こんにちは。
「パラサイト 半地下の家族」の感想です。
公式サイト…http://www.parasite-mv.jp/
家族全員が失業中のキム家。
息子のギウは大学に行きたいが学費がない。
娘のソダムは、美大に行きたいが学費がない。
半地下の部屋に住んでいる。トイレはむき出し。
窓を開けると道路の水が流れ込む。
ギウは、大学に行っている友人から、
家庭教師のバイトを紹介される。
生徒は、社長令嬢。高校2年生だ。
バイトで毎週、豪邸に通うようになる息子。
そして…。
「パラサイト」というタイトルを見て、寄生するのかな?と思っていた。
でも、思っていたのと違った。
キム家の人々は、働き者だ。仕事さえあれば、しっかり働く。
そこに感心した。
いろいろ工夫するし、能力も高いし。いや、持てる能力を最大に使っているというか。
とくにキム家の長女がすごい!あの説得力。場を仕切る力。胆力。
しかも、優しいし。
働く意欲があっても仕事がない。それは、社会に原因があるのだと思う。個人の責任で片付けきれない。
キム家の人たちが、自分たちだけで助け合っても限界があったのだと思う。
もしも、他の家族とも助け合えたら、話の展開は大きく違っただろう。
キム家のお母さんが、「お金があれば私も優しくなる」「お金は、心のしわをのばすアイロンだ」という言葉にうなった。
お金の心配は心を削るし、不安定な生活は気持ちの余裕をなくす。
それでケンカが増えることがある。
お金がないからあきらめなくてはならないこともたくさんある。
悲しみや失望も増える。
がばいばあちゃんみたいな、貧乏でも心は明るい人もいるけれど。
人生の達人みたいな人なら、貧乏でも優しい。
でも、そうなれる人は多くはないかも。
パク家の子ども(6歳くらい?)の、のびのびした様子はよかった。
子どもらしくてほっとする。
お金持ちのパク家のガードのゆるさにハラハラした。
「ギャング―ス」を観ても思ったけど、ハングリーな崖っぷちの人生を生きている人の戦略には、かなわないよなあ。切実さと、ガッツが違いすぎる。
しかも、パク家は、失敗を隠して話さなかったりする。
お互いに何でも話すキム家と、カッコつけてムリするパク家。
どっちが幸せなのだろう?と思った。
そうなんです!キム家の家族は、つながりが強く、お互いを思い合い、助け合う。言いたいことを言い合うし、励まし合うし認め合う。
いい家族だなあと思った!
私が感動したのは家族の絆で、「パラサイト」のストーリーではなかったのです。
まったくちがう作品だけど、「ミッドサマー」の人間関係が対照的だった。うすくて表面的で、見ててざわざわした。(お勧めできない映画です。観ちゃったけど。)
主人公の女性、ダニーは大学生(経済的にはある程度恵まれているし、勉強もできる)。
ダニーは彼氏にうとまれている。でも、彼氏は口先では優しいことを言うのだ。つまり、本音をかくして表面的なことを言う。
一方、ダニーは彼氏に頼りたいけど、遠慮して頼れない。「大丈夫よ」と、けなげにうそを言う。心と心が遠い。さびしい関係だ。
ダニーは彼氏や友人たちと、友人の故郷であるコミューンに行く。
そのコミューンがまた、ざわざわする。美しい草原、美しい衣装、美しい家、美しい料理。美しい花がたくさん。
でも、飾られてるだけで、中身はスカスカ。
表情に乏しくて弱々しいイメージ。
厳しいルールにしばられることで保たれている共同体。
つまり、ルールを守れば受け入れられるけど、破れば制裁。
そこに、信頼関係は感じられない。
ルールを守れば家族、そうでなければ敵。冷たいなあと思った。
にせものの絆だと思う。何人いても、あれでは孤独だ。
表面は美しく着飾っているだけに、よけい冷たさが際立つ。
そして、やたらと薬物を使うシーンが出てくる。
「これ吸って」「これ飲んで」と、意識をハイにさせたり、
あるいは意識をもうろうとさせて、本人の意思を抑え込んだり。
にせもののつながりには、それをごまかす薬物が使われるのだ。
家族とも恋人とも友人とも安心してつながれなかったダニーの孤独感と絶望感。傷心が続き、心折れていくダニー。
自分自身さえ失っていくようで、非常にわびしい。
「パラサイト」のキム家の家族は、ルールなんて破ってでもお互いを助けようとする。ぶっちゃけでパワフル。
貧乏で家はボロボロだし、衣装は今一つだけど、中身はしっかりある。
表情豊かで、自分の考えがあるし、率直に正直に、よく話し合っている。 いい家族だ~。
(いや、生活が苦しくて大変なんだけど…。)
映画の製作意図と、私の感想は、ずれているかもしれない?のだけど、パク家との貧富の差より、キム家の家族の絆に胸を打たれたのだった。
地上波で二度目に見たとき、キム家のお父さんの表情が印象に残った。ずっと、苦しそうな表情をしている。
がんばっても仕事がなくて、お父さんは立場がない。儒教的な風潮の社会では、一家の家長として期待されるし、もし立派な家長でなければガッカリされる。その中で自分を保つのは大変だ。
男性への社会的圧力だ。
それがなければ、ああならなかったかもしれない。
また、パク家の奥さんが夫にうそをつくのは、自分に自信がないからだと思った。夫だけが働いていて、家事も下手だし、外で働く自信がない。だから、夫に放り出されたら、生きていけないような気がしている。そういう意味で、気持ちが対等になれていないのだと思う。
家事が下手でも、稼げなくても、対等でいることはできると思う。
でも、それは、やはり人生の達人でないとむずかしいだろう。
ここでも、うまく助け合えていないなあと思った。
うまく助け合えないと、悲しい出来事が起きていく。
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