ご好評いただいている美容医療と恋愛シリーズ
前回は、『美容医療と恋愛~その8:浮気心の収め方』と題して、安定したパートナーシップ形成の育み方や美容医療の浮気のリスクについてお話ししました。
今回は、最近よく耳にする『女性器形成手術』
これは、小陰唇の形を整える『小陰唇形成術』やクリトリス包皮のだぶつきを切り取り形成する『陰核包皮形成術』、膣を狭くする『膣ヒアルロン酸注入』などが代表的なものです。
特に最近増えているのが、小陰唇形成術です。
え、何それという方もいらっしゃいますよね?
『小陰唇形成術』は何のためにするのでしょうか
・大きすぎて邪魔
・自転車のサドルに当たって痛い
・黒ずんだビラビラがコンプレックス
・小陰唇が黒いと性経験が豊富だと思われる
・左右非対称が恥ずかしい,etc
このような理由が挙げられます。
慶田は皮膚科医になって25年になります。
入局した当初は、皮膚科がこれほどまでに毎日プライベートパーツを診察する診療科だとは思ってもいなかったので、軽い衝撃を受けました。
オムツかぶれ、虫刺され、陰股部白癬(みずむし)、乳房外パジェット病(皮膚癌)、尖圭コンジローマ、毛じらみ、疥癬、アトピー性皮膚炎、粉瘤やホクロなどの腫瘍etc、、、
診療対象となる皮膚病は数えきれないほどあります。
皮膚科専門医は、0歳から100歳まで男女問わずに「おしも」をふくめ全身を診る医者なんですよ
赤ちゃんのむっちり可愛いおまた、産後のお母さんの会陰部、老人ホームの要介護状態のご婦人の外性器周辺などなど、
加齢と共に変化する様相や個人差を目の当たりにしてきました
プライベートパーツも個性があり経年変化が生じるのです
そんな経験豊富な皮膚専門医の立場から申し上げれば、
『小陰唇形成術』はあまりオススメしません
理由は、
‟加齢で小陰唇は萎縮し、膣口が露出していくので膣の乾燥や細菌性膣炎のリスクが高まる”
からです。
高齢者の小陰唇を1000人~10000人単位で診たことのある、皮膚科医や産婦人科医は知っています
大陰唇は萎み、小陰唇はほとんど消失します
そうです。覚えておいてください。
″小陰唇はビラビラしているうちが花”
だということを
小陰唇が手のひら大くらいの大きなな方は、下着に納まらず本当にお邪魔だと思うので形成術の適応でしょう。
でも、少し大きめだったり、左右非対称がある、黒いという程度では不必要だと思うのです。
実際、大きいとか左右非対称とか黒ずんでいるとか、結構思い込みだったりするんですよね。
閉経後の長い人生を考慮して踏みとどまることをおすすめします
ちなみに、男性側の意見としては「正直そこまで気にならない」とのこと。
「大抵暗めのところでイタすし、サービス提供時は開脚させるので大きさは目立たない。」
「どちらかというと、臭いや毛深すぎる方が気になる。言えないけどね。」
なるほどなるほどですね。
さらに深掘りすれば、
「ちょっと非対称だったり、黒ずんでる方が卑猥で興奮する」そうな
エロスの奥深さを感じるコメントでございました
「小陰唇が黒いと性経験が豊富だと思われる」問題
これに関しては、全くの都市伝説です
メラニン色素の濃度は、スキンタイプと肌質、皮膚の脆弱性、女性ホルモン量により決まります。
白人および白人に近い肌色で、アトピー素因が無く、炎症を起こした既往が少ない場合は最も色が薄くなります。
反対に、皮膚が浅黒く、蚊に刺されると色素沈着を起こすタイプで、アトピー素因があり、下着の刺激にも弱いタイプはデリケートゾーンが黒ずみます。
オムツかぶれを頻回におこしていた女児はバージンでも少し黒ずんでいます。
反対に、セックスワーカーでも白人の外性器はベージュピンクです。
さらに、女性ホルモンが豊富な性成熟世代は茶色く、閉経後10年程度でどんどん白くなっていきます。
妊娠中は、焦げ茶を通り越して、真っ黒に変化します。
意外かもしれませんが、「おばあちゃんのおまたは白くて綺麗」なんですよ。
先ほどの、「ちょっと黒ずんでてビラビラしている方がセクシー」とは医学的にも言い得て妙な言葉なのです。
皮膚科医としては、「どうせ白くなり萎縮する小陰唇を切ってしまったら元には戻せない」ことを強調しておきたいですね
慶田の友人で、小陰唇がとても大きい女子のエピソードをご紹介しますね
おふざけが大好きな親友らと本人が愛を込めて「東横のれん街」(のれん様に、、、)とコードネームをつけたくらいのサイズ感です。
彼女は婚約者に溺愛されていますが、彼はその大きさを全く気にしていません。
そうなんですよ、彼女の可愛らしさ、明るさ、頭の良さ、人間的魅力に比べたら、ナノサイズの些少なことなのです
来月50歳になるおねーさんからのアドバイスとしましては
「個性があって当たり前のプライベートパーツを受け入れない男は捨てておしまい」
と申したい。
身体改造してまで好かれようとするのは不健全な関係。
貴女はそのままで良いのです。
プライベートパーツモデルなので、仕事上仕方なく・・・
なんて特殊なお仕事でない限り、機能面でなく審美面で手術を検討している方はもう一度よく考えてみてくださいね
失った指が二度と生えてこないのと同じく、切り過ぎた小陰唇やクリトリス包皮を元に戻すことは不可能ですので。
膣ヒアルは必要か
膣内のGスポットエリアなどにヒアルロン酸注入を行う『膣ヒアルロン酸注入』は無条件に反対です。
理由は危険な上に意味がないからです
「名器を造る」などとキャッチ―な謳い文句で施術をするドクターもいらっしゃいますが、施術の前にまずセックスの仕方を指導すべきです。
女性の体は充分な時間をかけて、正しく刺激すれば、骨盤底に血流が増し、膣内が充血し、締まります
充分な時間とは、30分~1時間。
前戯から射精まで15~30分が平均的なセックス時間との調査もあるようですが、圧倒的に足りないんです。
「沸騰してないお湯にパスタを入れて茹だりますか?」
「耕さずカチカチの土に種まいて育ちますか?」
準備のJの字も出来ていないから、性交痛とかセックスが苦痛だとかいう女性が多いんです。
ちょっと濡れてきたからって直ぐに入れようとしよる男はダメ男です
その上、自分の技術不足努力不足を棚に上げ「オマエ締まり悪いな」的なことをほざいて女子を傷つけるなんざクズ男です
そんな言葉に傷つき、膣ヒアルして気に入られようなどとするのは、
『不健全にもほどがある!』略して『フケホド』です。
セックスはコミュニケーションの極致だと思うのです
相手を喜ばせるため、観察、確認、実証、反省を繰り返していくもの。
(すみません。理系なんで)
ベッドの上で自分勝手な人は日常でも自分勝手。
女性側も恥ずかしがってないで、自身の好みや希望を伝えていく姿勢が必要ですが、一向に改善されないなら・・・
「捨てておしまい」(本日2回目)
膣ヒアルの危険性はこちらをご覧ください
安全で効果的な女性器の若返り治療は
出産後や加齢により、尿もれや入浴後のお湯漏れなど、明らかな緩みが生じている場合
当院人気のヴィーナスハイフをお試しください。
顏のたるみを引き上げるHIFUは、膣のゆるみも改善します
施術前にご自身の指を入れて緩み具合を確かめておいていただくと、その効果に驚かれるはず
ヒアルロン酸注入などしなくても、患者様のパートナー様達からのご評価が高い施術です。
「更年期以降オリモノが減って濡れにくくなった・・・」
「性交時出血がある・・・」
という方は、膣の粘膜を再生させる膣レーザーがベストです。
若い頃のような微かに酸性の匂いのするおりものが出るようになり、粘膜が強くふっくら再生します。
繰り返しとまとめ
加齢と共に大陰唇は萎み、小陰唇は消失する。
審美目的での小陰唇形成術は不要です。
膣内は自然に血流が高まり、粘膜と骨盤内の浮腫が生じることで締まります。
始めからコブの様にヒアルロン酸で凸凹している人工的な膣は不自然で、注入によるリスクは甚大です。
出産と加齢による緩みや粘液低下は膣レーザーと膣ハイフで充分安全に若返らせることが出来ます。
ご参考になさってくださいね。
美容医療と恋愛シリーズ
初版第3刷 重版決定
6月25日発売 慶田の新著
『女医が教える、やってはいけない美容法33』
スキンケアやメイクアップに関する基本知識がたっぷり366日分(うるう年含む)
♪重版しました♪
■銀座 ケイスキンクリニック
(美容皮膚科)
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