20年前から続く、足の裏の多汗症(足蹠多汗症)の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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20年前から続く、

足の裏の多汗症(足蹠多汗症)の整体治療
6診目で改善した症例の解説です…

患者Yさん=63才-女性-主婦の症例

 

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、Yさんは別件
(足の小趾の皮膚炎しもやけ・他)で来院されていましたが、足の裏の多汗症もありましたので、本件も併せて整体治療する事になりました。





②    Yさんの診察
【足の多汗症に関する所見】
・最初に足の裏から大量の汗が出る事に気づいたのは、今から20年前だそうです。
・汗が大量に出ているのは両方の足底のみで、起きている時間帯は常に汗が分泌しているそうです。両手掌や他の体表部からは汗は分泌されていないそうです。
・汗のかき方は尋常ではなく、常に靴下がじっとりと湿った状態になっていて、それは真冬においても同様だそうです。 
・若い頃から極度の便秘症で、20代前半からは様々な便秘薬を毎日服用して、今に至るそうです(☚病院で処方された便秘薬or市販されている便秘薬・サプリ等)。便秘薬を服用すると排便はあるそうですが、便の性状は水便に近い状態だそうです。血便は無いそうです。
・お子さまは二人で(37才、35才)、普通分娩だったそうです。第二子出産の後に子宮筋腫が進行し、子宮がスイカ大にまで肥大して、かつ出血も酷かったので(☚月経開始から3週間出血が続き、貧血が悪化していた)、40才の時に子宮の全摘手術を受けたそうです。手術後も手術跡付近に4~5年くらいは鈍痛が続いていたそうです。
・下肢の知覚検査で左右差はありませんでした。また下肢の運動障害もありませんでした。ただかなり以前から、睡眠時などに左の下腿が数秒間、突然痙攣する事が多々あるそうです。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。グル音は弱めで聴取されました。
・腹部触診上、腹部全般的に著明な緊満感があり、特に盲腸部、下腹部、S字結腸部に著明な緊張と圧痛がありました。特に左右の腸骨動静脈付近の押圧で、下腿から足趾付近にかけて痺れ感に似た違和感が誘発されました。腹部に静脈瘤は無いそうです。

【関連所見…しもやけ(凍瘡)に関する所見】
・しもやけは高校生の頃から毎冬になると生じていたそうです。両足の趾先がしもやけになり、特に第2~4趾が酷かったそうです。しもやけになると指で足先を触っても感触が無いくらい酷かったそうです。最近ではしもやけは毎年初秋になるとしもやけが始まり、翌年の3月末頃まで続いていたそうです。真冬の頃には靴下を三枚重ねで履いてもしもやけになっていたそうです。ところが足の裏は汗びっしょりだったそうです。
・視診上、足背全域に拡張した静脈および毛細血管が広がり、足背各所に直径1~2cm大の発赤部が散在し、かつ皮膚の色つやも無く、青黒く汚れた色感がありました。特に左第5趾(小趾)だけはかなり茶褐色に変色したままで、かつ腫脹していました。この左の第5趾は3か月前に感染性の皮膚炎になり、左の足背全域に軽度に青黒い変色を伴う腫脹が広がっていました。特に左第5趾は茶褐色に変色して「水ぶくれ(?)」状態に腫れていたそうです。ところでこの左第5趾は、1年半ほど前にも炎症が生じて(☚水虫が原因)、今回同様に茶褐色に変色し、かつ腫脹していた事があるそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    腸骨動脈神経叢および仙骨内臓神経(骨盤神経叢)に対する刺激を解放し、下肢に向かう交感神経性血管収縮線維の閾値をあげて、その緊張を緩和する
⑵    上記⑴でもって、足底のアポクリン汗腺への過剰刺激を緩和し、発汗を抑える

    ・骨盤神経叢解放テクニック  

 





④    経過と結果・・・
足の多汗症治療は、足のしもやけの治療と並行しての施術なので、しもやけに関する治療経過をそのまま記し、最後の6診目に多汗症の結果が紹介されています

しもやけの経過・・・
・2診目来院時、

「例年の同時期に比べて、今回は(しもやけが)比較的にマシな気がします。」と仰っていました。足趾の視診上、左の第5趾は赤紫色の皮疹がありましたが、その他の9趾はその先端だけが少しだけ発赤していました。


・3診目来院時、

「左の小趾以外の、他の9本の趾にしもやけはありませんでした。左小趾だけがしもやけで、お風呂に入ったりすると痒くて仕方がありません。」と仰っていました。視診上、左の第5趾は少しだけ赤紫色に変色していました。


・4診目来院時、

「この二週間は、ほとんどしもやけの症状は出ませんでした。少しだけ左の小趾だけが赤く腫れているくらいでした」と仰っていました。


・5診目来院時、

「この三週間、しもやけは全くありませんでした。例年なら、毎年今頃は足の先っちょがしもやけで、趾が赤く腫れたり浮腫んだりで、非常に痒くなったりしていましたが、それが今シーズンは全く無かったです。」と仰っていました。足の視診上、初診時は足背全域に拡張した静脈および毛細血管が広がり、足背各所に直径1~2cm大の発赤部が散在し。かつ皮膚の色つやも無く、汚れた色感がありましたが、今回はその静脈や毛細血管拡張あるいは発赤部もほとんど消え、さらに皮膚の血色も良くなっていました。

 

しもやけと多汗症の結果・・・


・6診目来院時、

「この二週間も、しもやけは無かったです。あれほど出ていた足の裏の汗も、不思議とほとんど無かったです」と仰っていました。この6診目段階で、症状が極めて安定していたので、来冬のシーズン到来までにメンテナンスのために来院する事をお勧めして、今回の集中治療を終了する事にしました。


【Yさんは、その後も別件(足の静脈瘤)の治療で来院されていましたが、一か月後、二か月後においても多汗症の再発はありませんでした】

 




⑤     今回の症例の概説、、、
発汗の形態と汗腺の種類について、、、手掌や足底は暑くても汗をかかない ?!
・発汗の形態は下記の様に三種類あります。

 また汗腺には、主にエクリン汗腺とアポクリン汗腺の二種類があります(アポエクリン汗腺は割愛)。
 1.    温熱性発汗・・・手掌と足底を除く全身から汗が分泌される
 2.    味覚性発汗・・・頭と顔からのみ汗が分泌される
 3.    精神性発汗・・・手掌と足底または腋窩のみから汗が分泌される

 


 

◆エクリン汗腺・・・

全身の体表に分布し、ほとんどの成分は水から成ります(99%以上)。開口分泌(☚汗や唾液などの体液を生成しそれを分泌する)の形態を取り、主に体温調節に利用されます。上記1~3はこの汗腺から分泌されます。導管によって体表に直接分泌されます。


◆アポクリン汗腺・・

腋の下、外陰部、肛門、乳房(乳輪・乳頭)、外耳道などの特定な部位に分布し、離出(or部分)分泌(☚細胞の一部が溶けて分泌される)の形態を取るので、脂質や蛋白質などが多く含まれていて、これらが皮膚常在菌によって代謝され、特有の臭いの発生につながります。フェロモン、虫よけ、個体の特定などに利用されます。毛包部分に分泌され毛孔から体表に排出されます。


1の温熱性発汗は最も一般的に知られている発汗で、文字通り体温の上昇により汗腺が刺激されて汗が分泌されるタイプです。運動によっても汗が分泌されますが、例えば環境温が29度前後になると汗が分泌されます。但し、上記のように体温が上昇しても手掌と足底から汗は分泌されません。


2の味覚性発汗は、これも文字通り、カプサイシンなどの成分を含む辛い物を飲食した時の味覚に刺激されて、顔や頭から汗が分泌されるタイプです。


3の精神性発汗は、精神的緊張に刺激されて手掌と足底または腋窩だけから汗が分泌されるタイプです。ですから体温上昇や辛い物を飲食してもこのタイプの発汗は生じません。「手に汗を握るサスペンス映画!!」なんて広告見出しは、この精神性発汗をよく表す言葉だと思います。また精神性発汗はうそ発見器に応用されている事も有名ですね。

 

 


発汗の分泌は交感神経のみが一手に取り仕切る・・・
・ところでこの汗腺を刺激して汗を分泌するする機序ですが、それは全て交感神経が一手に引き受けていて、副交感神経は一切関与していません。解剖学的には皮下の汗腺に交感神経の末端が接続されていて、同末端からAch(アセチルコリン)が分泌され、それが汗腺のAch受容体と結合する事で汗が分泌される仕組みになっています。

 

 


余談 : 発汗機能は馬と人間だけにある ?!
・余談ですが、汗を大量に分泌することが出来る哺乳動物は我々人間と馬くらいで、ほぼ99.9%の他の哺乳動物は汗をそれほど分泌しないそうです。まぁ、よくよく考えてみれば、生物にとって一番大切な水を汗として無防備に分泌/消費(浪費)する事は、ある意味生命維持にとって危険な事ですから、当然と言えば当然かもしれませんね。

 

 


話しを元に戻すと、、、
最終的には足底に向かう交感神経がアポクリン汗腺を刺激している ?!

・話しを元に戻すと、以上の事とからYさんの足裏の多汗症(足蹠多汗症)は、最終的には”足底に向かう交感神経が何らかの刺激を受ける事”で足底のアポクリン汗腺が刺激されて、汗が分泌されている事になります。ちなみに成書では、足蹠多汗症の原因はよく分かっていないとの事ですが、末梢神経的には足底に向かう交感神経が刺激されている事に間違いがないのでは、と思われます。

 

 


足に向かう交感神経の起始部・・・それは骨盤神経叢(腸骨動脈神経叢・仙骨内臓神経)
・ところで、その足底に向かう交感神経についてですが、当然その中枢は脳にありますが、その末端の神経節は骨盤深部に位置していて、そこから足底に交感神経線維が伸びています。具体的には腸骨動脈神経叢または仙骨内臓神経(以下 骨盤神経叢)から外腸骨動脈神経叢を経て大腿動脈神経叢~内側/外側足底動脈神経叢に至るルートです。つまり、骨盤神経叢が最終的な足底への起始部となります。

 

 


長年の便秘と子宮摘出手術の後遺障害が遠因か ?!
・従って「手掌では発汗せずに足底のみから汗が過剰に分泌されている」という事は、上記ルート、特に骨盤神経叢付近に何らかの刺激源があるのでは、と推測することが出来ます。そこで思い当たる事は、Yさんは20代からの長年の便秘症である事、そして40才の時に子宮摘出手術をされている事などがあります。

 


重大なヒント・・・
腸骨動脈神経叢付近の押圧で下腿から足趾付近にかけて痺れ感に似た違和感が誘発 !!
・そして腹部の触診所見からは次の所見が注目されます。
「腹部全般的に著明な緊満感があり、特に盲腸部、下腹部、S字結腸部に著明な緊張と圧痛がありました。特に左右の腸骨動静脈付近の押圧で、下腿から足趾付近にかけて痺れ感に似た違和感が誘発されました」


・この” 腸骨動静脈付近の押圧による下腿から足趾付近にかけて痺れ感に似た違和感誘発”所見は注目に値すると思います。つまり腸骨神経叢の閾値が低下していて易刺激性状態になっている可能性が高い、という推測が出来るのです。

 

 


Yさんの足底多汗症(足蹠多汗症)の仮説とは
・以上の所見を勘案すると次の様な仮説に至ります。
若い頃からの便秘症による下腹部腸管の膨隆刺激、そして子宮摘出手術後の骨盤深部臓器の癒着などの後遺障害によって骨盤神経叢が刺激されてその閾値が下がり(易刺激状態)、その結果骨盤神経叢の精神性発汗に関係する神経ルートで活動電位が生じてそれが足底まで伝導され、足底のアポクリン汗腺から過剰な発汗が生じている」というものです。

 

 


Yさんの治療方針とその結果・・・
・以上の事から、上記「➂治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴    腸骨動脈神経叢および仙骨内臓神経(骨盤神経叢)に対する刺激を解放し、下肢に向かう交感神経性血管収縮線維の閾値をあげて、その緊張を緩和する
⑵    上記⑴でもって、足底のアポクリン汗腺への過剰刺激を緩和し、発汗を抑える

を設定し、それに対応する整体テクニック

  ・骨盤神経叢解放テクニック  
を施術する事にしたわけです。

 


 

・結果は良好で、本件と併せて治療した「足のしもやけ」ともども好結果を示し、6診目には両者とも改善していたので、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。

 


上記仮説の疑問点、、、

なぜ温熱性発汗の神経ルートは刺激されないのか ??
・上記仮説の様に、Yさんの多汗症状は足底のみの精神性発汗的な状況だけですから、精神性発汗の神経ルートのみが骨盤神経叢で刺激されている形態になっています。しかしそれでは下腿や大腿などを支配している温熱性発汗の神経ルートは骨盤神経叢内で同じように刺激されていないのか、、、といった疑問が生じる事になります。

 


Yさんに内在する精神的ストレスの刺激が精神性発汗の神経ルートを刺激し続けている可能性 ?!
・正直な話し、その点については不明です。ただ憶測としていえる事は、Yさん自身に何らかの精神的ストレスが内在していて、それが精神性発汗の神経ルートのみに微弱な活動電位を背景活動として常時送る事になり、骨盤神経叢内の精神性発汗部分が温熱性発汗部分に比べて閾値が下がって易刺激状態になっている

そこに骨盤深部の腸管の膨隆や術後の癒着刺激に対して精神性発汗部分だけが刺激されやすくなっている解剖学的状態が負荷される事で、足底だけで発汗が生じる事になる、、、といった事になっているのかもしれません。

 

 

 

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