の循環阻害や神経系の伝導障害を改善する

を設定し、それらに対応する整体テクニックである
・膀胱平滑筋解放テクニック
 (内尿道括約筋解放テクニック)
・膀胱神経叢解放テクニック
・骨盤神経叢解放テクニック
・アルコック管解放テクニック
・内腸骨動静脈解放テクニック
・骨盤神経叢解放テクニック
・消化管平滑筋解放テクニック

を施術することにしました。
【初診から3診目までは後鼻漏など頭顔面の愁訴の治療を優先したので、尿漏れの治療は4診目から開始しました】

 

 

・結果的に10診目には(☚尿漏れ治療を始めて7診目)、尿漏れはいつもの半分くらいにまで減り、12診目には(☚尿漏れ治療を始めて9診目)、一度も尿漏れがない日が続く様になり、最終診の14診目に至っても(☚尿漏れ治療を始めて11診目)、尿漏れは一度もなかったので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

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自律神経失調(ネザールサイクル失調)も関係している?!

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、10年以上前から右の鼻づまりが一日中続いていたそうです(☚左鼻がつまることはあまり無かった)。この状態だけでもかなり息苦しいそうですが、たまに左の鼻がつまることがあるとかなり呼吸が苦しくなるので、仕事や商談などにかなり支障がでるそうです。これまで幾つかの耳鼻科をはじめ、カイロプラクティック・他の治療を試されたそうですが、ほとんどの医療機関で「原因はよく分からない」とのことで全く効果が無かったそうです。そこで1年前に大学病院で改めて精査を受けたところ、担当医より「鼻中隔湾曲症があります。鼻閉はそのせいでしょう。」とのことで、手術を勧められたそうです。Yさんはできるだけ手術を受けたくないとの事で、今回の来院となりました。
【Yさんは遠方にお住いのため、一度の来院で2枠分の施術時間を設けたり、あるいは一度の来院で、午前診は二枠分、午後診で二枠分の施術時間を設けて(合計4枠分)治療したりしました。またYさんは会社員であるので、会社に1か月の休暇を取られ、その間で治療が完了する集中治療計画を立てて施術しました。その際、施術による副作用に細心の注意を払いながら、施術を進めていきました。】


 

 

②    Yさんの診察
・鼻がつまるのは右鼻だけで、左鼻はあまりつまらないそうです。鼻閉はあっても鼻水はほぼ出ないそうです。ただ後鼻漏はあるそうですが、サラサラとした液体調でほぼ無色透明だそうです。これらの症状はどちらも10年ほど前から毎日のように続いているそうです。耳鼻科の担当医から「治すには手術しかありません」と言われているそうです。
・今までの検査の中で、花粉症などのアレルギーや鼻腔、副鼻腔、上咽頭などに炎症所見が確認されたことは無かったそうです。
・5年ほど前に右の耳で自声強聴が出たので近医を受診すると「耳管開放症」と診断を受けたそうです。自声強聴は毎日出るのではなく、数日に一度の割合で出るそうです。ただ運動後やエレベーターの昇降時には生じやすいそうです。左耳で自声強聴が生じることは無いそうです。耳鳴りや難聴は無いそうです。
・幼稚園の頃に右耳が痛くなったので近位を受診すると、中耳炎と診断されたことがあるそうです。それ以降、時折右耳の奥にボコボコとした違和感を感じる時がたまにあったそうです。
・近視ですが、眼圧などは正常で、今まで眼科医から異常を指摘されたことは無いそうです。
・虫歯や歯肉炎(歯周病)は無いそうですが、歯をかみしめる癖、歯ぎしりがひどいそうです。歯科医より歯のすり減りを指摘されていて、それは左右ともあり、5年前からマウスピースの処方を受けているそうですが、よくマウスピースをつぶしてしまうそうです。
・5年ほど前から、上下左右の小臼歯付近に知覚過敏があり、冷たい飲食物やドレッシングなどの酸っぱい飲食物で知覚が過敏になるそうです。今までいろいろな治療を受けたそうですがどれも改善するには至らず、知覚過敏の原因はよく分かっていないそうです。
・10年以上前から左の顎関節症があり、顎関節付近の軽度の疼痛と、顎の開閉時のクリック音、および口の開閉時の非対称(右顎が先に動く)があるそうです。また左の奥歯のかみ合わせが悪く、両方の歯をかみ合わせたとき、左の上下の奥歯の間が1~2mmほど開いているそうです。
・高校生の時に3年間ほど歯科矯正をしていたそうです。その際に左右上下の奥歯(4本)を抜歯しているそうです。
・下顎を前方に突き出す検査ではほぼ正常でしたが、下顎の左右側方への運動については、左側方への運動は、かなり制限されていました。
・いびきがひどく、両親や奥さんからよく指摘されるそうです。睡眠時に無呼吸があるかどうかは不明だそうです。
・発声や構語の異常は無いそうですが、嚥下時にむせる事(誤嚥)は度々あるそうです。鼻腔への逆流は無いそうです。
・カーテンサインは陰性でした。
・頭顔面の視診上、気管は正中にあり、甲状腺の腫脹、委縮はありませんでした。鼻梁は「し」状に右側凸で軽度彎曲していました。左右の上・下眼瞼に、かなり濃い「くま」があり、顔面全体がくすんでいました。
・残業があると頭が全体的に痛くなることが多いそうです。
・左の後頚部から左肩甲骨上角にかけて、しびれに似た疼痛が常時あるそうです。
・血圧は正常で、血液検査で異常を指摘されたことは無いそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は無く、心音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音はやや弱めで聴取されました。
・頸頬部触診上、第5,6棘突起(C5,6)の押圧で著明な圧痛がありました(特にC6)。左右の下顎切痕部や頬骨弓下方(側頭下窩)にも著明な緊張と圧痛がありました。左右の眼窩下孔やオトガイ孔に圧痛・放散痛はありませんでした。しかし眼窩下孔の下部とオトガイ孔の上部に軽度のしこり(硬結部)と圧痛がありました。頸部の筋肉群は、前後左右の筋肉全般が緊張し、圧痛がありました。特に右側の頸椎(C1~C7)横突起前後には数mm大のしこりを伴う緊張がありました。また同部の押圧により、右耳の奥のほうで「パコパコ」といった振動(?)が誘発したそうです。
・腹部触診上、回盲部で著明な緊張と圧痛がありました。特に右上前腸骨棘(ASIS)から右鼠経靭帯~恥骨結合にかけて、数mm大のしこりと緊張および強い圧痛がありました。特に恥骨の直上部位は極めて硬く、かつ極めて強い圧痛がありました。心窩部や左季肋部(十二指腸空腸曲)でも緊張と圧痛がありました。打診上、臍より下方は全般的に濁音で、かつ触診的にも下腹部全般的にかなり硬めの粘土状の感触がありました。
・Yさんの身長は170cmで、体重は55kgだそうです。


➂ 治療目標と整体治療
⑴    ネザールサイクルの失調を回復し、右鼻の鼻つまりを解消する
⑵    鼻腔または副鼻腔、上咽頭粘膜からの粘液分泌亢進を解消し、後鼻漏を改善する
⑶    鼻中隔を矯正し、右鼻腔を解放する
⑷    閉口筋(特に外側/内側翼突筋)の緊張を解放し、神経の伝導障害や血流低下を改善する
     ・翼口蓋神経節解放テクニック
     ・頸部交感神経幹解放テクニック (迷走神経解放テクニック)
     ・頭蓋骨矯正テクニック
     ・閉口筋解放テクニック






④    経過と結果・・・
【Yさんは遠方にお住いであり、また数多くの愁訴がある方でしたので、今回の来院でそれらを一括して整体治療を受けたいとの事でした。その為に、会社に一か月間の休暇届けを出され、その間にまとめて整体治療することになりました。この様な状況ですので、下記の経過にはそれらの愁訴の経過がランダムに記されていて、本件(鼻閉・後鼻漏)については分かりにくくなっているかと思います。そこで本件については青字で記しています。】
・初診治療後、

施術の途中から右鼻が通ってきて、今も鼻の通りは良いです」と不思議そうに仰っていました。また左側方への下顎の移動は、かなり改善されていました。


・2診目来院時、

鼻が通っていたのは(治療終了後)3時間くらいでした。それからはいつもと同じく鼻がつまりました。その他の症状も元に戻りました。ただ歯の知覚過敏についてはかなり楽で、普段の2/10程度が今でも続いています」と仰っていました。また「治療後すぐに体がだるく、眠気も強くなったので、ホテルに戻ってからすぐに眠りました。それと頻尿気味になりました」とも仰っていました。
 

・4診目来院時、

「(施術の翌日)お腹が張ってオナラがよく出ました、それで便も一日に6回も出ました。2回目以降はほぼ軟便でした。」と仰っていました。
(Yさんはその後38度を超える発熱があったので、この件について翌日に近医を受診したところ、施術後に焼き鳥屋で食べた焼き鳥による急性腸炎との診断を受けたそうです。)
 

・6診目来院時、

後鼻漏や自声強聴はありませんでしたが、鼻閉はつまったり通ったりの繰り返しでした。ただ通っているとしても6~7分くらいの間でした。歯の知覚過敏は、(初診以来)ありませんでした。」と仰っていました。また「下痢便はなくなりましたが、やはりまだ軟便ですね」とも仰っていました。
午前診後の休憩後、「さっき食事をしている時に気が付いたのですが、左の歯の”かみ合わせ”が良くなりました! 十年以上もかみ合わせが悪かったのに、急に良くなってビックリしています」と仰っていました。また「”知覚過敏がどこまで良くなっているかな~”、と思い、思い切って氷で満たしたお水を飲んでみましたが、ほんの少し違和感がある程度で無理なく飲めました。つい先日までは、こんな事をすると飛び上がるほど歯に響いていましたが、今は全然ましです」とも仰っていました。
 

・8診目来院時、

後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはあり、それが強くなったり弱くなったりしました。それとこれは関係ないかもしれませんが、昨晩の就寝中にオデコに汗をいっぱいかいていました。こんな事は今までに記憶がなかったですが、これも治療と何か関係があるのでしょうか」と仰っていました。お通じについては、まだ軟便が続いているそうです。しかし「そう言えば、下腹部痛は気にしなくなりましたね」とも仰っていました。
 

・10診目来院時、

鼻つまりは今週もやはりありましたが、一時止まっていた後鼻漏や自声強聴も今週は時折ありました。それと前回の治療で良くなっていた歯の開き具合とかみ合わせが、今週は元に戻りました。でも歯の知覚過敏は無かったです。」と仰っていました。尿漏れについてお聞きすると「そういえば、今週はあまり気にすることは無かったですね。いつもの半分くらいかもしれません。」とも仰っていました。お通じについてはやはり軟便ですが、下腹部痛はここのところ感じていないそうです。
施術後、「顔面の治療中、右耳の奥のほうで”パコパコ”とした音が鳴っていました。今は、さっきまであった自声強聴が無くなっています。それと左歯のかみ合わせも良くなって、さっきより大きく開く気がします」と仰っていました。鏡で口の開閉を確認していただくと、治療前は左右の顎関節が非対称的に開閉していましたが、治療後は対照的にバランスよく開閉していました。
 

・12診目来院時、

後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはありました。尿漏れについても、漏れそうになった感じはありましたが、結局一度も漏れずに済みました。それと、今日はまだ一度しか排便はありませんが、軟便でなく比較的硬い便が久しぶりに出ました」とも仰っていました。
 

・14診目来院時、

後鼻漏、自声強聴、歯の知覚過敏は非常に調子よくなり、ほとんど無かったです。左顎の痛みやクリック音もほとんど感じませんでしたし、かみ合わせも良好です。ただ鼻つまりだけはありました。」と仰っていました。また「便は硬めの普通の便で、最近は緩い便が出なくなってきています。そう言えば、尿漏れも一度も無かったですね」とも仰っていました。施術後、「今は鼻がスッキリと通っています」と仰っていました。
 

この段階で、鼻づまりに関しては少し不充分でしたが、その他の愁訴(知覚過敏、耳管開放症、尿漏れ、下痢、顎関節症)については日常生活的に問題の無いレベルにまで大幅に改善していました。またYさんの休暇期間がほぼ満了に近かったので、今回の集中治療は一応の終了としました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
当院の疑問、、、
なぜ、今までの検査で鼻中隔湾曲症が原因であることが分からなかったのか、、、

・今回のYさんの症例で一番不思議に感じたことは、Yさんは10年以上前から数々の耳鼻科を受診しているにもかかわらず、1年前になって初めて某大学病院の担当医から「鼻中隔湾曲症があります。鼻閉はそのせいでしょう。」と言われたことです。”何が言いたいか”と言うと、「鼻中隔の彎曲くらい、もっと以前の耳鼻科受診で分からなかったのか、、、」という疑問です。


・言い方を変えれば、今までの耳鼻科医の検査でも鼻中隔湾曲症は確認されていたのでは、、、と思うのです。しかしそれまでの耳鼻科医は「鼻中隔湾曲症が原因だ」とのコメントは一度も無かったようで、ほとんどの耳鼻科医で「原因はよく分からない」と言われていたそうです。

 

 


鼻中隔湾曲症が鼻つまりの原因と断定しにくかったのでは、、、
・つまり、それまでの耳鼻科医は、鼻中隔湾曲症があっても、それが鼻つまりや後鼻漏の原因とは断定しにくかったのかもしれません。しかし他にも鼻づまりや後鼻漏の原因となる所見も無かったので、結果的に「原因不明」と言わざるを得なかったのではないか、と思います。

 


 

 

鼻中隔湾曲症の手術で鼻づまりが改善しない症例も少なくない、、、
・ところで余談ですが、当院には鼻中隔湾曲症の手術をされた方が少なからず来院されます。そしてそのほとんどの方は「鼻中隔湾曲症の手術をしても鼻づまりや後鼻漏は治らなかった」と仰る方々でした。当然、手術で治った方は当院の様な整体院にわざわざ足を運ぶことはないので、当院来院者は手術をしても治らなかった方々ばかりになるのは必然なのですが、、、。


・ただここで一つ言いたいことは、たとえ「鼻中隔湾曲症があります。鼻閉はそのせいでしょう。」と言われて手術をしたとしても、鼻づまりや後鼻漏が治らないケースも実際にある、、、という事です。

 

 


Yさんに、鼻中隔湾曲症以外の鼻づまりが生じる別の原因があるのか、、、
・話しをYさんに戻すと、上記のような考察から、果たしてYさんの鼻づまりと後鼻漏は鼻中隔湾曲症だけが原因するのか、他にその原因は無いのか、、、その場合、鼻中隔湾曲症と他の原因の比率はどの様になっているのか、、、などが問題(疑問)となってきます。


・この様な問題(疑問)を持ちつつ、Yさんの鼻づまりと後鼻漏についてその原因と治療目標を考えていかねばならないのですが、その前にそれぞれの考察の前段階として、これらの症状が好発する代表的な疾患や部位についてみていきたいと思います。

 

 


鼻づまり、後鼻漏の一般的な原因とその部位について・・・
・まず鼻づまりについてですが、それには以下のように疾患が挙げられます。
▼鼻づまりが生じる疾患…
急性鼻炎、アレルギー鼻炎、副鼻腔炎、肥厚性鼻炎、鼻中隔湾曲症、アデノイド、鼻ポリープ(鼻茸)や腫瘍、薬剤性鼻炎など、、、。
 

・ところがYさんの場合、今までの度重なる耳鼻科での検査で上記の様な炎症、アレルギー、腫瘍性病変など、1年前の鼻中隔湾曲症以外の原因が確認されたことは一度も無いそうです。


・次に後鼻漏が生じる部位をみていきます。
▼後鼻漏が生じる部位…
鼻腔、副鼻腔、上咽頭など、、、。


・これについても同様で、Yさんが鼻腔や副鼻腔あるいは上咽頭に炎症その他の病変が確認はされたことは、今までに一度も無いそうです。

 

 


後鼻漏の質 “無色透明でサラサラとした液体調” がヒントとなる?!
・ここまで挙げると、やはり1年前に某大学病院で指摘された「鼻中隔湾曲症があります。鼻閉はそのせいでしょう。」しか、その原因が見当たらないことになり、その意味では手術しかないのかもしれません。しかし先述のごとく、この診断には当院的には少なからず不可思議に感じている点があるので、素直には納得しがたい思いがありました。


・そこで改めて考えると、一つヒントがありました。それは「後鼻漏の質」についてです。Yさんによると、後鼻漏は無色透明でサラサラとした液体調だ、との事でした。すなわち、少なくとも炎症性の後鼻漏の可能性は極めて低いものと考えられました。何となれば、炎症性であれば粘性があり、かつ黄色調を帯びることが多いからです。

 

 


“無色透明でサラサラとした液体調”の分泌液とは、、、
・ところで分泌物が無色透明でサラサラとした液体調である場合、可能性の高い原因は次の二つだと思います。
1.    Ⅰ型アレルギーによる漿液性炎症の場合
2.    副交感神経緊張(自律神経失調)による粘液分泌亢進の場合

 


“副交感神経性の粘液分泌亢進”
これだと、鼻つまり・後鼻漏の両方とも説明できる?!

・先述しましたが、Yさんには度重なる検査でアレルギーは無いとの事でしたので、上記1の「Ⅰ型アレルギー」の可能性は低くなります。従って残る可能性は2の「副交感神経性の粘液分泌亢進」となります。当院では、この可能性に絞ることにしました。何となれば、この可能性(いわゆる自律神経失調)だと、鼻つまりの機序も別の可能性で説明できるかもしれないからです。
それはネザールサイクルについてです。

 


ネザールサイクルとは、、、

 


 

・ネザールサイクルについて簡単に説明すると、以下の通りになります。
『2~3時間おきに鼻中隔粘膜の充血度が左右で相反する現象です。この現象によってその粘膜の肥厚度合いが左右で逆になります。例えば左鼻腔の粘膜が充血/肥厚すると鼻腔が狭くなり、空気の通りが悪くなりますが、これとは逆に反対側の右鼻腔粘膜は充血せず、粘膜が薄くなるので鼻の通りがよくなる現象です。この現象は自律神経的にコントロールされていると考えられていますので、いわゆる自律神経失調になるとこのサイクルに異常が生じ、鼻づまりなどが生じやすくなる可能性があります。鼻腔粘膜をコントロールする最終的な末梢自律神経節(☚現場監督的な役割り)は頬骨弓下部の翼口蓋窩に位置する翼口蓋神経節と考えられています。』


▼参考資料…ネザールサイクルの失調と思われる当院の臨床例
◆ 副鼻腔炎?!  それともネザールサイクルの失調?! 原因不明の鼻づまりの整体治療
5診目で、ほぼ完治した症例の解説です。
患者Nさん=43才-女性 –主婦/パートの症例

◆ 鼻中隔湾曲症と鼻づまりの整体治療
頭顔面骨全体の緊張の解放、および鼻中隔を引き延ばす整体テクニック、さらにネーザルサイクル機能を調節する整体治療で改善した症例の解説です。
患者Nさん=33才-男性/自営業の症例より

◆ 鼻づまりによる呼吸困難と整体治療
4診目で、ほぼ完全に鼻が通った症例の解説です。
患者Kさん=19才-男性-学生の症例

 




ネザールサイクルをコントロールする末梢自律神経節=翼口蓋神経節=
“翼口蓋神経節の失調”で鼻づまりと後鼻漏の両者とも説明できる !?

・以上の考察から、Yさんの鼻づまりについては、鼻中隔湾曲症以外の別の可能性として自律神経失調的な可能性、つまりネザールサイクルの失調も関係しているのでは、と考えました。おそらく、ネザールサイクルをコントロールしていると考えられている頬骨弓下部の翼口蓋窩に位置する末梢性の自律神経節=翼口蓋神経節(下記参照)=で何らかの伝導/伝達失調が生じ、鼻腔粘膜の血管径コントロールに異常が生じて鼻つまりが生じているのでは、と思われます。

 


 

・もしそうであれば、この血管径のコントロール不全だけでなく、粘液分泌についてもコントロール不全となる可能性があり、例えば粘液分泌亢進(つまり後鼻漏)が生じても不思議ではないと思います。

 


翼口蓋神経節について、、、
・ここで、翼口蓋神経節について少しふれておきます。翼口蓋神経節は頬骨弓下部の深部にある翼口蓋窩に位置する、頭顔面で一番大きな自律神経節です。同神経節には求心性神経として翼突管神経(副交感神経と交感神経)が入力しています。ただ副交感神経は翼口蓋神経節内でシナプスされますが、交感神経はシナプスされていないようです。また同神経節からは4種の遠心性神経が出ています。そのうちの一つである後鼻枝は鼻腔後方の粘液分泌や粘膜血管を支配している神経です。またその他の枝神経(内側上後鼻枝、外側上後鼻枝、外側下後鼻枝)も、それぞれ鼻腔粘膜の分泌や血管を支配しています。

 

翼口蓋神経節


・従って同神経節に失調があれば、鼻腔粘膜血管径のコントロール失調によりネザールサイクルの失調が生じ、鼻づまりが生じやすくなっているのでは、と考えられます。それだけでなく、粘膜に関する神経も失調するでしょうから、そうなれば鼻腔後方は元より鼻腔全般にかけて粘液分泌が亢進し、後鼻漏が生じやすくなる可能性が高くなると考えられます(☚すなわち後鼻漏の原因)。

 


翼口蓋神経節機能に失調が生じる原因(仮説)とは、、、
・ところで、この翼口蓋神経節に失調が生じる要因ですが、当院ではその仮説を次のように考えています。
Yさんは歯科医から「歯のすり減り」を指摘されるほど「歯をかみしめる癖、歯ぎしり」がひどい事から、閉口筋(特に外側/内側翼突筋)の過緊張-肥厚の可能性が強く推定されます。従ってその結果、同筋肉の深部(翼口蓋窩)に位置する翼口蓋神経節に絞扼刺激が加わることでその伝導/伝達失調が生じたり、あるいは翼口蓋神経節を支配する毛細血管などの血流が阻害されることなどにより、同神経節に失調が生じるのではないか

 

外側および内側翼突筋

 


翼口蓋神経節の失調がYさんの他の愁訴にも関連している ?!
・またYさんは頭顔面に数々の愁訴(耳管開放症、顎関節症、歯の知覚過敏など)がありますが、これらも上記仮説(閉口筋緊張による翼口蓋神経節の失調や、同筋内を走行する動静脈-毛細血管の循環障害、あるいは自律神経などの伝導障害など)が関与しているのではないか、と考えられます(この件については、それぞれのコンテンツで詳述しています)。

 


 

 

Yさんの整体治療目標・・・
・以上の考察から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴    ネザールサイクルの失調を回復し、右鼻の鼻つまりを解消する
⑵    鼻腔または副鼻腔、上咽頭粘膜からの粘液分泌亢進を解消し、後鼻漏を改善する
⑶    鼻中隔を矯正し、右鼻腔を解放する
⑷    閉口筋(特に外側/内側翼突筋)の緊張を解放し、神経の伝導障害や血流低下を改善する

を設定し、それに対応する整体テクニックである、
・翼口蓋神経節解放テクニック
・頸部交感神経幹解放テクニック (迷走神経解放テクニック)
・頭蓋骨矯正テクニック
・閉口筋解放テクニック

を施術する事にしました。

 


 

 

結果には満足できない部分もあります、、、。
・ただ、その結果についてなのですが、本件については、残念ながら充分に納得のいく結果ではありませんでした。後鼻漏については6診目頃より少しずつ改善傾向が見え始め、12診目からはかなり安定し、最終診の14診目では非常に良くなっていたので一定の効果があったのでは、と思います。その意味では当院の仮説(ネザールサイクルの失調説)の可能性にある程度の妥当性があったのでは、と思われます。


・しかし鼻つまりについては、改善傾向を見せたかと思うと翌診では元に戻り、それが繰り返される結果となりました。そして最終診の14診目でも、後鼻漏をはじめその他の愁訴の大半はかなり改善していたのに、鼻つまりに関してだけは、Yさんは「鼻つまりだけはありました。」との事でしたので、鼻つまりについてはネザールサイクルの失調説も含めて上記仮説に何らかの瑕疵があったのか、あるいは整体手技に技術不足があったのか、または治療回数が足りていなかったのか…等、いくつかの原因が考えられます。

 

 


鼻中隔彎曲説 or ネザールサイクル失調説、、、どっちなのか???
・ところで、先述しました「鼻つまりの仮説について、鼻中隔湾曲症と当院が考えたネザールサイクルの失調説とで、どちらがどの程度の比率で鼻つまりに影響しているのか」との問題(疑問)についてですが、上記結果だけをみると「鼻中隔湾曲症説>ネザールサイクル説」なのかもしれません。つまり極論すると、鼻つまりに関しては、ネザールサイクル失調はあまり関係なく、鼻中隔湾曲症が主な原因である、となります。


・しかし、後鼻漏は鼻中隔湾曲症でも生じるとされていますが、その機序は「鼻中隔湾曲症によって鼻腔がつまるので、それが抵抗となって鼻汁が鼻の孔から出ていかずに咽頭方向に逆流し、それが後鼻漏となる」が定説となっています。この観点に立てば、Yさんの後鼻漏は確実に改善されていたので、その意味ではYさんの鼻中隔湾曲症は改善していたことになり、鼻つまりについても鼻中隔湾曲症説の可能性が低下し、ネザールサイクル失調説が妥当であった可能性が高まります。。。。。

果たしてどっちなのか、あるいは全く別の可能性があるのか、、、正直なところよく分かりません、、、

 


耳鼻科での再検査結果をみて再考するべし!!
Yさんには、力不足で申し訳ありませんでした。

・・・・と、ここまで考えましたが、これ以上は考えないことにしました。Yさんの鼻中隔湾曲症の状態は、耳鼻科で確認して頂かないと分かるわけもなく、この状態で「ああだ、、、こうだ・・・」と論じても頭がクルクルしそうですから。ですからYさんには、その点のところも踏まえて耳鼻科で詳しく検査していただきたいと思います。


・とにかく、1か月もの長期休暇を取っていただきながら、また遠方からわざわざ大阪まで来られてホテル泊まりするなど、かなりのご負担をかけたにもかかわらず、鼻つまりについては満足な結果が出なかったこと、Yさんには大変申し訳なく思います。
もし、いつか当院に来院されることがあるのであれば、今度は少しでも結果を出せるように研究を積み重ねて治療に臨みたいと思います。

 

 

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膣からの突出物、会陰の凸部、腹部膨隆、便意が生じない、、、

直腸瘤(?) 子宮脱(?) 膀胱瘤(?)、、、
腹部膨隆と骨盤内臓下垂、重度便秘症の整体治療
患者Rさん=41才-女性・自営業の症例

 

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①    Rさんの病歴・・・
患者Rさんは、4年ほど前から腹部膨満に悩まされ始めたそうです。酷い時は腹部全般がキューピー人形のお腹の様にパンパンに張って喉元まで苦しくなるそうです。運動不足が原因と思われたRさんは腹筋などの筋トレをしたそうですが、かえって下腹が出てきたそうです。そこでRさんはSIBO(小腸内細菌異常増殖症)かカンジダ感染と思われ、今度はあるサプリで腸の除菌をされたそうです。するとお腹は少し凹んだそうですが、しかし今度は胃を悪くされたそうです。そこでそのサプリを止めると、その途端に下腹と腹部が再度膨らんだそうです。そんなある日、今までよく食べていた自家製の味噌や蜂蜜、ヨーグルトを食べると腹部が膨満する事に気づいたので、それらの食品を控えていたそうです。その結果、少し腹部膨満は改善したそうです。ただ下腹はあいかわらず膨らんでいたので、その解消のために縄跳びを20~30分ほど跳ぶトレーニングで下腹を引っ込めようとしたそうです。すると今度は入浴中に股間から肉(?) or 皮膚(?)の様なもの(☚ピンポン玉ではなく、くちばしの様な弾力のある尖った感じの物体)が突出している事に気がついたそうです。その時は手で押し込んだそうですが、それ以降日常的に突出するので、今度は骨盤底筋を鍛える運動をしたところ、その突出物は引っ込んだそうです。しかし、やはり少し食べ過ぎたりするとその突出物が股間から飛び出るので、何か根本的に解決できる事は無いか、との思いで当院に来院されました。
【この件でRさんは病院などを受診されていません】

 





②    Rさんの診察
・本件に関して病院を受診されていないので正確な所は不明ですが、この股間からの突出物についてRさんは直腸瘤だと思われているそうです。その形状はピンポン玉ではなく、くちばしの様な弾力のある尖った感じの突出物だったそうです。その表面は皮膚なのか、粘膜なのか、よく分からなかったそうです。当院初診時には、この突出物は出ていなかったそうです。
・Rさんの身長は150cmで、体重は40kgだそうです。
・Rさんは子供の頃から少食だったそうですが、それでも食後にお腹が張る事が多かったそうです。Rさんはこの件で、「自分は胃下垂では、、、」と思い込んでいたそうです。
・10代の頃から便秘症で、便秘薬を服用しなければ10日以上も排便が無い事がざらにあるそうです。便意もほとんど出ないそうです。便が出なくなると2~3日で腹部全体が膨満し、キューピー人形の様に膨らみ、肋骨弓も広がってかなり苦しくなるそうです。排便されても食べた物が肉眼で分かるくらいの不消化便である事も少なくないそうです。また便器に便が浮かぶ事もあるそうです。
・かなり以前から、排便時に肛門の周囲を指で押圧して排便すると便が出やすかったそうですが、股間から突出物が出てからは、会陰の辺りがハッキリとボコッと膨らんでいるので、その膨らみを押圧して排便するようになったそうです。また排便があっても強い残便感がある事が多いそうです。この残便感は、縄跳びを始めて股間から突出物が出て以降、さらに強くなったそうです。そして同じく、下腹に便が大量にあると感じてもほとんど便意が生じなかったり、あるいは力んで排便しようとしても直腸の方に力が入りにくい感じがするようになったそうです。ただ、たまに便がスルーッとスムーズに出ると、膣からの突出物や会陰の凸部は無くなるそうです。またその頃から頻尿にもなり、夜間には三回前後も小用の為に眼が覚めるそうです。恥骨付近に臓器感覚があるそうです。排尿痛は無いそうです。
・Rさんはあまり病院を受診しないタイプの為、血液検査や血圧については、よく分からないそうです。ただ血圧は「低めだと思います」との事です。
・便秘薬として「にがり」を服用する事が多々あるそうですが、その際頭がボーっとする事が多いそうです。
・Rさんは自身の皮膚色が少し黄色っぽいと感じているそうです。視診上(頭顔面・上肢)、皮膚色は日焼け色的な色調をしていて、表面はザラザラとした肌荒れ感がありました。
・眼瞼結膜はやや濃い目のピンク色でした。
・月経周期は28~29日で、月経期間は7日だそうです。生理痛は30代の頃から始まり、痛む部位は仙骨付近だそうです。排卵痛、排卵出血は無いそうです。Rさんに出産経験はありません。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音は弱く聴取されました。肝叩打痛がありました。
・腹部触診上、回盲部が定位置よりやや上部に位置しているように思えました。また同部から臍部および左季肋部(十二指腸空腸曲)にかけて著明な緊張と圧痛があり、特に回盲部から臍部にかけては幅の広くて硬い索状物が触診できました。恥骨結合部の深部で子宮底と推測される凸部を触診できました。左鼠径部(恥骨結節寄り)にも著明な緊張と圧痛があり、左の恥骨結節深部でも著明な硬結と圧痛がありました。下腹部全般に著明な緊張と圧痛があり、その深部では癒着感の伴う感触がありました。また下腹部の正中部では、やや硬度の増した直腸と思われる縦状の索状物を触診できました(特に肛門側に行くほど硬度↗)。十二指腸上行部から十二指腸空調曲にかけても著明な緊張と圧痛があり、これらの部位の押圧で右胸骨縁(R3~4付近)、肝臓の前面や後面、あるいは左肺下葉付近、そして腰背部に放散痛が生じました。
・Rさんが子供のころ、ご自身の右下腹部に傷跡があるのを見て母親に尋ねると、母親は「それは赤ちゃんの頃に手術した傷跡や、ヘルニアやってん(正式な病名は忘れたそうです)」と言われたそうです。またRさんは未熟児(約1500g)出産だったため、出産後もかなりの日数入院していたそうです。Rさんはごく軽度の心房中隔欠損があるそうです。

 





➂ 治療目標と整体治療
⑴    腸間膜根の偏位を矯正し、同時にその緊張(硬度)を解放して、同根内の動静脈の還流を改善させ、さらに自律神経機能も回復-促進させ、その結果腸管内の消化物の吸収と蠕動機能を回復して、腹部膨満、便秘を解消する
⑵    骨盤神経叢の失調を回復し、S字結腸~直腸の内臓求心性神経(☚便意の回復)、および遠心性神経(☚蠕動運動促進)の機能を回復して、便秘を解消する
⑶    直腸を支配する動静脈の循環を回復し、直腸壁の修復を促進して、直腸瘤を解消する
⑷    病院での精密検査を受けるように勧める

 ・腸間膜根解放テクニック
 ・十二指腸空腸曲解放テクニック
 ・消化管平滑筋テクニック
 ・骨盤神経叢解放テクニック
(3診目より追加)
 ・内腸骨動静脈解放テクニック (3診目より追加)
 ・上・中・下直腸動静脈解放テクニック (3診目より追加)
 ・直腸解放テクニック (5診目より追加)
 ・子宮底解放テクニック /ダグラス窩解放テクニック (7診目より追加)

 





④    経過と結果・・・

  膣からの突出物(尿道粘膜の過形成)以外はほぼすべて改善 !!
【Rさんは遠方にお住まいの方なので、2診目から10診目まで、一度の来院で二枠分の施術時間を設けての集中治療を行いました。11診目からはメンテナンス治療となったので、一枠分の施術時間に減らして治療しました。】
【初診~10診目までの集中治療】
・初診治療後、

「お腹周りがスッキリしています」と仰っていました。
 

・2診目来院時、

「(初診施術後)2~3日は身体が非常にだるかったです。便もいつものように出なくなり、またガス(放屁)も全く出なくなって、キューピー人形の様にお腹が膨らみました。ただ呼吸は普通に出来て、(カラオケが好きなのですが)いつもより声がよく出ていたのは不思議でした。(施術日以来)数日間便が出ていなかったので、昨日便秘薬を飲みました。飲む前に股間を確認したところ、会陰付近から少しだけ何かが出ていました。」と仰っていました。また、「(初診施術後から)喉の下からみぞおちにかけての垂直方向に、フリーホールに乗って落下する時の様なヒヤッとした奇妙な感覚が一日に何度も生じています」とも仰っていました。


・3診目来院時、

「便は治療の翌日に硬い便と、その後に水様の便が出ました。その後は今日まで排便がありませんが、お腹の張りは前回みたいに張っていません。施術後のだるさは前回に比べると全然マシでした。昨日ですがお風呂に入っていると股間からほんの少しだけ突出物が出ていました。ゲップはガス(放屁)はほとんどありませんでした。(前回感じていた)胸が下がる様な奇妙な感じもほとんど無かったです」と仰っていました。


・4診目来院時、

「やはりまだお腹の膨満感が強いです。前回の施術後に久しぶりに排便があったのですが、かなり硬かったせいか、膣から小さな突起物が出ていました。会陰の凸部もありました。」と仰っていました。また「便がスルーと出た時には、この突出物や会陰部の凸部もありませんでした」とも仰っていました。
 

・5診目来院時、

「先日、婦人科に行ってきましたが、子宮下垂は無いみたいです。(担当医によると)”子宮ではなく、膣の粘膜が出ていると思いますが、その理由は分かりません”と言われました。(症状的には)突出物は外に出ませんでしたが、自分で膣内を触ると二度ほど膣内でモコッと出ていたみたいです。一度は排便の直前で、二度目は生理になってからです。そう言えば今回の生理では、一度も腰が痛む生理痛が不思議となかったです。そして今週は、あれほど張っていてお腹の膨隆が一度しかなかったです。それと今週は一度も便秘薬を飲まなかったのですが、それでも二度便意があり、少しですが自力で排便することが出来ました」と仰っていました。
 

・6診目来院時、

「今週はかなり調子良かったです。週の内四日間も排便があり、便意もありました。便も比較的楽にスルーと出ました。そのせいか、膣からの突出物も出なかったし、会陰の凸部もありませんでした。それと、今まで毎朝お腹がキューピー人形の様に膨れていましたが、それが今週は一度も無く、(お腹が)平坦でした」と仰っていました。また「今まで骨盤底筋の運動をしていたのですが、最近その運動をすると、以前より骨盤底筋が良く動く感じがするのです。以前はそれが普通と思っていたのですが、今思えば、その頃は(骨盤底筋は)動いていなかったのですね。今まで色々な治療をしてきましたが、こんなに効果が出たのは初めてだと思います。ここにきて良かったです」とも仰っていました。
 

・8診目来院時、

「(前回治療後)二日間は調子よく便が出ていて、膣や会陰部からの突出物は無かったですが、三日目から昨日まで便が出なくなり、仕方なしに酸化マグネシウム錠で出しました。ですから昨日、一昨日は膣から少し突出物が出ていました。でも会陰部の凸部は出なかったです。」と仰っていました。施術後、「今回も今迄みたいに”直腸や子宮付近の施術は痛いのかな”と思っていましたが、今回はほとんど痛みもなく、スヤスヤと眠れる時間が多かったです。」とも仰っていました。今回の治療では、初めて直腸の肛門側から直腸子宮窩(ダグラス窩)にかけて施術でき、かなり柔軟性と可動性が達成できました。
 

・9診目来院時、

「今週はキューピー人形みたいな腹部膨満は大分ましで、少し膨らんだ程度でした。平均すると二日に一度の割合で排便がありました。便意も毎回あり、量も普通かそれ以上出ていました。会陰からの突出物は一度も無かったですが、膣から少し出ていたので、この時に婦人科に行きました。すると担当医は『これは直腸からではないですね。尿道からですね。』と言われ、その足で泌尿器科に行きました。その担当医は『尿道と膣の間の粘膜に余分な部分があり、それが膣方向に出るみたいです。子供や閉経後の女性に多いのですが、Rさんについてはなぜ出ているのか、よく分かりません。膀胱/尿道留はありません』と説明されたそうです。そしてこの余分な部分の治療は切除手術しかないとも説明されたそうです。

 


 

・10診目来院時、

「二日おきですが便意は毎回ありますし、排便もスルーっと楽に出るようになってきました。そのせいか膣への突出物は今週は一度もありませんでした。会陰の凸部は排便時に時折出ますが、以前よりかなり小さくなっています」と仰っていました。
この段階で、重度の便秘症だった排便間隔も二日おきになり、以前には無かった便意も毎回生じるようになっていました。また膣からの突出物も出ず、腹部膨満や会陰の凸部もかなり改善していたので、一週間おき(二枠分)の集中治療を終了し、11診目以降からは二週間おき(一枠分)の治療に変更しました。

 


 

 

【11診目以降のメンテナンス治療】
・11診目来院時、

「膣からの突出物は出ることがありましたが、(排便時の)会陰部の凸部が出ることは今回はありませんでした。排便間隔は2~3日に一度の割ですが、便もスルーとスムーズに出るようになり、以前のように排便時に会陰部を押す必要は無くなりました。便意も毎回あります」と仰っていました。
 

・12診目は膣からの突出物と会陰の排便時の凸部が少し出ることもあったそうですが、それ以外の症状は全て順調だったそうです。そして13診目来院時は、その膣からの突出物と、排便時の会陰の凸部も、一度も生じなかったそうです。
 

・14診目来院時、

「膣からの突出部はありましたが、排便時の会陰部の凸部はほんの少し張る程度で、以前の様に凸部を押しながらの排便は全く無くなりました。排便は2~3日に一度のペースですが、便意は毎回あってスムーズに出ますし、以前のように十日も出なかったりや、出ても緩い便や不消化便が出ることは無くなりました。」と仰っていました。また「キューピー人形の様にお腹が膨れることも無くなりました」とも仰っていました。
 

この段階でRさんの主訴である腹部膨隆、骨盤内臓下垂(直腸瘤)、重度便秘症は大幅に改善し、もともとの治療目標は達成できてました。またRさんは泌尿器科医から勧められていた膀胱と膣の隙間で余分に増殖している粘膜部分の切除手術を受けることにされた事もあり、整体治療を一旦終了することにしました。





⑤     今回の症例の概説、、、
Rさんの三つの主訴…腹部膨隆、骨盤内臓下垂(膣からの突出物と会陰の凸部)、重度便秘症
膣から下垂している臓器は何なのか???

・今回のRさんの主訴は次の三つに整理できると思います。
 1.    腹部膨隆
 2.    骨盤内臓下垂 (膣からの突出物と会陰の凸部)
 3.    重度便秘症 (長い排便間隔と軟便/不消化便)


・本症例の治療に際して一番頭を悩ませたことは、2の骨盤内臓下垂についてでした。なんとなればRさんは、この件について専門医を一度も受診されていなかったからです。つまり、その下垂臓器は何なのか?、よく分からなかったからです。言い換えれば、その下垂臓器如何によっては、その整体治療手技が全く異なるので、下垂臓器の不明な状態では、どの整体治療手技を用いるべきなのか、それが決まらなかったからです。


・当然、Rさんからは骨盤内臓下垂の具体的な症状についてお聞きしました。会陰の凸部については、おそらく直腸瘤では、、、との推定がありましたが、しかし膣から下垂している臓器が膀胱/尿道(泌尿器系)なのか、子宮(婦人科系)なのか、あるいは直腸(消化器系)なのかははっきりとはしませんでした。


・ただ腹部の初診検査では、恥骨結合深部で子宮底と思われる臓器触診所見がありましたので、子宮下垂の可能性は低いのでは、と考えていました。しかしそれも専門医の診察が無ければ、はっきりとしたものではありませんでした。そのようなわけで、Rさんには当初から専門医での検査を勧めていました(☚病院を受診されたのは当院4診目治療後になってからでした)。

 

 


Rさんは”病院嫌い??”
・おそらくですが、Rさんは何らかの理由で病院があまり好きではなかったのかもしれません。その結果、この骨盤内臓下垂だけでなく、他の主訴である腹部膨隆や重度便秘症についてもあまり医療機関を受診することなく、自己判断で様々なサプリ・エクササイズ・他の療法を試されたのでしょう。ただ結果として、それらが奏功することなく、腹部内蔵の状況が複雑化し、現在の様な厄介な状態に至ったのかもしれません。


・とは言え、遠方からわざわざ来院されたRさんに対して、何もしないわけにはいきませんので、当院なりに診させていただき、まず腹部膨隆と重度便秘症については次のような仮説を考えるに至りました

 


【腹部膨隆と重度便秘症の仮説】
乳幼児期の右下腹部の手術後、同部に位置する各臓器間に癒着や位置の偏位、あるいは硬化部などが生じ、その状態のまま成長した(☚一種の手術による後遺障害)。左記の具体的な部位は回盲部に近い腸間膜根周辺と直腸(骨盤神経叢)周辺が想定され、その結果前者においては、腸管内の消化物が腸間膜根(上腸間膜静脈)に吸収されにくくなり、消化産物やガスが腸管内に溜まることで腹部膨隆が生じた。また同根内を走行する上腸間膜動脈の血流不足や上腸間膜動脈神経叢の失調も生じさせ、その結果小腸や大腸の一部の蠕動運動機能失調が生じ、重度便秘症の一因になった。そして後者においては、骨盤神経叢の失調原因となり、その結果求心神経的には「便意」が失調し、遠心神経的にはS字結腸や直腸の蠕動運動機能に失調が生じ、「重度便秘症」の主因となったのでは、、、
と考えました。

 

    

 

  

 


【当院が考える上記仮説の根拠】
『腹部触診上、回盲部が定位置よりやや上部に位置しているように思えました。また同部から臍部および左季肋部(十二指腸空腸曲)にかけて著明な緊張と圧痛があり、特に回盲部から臍部にかけては幅の広くて硬い索状物が触診できました。』


『腹部触診上、左鼠径部(恥骨結節寄り)にも著明な緊張と圧痛があり、左の恥骨結節深部でも著明な硬結と圧痛がありました。下腹部全般に著明な緊張と圧痛があり、その深部では癒着感の伴う感触がありました。また下腹部の正中部では、やや硬度の増した直腸と思われる縦状の索状物を触診できました(特に肛門側に行くほど硬度↗)。


『問診上、Rさんが子供のころ、ご自身の右下腹部に傷跡があるのを見て母親に尋ねると、母親は「それは赤ちゃんの頃に手術した傷跡や、ヘルニアやってん(正式な病名は忘れたそうです)」と言われたそうです』

 


腹部膨隆と重度便秘症の整体治療目標…
・この様な考え(仮説)と診察所見から、「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴    腸間膜根の偏位を矯正し、同時にその緊張(硬度)を解放して、同根内の動静脈の還流を改善させ、さらに自律神経機能も回復-促進させ、その結果腸管内の消化物の吸収と蠕動機能を回復して、腹部膨満、便秘を解消する
⑵    骨盤神経叢の失調を回復し、S字結腸~直腸の内臓求心性神経(☚便意の回復)、および遠心性神経(☚蠕動運動促進)の機能を回復して、便秘を解消する

を設定し、その具体的な治療テクニックとして
 ・腸間膜根解放テクニック
 ・十二指腸空腸曲解放テクニック
 ・消化管平滑筋テクニック
 ・骨盤神経叢解放テクニック
(3診目より追加)
を施術したわけです。

 


・次に、会陰の凸部=骨盤内臓下垂についてですが、その仮説は次の通りです

 


【骨盤内臓下垂=会陰の凸部の仮説】
(膣からの突出物については、4診目後にRさんが専門医で検査を受け、その結果尿道粘膜が余分に肥厚したものと診断されたので、これについては割愛します)
何らかの理由”で直腸膣隔壁(直腸平滑筋/膣平滑筋を含む)の一部に脆弱部分が生じ、またその脆弱部分を修復する自然治癒力(☚線維芽細胞、平滑筋細胞、粘膜上皮細胞などの活性)が減退した。その結果、大量の便やガス、あるいは力みが生じる排便時などの腸管内圧が高まる状況下になると、その圧が会陰方向に向かい、会陰の凸部として視認-触診できる状態に至った。加えて、先述しました腹部膨隆・便秘症による圧力負荷も骨盤内臓下垂の一因となった


・この何らかの理由”とは、前出した乳幼児期の右下腹部の手術後の後遺障害が遠因になっていると思われる。具体的には、術後後遺症に由来する(?)下腹部全般の癒着感を伴う著明な緊張によって内腸骨動静脈流域(特に下直腸動静脈)の血流が阻害され、直腸膣隔壁の線維芽細胞や平滑筋細胞などの修復機能が失調し、脆弱部分を充分に修復することが出来なくなった

 

 


【当院が考える上記仮説の根拠】
『腹部触診上、恥骨結合部の深部で子宮底と推測される凸部を触診できました。』


『腹部触診上、左鼠径部(恥骨結節寄り)にも著明な緊張と圧痛があり、左の恥骨結節深部でも著明な硬結と圧痛がありました。下腹部全般に著明な緊張と圧痛があり、その深部では癒着感の伴う感触がありました。また下腹部の正中部では、やや硬度の増した直腸と思われる縦状の索状物を触診できました(特に肛門側に行くほど硬度↗)。』


『問診上、かなり以前から、排便時に肛門の周囲を指で押圧して排便すると便が出やすかったそうですが、股間から突出物が出てからは、会陰の辺りがハッキリとボコッと膨らんでいるので、その膨らみを押圧して排便するようになったそうです。また排便があっても強い残便感がある事が多いそうです。』

 


会陰の凸部=骨盤内臓下垂の整体治療目標…
・この様な考え(仮説)と診察所見から、「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑶    直腸を支配する動静脈の循環を回復し、直腸壁の修復を促進して、直腸瘤を解消する
を設定し、それに対応する整体テクニックとして、
 ・内腸骨動静脈解放テクニック (3診目より追加)
 ・上・中・下直腸動静脈解放テクニック (3診目より追加)
 ・直腸解放テクニック (5診目より追加)
 ・子宮底解放テクニック /ダグラス窩解放テクニック (7診目より追加)
を施術したわけです。

 

 


腹部膨隆、骨盤内臓下垂(会陰の凸部)、重度便秘症の整体治療結果・・・
・残念ながら、膣からの突出物については泌尿器科医からの説明にあるように、手術で切除するしか方法が無いとの事なので、整体治療的には不可でした。しかし他の主訴である腹部膨隆と重度便秘症、および直腸瘤の影響と思われる会陰の凸部については、10診目には大幅に改善しているので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

 

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頭の圧迫感と、

頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感の整体治療
患者Hさん=64才-女性・主婦の症例

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①    Hさんの病歴・・・
患者Hさんは、 別件(
不整脈大量の発汗)で来院されていましたが、頭の圧迫感および頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感もありましたので、併せて整体治療することになりました。



②    Hさんの診察
【頭の圧迫感および頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感に関する所見】
・吐き気や複視は無いそうですが、宙に浮いている様なめまいが時おりあるそうです。頭痛は無いそうですが頭の圧迫感はあるそうです(☚特に春先に多い)。これらの症状は何年も前から続いているそうです。
・1年前に眼科を受診したそうですが、その際に眼圧が高いと指摘され(右眼=25mmHg、左眼=21mmHg)、眼圧を下げる目薬を処方されたそうです。その目薬をさすと結膜炎が生じたので、その事を担当医に伝えたそうです。すると担当医は結膜炎の目薬を併用しながら眼圧の目薬をするように言われたそうです。ところがそれでも結膜炎になるので、あまり使用していないそうです。眼圧以外で眼底や視野などの眼の異常は無く、緑内障ではないとの事だそうです。視診上、結膜の色はピンク色でした。
・ごく軽度の耳鳴りが時おりあるそうです。また難聴気味と感じているそうです。この件について耳鼻科などは受診されていません。
・若い頃から花粉症があるそうです。また数年前に慢性上咽頭炎の指摘を受けたそうですが、その時の担当医から「この治療法はないから経過観察してください」と言われたそうです。
・現在虫歯や歯周病は無いそうですが、15年以上前から原因不明の歯痛があるそうです。痛む部位は右上顎の第一小臼歯と第二小臼歯、そして右下顎の第二小臼歯だそうです。Hさん本人は、歯ぎしりの癖は無いと思っておられるようですが、歯科医からは「噛みしめる癖」が原因と言われ、歯を削るなどの処置やマウスピースを処方されたりしていたそうです。しかし全く効果が無かったそうです。また左の上下顎歯とも知覚過敏があり、冷たいものを飲むとかなり痛むそうです。
・Hさんの血圧は80/120mmHgで、血液検査ではコレステロール値がやや高めだそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の萎縮あるいは肥大はありませんでした。咳や痰は無いそうです。
・肺炎や気管支炎などの既往は無いそうです。特段の外傷経験も無いそうです
・頚胸部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。心音や呼吸音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音はやや弱めで聴取されました。
・胸部触診上、右の胸骨縁(R3~R7)付近に著明な緊張と圧痛がありました。また左の胸骨縁(R5~6)付近にも緊張と圧痛がありました。
・腹部触診上、打診上、全般的に濁音が聴取されました。剣状突起下縁から心窩部にかけて著明な緊張と圧痛がありました。また回盲部とS字結腸部および臍部の左側方にも緊張と圧痛がありました。
・顔面-頸部触診上、頬骨弓下(側頭下窩)と下顎切痕部に筋著明な緊張と圧痛がありました。また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも著明な筋緊張と圧痛がありました。首から顔面および頭皮にかけて汗が大量に出て、ジットリしていました。
・両CVAに叩打痛がありました。

 



【大量発汗(多汗症)に関する所見】
・50才頃から汗かきになり、真冬以外の春・夏・秋にかけて、少し暑くなるだけで玉の様な汗が出るそうです。汗をかく部分は首回りと頭顔面だけで、次いでデコルトと背中付近に多く汗をかくそうです。首から下はほとんど汗をかかないそうです。

【不整脈の関する所見】
・Hさんの具体的な不整脈のパターンは「トン・トン・トン・ト・トン…」といった期外収縮(心室性か上室性かは不明)で、多い時は一日に100回をはるかに超えるほど生じるそうです。また強い時は、胃から突き上げられるような不整脈があるそうです。頻脈や徐脈は無いそうです。数日前はめまいがありましたが、いつもはめまいや失神(前失神)、胸痛、吐き気、複視などの随伴症状は伴わないそうです。ただ酷い時は身体がしんどくなって動きづらくなり、ソファーやベッドに寝込む事が多くなっていたそうです。不整脈はいつどこでも生じますが、一番生じやすいのは食後だそうです。労作時の呼吸困難や動悸・息切れなどは無いそうです。
・不整脈の発現には周期性があり、1年近く不整脈が毎日生じたかと思うと、それが自然に治まって数か月間は生じない日が続き、ある日また不整脈が再発してそれが数か月続く、、、このパターンが何年も繰り返されながら、最近ではその間隔が3か月前後で周期的に変わるそうです。
・2年前の専門医での精密検査でも特段の異常は無く、ストレスが原因では、との事で基本的には経過観察だったそうです。ただ、いざという時の為に頓服を処方されていて、その時に服用するように言われていたそうです。また漢方を処方されていた事もあるそうです。
・若い頃から胃もたれがあり、ゲップも一日に何十回と出ていたそうです。胃もたれ(不快感)が強くなるとご自分からワザとゲップをして紛らわしていたそうです。呑酸や胸やけ、背中痛は無いそうです。3年前に胃カメラをした時は、特段の異常は無かったそうです。
・食欲は普通で便通は毎朝あるそうです。ただ朝の排便後も残便感は残り、その半時間~1時間後に決まって腹痛があった後に再度排便があるそうです。一度目は普通の便だそうですが、二度目はほとんど軟便だそうです。またガス(放屁)も多いそうです。
・閉経は53才の時だったそうです。生理痛はほとんど無かったそうです。お子さまは二人ですが、二人とも安産だったそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    頚頬部の筋肉緊張を緩和して同部を下行する静脈群の還流を促進し、頭蓋内圧を下げる
⑵    頭蓋骨縫合の可動性を回復し、頭蓋内圧を下げる
⑶    上記 ⑴、⑵でもって脳への血液循環を改善し、脳疲労(脳のエネルギー不足)を解消する
⑷    頸部を走行する自律神経幹の緊張を解放し、自律神経失調状態を改善する

     ・静脈還流促進テクニック
     ・翼突筋静脈叢解放テクニック
     ・椎骨動静脈解放テクニック
     ・頭蓋骨矯正テクニック
     ・頸部交感神経管解放テクニック (迷走神経解放テクニック)
     ・脳外あるいは眼科専門医の受診を勧める

 





④    経過と結果・・・
【Hさんは遠方にお住まいの方のため、一度の来院で二枠分の治療時間を設けて施術しました】
【本件は不整脈の整体治療と並行して施術していますので、その治療経過で頭の圧迫感、めまい感に関するものは青字で記しています

・初診治療後、

「胃の辺りと胸が軽くなった気がします」と仰っていました。


・2診目来院時、

「不整脈はかなり減りました。以前に比べて3割以下だと思います。ただ頭がボーッとしていて、時々軽いフラ~ッとする事が何度かありました」と仰っていました。施術後は「頭がスッキリしています。お腹と胸もスッキリとしています」と仰っていました。


・3診目来院時、

「不整脈は前回とほぼ変わらず以前の3/10くらいです。ただ胃から突き上げられるような不整脈は無くなりました」と仰っていました。また「めまいや頭がボーっとする事もありませんでした。」とも仰っていました。


・4診目来院時、

「(今週は)胃がすごく楽でした。ガス(放屁)も減りましたし、ゲップはほとんど出なくなりました。眼の奥の痛みやめまいは一度もありませんでしたし、頭がボーっとする事も無くなりました。不整脈は前回と同じ3/10くらいですが、以前に比べるとかなり弱くなり、ホッとしています」と仰っていました。来院時の視診上、Hさんのフェイスラインがシャープになり幾分小顔になっていたので、その点について指摘すると「そうなんです、両手で下顎を触ると(フェイスラインが)細くなっているんです。ありがとうございます」とも仰っていました。


・5診目来院時、

「不整脈は前回と同じ程度に出ていましたが、ほとんど気にならないくらい小さくなりました。ただ頭のボーっとした感じとめまい、右眼の奥の痛みが一度だけありました。歯の痛みはあいかわらずでした」と仰っていました。またこの頃から、Hさんの頭顔面から首、そして背中などの汗に減少傾向がみられ始め、汗による施術時の手の滑りが減っていきました。


・6診目来院時、

「(今週は)三日前だけ不整脈と頭がボーっとしてフワフワする様なめまいが少し多く出ましたが、それ以外の日は調子が良く、不整脈は以前の2/10以下だったと思います。眼の奥の痛みと鼻の奥の違和感は一度もありませんでした。右の歯の疼くような痛みも今週は軽くなっていました」と仰っていました。また「先日友人から”Hさん、あんた最近、顔が小さくなったみたいやね”と言われました」とも仰っていました。


・7診目来院時、

「不整脈はありますが2/10くらいです。それと(不整脈は)下痢すると、不思議と楽になるんです。ゲップは6/10くらいです。眼の奥の痛みや歯の痛みは全くありませんでした。ただ頭がボーッとして、めまいがチョコチョコありました。立ちくらみではありませんでした。汗は出るのですが、以前はジト~ッと脂ぎった濃い汗が大量に出ていましたが、最近はそれが減って、少しサラーッとした感じで出てきます」と仰っていました。


・8診目来院時、

「今週も不整脈は先週と同じくらいで、以前の1.5~2/10くらいでした。ゲップはまだありますが減りました。眼の奥の痛み、めまい、頭がボーっとするのは今週は無かったです。」と仰っていました。そして「ずっとゆるかった便が硬くなってきました」とも仰っていました。


・9診目来院時、

「お陰様で不整脈は1/10以下に減っています。眼の奥の痛みやめまい、頭がボーっとする感じもほぼゼロでした。便は硬便の後に軟便が出る状態ですし、量も変わっていませんが、以前の様に残便感が残るようなことは無くなりました。」と仰っていました。また「そう言えば、これだけの猛暑でも以前のように、猛烈に汗が出るようなことはありませんでした。(汗が)少し少なくなったような気がします」とも仰っていました。


・10診目来院時、

「不整脈が出る日もまだありますが、(不整脈が)一度も出ない日が増えてきました。ゲップや眼の奥の痛み、頭がボーっとする事やめまいは一度もありませんでした。汗も余り出なくなりました。以前の汗はジト~ッとした感じで、大粒の汗が暑くも無いのに大量に出ていましたが、これだけ暑い日が続いていても少し皮膚の表面が汗ばむくらいに収まっています」と仰っていました。また「昨日は少し下痢気味でしたが、しかし以前に比べて身体が軽くなって、活動的になった気がします」とも仰っていました。


以上の好経過から、Hさんのお住まいが遠方であることも踏まえて、これで様子を見ていただくことにし、今回の集中治療を終了することにしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
念のために専門医での精査が必要なHさんの主訴=”頭の圧迫感や頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感”、、、
・Hさんの主訴である、頭の圧迫感や頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感といった症状は、漠然としてとらえどころのない症状ですが、中には重大な疾患の前触れ的なケースも少なくないので、念のためにそれぞれの専門医での精査が必要と思われます。

 

・ただ本件に関しては、数年も前から続いている症状ですので、下記1の脳疾患のような「今すぐ!!」といったような喫緊性のある重大疾患の可能性は少ないのでは、と思いました。

 


“頭の圧迫感や頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感”の主な原因とは、、、
・ところで本件のような症状の原因として挙げられるのは、次のような病態が代表的です。
 1.    脳疾患(脳梗塞、脳腫瘍、他)
 2.    脱水/熱中症
 3.    貧血
 4.    低血糖
 5.    糖質過多
 6.    脳疲労(脳のエネルギー不足)
 7.    自律神経失調
 8.    睡眠不足
 9.    精神的原因
 10.    他

 


Hさんの症状は、1の脳疾患関連の可能性が高い ?!?!
・当院は整体院ですから精密な検査はできません。ですから上記「② Hさんの診察」のように、整体師レベルで可能な限りの診察をさせていただき、そのうえで仮説を立てて整体治療にあたることにしています。

 

・その「② Hさんの診察」に掲げる整体院レベルの診察において、上記の代表的病態の中で可能性が高いものとすれば、6の脳疲労、あるいは7の自律神経失調の可能性が高いのでは、と思われます。

 

・それとは別に、ある意味1の脳疾患に該当するかもしれませんが、「軽度の頭蓋内圧亢進状態」も有力な仮説では、と考えました。

 

 


1=脳疾患関連の可能性の根拠とは、、、⑴
眼圧上昇所見と頚頬部の筋肉緊張所見

・その根拠は、Hさんの眼圧が高めである(右眼=25mmHg、左眼=21mmHg)、という事です。

眼球は脳の一部であり、両者とも同じ硬膜に包まれている臓器です。ですから眼圧が高いという事は脳圧も高いのでは、、、と推測できるかもしれません。ただ1年前の眼科医での検査では、その段階でのうっ血乳頭などの眼底異常は無いとの事ですので、あえて「軽度の頭蓋内圧亢進状態」としたわけです。


・さらにもう一つの根拠として、上記②の「Hさんの診察」において、「顔面-頸部触診上、頬骨弓下(側頭下窩)と下顎切痕部に筋著明な緊張と圧痛がありました。また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも著明な筋緊張と圧痛がありました。(後略)」といった所見が挙げられます。

 

 

この所見は、上記各部位の筋緊張により頭蓋内から同部位下を下行する静脈群の還流が妨げられ、結果として眼球をはじめとする頭蓋内圧が亢進する可能性が考えられるからです。

 

 


1の脳疾患関連の可能性の根拠とは、、、⑵ 
「噛みしめる癖」

・また歯科医からは「噛みしめる癖」が指摘されていますが(☚Hさん本人は自覚無し)、この癖が内側/外側翼突筋をはじめ、側頭下窩や頸部の筋肉群の緊張状態を持続化している可能性もあるので、この癖所見も「軽度の頭蓋内圧亢進状態」を支持する所見になるのでは、と思います。

 

 

 


当院の仮説・・・
❶「軽度の頭蓋内圧亢進状態」、❷「脳疲労(脳のエネルギー不足)」、❸「自律神経失調」

・以上の事から、当院では本件の【頭の圧迫感および頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感】の有力原因として、「軽度の頭蓋内圧亢進状態」を仮説として採用することにしました


・ところでこの仮説は、上記6の脳疲労(脳のエネルギー不足)にも関係してくるのでは、と考えます。

なんとなれば、上記仮説による頬部や頸部での静脈還流障害はO2や糖分を含んでいる脳血流を阻害することになり、この事そのものが脳疲労(脳のエネルギー不足)につながるからです。

 


・さらにそれだけでなく、上記7の自律神経失調説も絡んでくる可能性があります。

それは、Hさんの別の愁訴である「頭顔面から首周りの大量発汗(多汗症)」の原因として、当院では「頸部交感神経幹の過緊張(自律神経失調)」を想定し、その治療目標として同神経幹の緊張を解放する自律神経治療を取り入れているからです。

つまり本件においても上記7の自律神経失調説が原因している可能性があるのでは、と考えられるのです。

 

  

頸部交感神経幹とその整体治療

 

 


当院の治療方針・・・

頭蓋内圧を下げ、脳疲労を回復し、自律神経失調を解消する整体治療 !!
・以上の仮説から、Hさんの治療目標として、「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる、
⑴    頚頬部の筋肉緊張を緩和して同部を下行する静脈群の還流を促進し、頭蓋内圧を下げる
⑵    頭蓋骨縫合の可動性を回復し、頭蓋内圧を下げる
⑶    上記 ⑴、⑵でもって脳への血液循環を改善し、脳疲労(脳のエネルギー不足)を解消する
⑷    頸部を走行する自律神経幹の緊張を解放し、自律神経失調状態を改善する

を設定し、それぞれに対応する整体治療テクニック、
 ・静脈還流促進テクニック
 ・翼突筋静脈叢解放テクニック
 ・椎骨動静脈解放テクニック
 ・頭蓋骨矯正テクニック
 ・頸部交感神経管解放テクニック (迷走神経解放テクニック)

を施術することにしました。
それと念のために、脳外あるいは眼科専門医の受診を勧める事としました。

 

 


整体治療の経過と結果について・・・
・おかげさまで、この治療目標及び整体治療は著効を示しました。

それは2診目治療後から「頭がスッキリしています。(後略)」と仰るようになり、3診目以降からは最終診の10診目に至るまで、ずっと「めまいや頭がボーっとする事もありませんでした。」と仰るようになり(☚さらに4診目には眼の奥の痛みも解消している)、ほぼ完治に近い状態を維持し続けたからです。


・それだけでなく、4診目には「そうなんです、両手で下顎を触ると(フェイスラインが)細くなっているんです。ありがとうございます」とも仰っるようになり、さらに6診目には「先日友人から”Hさん、あんた最近、顔が小さくなったみたいやね”と言われました」との報告も受け、頭蓋内圧のみならず、頭顔面全体の小顔効果(減圧効果)も顕在化してきました。

 

 

・以上の結果から、今回のHさんの【頭の圧迫感および頭がボーっとして宙に浮いているようなめまい感】については、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
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しゃべると咳が頻発する!! 
咳喘息?! それとも自律神経失調?!・・・

5か月前から一日に200回以上も続く「咳」と「嗄声」の整体治療
6診目で改善した症例の解説です

患者Mさん=44才-男性・会社員の症例
 

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①    Mさんの病歴・・・
患者Mさんは、9年前に
逆流性食道炎の集中治療のために当院に始めて来院され、その後5年ほど前までメンテナンスの為の治療や、その他の愁訴の治療の為に時おり来院されていた方でした。そのMさんが数年ぶりに再来院されました。今回の主訴は「一日に200回以上も咳が出る」というものでした。そして「嗄声(しゃがれ声)」もひどく、一日中声がかれていて、顧客などと会話する機会が多いMさんにとって、これらの事はかなり支障が出ているそうです。Mさんは呼吸器内科を受診され咳喘息と診断されましたが、同院での治療で全く効果が無かったため、「ひょっとしたら今回の咳は、ずっと以前になった逆流性食道炎が再発し、その影響で咳が続いているのでは、、、」と思われたので、今回の再来院になりました。

 



②    Mさんの診察
・咳の状況はほとんど「から咳」で、痰はあまり出ないそうです。ゼイゼイやヒュー音などの喘鳴も無いそうです。以前は工場勤務であまり人と話す機会は少なかったのですが、事務/営業的な職場に配置換えになった事で、他者との会話が増えていたそうです。その際、一言しゃべるだけで咳き込む事が増え、勤務中にもかなり支障が出ているそうです。
・咳が続くようになったきっかけは、5か月前に、主に前頭部から両眼窩にかけての頭痛が続いたので近医を受診したところ、副鼻腔炎(炎症の部位は不明)と診断された頃から始まったそうです。その頃は頭痛だけでなく、鼻汁や後鼻漏も出始めていたそうですが、それに加えて咳も頻発するようになっていったそうです。痰はあまり出なかったそうです。そこで担当医は「おそらく咳喘息でしょう」との事で、吸引性のステロイド剤と抗アレルギー薬を処方されたそうです。ところが2週間以上服用しても全く効果が出ず、1日に200回以上に及ぶ咳が出続けていたそうです。
・Mさんは以前に喉の違和感(ゴルフボール様感覚・梅核気)を訴えていた事があり、咽喉頭異常感症が疑われていました。また聞診に際して嗄声(しゃがれ声)が認められたので、この事を指摘すると「副鼻腔炎になった頃から声がかれ始め、今でもこの通り、声がしゃがれているんですよ」と仰っていました。
・Mさんに喫煙歴は無いそうです。
・食欲は普通で、排便は毎日あるそうです。
・呑酸は無いそうですが、ゲップはかなり頻繁に出るようになったそうです。最初の頃は胃痛なども無かったそうですが、最近になってみぞおちの苦しさが生じるようになり、さらに食後の胃もたれ(胃痛)も強くなってきたので、病歴で記したように「ひょっとしたら逆流性食道炎の再発か??」と思ったそうです。
・頸部視診/触診上、気道は正中にあり、甲状腺の腫瘤、腫脹、萎縮はありませんでした。頸部の筋肉群(特に前面の胸鎖乳突筋・他)が著明に発達し、かつ緊張していました。また胸鎖乳突筋付近の押圧で、喉のイガイガ感に次いで、大量の咳を誘発する事ができました。
・頚胸部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。心音や呼吸音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音は比較的弱く聴取されました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、一度目は排泄音は聴取されませんでした。二度目は剣状突起下端で小さく聴取されました。
・腹部触診上、心窩部に軽度の緊張と圧痛がありました。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    咽喉頭を支配する自律神経(交感神経幹、迷走神経、咽頭神経叢、上・下喉頭神経)の緊張を解放する
     ・下部食道括約筋解放テクニック (初診のみ施術)
     ・咽頭神経叢解放テクニック
     ・上・下喉頭神経解放テクニック
     ・頸部交感神経幹解放テクニック (迷走神経解放テクニック)

 





④    経過と結果・・・
・初診時、

まず最初に下部食道括約筋の解放テクニックを施術すると、「少しだけのどのイガイガ感が減り、咳が減った感じがします」と仰っていました。次に頸部の咽頭神経叢、上・下喉頭神経の解放テクニックを施術すると、喉のイガイガ感を誘発し、その後大量の咳が誘発されました。施術終了後、「(治療前より)のどのイガイガ感が強くなった気がします。それとしゃがれ声(嗄声)も酷くなった気がいます」と仰っていました。嗄声については他覚的にも施術前よりも強くなっていました。
なお「下部食道括約筋解放テクニック」は初診時だけ施術し、2診目以降は施術しませんでした。


・2診目来院時、

「(初診施術後に咳と嗄声が悪化してから)翌日まで咳と嗄声は悪化したままでしたが、その翌日から咳は軽くなりました。6~7/10くらいです。嗄声も良くなりましたが、咳に比べればもう一つです」と仰っていました。

・3診目来院時、

「以前に比べて嗄声はマシになってきています。ただ昼を過ぎると嗄声が出始めて、それが強くなったり弱くなったりしています。咳はマシで、以前に比べると4~5/10くらいです。以前は喋るとすぐに咳が出て、会話が出来なくなっていましたが、それはほぼ解消されました」と仰っていました。
 

・4診目来院時、

「順調に良くなっていると思います。しゃべると咳は出ますが、体感的には以前の2~3/10くらいにまで軽くなっています。嗄声はしゃべりすぎると出てきますね」と仰っていました。
 

・5診目来院時、

「今週は非常に調子が良かったです。嗄声は無くなり、普通の声でしゃべれます。しゃべっていても咳はほぼ出ず、以前の1/10以下です」と仰っていました。ただ頸部の自律神経群の施術中、3~4度、咳が誘発されました。
 

・6診目来院時、

「今週は一度も咳喘息は出ませんでしたし、嗄声もなく、快調にお客さんとしゃべることができました」と仰っていました。また施術中も1度しか咳が誘発されなかったので、完治に近い状態と考え、今回で集中治療を終了して様子を見ていただくことにしました。





⑤     今回の症例の概説、、、
咳喘息は原因不明とされていますが、
咳喘息の一般的な原因と治療方針について、、、

・咳喘息は原因不明とされていますが、一般的な治療はステロイド系あるいは気管支拡張系の投薬治療が主ですので、アレルギー機序が関係しているケースが多いのかもしれません。ところがMさんの咳喘息については病院から処方されているステロイド剤と抗アレルギー薬は全く効果がなかったので、アレルギー性の咳喘息の可能性は低いのでは、と考えられます。

 

 


逆流性食道炎でも咳喘息が生じることはある、、、が…
・また逆流性食道炎でも咳が頻発することもありますので(☚だからこそMさんも当院に来院されました)、逆流性食道炎性の咳喘息も選択肢の一つに入れる必要はあります。ところが初診時に逆流性食道炎の整体治療(下部食道括約筋解放テクニック)を施術するも、咳については微妙な効果しか出ませんでした。

 

  

 


頸部への整体治療でMさんの咳喘息が増強した ?!? これは大きなヒント!!
・ところがその後に施術では、
1.    「咽頭神経叢および上・下喉頭神経解放テクニック」などによる頸部への刺激によって喉のイガイガ感が誘発され、その後に大量の咳が誘発されたこと、、、
そして施術終了後にMさんは、
2.    「(治療前より)のどのイガイガ感が強くなった気がします。それとしゃがれ声(嗄声)も酷くなった気がいます」と仰っるようになり、むしろ施術前より酷くなっていたこと、、、
3.    さらには嗄声については他覚的にも施術前よりも強くなっていたこと、、、

などの様に、当院における頸部各自律神経群への整体手技による刺激によって、かえって咳や嗄声が増強していることが判明しました

 

 

・つまりこれらの事象を逆説的に考えると、Mさんの咳喘息は頸部の自律神経群の過緊張(過敏性)が深く関与しているのでは、との疑いを持てる事象では、と思われました。

 


Mさんも同感、、、
Mさんの咳喘息は自律神経失調が主因か ?!

・この仮説をMさんに伝えると、Mさんも「僕もそのように感じました」との回答だったので、2診目以降からは逆流性食道炎の治療は止め、頸部の自律神経群の整体手技に絞って治療を進めていくことにしました。

 


著効を示したMさんの咳喘息治療・・・
5か月も続いていた、200回以上に及ぶ咳喘息が2診目から改善傾向に !!

・その治療方針の転換効果は2診目から現れました。

Mさんによると一日に200回以上も続いていた咳喘息が、以前の6~7/10程度まで軽減し、また嗄声も少し改善機運が見え始めたそうです。さらに3診目、4診目と改善していき、5診目には「今週は非常に調子が良かったです。嗄声は無くなり、普通の声でしゃべれます。しゃべっていても咳はほぼ出ず、以前の1/10以下です」と仰っるくらいにまで改善していました(但し、施術時に咳が2~3度誘発されていた)。


この様な経緯から、頸部の自律神経群が咳喘息の主因である可能性が高まりました

 

 


Mさんの咳喘息の主因が自律神経失調と推測されるもう一つの根拠とは、、、
・ところでMさんの咳喘息の主因が自律神経的機序で生じているのでは、と考えるもう一つの根拠ですが、それは上記「② Mさんの診察」の「頸部の筋肉群(特に前面の胸鎖乳突筋・他)が著明に発達し、かつ緊張していました」といった所見にあるように、Mさんの頸部から肩にかけての筋肉群はかなり発達・肥大・緊張している所見もあげられます。

 


・ちなみにこの件についてMさんに改めてお聞きすると、「マッサージ屋さんでも”首や肩の筋肉がカチカチですね、肩凝るでしょう”とよくいわれるんですよ。でも私的にはあまり凝り感はないんですどね」と仰っていました。

 


頸部を走行する自律神経群(交感神経幹と迷走神経)が失調する理由とは。。。
筋肉の緊張(凝り)による圧迫が原因することもある ?1

・このMさん頸部筋肉群緊張所見(☚特に前面から側面にかけての筋肉群)は、それに近接する頸部交感神経幹や迷走神経などを慢性的に圧迫している可能性があります。

 

・それだけでなく、これらの自律神経に血液を供給する血管群の血流障害をも起こしている可能性があります。つまりこの段階で各自律神経の絞扼性伝導障害が生じるリスクが発生しているのでは、と思いました。

 

 

 

 


自律神経が支配する咳反射、気管粘膜の粘液分泌、声帯の機能などが失調した結果が、、、
・その伝導障害の結果、例えば交感神経系に比べ迷走神経系(☚特に咽頭神経叢や上・下喉頭神経)が優位過剰となり、咳反射の閾値低下=咳反射が生じやすくなったり、あるいは同じく気管粘膜の粘液分泌過多により気管の閾値が低下して咳反射が生じやすくなったのでは、そして下喉頭神経の伝導障害により、同神経が支配している声帯の機能が減退し、嗄声が生じるようになったのでは、と考えます。

 

 


副鼻腔炎も咳喘息に一役買っている ?!?
実際、Mさんの咳喘息は副鼻腔炎発症後に生じている、、、

・以上の事から、「Mさんの咳喘息が主に自律神経失調的機序で生じているのでは」と考え、これだけでも充分咳喘息発生につながると思いました。

しかし、ただそれだけでなく、そこに、5か月前に発症した副鼻腔炎もその発症促進につながったのでは、と思います(というより、上記の頸部筋肉群の緊張/硬化が副鼻腔流域の血流を制限し、もって副鼻腔の免疫機能が減退した結果で生じたのかもしれません)。


・つまり副鼻腔炎の発症により鼻汁や後鼻漏が生じたことから、それらの膿汁が気管内を下行および滞留することで気管粘膜の閾値が低下して過敏になり、咳発作を誘発しやすい状況になっていた、あるいはこれら膿汁が頸部筋肉群の筋膜間隙を流注膿瘍し、その結果頸部筋肉群の緊張/硬化、あるいは直接交感神経幹などの自律神経群を絞扼刺激することで咳発作を誘発しやすい状況になっていたのかもしれません

 

 


Mさんの咳喘息の治療方針と整体テクニック !!
・以上の仮説から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴    咽喉頭を支配する自律神経(交感神経幹、迷走神経、咽頭神経叢、上・下喉頭神経)の緊張を解放する
を設定し、それに対応する整体テクニック、
・下部食道括約筋解放テクニック (初診のみ施術)
・咽頭神経叢解放テクニック
・上・下喉頭神経解放テクニック
・頸部交感神経幹解放テクニック (迷走神経解放テクニック)
を施術したわけです。

 

 


5診目でほぼ完治に近い状態にまで改善 !!
Mさんの咳喘息は、自律神経失調性の可能性↗

・前出の通り、その結果は極めて早期に著効を示し、5か月も続いていた咳喘息については、2診目には6~7/10程度にまで軽減し、嗄声についても3診目には改善傾向を示してきました。そして5診目には咳喘息および嗄声についてもほぼ完治に近い状態になりましたので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

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特発性or自律神経性の多汗症?!
首から頭顔面および背中とデコルテの
玉のように滴り落ちる大量発汗の整体治療

患者Hさん=64才-女性・主婦の症例

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①    Hさんの病歴・・・
患者Hさんは、 別件(
不整脈)で来院されていましたが、頭顔面から首(背中-デコルテ)にかけて、大量の発汗もありましたので、併せて整体治療することになりました。





②    Hさんの診察
【大量発汗に関する所見】
・50才頃から汗かきになり、真冬以外の春・夏・秋にかけて、少し暑くなるだけで玉の様な汗が出るそうです。汗をかく部分は首回りと頭顔面だけで、次いでデコルトと背中付近に多く汗をかくそうです。首から下はほとんど汗をかかないそうです。
・吐き気や複視は無いそうですが、宙に浮いている様なめまいが時おりあるそうです。頭痛は無いそうですが頭の圧迫感はあるそうです(☚特に春先に多い)。これらの症状は何年も前から続いているそうです。
・1年前に眼科を受診したそうですが、その際に眼圧が高いと指摘され(右眼=25mmHg、左眼=21mmHg)、眼圧を下げる目薬を処方されたそうです。その目薬をさすと結膜炎が生じたので、その事を担当医に伝えたそうです。すると担当医は結膜炎の目薬を併用しながら眼圧の目薬をするように言われたそうです。ところがそれでも結膜炎になるので、あまり使用していないそうです。眼圧以外で眼底や視野などの眼の異常は無く、緑内障ではないとの事だそうです。視診上、結膜の色はピンク色でした。
・ごく軽度の耳鳴りが時おりあるそうです。また難聴気味と感じているそうです。この件について耳鼻科などは受診されていません。
・若い頃から花粉症があるそうです。また数年前に慢性上咽頭炎の指摘を受けたそうですが、その時の担当医から「この治療法はないから経過観察してください」と言われたそうです。
・現在虫歯や歯周病は無いそうですが、15年以上前から原因不明の歯痛があるそうです。痛む部位は右上顎の第一小臼歯と第二小臼歯、そして右下顎の第二小臼歯だそうです。Hさん本人は、歯ぎしりの癖は無いと思っておられるようですが、歯科医からは「噛みしめる癖」が原因と言われ、歯を削るなどの処置やマウスピースを処方されたりしていたそうです。しかし全く効果が無かったそうです。また左の上下顎歯とも知覚過敏があり、冷たいものを飲むとかなり痛むそうです。
・Hさんの血圧は80/120mmHgで、血液検査ではコレステロール値がやや高めだそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。心音や呼吸音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音はやや弱めで聴取されました。
・胸部触診上、右の胸骨縁(R3~R7)付近に著明な緊張と圧痛がありました。また左の胸骨縁(R5~6)付近にも緊張と圧痛がありました。
・腹部触診上、打診上、全般的に濁音が聴取されました。剣状突起下縁から心窩部にかけて著明な緊張と圧痛がありました。また回盲部とS字結腸部および臍部の左側方にも緊張と圧痛がありました。
・顔面-頸部触診上、頬骨弓下(側頭下窩)と下顎切痕部に筋著明な緊張と圧痛がありました。また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも著明な筋緊張と圧痛がありました。首から顔面および頭皮にかけて汗が大量に出て、ジットリしていました。
・両CVAに叩打痛がありました。

【不整脈の関する所見】
・Hさんの具体的な不整脈のパターンは「トン・トン・トン・ト・トン…」といった期外収縮(心室性か上室性かは不明)で、多い時は一日に100回をはるかに超えるほど生じるそうです。また強い時は、胃から突き上げられるような不整脈があるそうです。頻脈や徐脈は無いそうです。数日前はめまいがありましたが、いつもはめまいや失神(前失神)、胸痛、吐き気、複視などの随伴症状は伴わないそうです。ただ酷い時は身体がしんどくなって動きづらくなり、ソファーやベッドに寝込む事が多くなっていたそうです。不整脈はいつどこでも生じますが、一番生じやすいのは食後だそうです。労作時の呼吸困難や動悸・息切れなどは無いそうです。
・不整脈の発現には周期性があり、1年近く不整脈が毎日生じたかと思うと、それが自然に治まって数か月間は生じない日が続き、ある日また不整脈が再発してそれが数か月続く、、、このパターンが何年も繰り返されながら、最近ではその間隔が3か月前後で周期的に変わるそうです。
・2年前の専門医での精密検査でも特段の異常は無く、ストレスが原因では、との事で基本的には経過観察だったそうです。ただ、いざという時の為に頓服を処方されていて、その時に服用するように言われていたそうです。また漢方を処方されていた事もあるそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の萎縮あるいは肥大はありませんでした。咳や痰は無いそうです。
・肺炎や気管支炎などの既往は無いそうです。特段の外傷経験も無いそうです。
・若い頃から胃もたれがあり、ゲップも一日に何十回と出ていたそうです。胃もたれ(不快感)が強くなるとご自分からワザとゲップをして紛らわしていたそうです。呑酸や胸やけ、背中痛は無いそうです。3年前に胃カメラをした時は、特段の異常は無かったそうです。
・食欲は普通で便通は毎朝あるそうです。ただ朝の排便後も残便感は残り、その半時間~1時間後に決まって腹痛があった後に再度排便があるそうです。一度目は普通の便だそうですが、二度目はほとんど軟便だそうです。またガス(放屁)も多いそうです。
・閉経は53才の時だったそうです。生理痛はほとんど無かったそうです。お子さまは二人ですが、二人とも安産だったそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    頭顔面から首(背中-デコルテ)の汗腺を支配する頸部交感神経幹(上・中・下頚神経節)の過緊張を解放し、汗腺への刺激を解消する
   ・頸部交感神経管解放テクニック
       (迷走神経解放テクニック)

 





④    経過と結果・・・
【Hさんは遠方にお住まいの方のため、一度の来院で二枠分の治療時間を設けて施術しました】
【下記は不整脈の経過を記していますが、その中で発汗に関するものは・・・・・で記しています】

・初診治療後、

「胃の辺りと胸が軽くなった気がします」と仰っていました。


・2診目来院時、

「不整脈はかなり減りました。以前に比べて3割以下だと思います。ただ頭がボーッとしていて、時々軽いフラ~ッとする事が何度かありました」と仰っていました。施術後は「頭がスッキリしています。お腹と胸もスッキリとしています」と仰っていました。


・3診目来院時、

「不整脈は前回とほぼ変わらず以前の3/10くらいです。ただ胃から突き上げられるような不整脈は無くなりました」と仰っていました。また「めまいや頭がボーっとする事もありませんでした。」とも仰っていました。


・4診目来院時、

「(今週は)胃がすごく楽でした。ガス(放屁)も減りましたし、ゲップはほとんど出なくなりました。眼の奥の痛みやめまいは一度もありませんでしたし、頭がボーっとする事も無くなりました。不整脈は前回と同じ3/10くらいですが、以前に比べるとかなり弱くなり、ホッとしています」と仰っていました。来院時の視診上、Hさんのフェイスラインがシャープになり幾分小顔になっていたので、その点について指摘すると「そうなんです、両手で下顎を触ると(フェイスラインが)細くなっているんです。ありがとうございます」とも仰っていました。


・5診目来院時、

「不整脈は前回と同じ程度に出ていましたが、ほとんど気にならないくらい小さくなりました。ただ頭のボーっとした感じとめまい、右眼の奥の痛みが一度だけありました。歯の痛みはあいかわらずでした」と仰っていました。またこの頃から、Hさんの頭顔面から首、そして背中などの汗に減少傾向がみられ始め、汗による施術時の手の滑りが減っていきました。


・6診目来院時、

「(今週は)三日前だけ不整脈と頭がボーっとしてフワフワする様なめまいが少し多く出ましたが、それ以外の日は調子が良く、不整脈は以前の2/10以下だったと思います。眼の奥の痛みと鼻の奥の違和感は一度もありませんでした。右の歯の疼くような痛みも今週は軽くなっていました」と仰っていました。また「先日友人から”Hさん、あんた最近、顔が小さくなったみたいやね”と言われました」とも仰っていました。


・7診目来院時、

「不整脈はありますが2/10くらいです。それと(不整脈は)下痢すると、不思議と楽になるんです。ゲップは6/10くらいです。眼の奥の痛みや歯の痛みは全くありませんでした。ただ頭がボーッとして、めまいがチョコチョコありました。立ちくらみではありませんでした。汗は出るのですが、以前はジト~ッと脂ぎった濃い汗が大量に出ていましたが、最近はそれが減って、少しサラーッとした感じで出てきます」と仰っていました。
 

・8診目来院時、

「今週も不整脈は先週と同じくらいで、以前の1.5~2/10くらいでした。ゲップはまだありますが減りました。眼の奥の痛み、めまい、頭がボーっとするのは今週は無かったです。」と仰っていました。そして「ずっとゆるかった便が硬くなってきました」とも仰っていました。
 

・9診目来院時、

「お陰様で不整脈は1/10以下に減っています。眼の奥の痛みやめまい、頭がボーっとする感じもほぼゼロでした。便は硬便の後に軟便が出る状態ですし、量も変わっていませんが、以前の様に残便感が残るようなことは無くなりました。」と仰っていました。また「そう言えば、これだけの猛暑でも以前のように、猛烈に汗が出るようなことはありませんでした。(汗が)少し少なくなったような気がします」とも仰っていました。


・10診目来院時、

「不整脈が出る日もまだありますが、(不整脈が)一度も出ない日が増えてきました。ゲップや眼の奥の痛み、頭がボーっとする事やめまいは一度もありませんでした。汗も余り出なくなりました。以前の汗はジト~ッとした感じで、大粒の汗が暑くも無いのに大量に出ていましたが、これだけ暑い日が続いていても少し皮膚の表面が汗ばむくらいに収まっています」と仰っていました。また「昨日は少し下痢気味でしたが、しかし以前に比べて身体が軽くなって、活動的になった気がします」とも仰っていました。


以上の好経過から、Hさんのお住まいが遠方であることも踏まえて、これで様子を見ていただくことにし、今回の集中治療を終了することにしました。

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
Hさんの多汗症は、、、局所的な自律神経失調性 ? !
・多汗症は大きく全身性と局所性に分けられますが、Hさんの場合首から頭顔面が中心で、加えて背中とデコルテ付近も発汗が多いとはいえ、その他の部位はあまり発汗しないので、後者の局所性タイプだと思われました。またその原因分類では、一見すると特発性多汗症にも見受けられますが、当院の最終的な仮説としては局所性の自律神経失調症的な多汗症ではなかったか、と考えます

 

頭顔面部の汗腺を支配する頸部交感神経幹

 


頭顔面から首周りの汗腺を支配する頸部交感神経幹付近の筋緊張が原因か ? !
・その根拠ですが、上記②の「Hさんの診察【大量発汗に関する所見】」にあるように、首から頭顔面および背中~デコルテ付近の汗腺を支配する頸部交感神経幹(上・中・下頸神経節)付近に「顔面-頸部触診上、(中略) また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも筋著明な緊張と圧痛がありました。

首から顔面および頭皮にかけて汗が大量に出て、ジットリしていました。」といった所見がみられたことが挙げられます。


・つまりこの筋緊張所見によって頸部交感神経幹が絞扼刺激を受けて誤作動を起こし、首から頭顔面および背中、デコルテ付近の汗腺が刺激されて発汗が生じているのでは、、、あるいは同所見によって同神経幹を支配する動静脈の血流が軽度阻害され。それによって各神経節の神経閾値に異常が生じて、これらの部位の汗腺が過剰刺激を受けて発汗過多になっているのでは、、、このような仮説を考えました。

 

 

筋緊張が頭顔面の汗腺を支配する頸部交感神経を刺激する?!

 


局所的な自律神経性の多汗症と推測される整体治療例…足蹠多汗症例
・また、下記足蹠多汗症の症例のように、骨盤神経叢(☚自律神経叢)の整体治療で足裏の多汗症が改善した症例もありますので、Hさんの症例はその「頸部版」ではないか、と推察しました。
◆ 20年前から続く、足の裏の多汗症(足蹠多汗症)の整体治療
    患者Yさん=63才-女性-主婦の症例

    骨盤神経叢(☚骨盤臓器や下肢の汗腺・血管などを支配する自律神経叢)に対する整体治療症例の解説です



 

 

下肢の汗腺を支配する骨盤神経叢とその整体治療


Hさんの多汗症-整体治療方針、、、
・多汗症の原因も多岐にわたるので、上記仮説だけでなく、その他の原因がある可能性もありますが、とりあえず上記仮説に基づいて、
⑴    頭顔面から首(背中-デコルテ)の汗腺を支配する頸部交感神経幹(上・中・下頚神経節)の過緊張を解放し、汗腺への刺激を解消する
といった治療方針を考え、それに対応する整体テクニックである、
・頸部交感神経管解放テクニック
(迷走神経解放テクニック)

を施術することにしました。

 

 


施術する手が汗で滑るほどの大量発汗 !!
・Hさんが当院に来院されていた期間は4月末から7月中旬にかけての約三か月間でした。その初診時である4月末はまだそれほど暑さが気になる日和ではありませんでした。しかしHさんは「頭から水を浴びたのか・・・」と思わせるほど、顔から首にかけてと背中・デコルテに玉のような汗をかいて来院されました。


・正直いって,手技療法家である我々整体師にとって、汗だらけの身体を施術するのは手が滑って難しい局面もあります。Hさんもその点を気にされていたのか、施術中に「汗で手が濡れてしまって、すみません、、、」と、私に何度も謝っておられました。

 

 


春から真夏へ・・・
暑くなるにつれ軽減していったHさんの多汗症、、、

・しかし上記④の「経過と結果・・・」にあるように、5診目ころから、施術時の汗による手の滑りは減少傾向になり、そして7診目には、「(前略) 汗は出るのですが、以前はジト~ッと脂ぎった濃い汗が大量に出ていましたが、「最近はそれが減って、少しサラーッとした感じで出てきます」と仰るほどにまで発汗は軽減してきました。


・ちなみに7診目来院時は6月の終わり頃ですから、気候的には相当熱くなってきている時期でした。それにも関わらず大量発汗が改善してきたので、Hさんは驚いておられたようです。


・そして最終診の10診目来院時(7月中旬)には、「(前略) 汗も余り出なくなりました。以前の汗はジト~ッとした感じで、大粒の汗が暑くも無いのに大量に出ていましたが、これだけ暑い日が続いていても少し皮膚の表面が汗ばむくらいに治まっています」と仰っていました。

 


・このように、7月中旬の気温が最盛期の時期に「これだけ暑い日が続いていても少し皮膚の表面が汗ばむくらいに治まっています」と仰るまで大量発汗(多汗症)が改善していたので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。

 

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25年前から続き、2年前から急激に悪化した不整脈…
一日に100回以上も生じる不整脈(期外収縮)の整体治療

患者Hさん=64才-女性・主婦の症例


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①    Hさんの病歴・・・
患者Hさんは、25年ほど前に「トン・トン・トン・ト・トン…」といったような不整脈を感じたので近医を受診すると期外収縮(心室性か上室性かは不明)と言われたそうです。その時はストレスが原因と言われ、お薬を処方されましたが副作用の関係であまり服用されず、鍼灸治療などを受けていたそうです。その後不整脈はあいかわらず出ていましたが、生活に支障が出るレベルではなかったのでそのまま放置していたそうです。ところが2年前に急に悪化し、酷い時は一日に100回以上も不整脈が出るようになり、しんどくなって横になる事が多くなり、生活に支障がかなり出るようになったそうです。そこで今度は専門医を受診し、お薬の処方もありましたが、やはり副作用があるので薬はあまり服用しなかったそうです。そんな事から今度は鍼灸治療などを受けたところ、少し改善したそうです。ところが数日前に胸を掴まれるような感覚と共に、めまいが生じて倒れそうになったそうです。こんな事は初めてで怖くなったので、今回の来院となりました。

 





②    Hさんの診察
・Hさんの具体的な不整脈のパターンは「トン・トン・トン・ト・トン…」といった期外収縮(心室性か上室性かは不明)で、多い時は一日に100回をはるかに超えるほど生じるそうです。また強い時は、胃から突き上げられるような不整脈があるそうです。頻脈や徐脈は無いそうです。数日前はめまいがありましたが、いつもはめまいや失神(前失神)、胸痛、吐き気、複視などの随伴症状は伴わないそうです。ただ酷い時は身体がしんどくなって動きづらくなり、ソファーやベッドに寝込む事が多くなっていたそうです。不整脈はいつどこでも生じますが、一番生じやすいのは食後だそうです。労作時の呼吸困難や動悸・息切れなどは無いそうです。
・不整脈の発現には周期性があり、1年近く不整脈が毎日生じたかと思うと、それが自然に治まって数か月間は生じない日が続き、ある日また不整脈が再発してそれが数か月続く、、、このパターンが何年も繰り返されながら、最近ではその間隔が3か月前後で周期的に変わるそうです。
・2年前の専門医での精密検査でも特段の異常は無く、ストレスが原因では、との事で基本的には経過観察だったそうです。ただ、いざという時の為に頓服を処方されていて、その時に服用するように言われていたそうです。また漢方を処方されていた事もあるそうです。
・Hさんの血圧は80/120mmHgで、血液検査ではコレステロール値がやや高めだそうです。
・吐き気や複視は無いそうですが、宙に浮いている様なめまいが時おりあるそうです。頭痛は無いそうですが頭の圧迫感はあるそうです(☚特に春先に多い)。これらの症状は何年も前から続いているそうです。
・50才頃から汗かきになり、真冬以外の春・夏・秋にかけて、少し暑くなるだけで玉の様な汗が出るそうです。汗をかく部分は首回りと頭顔面だけで、次いでデコルトと背中付近に多く汗をかくそうです。首から下はほとんど汗をかかないそうです。 
・1年前に眼科を受診したそうですが、その際に眼圧が高いと指摘され(右眼=25mmHg、左眼=21mmHg)、眼圧を下げる目薬を処方されたそうです。その目薬をさすと結膜炎が生じたので、その事を担当医に伝えたそうです。すると担当医は結膜炎の目薬を併用しながら眼圧の目薬をするように言われたそうです。ところがそれでも結膜炎になるので、あまり使用していないそうです。眼圧以外で眼底や視野などの眼の異常は無く、緑内障ではないとの事だそうです。視診上、結膜の色はピンク色でした。
・ごく軽度の耳鳴りが時おりあるそうです。また難聴気味と感じているそうです。この件について耳鼻科などは受診されていません。
・若い頃から花粉症があるそうです。また数年前に慢性上咽頭炎の指摘を受けたそうですが、その時の担当医から「この治療法はないから経過観察してください」と言われたそうです。
・現在虫歯や歯周病は無いそうですが、15年以上前から原因不明の歯痛があるそうです。痛む部位は右上顎の第一小臼歯と第二小臼歯、そして右下顎の第二小臼歯だそうです。Hさん本人は、歯ぎしりの癖は無いと思っておられるようですが、歯科医からは「噛みしめる癖」が原因と言われ、歯を削るなどの処置やマウスピースを処方されたりしていたそうです。しかし全く効果が無かったそうです。また左の上下顎歯とも知覚過敏があり、冷たいものを飲むとかなり痛むそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の萎縮あるいは肥大はありませんでした。咳や痰は無いそうです。
・肺炎や気管支炎などの既往は無いそうです。特段の外傷経験も無いそうです。
・若い頃から胃もたれがあり、ゲップも一日に何十回と出ていたそうです。胃もたれ(不快感)が強くなるとご自分からワザとゲップをして紛らわしていたそうです。呑酸や胸やけ、背中痛は無いそうです。3年前に胃カメラをした時は、特段の異常は無かったそうです。
・食欲は普通で便通は毎朝あるそうです。ただ朝の排便後も残便感は残り、その半時間~1時間後に決まって腹痛があった後に再度排便があるそうです。一度目は普通の便だそうですが、二度目はほとんど軟便だそうです。またガス(放屁)も多いそうです。
・閉経は53才の時だったそうです。生理痛はほとんど無かったそうです。お子さまは二人ですが、二人とも安産だったそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。心音や呼吸音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音はやや弱めで聴取されました。
・胸部触診上、右の胸骨縁(R3~R7)付近に著明な緊張と圧痛がありました。また左の胸骨縁(R5~6)付近にも緊張と圧痛がありました。
・腹部触診上、打診上、全般的に濁音が聴取されました。剣状突起下縁から心窩部にかけて著明な緊張と圧痛がありました。また回盲部とS字結腸部および臍部の左側方にも緊張と圧痛がありました。
・顔面-頸部触診上、頬骨弓下(側頭下窩)と下顎切痕部に著明な筋緊張と圧痛がありました。また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも筋著明な緊張と圧痛がありました。首から顔面および頭皮にかけて汗が大量に出て、ジットリしていました。
・両CVAに叩打痛がありました。

 





➂ 治療目標と整体治療
⑴    (胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の過緊張状態を開放し、心臓神経叢への誤情報伝達を解消する
⑵    胸膜~心膜間の緊張を解消し、心臓神経叢の誤情報を解除する
⑶    心臓神経叢を支配する頸部交感神経幹の緊張を解消する

     ・胃平滑筋テクニック
     ・下部食道括約筋解放テクニック
     ・食道裂孔ヘルニア解放テクニック
     ・胸郭(心臓神経叢)解放テクニック
     ・頸部交感神経幹解放テクニック
     ・迷走神経解放テクニック

 





④    経過と結果・・・
【Hさんは遠方にお住まいの方のため、一度の来院で二枠分の治療時間を設けて施術しました】
・初診治療後、

「胃の辺りと胸が軽くなった気がします」と仰っていました。


・2診目来院時、

「不整脈はかなり減りました。以前に比べて3割以下だと思います。ただ頭がボーッとしていて、時々軽いフラ~ッとする事が何度かありました」と仰っていました。施術後は「頭がスッキリしています。お腹と胸もスッキリとしています」と仰っていました。


・3診目来院時、

「不整脈は前回とほぼ変わらず以前の3/10くらいです。ただ胃から突き上げられるような不整脈は無くなりました」と仰っていました。また「めまいや頭がボーっとする事もありませんでした。」とも仰っていました。


・4診目来院時、

「(今週は)胃がすごく楽でした。ガス(放屁)も減りましたし、ゲップはほとんど出なくなりました。眼の奥の痛みやめまいは一度もありませんでしたし、頭がボーっとする事も無くなりました。不整脈は前回と同じ3/10くらいですが、以前に比べるとかなり弱くなり、ホッとしています」と仰っていました。来院時の視診上、Hさんのフェイスラインがシャープになり幾分小顔になっていたので、その点について指摘すると「そうなんです、両手で下顎を触ると(フェイスラインが)細くなっているんです。ありがとうございます」とも仰っていました。


・5診目来院時、

「不整脈は前回と同じ程度に出ていましたが、ほとんど気にならないくらい小さくなりました。ただ頭のボーっとした感じとめまい、右眼の奥の痛みが一度だけありました。歯の痛みはあいかわらずでした」と仰っていました。またこの頃から、Hさんの頭顔面から首、そして背中などの汗に減少傾向がみられ始め、汗による施術時の手の滑りが減っていきました。


・6診目来院時、

「(今週は)三日前だけ不整脈と頭がボーっとしてフワフワする様なめまいが少し多く出ましたが、それ以外の日は調子が良く、不整脈は以前の2/10以下だったと思います。眼の奥の痛みと鼻の奥の違和感は一度もありませんでした。右の歯の疼くような痛みも今週は軽くなっていました」と仰っていました。また「先日友人から”Hさん、あんた最近、顔が小さくなったみたいやね”と言われました」とも仰っていました。


・7診目来院時、

「不整脈はありますが2/10くらいです。それと(不整脈は)下痢すると、不思議と楽になるんです。ゲップは6/10くらいです。眼の奥の痛みや歯の痛みは全くありませんでした。ただ頭がボーッとして、めまいがチョコチョコありました。立ちくらみではありませんでした。汗は出るのですが、以前はジト~ッと脂ぎった濃い汗が大量に出ていましたが、最近はそれが減って、少しサラーッとした感じで出てきます」と仰っていました。


・8診目来院時、

「今週も不整脈は先週と同じくらいで、以前の1.5~2/10くらいでした。ゲップはまだありますが減りました。眼の奥の痛み、めまい、頭がボーっとするのは今週は無かったです。」と仰っていました。そして「ずっとゆるかった便が硬くなってきました」とも仰っていました。


・9診目来院時、

「お陰様で不整脈は1/10以下に減っています。眼の奥の痛みやめまい、頭がボーっとする感じもほぼゼロでした。便は硬便の後に軟便が出る状態ですし、量も変わっていませんが、以前の様に残便感が残るようなことは無くなりました。」と仰っていました。また「そう言えば、これだけの猛暑でも以前のように、猛烈に汗が出るようなことはありませんでした。(汗が)少し少なくなったような気がします」とも仰っていました。


・10診目来院時、

「不整脈が出る日もまだありますが、(不整脈が)一度も出ない日が増えてきました。ゲップや眼の奥の痛み、頭がボーっとする事やめまいは一度もありませんでした。汗も余り出なくなりました。以前の汗はジト~ッとした感じで、大粒の汗が暑くも無いのに大量に出ていましたが、これだけ暑い日が続いていても少し皮膚の表面が汗ばむくらいに治まっています」と仰っていました。また「昨日は少し下痢気味でしたが、しかし以前に比べて身体が軽くなって、活動的になった気がします」とも仰っていました。
以上の好経過から、Hさんのお住まいが遠方であることも踏まえて、これで様子を見ていただくことにし、今回の集中治療を終了することにしました。

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
 

 

 

心臓の拍動は多くの因子によって調整されている・・・
不整脈の原因は不明なケースが大半?!
・心臓の拍動は脳幹の循環中枢をはじめ呼吸中枢、末梢の自律神経系、血液内のホルモンや電解質、あるいはコーヒーなどのある種の食材または薬物などの影響、さらには精神的影響、そして心臓自身の状態など、様々な因子によって統合的に調整されています。ですから不整脈があってもこれらのどの部位(☚単独もあれば複数のこともある)にどの様なイレギュラーがあるかを識別していくことは非常に複雑で難しいとされています。


従って本件のHさんのように、その原因が不明な症例は意外に多いようです。実際、当院に来院される不整脈患者の大半もその例にもれず、病院での各種検査にもかかわらず原因不明の方がかなり多くなっています。当院は単なる整体院ですから、科学的な検査機器があるわけではなく、またその使用も法的にできないので、その様な科学的データに頼ることはできません。

 

・ですから整体院レベルで可能な限りの診察をさせていただき、そこから仮説を導き、その仮説に基づいた整体治療をさせていただいています。とは言え、意外とその治療結果は好成績を上げているので、その症例を下記に記しておきますので、よろしければご参照ください


◆ 食道裂孔ヘルニアor胃食道逆流症が関係すると思われる不整脈症例
 
30年前から続く、一日に100回近く頻発する、不整脈(期外収縮)の整体治療
 

◆ 心膜の縦隔内癒着が関係していると思われる不整脈症例
   
動悸(130回/分におよぶ頻脈)と右胸部痛(肋間神経痛?)の整体治療
 

不整脈、高血圧、呼吸困難、胸痛、他…【総合案内】はこちら

 


Hさんの不整脈の原因を探る解剖生理学的エビデンス・・・
「(胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の連続性」、「心膜と胸膜の近接性」、「頸部交感神経幹」

・そこで本件Hさんの不整脈なのですが、結論から申し上げると、上記「② Hさんの診察」から導かれた不整脈の原因仮説は❶「(胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の連続性」が解剖生理学的な根拠になっているのでは、、、というものでした。そこに❷「胸膜~心膜」の近接性も関与し、さらには❸ 頸部交感神経幹の緊張( 易刺激性)も影響しているのでは、」というものが当院の仮説でした。

 

❶「(胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の連続性

 

 

 

❷「胸膜~心膜」の近接性

 

 

❸ 心臓機能を調整する頸部交感神経幹

 


まず初めに、、、胃と心臓は漿膜的に連続している?!
・心臓と胃は横隔膜を境に上-心臓(胸腔)と下-胃(腹腔)に物理的に分けられています。しかし漿膜的には胃を包んでいる腹膜は食道も同時に包み、同膜が横隔膜膜と接合してそのまま縦隔内を心膜後面に接しつつ咽喉頭まで上行しています。つまり胃や心臓を包んでいる腹膜や心膜などの漿膜は横隔膜を境にして上下に連続しているのです。

 

 


心臓神経叢とは、、、心臓を直接コントロールする「現場監督」!!
・ここで問題になるのは「心臓神経叢」です。先述しました心拍動をコントロールする一要素である自律神経系最末端に位置する心臓神経叢は、脳幹の循環中枢から末梢自律神経系を下行して心臓底部(心臓の最上方部)に集積し、そこから心臓全域に自律神経線維を降ろして心拍動を調整する「現場監督」的な役割を担っている神経叢です

そしてこの心臓神経叢は、先述のように胃から連続している漿膜である心膜内にすっぽりと収まっています

 

心臓神経叢へ下行する頸部交感神経幹・他

 


胃食道連結部付近に何らかの異常が心臓神経叢のイレギュラー原因となる?!
それって逆食、食道裂孔ヘルニア、バレット食道、、、

・ですから、この「(胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の連続性」の観点からすると、仮に横隔膜を挟んだ胃食道連結部付近に何らかの異常があれば、心膜内の心臓神経叢に異常刺激が加わる可能性があり、それがリエントリ機序や活動電位の異所性始点を起こし、期外収縮が生じるのではないか、と考えたのです。

 

  

 

 

胃食道連結部の炎症(逆流性食道炎)

 

 

 

Hさんにも胃食道連結部付近に何らかの異常があったのか?!
そしてその根拠は、、、

・この際、Hさんの「胃食道連結部付近に何らかの異常」についてですが、一般的には逆流性食道炎(胃食道逆流症)や食道裂孔ヘルニア、バレット食道などの病態(あるいはこれらに似た状態)があげられると思います。ところがHさんは3年前の検査で逆流性食道炎などの異常はないと診断されていました。しかし下記『  』内の問診/診察所見から、Hさんは胃食道逆流症に近い状態にあったのでは、と推定されます


●『若い頃から胃もたれがあり、ゲップも一日に何十回と出ていたそうです。胃もたれ(不快感)が強くなるとご自分からワザとゲップをして紛らわしていたそうです。呑酸や胸やけ、背中痛は無いそうです。3年前に胃カメラをした時は、特段の異常は無かったそうです。』
(ゲップが多い・・・下部食道括約筋が完全に閉塞していない可能性・・・胃食道逆流症の可能性)


●『不整脈はいつどこでも生じますが、一番生じやすいのは食後だそうです。』
(食後の胃の膨満による胃食道連結部の刺激↗・・・腹膜~横隔膜膜~心膜へ刺激伝搬↗・・・心臓神経叢への影響↗)

 

●『腹部触診上、(中略) 剣状突起下縁から心窩部にかけて著明な緊張と圧痛がありました。』
(下部食道括約筋の疲弊の可能性)

 

 


Hさんの不整脈治療方針・・・
(胃)腹膜~(食道)横隔膜~心膜の過緊張状態を開放し、心臓神経叢への誤情報伝達を解消する

・以上の考察から、Hさんには胃食道逆流症的な異常状態が胃食道連結部付近にあり、それによって腹膜~横隔膜膜~心膜的に緊張を強いられ、心膜内の心臓神経叢が刺激されて不整脈の一因になっているのでは、と仮説を立てたわけです。
そしてこの様な仮説から、その異常状態を解消する目的で、

   ・胃平滑筋テクニック
   ・下部食道括約筋解放テクニック
   ・食道裂孔ヘルニア解放テクニック

を施術することにしたわけです。

 

 

 


Hさんの不整脈治療方針・・・その二
胸膜~心膜間の緊張を解消し、心臓神経叢への誤情報を解除する!!
・ただHさんの不整脈については、上記だけではなく、さらに別の原因も考えられました

その一つが
●『胸部触診上、右の胸骨縁(R3~R7)付近に著明な緊張と圧痛がありました。また左の胸骨縁(R5~6)付近にも緊張と圧痛がありました。』です(☚この成因は不明)。

 


心臓神経叢を包んでいる心膜は、その左右に肺を包んでいる胸膜とも接しています

ですから胸膜と心膜の接面に何らかの理由で癒着などがあると、その癒着による緊張が心膜を経てその内面の心臓神経叢に波及する可能性もあるのでは、と考えました。
このような仮説から、

   ・胸郭(心臓神経叢)解放テクニック
も施術することに、その刺激源の解消を目的としたわけです。

 

 


Hさんの不整脈治療方針・・・その三
心臓神経叢を支配する頸部交感神経幹の緊張を解消する!!

・さらにもう一つの仮説として、頸部交感神経幹の過緊張も考えられました。それは、同神経幹からは上頚・中頚・下頚心臓神経が心臓神経叢に向かって伸びている解剖学的事実に依拠しています。
つまり、

何らかの理由により同神経幹に誤情報が発生し、その誤情報が心臓神経叢に伝導して、それによって不整脈が発生している可能性を考えたわけです。

 

 

頸部交感神経幹

 

 

心臓神経叢へ下行する頸部交感神経幹

 

 

頸部交感神経幹が関係すると考える根拠とは、、、

首から顔にかけての大量発汗(多汗症 ?!)
・その根拠ですが、それは下記の所見から推察することができました。


●『50才頃から汗かきになり、真冬以外の春・夏・秋にかけて、少し暑くなるだけで玉の様な汗が出るそうです。汗をかく部分は首回りと頭顔面だけで(次いでデコルトと背中付近も汗が多い)、首から下はほとんど汗をかかないそうです。』


●『顔面-頸部触診上、(中略) また両乳様突起下部から下顎枝後方にかけて、そして頸部前後側面にも著明な緊張と圧痛がありました。首から顔面および頭皮にかけて汗が大量に出て、ジットリしていました。』

 


この大量発汗(多汗症)の所見は、頸部交感神経幹の走行経路である「両乳様突起下部から下顎枝後方にかけてと頸部前後側面」も著明な緊張と圧痛があることを示す所見と考えられますこの緊張が先述の「何らかの理由」ではないか、と考えたのです。

 

・つまり、この緊張によって頸部交感神経幹への絞扼刺激が加わり、それが誤情報発生の原因になっている、、、あるいはこの緊張による頸部交感神経幹を支配する動静脈の循環障害が起こり、それによっても誤情報発生の可能性があり、その誤情報が同神経幹の下位にある心臓神経叢に伝わり、それも不整脈の一因になっているのでは、と考えたのです。

 

  

頸部筋肉群の緊張(凝り)が頸部交感神経幹を絞扼刺激する?!


・この仮説は不整脈だけでなく、首から頭顔面にかけての大量の発汗原因としても有力ではないか、と考えられます。(この考えは、ほぼ同じ経路を走行する迷走神経についても同じような仮説が考えられました)
そこでこれらの対策として、
   
・頸部交感神経幹解放テクニック
   ・迷走神経解放テクニック

を施術したわけです。

 

 


Hさんの不整脈治療の結果について、、、
・結果は良好であったと思います。
まず2診目来院時には、不整脈の発現が以前の3割以下にまで激減していたことです。そして3診目には胃から突き上げられるような強い不整脈が解消し、5診目にはさらにそれが小さくなっていたそうです。さらに6診目以降は不整脈が以前の2/10にまで軽減し、9診目には1/10まで減り、そして最終の10診目来院時には不整脈がゼロの日も増えていました。おまけに以前は大量に出ていた首から頭顔面の大量発汗もほぼ解消していました。


・以上の事から、Hさんの不整脈に関する今回の仮説は、おおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

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30年前から続く、一日に100回近く頻発する、

不整脈(期外収縮)の整体治療
食道裂孔ヘルニアor胃食道逆流症が関係する ?!
初診治療後、不整脈が解消していた症例の解説です。

患者Sさん=64才-男性・会社役員の症例

 

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①    Sさんの病歴・・・
患者Sさんは、30年ほど前から不整脈(心室性期外収縮)があったそうです。たまに酷くなる時があったそうですが、専門的な治療はほとんどしていなかったそうです。そんな折、十日前に風邪をひいた時にくしゃみをしたそうですが、それ以降に不整脈(期外収縮)が頻発するようになったそうです。今までは酷くなっても直ぐに自然消失していたそうですが、今回は十日間も連続して100回近くも頻発し、しかも強くなりだして仕事などに支障が出るレベルになっていたので、今回の来院となりました。

 




②    Sさんの診察
・具体的な期外収縮の症状は、みぞおちの辺りから胸に向かって強く突き上がるような心拍動(期外収縮)が、一日に何十回も生じるそうです。背中痛があり(☚肩甲骨の下方付近)、同部がいつも固くなっているそうです。胸痛やめまい、吐き気、失神、前失神は無いそうです。
・Sさんの期外収縮歴は古く、30年前に某病院で心室性期外収縮と診断されたそうです。担当医より、それほど心配はいらないと説明されていて、特段の治療は無かったそうです。しかしSさんとしては、時には期外収縮が一日に何十回も続く事があり、気持ちが悪かったそうです。その時には奥さまに肩をもんでもらったりしていると、一日ほどで自然に治まり、その後しばらくは生じなかったそうです(生じたとしても月に一二度程度)。しかし今回は、それが10日も続いていたそうです。
・今から3年前にも風邪を引いた時に30年前と同じような強く頻発する期外収縮が生じた事もあるそうです。この時は数日で自然寛解したそうです。
・今回の期外収縮は今までの中で一番長く続いていて、特に食後やパソコン仕事で猫背になっている時などで誘発されるそうです。逆に、背を伸ばす動作をすると軽減or消失するそうです。期外収縮が生じる前、手に汗が生じる事もあるそうです。
・血圧は110/70mmHgで、血液検査では高コレステロール血症の指摘があるそうです。心電図検査で期外収縮以外の異常を指摘されたことは無いそうです。
・背中痛はありますが(先述)、腰痛は無いそうです。ただ左臀部は鈍痛が常にあるそうです。
・20代の頃に梯子から転落し、左の肋骨(R3~5/腋窩付近)を骨折した事があるそうです。また30代から十年間ほど空手をされていたそうですが、稽古相手の蹴りによって、上記と同じ部位を骨折した事があるそうです。
・40代の頃にCT検査を受けたそうですが、その時の担当医から「内臓脂肪の気があるから、注意するように」と言われたそうです。
・40年ほど前にイボ痔になり、それ以降イボ痔が出たり入ったりしていたそうです。しかし2年ほど前から椅子に座ると肛門付近が痛むようになり、特に1年前はかなり酷かったそうです。
・30代前半に脂肪肝の指摘を受けた事があるそうです。その時は食事制限などで、翌年には改善していたそうです。
・7年ほど前に追突事故にあい、シートベルトによって左の肋骨(R11、12)を骨折した事があるそうです。
・5年前に間欠跛行になったそうですが、某病院を受診するも特段の治療はほとんどなかったそうです。ところが1年ほどで自然寛解したそうです。
・4年ほど前から一年に数回程度、原因不明の腹部の激痛に襲われる事があるそうです。痛む部位は下腹部で(特にS字結腸部)、間欠的な痛みが3~4日ほど続くそうです(1日目が強く、その後次第に緩和する)。冷える事がキッカケで腹痛が生じやすいそうで、冬場はもちろん、夏でもクーラーの刺激で生じる事もあるそうです。放屁(オナラ)や排便で少しは痛みが緩和するそうですが、それ程長持ちせず、すぐに痛みが再燃するそうです。下血や血便は無いそうです。
・2年前から夜間頻尿気味で、一晩に三回はトイレに行くそうです。また起床後には切迫頻尿もあるそうです。この件で医療機関の受診はされていません。
・残尿感、排尿遅延や遷延性排尿、あるいは尿の射出力減退は無いそうです。
・2年ほど前に亀頭包皮炎になったそうです。ステロイド系などの塗布薬で改善するそうですが、休薬するとすぐに再発しているそうです。
・2年ほど前に左の五十肩になったそうです。現在では痛みはほとんど無いそうですが、外転は90度までしか挙上できませんでした。それ以上挙げようとすると(過外転)、上腕骨の上部(三角筋付近・上外側上腕皮神経領域)に痛みが生じるそうです。
・お寺廻りなどが趣味だそうですが、お寺廻りなどで階段などを上る際、今までは楽に上れていた階段も、1年ほど前からは息が上がるようになっているそうです(☚軽度の呼吸困難感)。
・胸焼け、呑酸は無いそうですが、かなり以前からゲップはかなり多く出るそうです(一日に60回以上・空腹時に頻発)。
・シャックリはほとんど出ないそうですが、2週間前に二日間ほど一日に何十回も出たそうです。
・4か月ほど前に新型コロナに感染し、それ以降食欲は落ちているそうです。便通は毎日あるそうですが、以前の半分程度しか出なくなっているそうです。便の性状は、ほとんど軟便だそうです。またガス(放屁)もかなり多いそうです。
・若い頃から胃腸は弱い方で、いつも胃もたれがあり、あるいは少し食べるだけでもすぐに腹部膨満感が生じるそうです。また食滞(食べたものが消化されないで、胃の中に残っている感覚)もあり、さらに下腹部の鈍痛(or違和感)もあるそうです。
・両手指に軽度の振戦があり、特に右手は字を書こうとすると、かなり大きな振戦になるそうです。この件で医療機関の受診はされていません。
・壁を手で押しても肩甲骨の浮上はありませんでした。
・左股関節(左鼠径靱帯の直上付近)に軽度の鈍痛が常時あるそうです。体幹を後方にそらす姿勢や左足の屈曲時には同部の痛みが強くなり、さらに右足に比べて左足は屈曲しづらいそうです。
・視診上、胸骨下角は約90度開いていました。腹部は全般的に膨満していましたが、特に上腹部の方が下腹部より膨満していました。打診上は心窩部~左季肋部付近で鼓音が、それ以外では濁音が聴取されました。
・頚胸部聴診上、血管雑音は無く、心音、呼吸音で特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音は弱く聴取されました。左季肋部での振水音は聴取されませんでした(食後約3時間)。右季肋部でのハム音は聴取されませんでした。
・飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では、剣状突起付近で排泄音が聴取出来ました。ただ排泄音が聴取される時間は二度あり、一度目は嚥下直後(1~2秒後)に聴取され、二度目は10秒前後でした。また排泄音の性状は、一度目は「ベチャ」という感じで、二度目は「ボコボコ」という感じでした。
・腹部触診上、胸骨最下端(剣状突起)、心窩部と左季肋部に著明な緊張と圧痛がありました。また臍部の左右でも同様の緊張と圧痛がありました。さらにS字結腸付近でも著明な緊満感と圧痛がありました。左の鼠径靱帯に軽度の緊張と圧痛がありました。しかし膨隆はありませんでした。
・臀部触診上、左のアルコック管付近と坐骨結節上外方付近で、著明な緊張(硬結)と圧痛がありました。同部の押圧で、直腸-肛門付近に放散痛が誘発されました。Sさんによると、「(左の坐骨結節上外方付近は)仰臥位で寝た時に痛くなる部位です」と仰っていました。





➂ 治療目標と整体治療

⑴    胸腔に脱出して心膜(心臓神経叢)を刺激していると思われる胃食道接合部を腹腔内に引き戻し、同神経叢の易刺激性を解除する
 ・下部食道括約筋解放テクニック
 ・食道裂孔ヘルニア解放テクニック
 ・消化管平滑筋テクニック

 



④    経過と結果・・・
・初診治療後、

「背中から首にかけてコリがとれてスッキリしています。お腹も軽くなっています」と仰っていました。施術前の飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では、排出音は剣状突起付近でしたが、施術後は同部より3~4cmほど下方に移動していました。また施術前は左上肢の外転角度は約90度でしたが、施術後は約150度まで改善していました。


・2診目来院時、

「始めてここに来るときは、車中でもひっきりなしに不整脈がありましたが、ここから帰る時には一度も(不整脈が)出なかったです。あれ以来(初診施術後)、不思議と不整脈が出ていないんですよ。実感的には1/10以下です。それだけでなく、今までは夜間頻尿は一晩に3回ほどありましたが、ここのところは1回だけで済んでいます。昼間の頻尿も半減している気がします。また背中から肩-首のコリも軽くなっています」と仰っていました。ただ「ゲップが少し増えた気がします」とも仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前は剣状突起付近で、施術後は剣状突起のやや下方で聴取されましたが、両者とも微細な排泄音でした。また排泄音は、嚥下後1~2秒後と、30~40秒後に聴取されました。


・3診目来院時、

「あれ以来(☚初診施術後)、というより初診の治療直後から95%以上不整脈は出ていません。出たとしても”あれっ、今(不整脈が)出たかな…”程度です。それとゲップも今までの1/3以下に治まっています」と仰っていました。また「今まではほとんど軟便でしたが、ここの所は少し硬くなり、最初の1~2本はバナナ状で出てきます」とも仰っていました。


・4診目来院時、

「一週間くらいは一度も不整脈は出ず、すっかりと忘れていましたが、昨日東北地方への出張があり、長時間新幹線に乗っていた時、少しだけみぞおちから心臓の方に突き上げられるような感じがありました。ゲップも少し増えた感じがしました。便はやや硬めになってますが、量的には少し減っている気がします。切迫尿や夜間頻尿、お腹の膨満感も変わらずあります」と仰っていました。


・5診目来院時、

「今週も一度も不整脈はありませんでした。ゲップはほとんど意識しなかったので、ゼロに近いと思います。腹部の膨満もかなりマシになり、以前の6/10程度だと思います。ただ夜間頻尿は一晩に3~4回ある日がありました。」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前は剣状突起付近で、施術後は剣状突起の下方2~3cmで聴取されましたが、両者とも微細な排泄音でした。また排泄音は、嚥下後1~2秒後と、30~40秒後に聴取されました。


・7診目来院時、

「年末年始で食べ過ぎる日が増えて、そのせいか大晦日に久しぶりに不整脈が3回ほどありました。元旦以降もお腹が張って胃もたれが続いていて、さすがに食欲も落ちました。毎日排便はあるのですが便の出が悪く、小さな便が小刻みにしか出ませんでした。そうした時、やはり左の下腹部痛もチョコチョコありました。でも排便するとマシになりました。でも一日だけ、バナナ状の便が出た時がありました」と仰っていました。


・8診目来院時、

「(前回施術から)一度も不整脈はありませんでした。夜間の頻尿や切迫頻尿は相変わらずですが、左の股関節の痛みや左足の屈曲は、問題はありません。ただ食後の膨満感や胃もたれは相変わらずですね。」と仰っていました。また「・下部食道括約筋解放テクニック・食道裂孔ヘルニア解放テクニック」の施術中、「それをしている時、胸の仲がスッ~として気持ち良くなります」とも仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前は剣状突起のやや下方で、施術後は剣状突起の下方3cm付近で聴取されました。施術前は微細な排泄音でしたが、施術後はシッカリとした排泄音になっていました。ただ排泄音は、嚥下後1~2秒後と、25~35秒後に聴取されました。


・9診目来院時、

「ゲップは全く出ませんでしたし、今週は食欲も出てきて、多めに食べる事がありました。以前はすぐにお腹の膨満感が出て食べにくくなっていましたが、今週はそれも無く、よく食べられました」と仰っていました。また「ただ一度だけ、不整脈が出そうになった時があました」とも仰っていました。


・(前回より2週間後の)10診目来院時、

「二度ほど、みぞおちが上がりそうになって、不整脈が出そうになりました。やはりまだ、心窩部の膨満感は残っています」と仰っていました。


・11診目来院時、

「今週は不整脈は出ませんでした。ただみぞおちの膨満感的な違和感があり、みぞおちから上がりそうになる事はありましたが。最近は便の出も良くなり、多い時で一日に三回ほど出ます。一度目はバナナに近い状態の便が出ます。三度目はやや緩くなりますが。」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前は剣状突起の下方3cm付近で、施術後は剣状突起の下方4cm付近で聴取されました。施術前は微細な排泄音でしたが、施術後はシッカリとした排泄音になっていました。排泄音は約20秒後に聴取され、嚥下直後の排泄音はありませんでした。


・12診目来院時、

「今週は一度も不整脈が出ませんでしたし、それだけでなく、みぞおちから上がりそうになる事も一度もありませんでした。ゲップも全くありませんでした。」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前および施術後とも剣状突起より3~4cm下方で聴取され、両者とも嚥下後10秒以内に排泄音がありました。ただ施術前は小さめの排泄音でしたが、施術後はシッカリとした排泄音が聴取されました。


・13診目来院時、

「今週も一度も不整脈はありませんでした。」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前および施術後とも剣状突起より3~4cm下方で聴取され、両者とも嚥下後10秒以内に排泄音があり、両者ともシッカリとした排泄音が聴取されました。


・14診目来院時、

「この二週間で一度だけ不整脈が出そうになりました。それは夜遅くに晩御飯を食べた後横になった時でした」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)、施術前および施術後とも剣状突起より3~4cm下方で聴取され、両者とも嚥下後10秒以内に排泄音があり、両者ともシッカリとした排泄音が聴取されました。ただ施術前は、嚥下直後に心窩部で排泄音が聴取されました。


・15診目来院時、

「この二週間、一度も不整脈はありませんでした。」と仰っていました。飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では(二度検査)でも、施術前および施術後とも剣状突起より3~4cm下方で聴取され、両者とも嚥下後10秒以内に排泄音があり、両者ともシッカリとした排泄音が聴取されました。8診目以降、不整脈が出ても週に一度前後と大幅に軽減し、11診目から今回の15診目の約二か月で不整脈が一度だけ出そうになっただけでしたので、以降はメンテナンス的に適当な間隔で来院される事を推奨し、今回の集中治療を終了する事にしました。


・Sさんは前回(15診目)の集中治療終了後も、

1~2か月に一度のペースでメンテナンスのために何度か来院されていましたが、その来院ごとに「不整脈はほとんど無くなりました。よっぽど食べ過ぎた時くらいに”あっ、何か(不整脈が)きそうやな”と感じるくらいです」と仰っていました。





⑤     今回の症例の概説、、、
不整脈(心室性期外収縮)の原因は不明な事が大半、、、
・不整脈(心室性期外収縮)は数多くの原因が考えられ、長期間の検査入院をしても原因が分からずじまいのケースが少なくい、と言われています。ただその多くは致死的な原因では無いので、特段の治療をしない事が多いようです。とは言え、患者さんにとっては不快な症状な事でもあるので、何とか治したいとの思いは誰しもあると思います。Sさんもそのお一人だったと思います。


・特にSさんの場合、30年も前から度々に一日に数十回の不整脈が発作的に生じていたので、不安な状態が長く続いたうえ、特に今回はそれが10日間も連続しているので、不安を超えて恐怖感になっていたのかもしれません。

 

 


しかし、「これは整体で治りそうだな…」との予感・・・
・先述のごとく、不整脈の原因は多岐にわたり、中には致死的な原因の可能性もあるので、一整体師である当院では対応できかねる原因もありえます。ですからまず最初に、その鑑別をする事から始めました。しかしことSさんについては、当初から「これは整体で治りそうだな…」との予感がありました。

 

 


Sさんの不整脈の原因のヒントとは・・・それは「くしゃみ」?!
・それは、今回のSさんの不整脈のキッカケが「くしゃみ」だったからです。またSさんは胸焼け、呑酸は無いそうですが、かなり以前からゲップはかなり多く出ていた事(一日に60回以上・空腹時に頻発)。そしてそのゲップが2週間前に二日間ほど一日に何十回も出ていた事、この二つが大きなヒントとなったからです。

 

 


横隔膜が中心にある、、、そしてその上と下との関連性が原因か ?!
・なんとなれば上記二つの現症は、解剖学的に「噴門(下部食道括約筋)-横隔膜」を想定させます。つまり横隔膜付近に位置する噴門(下部食道括約筋)から胃内の気体が上逆しやすい解剖学的状況に陥っている事を推測させる現症だと考えられます。それは胃食道逆流症(逆流性食道炎)、あるいは食道裂孔ヘルニアを予想させる所見です(Sさんの場合、胃酸逆流による炎症所見が無いので胃食道逆流症の可能性が高い)。

 

 


横隔膜を間に挟んで上には心臓(神経叢)が、下には胃食道接合部がある !!
・この考察をさらに進めていくと、下部食道括約筋などの胃食道接合部は横隔膜に接していますから、同部の異常は横隔膜膜を刺激する可能性があり、その刺激は上横隔膜膜と接着している心臓下面(厳密には心膜下面)の刺激源になる可能性があります。また心臓の心拍などをコントロールする自律神経終末(心臓神経叢)は心膜内に全て収まっています

 

 


不整脈に胃食道接合部が関係する5つの所見 !!
・以上の解剖学的事実から、もしSさんに食道裂孔ヘルニアなどの胃食道接合部の異常があれば、上記ルートを通じて心膜内の心臓神経叢を刺激しやすくなり、それが不整脈(心室性期外収縮)の原因になっているのでは、との仮説を立てることが出来ます。ちなみに食道裂孔ヘルニアなどを疑わせる所見として、ゲップ以外に以下の所見があります。

 

1.    不整脈は猫背で増悪し、背を伸ばす動作をすると軽減or消失する (☚背を伸ばす事で胸腔に脱出していた食道が腹腔に戻り、心膜/心臓神経叢への刺激が減少する)
2.    飲水による下部食道括約筋の排泄音検査では、剣状突起付近で排泄音が聴取 (☚下部食道括約筋が横隔膜より上方に位置している可能性)
3.    2において排泄音が聴取される時間は二度あり、一度目は嚥下直後(1~2秒後)に聴取され、二度目は10秒前後。排泄音の性状は、一度目は「ベチャ」という感じで、二度目は「ボコボコ」という感じ (☚通常は閉塞している食道が胸腔/縦隔の開大により食道が開口している可能性)
4.    腹部触診上、頬骨最下端(剣状突起)に著明な緊張と圧痛 (☚横隔膜上面の易刺激性)
5.    視診上、胸骨下角は約90度開き、腹部は全般的に膨満していましたが、特に上腹部の方が下腹部より膨満 (☚腹圧↗による胃食道接合部の胸腔への脱出圧力の可能性)

 

 


不整脈の治療方針の決定、、、それは食道裂孔ヘルニアの整体治療
・Sさんは胃カメラ検査などをしていないので、胃食道逆流症(逆流性食道炎)や食道裂孔ヘルニアに罹患しているか否かは不明です。しかし頻発するゲップあるいは上記1~5の所見から、Sさんは食道裂孔ヘルニアに近い状況にあり、それが横隔膜膜~心膜を経て心臓神経叢刺激し、不整脈(心室性期外収縮)の刺激源になっているのでは、との仮説を立てる事にしました。


・以上の事から、「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標
⑴    胸腔に脱出して心膜(心臓神経叢)を刺激していると思われる胃食道接合部を腹腔内に引き戻し、同神経叢の易刺激性を解除する
を設定し、それに対する整体治療法として
・下部食道括約筋解放テクニック
・食道裂孔ヘルニア解放テクニック
・消化管平滑筋テクニック

を施術する事にしたわけです。

 

 


効果は絶大、、、帰宅時には不整脈はほぼ消失 !!
・その効果は絶大で、Sさんの言葉を借りると「(2診目来院時)ここに来るときはひっきりなしに不整脈がありましたが、ここから帰る時には一度も(不整脈が)出なかったです。あれ以来(初診施術後)、不思議と不整脈が出ていないんですよ。実感的には1/10以下です」との事でした。


・初診治療後から2診目、3診目・・・と順調に推移していましたが、ただSさんの不整脈は30年前から長期間続いている慢性的なものでしたので、早めに集中治療を終了した場合にすぐに再発する可能性がありました。そこでSさんとも相談したうえ、その後も5診、6診と継続治療していきました。


・そして8診目以降から非常に安定した状態となり、さらに11診目から今回の15診目の約二か月で不整脈が一度だけ出そうになっただけでしたので、今回の集中治療を終了する事にしました(腹部膨満は不完全な状態でしたが、それは別件として治療を継続予定)。この様な経緯から、今回のSさんの不整脈(心室性期外収縮)は上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思われます。

 

 


Ps その後のメンテナンス治療来院時の結果について
・Sさんは集中治療を終了後も1~2か月に一度のペースでメンテナンス治療に来院されていました。それは前述の様に、腹部膨満がまだあったので、その影響で上記仮説による機序で不整脈が生じる可能性があったからです。Sさん自身もこの事を気にかけておられたので、ご自身も腹部膨満を解消する努力をされ、かつ当院においてもその解消に向けての治療をする事になりました。


・その効果があってか、数か月のメンテナンス機関においても不整脈は事実上一度も生じなかったので、改めて今回のSさんの不整脈(心室性期外収縮)は上記仮説で概ね妥当であったのでは、と考えます。

 

 

 

 

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 ・2回目以降  5,000円
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一日に40回以上も生じる頻脈・・・

20年前から続く、

不整脈(心室頻拍、期外収縮)の整体治療
患者Jさん=56才-女性・自営業/主婦の症例
 

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①    Jさんの病歴・・・
患者Jさんは、20年ほど前に精神的なストレスから心室頻拍になり、それ以降、頻繁に頻脈に見舞われていたそうです。そこでかかりつけの病院を受診すると担当医から「心室頻拍かな」と言われ、β遮断薬(メインテート)を処方してもらい、それを20年以上も服用していたそうです。ところが2か月ほど前から急に頻拍症状が増え、一日に何十回も頻拍発作に見舞われるようになったそうです。それだけでなく、メインテートもほとんど効果が出なくなっていたそうです。苦しいとかいうことはないそうですが、恐怖感と、頻拍発作時のビクっとするという感覚が気になり、生活と仕事にも支障が出ているので、今回の来院となりました。

 




②    Jさんの診察
【心室頻拍に関する所見】
・かかりつけの病院では、ホルター心電図と心臓エコー検査、並びに血液検査を定期的にしているそうですが、特段の異常は無いそうです。血圧は正常範囲だそうです。胸部X線検査でも、特段の異常は無かったそうです。
・心室頻拍は20年ほど前に発症しましたが、高校生の頃から期外収縮の様な不整脈は時折あったそうです。この件については病院を受診していなかったそうです。現在では、頻拍発作だけでなく期外収縮的な不整脈も出る事があるそうです。
・頻拍発作は大体1分前後続くそうですが、その際吐き気やめまい、失神or前失神、胸痛、呼吸困難などは生じないそうです。
・頻拍発作の発生頻度は、頻拍が出ない日が2~3日続くかと思うと、出る時は一日に40回以上生じ、それが数日間も続いたりするそうです。
・心室頻拍の誘因は特に思い当たらないそうですが、ただ「洗濯物を干す時に生じる事が多いかもしれません。あと食後も多いですね。」と仰っていました。
・若い頃から胃腸は弱い方で、十代の時に「胃下垂です」と言われた事があるそうです(誰に言われたかは不明)。
・食欲は普通で、便秘は無いそうですが、ガス(放屁)は多いそうです。
・心窩部痛は無いそうですが、胸焼けと呑酸がたまにあるそうです。胃カメラ検査では「慢性胃炎と軽度の逆流性食道炎」との指摘を受けていて、制酸剤の処方を受けているそうです。胃カメラ検査は2年に一度しているそうです。
・若い頃から慢性的に両肩、背中(特にT10付近)、首のコリが酷く、よく整体院で施術してもらうそうです。酷い時は体調を崩すこともあるそうです。
・お子さまは一人で(普通分娩/比較的安産)、現在26才だそうです。数年前に閉経したそうですが、生理痛は強かったそうです。婦人科的な疾患を言われたことは無いそうです。
・子供の頃から運動は苦手で、特に持久的な運動は特に苦手だったそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。心音に特段の異常は確認できませんでした。ただ左上葉で呼吸音が右の同部よりも強く聴取されました。副雑音は聴取されませんでした。
・頸部触診上、頸部周囲の筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。また顔面の触診では、頬骨弓の下方(側頭下窩)にも著明な緊張と圧痛がありました。
・腹部聴診上、血管雑音は聴取されませんでした。グル音は弱く聴取されました。飲水による噴門部の排泄音検査では(3回施術)、治療前は1回目、2回目ともチョロチョロとした微弱な排泄音が剣状突起付近で聴取されましたが、3回目は聴取されませんでした。治療後では、1~3回目ともチョロチョロとした排泄音が剣状突起より3cmほど下方で聴取されました。
・腹部触診上、心窩部全般に極めて著明な緊張と圧痛がありました。また回盲部から臍にかけても著明な緊張と圧痛がありました。


【頭痛に関する所見】
・Jさんの身長は161cmで、体重は55kgだそうです。視診上、顔はやや浮腫んで見えました。気管および甲状腺は正中にあり、甲状腺の腫脹・萎縮はありませんでした。頸静脈や手背静脈の怒張はありませんでした。頸部の縦径は普通でしたが横径はやや太く見えました。体幹については、腹部の縦径はかなり長く見えましたが(☚いわゆる胴長)、胸部の縦径は短めに、そして横径は狭めに見えました。
・10年ほど前から偏頭痛(☚Jさんの言)があるそうです。今までは一か月に数回程度生じていたそうですが、それが数か月前からいつもより多く生じるようになり、今では週に2~3度は頭痛が生じるようになっていて、生活や仕事にもかなり支障が出ているそうです。
・痛む部位は両方の内眼角の間の奥の方だそうです。痛みは拍動性でなく、重だるい鈍痛が持続性に続くそうです。担当医からトリプタンとロキソニンを処方されているそうです。ただトリプタンが頭痛に効く事は少ないそうです。
・頭痛が起こる時に吐き気やめまいは無いそうですが、閃輝暗点(せんきあんてん)がたまに生じる事があるそうです。脳神経内科でMR検査をしたそうですが、担当医は「小さなデキモノがありますが、これは心配ありません。経過観察だけで結構です」と言われたそうです。視診上、両眼とも正中にあり、瞳孔に左右差は無く、眼の動きに異常はありませんでした。
・両眼とも近眼と乱視があるそうです。眼科医の検査では、特段の異常は無いとの事だそうです。若い頃から飛蚊症があるそうです。
・かなり以前から後鼻漏が酷く、耳鼻咽喉科で慢性上咽頭炎との診断を受けたそうです。Bスポット療法を4年以上もしているそうですが少し改善しただけで、未だに後鼻漏は続いているそうです。
・耳鳴り、難聴、あるいは中耳炎、そして虫歯、歯周病は無いそうです。
・Jさんとしては、歯ぎしりはしていないと思うとの事ですが、かかりつけの歯科医からは、歯を食いしばっているとの指摘を受けていて、マウスピースの処方を勧められたことがあるそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    心膜横隔膜部・心膜心底部と、心膜-縦隔胸膜部の緊張(癒着)を解放する
⑵    上記⑴によって、心臓神経叢~心臓神経への易刺激性を解放する
⑶    逆流性食道炎あるいは食道裂孔ヘルニアの可能性を想定し、その治療を図り、心膜-心臓神経叢への易刺激性を解消する(☚念のために精査を勧める)
⑷    胸膜-左上葉部の癒着(?)を解放し、心膜への刺激を緩和する

  ・心膜解放テクニック (心膜横隔膜部・心膜心底部)
  ・胸膜解放テクニック (左上葉部、心膜-縦隔胸膜部)
  ・心臓神経叢解放テクニック
  ・下部食道括約筋解放テクニック
  ・食道牽引テクニック
  ・横隔膜解放テクニック

 






④    経過と結果・・・
  Jさんは遠方にお住いの方のため頻繁に通院する事が困難なので、一度の来院で2回分の整体治療を施術する集中治療方式を採用しました  

・初診治療後、

「胃のあたりがメッチャ軽くなっています。肩と背中の痛みも軽くなったみたいです。息もしやすくなりました」と仰っていました。(来院時に頻脈、不整脈は生じていなかったので、頻脈、不整脈については不明)


・2診目来院時、

「この一週間は一度も頻脈は出ませんでした。たたせ時おり期外収縮みたいなものがチョコッとあったくらいです。それと背中と肩のコリをあまり感じなかった事と、胸がよく開くようになった気がします」と仰っていました。また両内眼角奥の頭痛も無かったそうです。


・3診目来院時、

「今週も小さな期外収縮みたいなのが2~3度あったくらいで、頻脈は一度もありませんでした。眼の奥の頭痛もありませんでした。」と仰っていました。

まだ、もう少し安定するまで整体治療を続ける方が良いと思いましたが、2診目、3診目と予想外の好結果を得ることが出来た事、そしてJさんは遠方から来られている方なので、その通院のご負担の事も考え、この段階で様子を見て頂く事にして、今回の集中治療を終わる事にしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
始めに…心室頻拍とは、、、

・心室頻拍とは、急に胸がドキドキと早く脈を打つようになる症状で、他に息切れや、呼吸困難、めまい、失神などがありますが、無症状の事もあるようです。そして一般的な心室頻拍の原因は次の様に言われています。
  睡眠不足
  肉体的、精神的ストレス
  電解質の異常
  低カリウム血症や低マグネシウム血症など
  薬の副作用
  遺伝
  心臓疾患
  他

 


 

・心室頻拍は軽症なケースがほとんどですが、まれに心停止(突然死)する事もあると言われているので、医師による診察および経過観察は必要です。心臓の構造に特に異常がないのに心室頻拍が見られる場合のことを特発性心室頻拍と言いますが、Jさんもこのタイプのようです。

 

 


Jさんの心室頻拍を持続させる隠れた原因があるはず !!
・ところでJさんは20年前に心室頻拍が初めて発症したキッカケは精神的なストレスと仰っていますので、上記原因の範疇に入ると思われます。しかしその精神的なストレスが20年も持続しているとは思えず、Jさんもそれは否定しています。ですから20年も心室頻拍が発症し続けるには、精神的なストレス以外の心室頻拍を起こす要因が何かあるはず、と考えるのが妥当と思います。

 

 


胃食道接合部と心臓神経叢を内包する心膜との関係性とは・・・
胃食道接合部の異常が心膜(心臓神経叢)を刺激する ?!

・当院では上記原因も考慮しますが、それら以外の原因として、胃食道接合部の異常も有力な原因では無いか、と考えています。具体的には逆流性食道炎or胃食道逆流症、あるいは食道裂孔ヘルニアなどの、横隔膜-食道裂孔部付近の病態です。

 


・その機序(仮説)ですが、食道裂孔部付近の横隔膜上面は心膜に接しているので、もし逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアなどの病変があると、それらによる何らかの刺激(例:炎症産物などの化学的刺激orヘルニアによる圧迫や食道-胃の蠕動運動による物理的刺激など)が噴門部から横隔膜を通して心膜に、あるいは直接心膜に伝わり、それが心膜内の心臓神経叢を刺激して、心室頻拍あるいは期外収縮などの不整脈の原因となるのでは、と考えています。

 

 

下記はこの機序が想定される不整脈の整体治療例ですので、ご参照ください。
【参考資料 : 胃食道接合部~心膜の治療例】
◆  10年以上前から続く不整脈(期外収縮)の整体治療
     患者Mさん=64才-男性-会社役員/の症例より、8診目でほぼ完治した症例の解説です。

 

 


Jさんの心室頻拍と胃食道接合部の異常の関係性を示す所見とは ?!
・そこでJさんにも上記の様な可能性があるのでは、と考えて、幾つかの問診及び診察をしました。すると、
 1.    胃カメラ検査で逆流性食道炎の指摘を受けている
 2.    心窩部痛は無いが胸焼けと呑酸がたまにある
 3.    飲水による噴門部での排泄音試験で、排泄音は不安定だった
 4.    腹部触診上、心窩部全般に極めて著明な緊張と圧痛があった

などが確認されたので、Jさんの胃食道接合部に何らかの病変が存在する可能性が高まりました。


・それだけでなく、胸部X線検査で異常は無かったものの、胸部聴診上、左上葉で呼吸音が右の同部よりも強く聴取された事から、左の胸膜で癒着などの伝導が亢進する状態があるのでは、と想定され、それも心膜に何らかの緊張を強いているのでは、と考えました。

 

 


Jさんの心室頻拍-治療方針とその結果 !!
・以上の事から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
 ⑴    心膜横隔膜部・心膜心底部と、心膜-縦隔胸膜部の緊張(癒着)を解放する
 ⑵    上記⑴によって、心臓神経叢~心臓神経への易刺激性を解放する

 ⑶    逆流性食道炎あるいは食道裂孔ヘルニアの可能性を想定し、その治療を図り、心膜-心臓神経叢への易刺激性を解消する(☚念のために精査を勧める)

 ⑷    胸膜-左上葉部の癒着(?)を解放し、心膜への刺激を緩和する

 


を設定し、それらに対応する整体テクニック
 ・心膜解放テクニック (心膜横隔膜部・心膜心底部)
 ・胸膜解放テクニック (左上葉部、心膜-縦隔胸膜部)
 ・心臓神経叢解放テクニック
 ・下部食道括約筋解放テクニック
 ・食道牽引テクニック
 ・横隔膜解放テクニック

を施術したわけです。

 


・結果は、酷い時は一日に40回以上も心室頻拍が生じていたのに、初診より一週間後の2診目来院時のJさんの報告では、心室頻拍は一度も無く、期外収縮のようなものが少しあったくらいと、かなり良好な状態でした。またさらにその一週間後の3診目来院時の報告でも心室頻拍は一度もありませんでした。以上の事から、Jさんの心室頻拍については、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。

 

とは言え、正直申しますと本当はもう少し経過観察をしながら、もう少し症状の安定を確認できるまで治療を続けたかったと思います。しかし遠方から通院するJさんのご負担を考えるとそれを強く勧める事も出来ないので、今回の様な短めの症例研究となりました。その点についてはすこし残念な気がした症例でした。

 

 

 

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靴下を三枚重ねしても赤く腫れあがる足のしもやけ(凍瘡)
20才の頃から続くしもやけ(凍瘡)の整体治療
一種の自律神経失調 ?!

患者Yさん=63才-女性-主婦の症例

 

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、Yさんは別件(足の小趾の皮膚炎・他)で来院されていましたが、その経過中に晩秋になり、しもやけ症状が出てきたので、本件も併せて治療する事になりました。しもやけの症状は足先が赤く腫れて非常に痒くなるそうです。特に入浴時などはかなり痒くなるそうです。両手にはしもやけ(あるいは冷え症)は生じず、鼻や耳などにも生じなかったそうです。Yさんのしもやけ歴は数十年に及ぶので、その間に皮膚科や漢方、サプリなど、様々なしもやけ治療を試されてきましたが、全く効果が無かったそうです。

 

②    Yさんの診察
【しもやけ(凍瘡)に関する所見のみ記載】
・視診上、足背全域に拡張した静脈および毛細血管が広がり、足背各所に直径1~2cm大の発赤部が散在し、かつ皮膚の色つやも無く、青黒く汚れた色感がありました。特に左第5趾(小趾)だけはかなり茶褐色に変色したままで、かつ腫脹していました。この左の第5趾は3か月前に感染性の皮膚炎になり、左の足背全域に軽度に青黒い変色を伴う腫脹が広がっていました。特に左第5趾は茶褐色に変色して「水ぶくれ(?)」状態に腫れていたそうです。ところでこの左第5趾は、1年半ほど前にも炎症が生じて(☚水虫が原因)、今回同様に茶褐色に変色し、かつ腫脹していた事があるそうです。
・しもやけは高校生の頃から毎冬になると生じていたそうです。両足の趾先がしもやけになり、特に第2~4趾が酷かったそうです。しもやけになると指で足先を触っても感触が無いくらい酷かったそうです。最近ではしもやけは毎年初秋になるとしもやけが始まり、翌年の3月末頃まで続いていたそうです。真冬の頃には靴下を三枚重ねで履いてもしもやけになっていたそうです。ところが足の裏は汗びっしょりだったそうです。
・若い頃から極度の便秘症で、20代前半からは様々な便秘薬を毎日服用して、今に至るそうです(☚病院で処方された便秘薬or市販されている便秘薬・サプリ等)。便秘薬を服用すると排便はあるそうですが、便の性状は水便に近い状態だそうです。血便は無いそうです。
・お子さまは二人で(37才、35才)、普通分娩だったそうです。第二子出産の後に子宮筋腫が進行し、子宮がスイカ大にまで肥大して、かつ出血も酷かったので(☚月経開始から3週間出血が続き、貧血が悪化していた)、40才の時に子宮の全摘手術を受けたそうです。手術後も手術跡付近に4~5年くらいは鈍痛が続いていたそうです。
・両側の手背静脈と、内頚静脈と舌下静脈の怒張はありませんでした。
・Yさんの身長は164cmで、体重は48kgだそうです。血液検査は中性脂肪が低めですが、コレステロール値がいつも高いそうです。それ以外に異常の指摘は無いそうです。血圧は110/60mmHgだそうです。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音は弱めで聴取されました。
・腹部触診上、腹部全般的に著明な緊満感があり、特に盲腸部、下腹部、S字結腸部に著明な緊張と圧痛がありました。特に左右の腸骨動静脈付近の押圧で、下腿から足趾付近にかけて痺れ感に似た違和感が誘発されました。腹部に静脈瘤は無いそうです。
・下肢の触診上、大腿動脈、膝窩動脈、足背動脈、後脛骨動脈の拍動は、左右とも触診する事が出来ました。両膝窩とも硬化した腫脹と圧痛がありました。発赤はありませんでした。ちなみにYさんは、かなり以前から入浴中などに両膝窩をマッサージしていたそうです。また下腿の各コンパートメントで、左右とも「前区画」「外側区画」「深部後区画」が極めて緊張し、パンパンに張っていました。上記三つの区画を押圧すると(特に深部後区画)、足背部の静脈うっ血が増悪して怒張が酷くなりました。さらに左足第4~5趾間の趾背腱膜と足底腱膜横束部に著明な緊張と肥厚および圧痛がありました。
・下肢の知覚検査で左右差はありませんでした。また下肢の運動障害もありませんでした。ただかなり以前から、睡眠時などに左の下腿が数秒間、突然痙攣する事が多々あるそうです。
・数か月前に退社されるまで、某会社に約20年間勤務していたそうです(立ち仕事が多い)。その会社はかなり遠方にあり、通勤で相当な距離を歩いていたそうです。立ち仕事をしている時の姿勢は、そのほとんどが左足に体重をかける様な「休めの姿勢」をする事が多く、この様な左足に体重をかける姿勢は、自宅で家事をしている時なども同様だそうです。また週に一二度は近所のトレーニングジムに通い、運動をしているそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    腸骨動脈神経叢および仙骨内臓神経(骨盤神経叢)に対する刺激を解放し、下肢に向かう交感神経性血管収縮線維の閾値をあげて、その緊張を緩和する
⑵    上記⑵でもって下肢血管の過敏性を解放し血流を回復する

・骨盤神経叢解放テクニック

 

 



④    経過と結果・・・
・2診目来院時、

「例年の同時期に比べて、今回は(しもやけが)比較的にマシな気がします。」と仰っていました。足趾の視診上、左の第5趾は赤紫色の皮疹がありましたが、その他の9趾はその先端だけが少しだけ発赤していました。


・3診目来院時、

「左の小趾以外の、他の9本の趾にしもやけはありませんでした。左小趾だけがしもやけで、お風呂に入ったりすると痒くて仕方がありません。」と仰っていました。視診上、左の第5趾は少しだけ赤紫色に変色していました。


・4診目来院時、

「この二週間は、ほとんどしもやけの症状は出ませんでした。少しだけ左の小趾だけが赤く腫れているくらいでした」と仰っていました。


・5診目来院時、

「この三週間、しもやけは全くありませんでした。例年なら、毎年今頃は足の先っちょがしもやけで、趾が赤く腫れたり浮腫んだりで、非常に痒くなったりしていましたが、それが今シーズンは全く無かったです。」と仰っていました。足の視診上、初診時は足背全域に拡張した静脈および毛細血管が広がり、足背各所に直径1~2cm大の発赤部が散在し。かつ皮膚の色つやも無く、汚れた色感がありましたが、今回はその静脈や毛細血管拡張あるいは発赤部もほとんど消え、さらに皮膚の血色も良くなっていました。


・6診目来院時、

「この二週間も、しもやけは無かったです。あれほど出ていた足の裏の汗も、不思議とほとんど無かったです」と仰っていました。この6診目段階で、症状が極めて安定していたので、来冬のシーズン到来までにメンテナンスのために来院する事をお勧めして、今回の集中治療を終了する事にしました。

 




⑤     今回の症例の概説、、、
しもやけ(凍瘡)の機序、、、凍瘡と凍傷との違いとは
(ここでは鼻や耳などのしもやけについては割愛します)
・しもやけ(凍瘡)の機序は、寒冷刺激によって自律神経系の血管径を調節する神経「交感神経性血管収縮線維(☚以後交感神経と記します)」が活性化され、上肢や下肢へ向かう血管が狭くなり、上肢や下肢への血流が減少する事で発症します。しもやけ(凍瘡)による血流減少はそれほど顕著ではありません。

 

 

・しかし寒冷刺激がさらに強まると(例:冬山などでの遭難時など)、交感神経がさらに刺激され、上肢や下肢へ向かう血管径はさらに狭くなり、上肢や下肢末端の細胞は栄養・O2・体温を受け取れなくなって、手足の先から順次壊死していきます。これが凍傷です。

 

 


寒冷刺激による血管収縮は正常な防衛反応 ?!
・ただこれらの交感神経による(寒冷刺激によって手足への血管径を狭くする)反応自体は正常なものであって異常な反応ではありません。この反応は、寒冷刺激によって中枢(脳脊髄・体幹内臓)への影響を最小限にくい止めるための防御反応なのです。

 

 


家族や同僚にYさんほど深刻なしもやけ(凍瘡)患者はいない…

これが意味する事とは ?!
・ところで一般的なしもやけ対策は、寒冷刺激を回避するとか(屋外に出ないetc)、手足の保温対策(手袋、カイロetc)がメインです。しかし本症例のYさんの様に、靴下を三枚重ねで履いても重度のしもやけになる、という場合、そこには何らかの病的機序が関係しているのでは、と考えるのが妥当だと思います。

 

・ちなみにYさんの家族の方(夫・長女・次女)にしもやけは無いそうですし、またYさんの勤務先の方々の中にも、Yさんほどにしもやけで困っている方はほぼいないそうです。

 

 


Yさんにはしもやけ(凍瘡)が深刻化する原因がある・・・

それは交感神経の失調 ?!
・以上の事からYさんのしもやけに関する病的原因を探す事になった訳ですが、その取っ掛かりとして先述の血管径を調節する交感神経に注目する事にしました。何となれば、交感神経が血管径を調節するからです。つまりYさんの下肢へ向かう血管を支配している交感神経に何らかの失調が生じていて、その事により下肢血管が寒冷刺激に対して過敏に反応してしまい、下位血流が低下しているのでは、と考えたからです。

 

交感神経幹

 


Yさんに「手のしもやけ」は無い不思議 ?!・・・

これが重大なヒント !!
・そこで興味深い事は、Yさんは毎年足が重篤なしもやけになるのに、手はしもやけはおろか、冷え症的な症状もほとんど無い事です。全身的な交感神経の失調であれば、足だけでなく手もしもやけになっていてもおかしくないからです。しかしYさんは足だけがしもやけになっているのです。

 


・という事は、手の血管を支配している交感神経は正常であって、足の血管を支配している交感神経にのみ失調があるのでは、と推測できます。と、ここまで考えると、次に考える事は、その足の血管を支配している交感神経はどこか??という事になってきます。

 


Yさんの骨盤深部に重要な問題が ?!
・この問題に関する解答は骨盤深部にある「仙骨内臓神経、腸骨動脈神経叢(交感神経系)」だと考えられます。これら両神経は骨盤内にありますが、特に腸骨動脈神経叢からは、細かな交感神経線維が血管に纏わりつく形を取って大腿動脈神経叢から足先の血管にまで伸びています。そしてこの交感神経が直接的に血管径を調節しています。ですから「仙骨内臓神経、腸骨動脈神経叢(交感神経系)」に何らかの失調があれば、足先の血管系が狭くなる可能性があるのでは、と考えました。

 


・そこで次に思いつく事は、Yさんの子宮筋腫についてです。Yさんは次女を出産した後に子宮筋腫が肥大し、スイカ大にまでなった為、40才の時に子宮の全摘手術をされていた事です。これは後日改めでお聞きした事ですが、若い頃から生理痛は毎月あったそうです。

 


骨盤深部臓器の癒着が交感神経の失調を誘発 ?!
・ここからは推測ですが、おそらくYさんは、かなり若い頃から月経血の逆流/子宮内膜症的な機序や、子宮筋腫などにより骨盤深部に位置する消化管などに癒着などが生じていたのでは、また元来の慢性便秘により、消化管が慢性的に緊満している事が推測され、それも左記の癒着促進に関与していたのでは、と考えます。

 

・さらに30代後半からのスイカ大にまで肥大した子宮筋腫による骨盤内臓への圧迫刺激や、その後の子宮全摘手術とその後の後遺障害によっても、消化管などの骨盤深部臓器に相当な癒着が進んでいったのでは、と推測します。


・その骨盤深部臓器間の癒着に、仙骨前面に広がる仙骨内臓神経や腸骨動脈神経叢も巻き込まれて癒着し、あるいは絞扼刺激され、ないしは虚血が起こり、同神経に失調が生じて過敏に反応する事で、同神経が支配する下肢の血管が狭くなってしもやけ(凍瘡)が深刻化したのでは、と考えました。

 


・この考え方、つまり上記機序による下肢へ向かう交感神経の過敏性は、足の裏で汗がよく出る、といったYさんの所見にも合致すると思います。なんとなれば、交感神経は汗腺分泌も支配しているからです。

 


Yさんの治療目標とその結果 !!
・以上のような仮説から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標

⑴    腸骨動脈神経叢および仙骨内臓神経(骨盤神経叢)に対する刺激を解放し、下肢に向かう交感神経性血管収縮線維の閾値をあげて、その緊張を緩和する
⑵    上記⑵でもって下肢血管の過敏性を解放し血流を回復する

を設定し、それに対応する整体テクニックである
・骨盤神経叢解放テクニック
を施術したわけです。

 


・結果的に20才の頃から年中行事の様に毎冬深刻化していた足のしもやけ(凍瘡)と足の裏の多汗が、今シーズンにはほぼ発症しなかった事から、概ね上記仮説で妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

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