名作「ブレードランナー」から30年以上経っての続編。
「ブレードランナー2049」を鑑賞してきました。
原作小説フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の世界観とテーマを元に
大幅にリドリースコット監督らしい変更をなされて、極めて珍しい「原作を上回る評価を得た映像化作品」となった
「ブレードランナー」の続編ですからハードルはどんどん高くなって見る前から不安になったものです。
しかし。
その不安を一瞬で払拭してくれる名続編となっていました。
続編が第一弾を超える作品というと「ターミネーター2」などがありますが、
この「ブレードランナー2049」もある意味では名続編と言えるかもしれません。
SFらしいディストピアとしての未来世界の描かれ方。
原作、前作ともに通底している「人間とは何か」「人間らしさとは」という問いかけ。
本格ミステリーには及ばないものの、しっかりと驚きと納得があるツイスト。
どれも一級品だと思いました。
「ブレードランナー」のファンなら見てガッカリすることはないと思います。
「ブレードランナー」で残されたいくつかの疑問が解決しますし、懐かしい顔もあって楽しめるシーンがたくさんあります。
初見の方でも原作ほど哲学的でもなく、前作よりは葛藤がわかりやすい今作は入りやすいのではないでしょうか。
とはいえ、アクションは比較的少なめですし、今の人が楽しめるかというと
古くからのブレードランナーファンほどはやはり楽しめないでしょうが。
やはり、前作「ブレードランナー」と今作「ブレードランナー2049」の公式ホームページから見られる
空白の30年を埋める動画を見てから映画館に行くのが正しい楽しみ方かなと思います。
http://www.bladerunner2049.jp/
一番この映画を楽しめるのは最初の「ブレードランナー」をリアルタイムで映画館で見て
作中の時間と同じおよそ30年後の今、「ブレードランナー2049」を見る方々でしょうか。