本日夕方、東海テレビ 『ニュースONE 』にて、未承認の美白クリーム"メラケアフォルテクリーム"の危険性についてコメント出演しましたPC
東海エリア限定放送でしたが、Yahoo!ニュースにも取り上げられ、YouTube に動画がアップされました。
私の説明のほとんどがカットされ、誤解を招きかねないので、情報を追記して詳しく解説いたしますねウインク

国内未承認美白化粧品メラケアフォルテクリームの違法販売で逮捕


国内で化粧品を販売するにあたっては、消費者の安全のため、含有可能な成分の種類と、各成分の濃度上限も薬事法で厳しく定められています電球

今回問題になった"メラケアフォルテクリーム"には、ハイドロキノンが4%(薬事法で2%が上限)、含有不可のトレチノイン、フランカルボン酸モメタゾンというステロイドが0.1%も含まれています!

第一の成分ハイドロキノンは、有効性の高い美白成分ですが、高率に接触性皮膚炎(かぶれ)を生じます。
さらに、白斑を生じる場合もあり、こうなると不可逆性です。

経験上4%を超えると接触性皮膚炎がぐんと増えます。
論文等で検索すると、何も出てこないのです。
処方経験のある医師の感触では、おおむね5~10%くらいの頻度で生じる印象です。
そこで、患者様には
「赤くなったら使用中止してくださいね」
と事前に説明し、定期的な医師の診察が欠かせません。
安全性を最優先にする当院では、浸透度の高い基材にハイドロキノンは1%と低濃度で配合した医療機関専売品を処方しています。(浸透率が高いので有効性は5%のハイドロキノンより高くなります)
そのため、当院はかぶれる方は現在のところほぼいませんが、ほとんどの医療機関では4~5%のハイドロキノンが処方されています。

第二の成分、トレチノインはビタミンAの外用薬で、皮膚のターンオーバーを強力に高め、メラニンを排泄させます。
『レチノイド反応』と呼ぶ、赤み、ひりつき、灼熱感、カサつきなどを生じるので、医師の管理下で使用すべき成分です。
余談ですが、コロナ禍で、マスク常時着用の機会を活かし、『ゼオスキン』を行う方が増えました。ハイドロキノンとトレチノインのセットで皮を剥きまくる荒療治です。
肌の弱い方では強すぎる炎症が遷延し、かえって肝斑やシミが濃くなったり、肌のシワが増えたりして、当院を受診するという事例を複数経験しました。
何事も、"過ぎたるは猶及ばざるが如し"、です。

さて、メラケアフォルテクリームの場合はネット購入して一般の方が自己判断で使用してしまうため、非常にハイリスクです。

特に、恐ろしいのは、第三の成分『フランカルボン酸モメタゾン』というステロイドが0.1%も配合されている点です。
これは、有名な薬ですと、『フルメタ』と同じ成分。毎日、フルメタを顔に塗り続ける危険性注意注意注意
美白クリームと思ってベリーストロングクラスのステロイド軟膏を塗っているのと同じです。
ステロイドざ瘡、皮膚萎縮などを高率に引き起こします。
また、ステロイドでハイドロキノンやトレチノインの炎症がマスクされてしまうので、炎症が遷延し、重篤な健康被害が出る可能性もあるのです注意注意注意

こういうことが生じ得るので、日本では薬事法が厳しく定められています。

ニュースで報道された容疑者の女性は、未承認薬剤を違法に保管した疑いでまず逮捕されましたが、販売の証拠が裏取りできしだい、そちらの罪状でも罪を問われるでしょう。

気軽にネットでポチっと購入するのはくれぐれもご注意くださいねアセアセ

メラケアクリームに関しては、過去にも取材を受けました下矢印

 動画はこちら東海テレビ


 

 

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