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沈みかけ泥舟のメモ

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内容が定まらない更新少なめ不定期なメモ。

今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

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人生で初めて買ったCDがQUEENの

「Bohemian Rhapsody / These Are The Days Of Our Lives」

だった私としては観に行かざるを得ない映画。

 

「ボヘミアン・ラプソディ」を観賞してきました。

 

ネタバレしないように書いているブログですけれど、

史実としてのQUEENやフレディ・マーキュリーについては

ちょっと調べれば分かりますし、まるでQUEENについて知らない人が見に行く映画とも思えないので

今回はあまりネタバレなどは考えずに書いてみようかと思います。

 

当たり前のことですけれど、あくまで「映画」ですので二時間そこそこに史実を詰め込むようなことをすれば

QUEENのあらすじをダイジェストで語るだけになるのでドラマチックにするための改変は行われています。

熱烈なQUEENファンは「もともとソロ活動とかしていただろう?」とか

「エイズについて知るタイミングが劇的に改変されすぎ」など

事実と時系列が違ったりポイントを強調するためにはしょられた出来事について

不満はあるかもしれません。

 

そこはおとなな対応をしていただきたいなと思います。

もし、この映画を「全て事実である」と勘違いする人が増えそうと危惧するなら

「映画ではこうだけどね」とファンとしてより詳しいことに喜びを感じながら

QUEENの歴史を周囲に伝えていただきたいところです。

 

個人の感想ですけれど、主人公のフレディ・マーキュリーは本人と似ているかと言われれば微妙ですが

他のメンバーは結構いい線いってるような気がしました。(特にメイ)

特に最後の「ライヴエイド」のシーンはYouTubeに公開されているものに近づけるために

かなり労力を割いていてよく出来ているのでYouTubeで本物のライヴを鑑賞してから映画を観に行くのも面白いかと思います。

時間の制約で「ライヴエイド」全編の再現とはなっていませんけれども。

 

何よりも、映画館の音響設備でQUEENの名曲が聴けるというのがこの映画の魅力でしょう。

家にホームシアターセットがあるとか、自慢の音響設備があるという人なら別ですけれども、

そういう恵まれた環境になければテレビ放送やBlu-rayで鑑賞したところで感動は薄れてしまいます。

映像の圧倒的な迫力。音楽の美しさ。こういった部分がウリの映画はやはり映画館に行くべきです。

 

QUEEN自体はよく知らなくてもロックが好きな人なら観に行って損はないかなと思います。

最後の「ライヴエイド」シーンは本当ならスタンディングで本物のライヴのように声を上げて鑑賞したいくらいです。

 

音楽面が目立つ映画ではありますけれど、改変を加えてドラマチックにしたフレディ・マーキュリーの人生も見ものです。

 

今以上に同性愛者への偏見が強い時代での彼が受けていた閉塞感やそれにともなう孤独感。

腰巾着的な取り巻きによる悪影響で信頼できるはずの人々との間に生まれる軋轢。

栄光によってもたらされる悲しみがよく描かれています。

類型的という見方も出来るかもしれませんが、大人気ミュージシャンの身の上には

映画にするとありきたりと思えるくらい絶頂と転落が待っているものなのかもしれません。

 

この映画を機に何度目かのQUEENブームが来たら嬉しいなと思います。

 

本国の英国ではなかなか人気が出ず、日本で大スター扱いを受けたという下積み(?)時期は

映画でははしょられていますけれども、日本には縁の深いバンドですし。

 

心が広いQUEENファンとロックが好きな人にオススメの映画です。

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昨年度、邦画興行成績ナンバー1になった「銀魂」の続編を観賞してきました。

 

最初に言うと、前作よりも原作風味のギャグ寄りなので人によっては引いてしまうかなとさえ思います。

 

CGの出来については前作と同じくらいで、ギャグ映画だから大目に見てねという感じでしょうか。

 

感心するのは前作の菜々緒さんもそうでしたが、今作では勝地涼さんと夏菜さんのような

肌を出す人達が少ない出演でも撮影に合わせて身体作りをしてくるという事実です。

特に今作の勝地涼さんは裸シーン主体の将軍様ですから、肉体を作り込んできているのがわかります。

プロは違います。

 

佐藤二朗さん、ムロツヨシさんは今回も輝いています。

二朗さんの「ドゥワドゥワドゥワ」など小栗さんや菅田将暉さん達が本番中に笑ってしまう名演が見られます。

 

岡田将生さん演じる桂小太郎は前作、堂本剛さん演じる高杉晋助との関係もあり

わりと格好いいシリアスな演技に終始していた感じがありますけれど、

銀魂2では原作の桂小太郎さんを思い出させるギャグキャラクターに仕上がっています。

原作の桂が好きな人は今回の仕上がりに満足するのではないでしょうか。

特に映画が始まってすぐの「映画館で見た時にしか意味がないギャグ」は笑います。

 

桂小太郎がギャグに寄った反動なのか、中村勘九郎さんの近藤勲や吉沢亮さんの沖田総悟は比較的格好いい感じに仕上がっています。

唯一ギャグ寄りになったのは柳楽優弥さんです。

トッシー炸裂の土方十四郎の演技は振れ幅が大きくて柳楽さんの確かな演技力を感じます。

 

熱くなれる、泣けるという声も聞きますけど、そこはあまり期待しないで

夏の最後に笑いに行こうというスタンスで観に行けば楽しめると思います。

映画館で見ると意味のあるオープニング部分のネタがあるので是非とも映画館で観ていただきたい作品です。

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前作「パシフィック・リム」が人類滅亡が近い追い詰められた状況からの逆転という

緊迫感のある物語になっているのに対して、

今作「アップライジング」はもう少し「日常」に近い物語作りとなってる気がします。

 

時間軸は前作の「怪獣」との戦争から10年後。

復興が進んだ地域と遅れている地域があるという状況で、

テロや政府対反政府の内戦、地震や津波、原発事故からの復興をイメージさせているのかもしれません。

架空の世界だけれど現実的にイメージしやすい雰囲気を狙っているのでしょうか。

 

主人公は前作の司令官ペントコストの息子で、娘として育てられた森マコとは良い関係を築きつつも

「英雄」として死んだ父親の影に苦しむ青年。

軍隊を辞めて窃盗や軽犯罪を繰り返していた青年がある理由から軍隊に戻って新兵の教育係になるという展開。

新兵同士のケンカがあり、熟練した兵士の多くがケガで戦えなくなり新兵達が実戦に向かうという流れなどもあり、

軍隊物の映画でよく見るパターンを採用している感じがしました。

 

また、工場で自作されたイェーガーが出てきたり、謎の黒いイェーガーの襲来があったりと日本のロボットアニメの

あちこちで見たことがあるパターンも散りばめらているのでロボットアニメ好きは楽しめるかもしれません。

前作が夜や海での戦いが多かったのに対して、昼間の戦いがメインというのも

ロボット好きには嬉しい展開ではないでしょうか。

 

物語全体としては前作に比べて少し緊迫感に劣る感じなのがやはり残念です。

戦争からの復興時代という設定なので、人類絶滅寸前の前作より緊迫感がないのは仕方ないのでしょうが。

 

また、怪獣の変化など突っ込みどころは結構多めですが、そういう部分はあまり気にしないのが吉です。

 

深い物語を求めるような作品ではないので、巨大ロボットアクションを存分に楽しもうと割り切れれば

非常に面白い映画だったと思います。

 

日本も戦いの舞台になりますが、あくまで架空の日本なので街の様子や富士山との距離感とか

あまり突っ込まないで見る事を推奨したいです。

 

まだ次回作を作りそうなラストで終わってますけど、どうなんでしょうか?

合わせて三部作になるんでしょうか?

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「沙門空海」は「陰陽師」シリーズで有名な夢枕獏さんが十年以上かけて書き綴った長編小説です。

文庫本でなかなかの厚さで四冊分。

という事で、映画では大胆に内容がカットされています。

 

もう原作好きの立場からしたら不満しかないのではないでしょうか。

この映画は原作を読んでない人か、原作が好きな人が作った二次創作の別物として観られる人にオススメします。

 

肝心の内容はというと、空海が顛末を見届けた「楊貴妃にまつわる事件」の物語という感じです。

原作では空海による例え話を用いた密教の解説だったり、術を使う人物と平然と渡り合うシーンなど

空海の天才さを存分に感じさせる展開となっています。

けれど、映画の方は短い時間を「楊貴妃事件」にかけているために空海の活躍は多くありません。

例えるなら「家政婦は見た」の市原悦子さんのように、事件を一番近くで見ている人物という感じです。

頭の良さを映像だけで描くのは難しいので仕方ないのですが。

この映画は字幕版で見ると、空海役の染谷さんが中国語と日本語を自在に操って話しているのがわかるので

その点で空海の頭の良さを感じるのが良いかもしれません。

日本語吹き替え版で見てしまうと空海がかなり空気っぽいです。

 

物語の構成でちょっと面白いと思えたのは、四冊分の作品を二時間ほどの映画にまとめるため

たくさんいた登場人物を減らした方法です。

エピソードごとすっかり削除されてしまったキャラクターもいますけれど、

他のキャラクターの役割を別のキャラクターに背負わせることで減らすという方法もとっています。

例えば原作では空海と一緒に行動するメインキャラクターは同じ日本からの留学儒学生の橘逸勢ですが、

映画では白楽天と逸勢を一人にまとめています。

これにはあまり大きな効果はありませんでしたけれど、映画では幻を使って瓜を売る老人に

かなり重要なキャラクターの役割を背負わせていました。

狙いなのか偶然なのか、おかげでなかなか驚きの展開を演出する事が出来ていました。

 

密教の教えの一端や、当時の唐という国のすごさについては原作を読まなくてはわかりませんが

あまり深いことを考えずに楽しむのであればそれなりに面白い作品だったと思います。

 

かえすがえすも空海の活躍が少し弱いのが残念でしたけれども。

エンドロールに鳴り響くRADWIMPSの主題歌が空海の偉大さを高らかに歌っているので

それで帳消しにするしかないかなと思います。

 

映画版を見てもっと空海の活躍を見たいと思ったら是非とも原作小説を読んでいただきたいです。

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スターウォーズエピソード8、最後のジェダイを鑑賞しました。

 

前作のエピソード7、フォースの覚醒でも感じた

ジョージルーカス監督時代にあったスターウォーズの「神話感」の欠如はより進みました。

 

エピソード1からエピソード6の「神話的世界観」からの脱却を狙っているのかもしれません。

 

主人公レイも敵役カイロ・レンも人間的な悩みがクローズアップされている事からも、

そんな気配を色濃く感じてしまいます。

 

神話的で壮大な世界をスターウォーズに求める方にとっては残念な流れでしょうが、

エピソード9以降もシリーズを続けるつもりで

新たなお客さんを呼び込んでいくためならば悪くない選択なのかもしれません。

 

今後はスターウォーズという器の上に家族愛とか悲恋とかジュブナイルとか

色々な物語の構造が乗っかっていくのかもしれないです。

 

さて、最後のジェダイですが。

 

今作の中心人物はルークスカイウォーカーなんですが、

これまでの作品で導き手をつとめてきたオビワンやヨーダと違って

レイやカイロ・レンを導く立場のわりには若い頃のルークそのままという感じの

自分まで悩んでしまっているキャラクターになっています。

 

その一時の気の迷いがカイロ・レンが暗黒面に堕ちるきっかけとなってしまっていたり

レイア姫達が窮地からなかなか脱出出来ない原因になったりと悪い方に悪い方に影響しているので

格好いいルークを期待している人には不評かなと思います。

最後に見せ場はやってくるのですが。

 

映像的にはクライマックスの舞台となっている惑星が白い地表の下に赤い塩の大地があるという設定で

残酷な描写はないにも関わらず戦いの凄惨さを表現したのが面白かったです。

動き回った跡が赤い血のように見えるのは、主人公側が追い詰められる物語展開と相まって胸に迫ります。

 

この状況で今回の三部作ラストエピソード9がどう決着するのか?

エピソード3やエピソード6のように三部作ラストらしい盛り上がる最後を迎えられるのか?

 

次回作への不安と期待が交錯するエピソード8でした。

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実写映画化された「鎌倉ものがたり」を鑑賞しました。

 

温かみのある特徴的な絵柄の原作マンガで、原作の絵柄にこだわるファンは多くなさそうな作品だったので

よくある原作ファンからのバッシングはなさそうな幸せな実写化ではないかと思いながら見に行きました。

 

作品のテーマはずばり「夫婦愛」です。

主演お二人の演技が良いので、エピソード自体は珍しいものではない王道な感じでも心をつかまれます。

 

CGや特殊メイク、ファンタジーな世界観を抜きにしても楽しめると思いますのでお年寄りも大人も楽しめます。

もちろん、うりになってるファンタジーな雰囲気も良いので子どもでも楽しめるかと思います。

 

CGで描かれた「黄泉の国」や化物は原作マンガよりもジブリ作品を思わせる描写になっているのも、

多くの人が楽しめそうなポイントになっていると思います。

 

また、高畑充希さん演じる一色亜紀子さんが夜市で手に取る古道具や納戸で見た掛け軸など、

ちらっと出てくる品物が実はある伏線になっていた事がエンドロールを見ていてわかったんですが

そういう細かい作り込みも好感が持てます。

 

エンドロールに流れる宇多田ヒカルさんの歌も素晴らしいです。

 

そして、何よりもこの映画を見るとやはり「鎌倉」に行きたくなってきます。

冬場はちょっと寒いですけれど。

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名作「ブレードランナー」から30年以上経っての続編。

「ブレードランナー2049」を鑑賞してきました。

 

原作小説フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の世界観とテーマを元に

大幅にリドリースコット監督らしい変更をなされて、極めて珍しい「原作を上回る評価を得た映像化作品」となった

「ブレードランナー」の続編ですからハードルはどんどん高くなって見る前から不安になったものです。

 

しかし。

 

その不安を一瞬で払拭してくれる名続編となっていました。

続編が第一弾を超える作品というと「ターミネーター2」などがありますが、

この「ブレードランナー2049」もある意味では名続編と言えるかもしれません。

 

SFらしいディストピアとしての未来世界の描かれ方。

原作、前作ともに通底している「人間とは何か」「人間らしさとは」という問いかけ。

本格ミステリーには及ばないものの、しっかりと驚きと納得があるツイスト。

どれも一級品だと思いました。

 

「ブレードランナー」のファンなら見てガッカリすることはないと思います。

「ブレードランナー」で残されたいくつかの疑問が解決しますし、懐かしい顔もあって楽しめるシーンがたくさんあります。

 

初見の方でも原作ほど哲学的でもなく、前作よりは葛藤がわかりやすい今作は入りやすいのではないでしょうか。

とはいえ、アクションは比較的少なめですし、今の人が楽しめるかというと

古くからのブレードランナーファンほどはやはり楽しめないでしょうが。

 

やはり、前作「ブレードランナー」と今作「ブレードランナー2049」の公式ホームページから見られる

空白の30年を埋める動画を見てから映画館に行くのが正しい楽しみ方かなと思います。

 

http://www.bladerunner2049.jp/

 

一番この映画を楽しめるのは最初の「ブレードランナー」をリアルタイムで映画館で見て

作中の時間と同じおよそ30年後の今、「ブレードランナー2049」を見る方々でしょうか。

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実写映画化された「銀魂」を鑑賞しました。

 

マンガの実写化は批判を受けやすいですけれど、ギャグ主体の作品は

多少役者が原作とイメージが違っていても笑えれば許される部分があるので

実は実写化に向いているのかなと思いました。

 

監督に笑いのセンスが要求されるので、別の意味での難しさはあるでしょうが

今回は「勇者ヨシヒコ」の監督という事もあってその点がクリア出来ていたので良かったです。

 

邦画はハリウッドと違って技術はあるけどお金がないので、CG表現では「シン・ゴジラ」であっても

比較してしまえば残念なレベルという現実があるのですが、ギャグ主体の作品だと

CGや合成にもシビアにリアリティを求められず逆にチープさが笑いになったりするので、

その点でも銀魂は実写化に向いた作品だったのではないかと思います。

今後の「JOJOの奇妙な冒険」や「鋼の錬金術師」は銀魂に比べるとシリアス寄りなので

どうしてもCGのチープさがあったら批判の的にならざるを得ません。

 

銀魂の弱点は笑いがメタな感じなので、ネタに使われた元の作品を知らないとピンとこない部分がある事でしょうか。

 

ネタバレになるので白字で書かせていただきますが、この辺のネタは元ネタを知ってる事が必要かと思います。

 

映画冒頭でTBSのカウントダウンTV風表現

小栗旬が「花より団子」で演じた類の言い方で「か〜ぐら」と呼ぶ

シャア専用ザクと六角精児さん演じる似てないシャア少佐

ナウシカとメーヴェ

 

メタな笑いは知ってる人しか笑えないというのは原作でも同じではありましたが。

 

とりあえず、銀魂が好きな人にはおすすめできる映画だったと思います。

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嵐の大野智さん主演の映画「忍びの国」を鑑賞しました。

 

原作を書いている和田竜さんは「のぼうの城」「村上海賊の娘」の方なので物語としての面白さは疑いありません。

 

小説の映像化では二時間という枠に収まらずかなり改変されるのが常ですが

この作品はページが増えている理由に忍者の実像説明や歴史の話が含まれているというところがあるので

それを削るだけでもかなり物語の短縮が可能だったようです。

 

また、織田信長など主要なキャラを五人ほどエピソードごとごっそり削っているので

主人公の無門が絡む物語自体はほぼ原作通りという原作ファンもそれほど不満がない出来になっているのではないでしょうか。

はっきりわかる改編もあるのですが、そこはそれほど気にならないと思います。

 

それよりも原作ファンが気にするかもしれないのは、全体にコメディ寄りの表現が多いという事でしょうか。

 

無門や伊賀の忍びが命のやりとりも軽く考えているような軽薄な連中という事もあり、

あえてコミカルに演出したのだろうと思いますが鼻につく人もいるかもしれません。

真剣な時代劇映画を期待しないで見に行くことをおすすめします。

 

コミカルにかなり寄せているからこそ、ラストの悲劇が引き立つというところもありますが。

また、これは狙ってはいないかもしれませんが、コメディ寄りのおかげで

CGの質がよくない部分も笑って見逃せるという感じがします。

これがシリアスな作風だったら、とても見ていられなかったかもしれません。

 

大野智さんに無門というキャラクターはわりと似合うなと思いました。

これまで大野智さんが演じてきたキャラクターの中では一番似合っているかもしれません。

その辺りはジャニーズファンの評価を待ちたいところです。

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パイレーツオブカリビアンの五作目を鑑賞してきました。

副題は「最後の海賊」ではなく、「死人に口なし」という意味なので

日本での宣伝と違って、これでシリーズ最後になるかもという印象はまるでありませんでした。

 

物語の基本は過去の作品(ワールドエンドの最後と、生命の泉)の伏線回収という感じです。

 

シリーズものですからこれだけ見ることはないでしょうから、不要な注意だとは思いますが。

 

主人公はオーランドブルーム演じるウィルターナーの息子、ヘンリーターナーです。

謎のヒロインとしてカリーナスミスという気が強いキャラクターも出ていて、

パイレーツオブカリビアン第一作への回帰を目指したのかな、という感じもあります。

そのわりには、回収するべき過去の伏線に今回足した伏線の回収や、新キャラの説明と見せ場作りなど

やることが多すぎたせいかジャックスパロウが狂言回し的な役割に終始しすぎていて格好良さがないという残念さがあります。

頭を使って強敵を出し抜くというスマートなシーンがあってこそ普段の頼りなさが生きてくるのですが。

 

今回くらい色々盛り込むなら「デッドマンズチェスト」「ワールドエンド」のように前後編にしてしまえば良かったのかもしれませんが。

 

「生命の泉」の黒髭も「最後の海賊」のサラザールも、デイヴィジョーンズほどの存在感ある悪役になれなかったのも

一作の中で登場、脅威の演出、退治とバタバタと進めてしまったせいかなと思いますし。

 

パイレーツオブカリビアンとしてのムードは裏切られないので、シリーズファンにはおすすめできる作品です。

見て損はないと思います。

 

ネタバレはしたくないので書きませんが「そうなるんだ!?」というエピソードも用意されていますし。