ベーシストとエフェクター -7ページ目

■Motion Blue YOKOHAMA


GATS_Motion_Blue20061228

昨年の12月は、Eric Claptonの武道館ライブ以外にも、もう1つ、師走の最中にライブに出かけてまいりました。タイトルは、「GATS 2006 FINAL SPECIAL LIVE。GATSさんは、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、日本人離れしたソウルフルな歌声とハートを感じる楽曲で知られる名手。メンバーも豪華で、西脇辰弥(key,arr)、日野賢二(b)、高田 真(ds)、木村まこと(per)、渕上祥人(cho,g)、有坂美香(cho)、小林正弘(tp)、佐久間 勲(tp)、竹上良成(sax) という陣容。ベーシストの方から見ると、やはり注目は、JINOこと日野賢二さんでしょうか。


年末の締めくくりのライブで、場所はMotion Blue YOKOHAMA。アダルトな雰囲気の中、一番前のやや右よりの席に陣取りました。GATSさんの手元が譜面台で見えない(汗)という至近距離でしたが、JINOさんに一番近い席。早速ライブ開始前に機材チェック。


細かくは見ずにざっとですが、足元はGR-20とBOSSのコンパクトエフェクト数種にボリュームペダルとラインセレクター(LS-2)、こんなものでした。いつも思うのですが、プロの方って、結構平気でエフェクターを直列でつなぐんですよね。アマチュアの足元の方が、いわゆる高価なスイッチングシステムを見かけることが多いように思います。複数のエフェクトの組み合わせを瞬時に切り替える場合、スイッチングシステムは非常に便利だと思いますが、音質に限って言えば、最近はoff状態でも通すだけで原音が変わってしまうようなエフェクターは少なくなってきた気がします。GR-20のようなバリバリシンセ系でも、原音の変化はまったく感じられないですからね。(一方、WHAMMY、V-BASSのバイパスは、どうにもいただけませんが・・・)


アンプはRolandの2段スタック(10×2+15のセット)。ベースは、いつもの、ベース、ATELIER-ZのJINOモデル。メイプルネック+アッシュボディに、PUはJ-H-Jのレイアウト。あと、曲によって、同じくATELIERの6弦J-Jモデルも使ってました。


JINOさんのプレイを見聴きして改めて感じたのは「groove」です。Claptonバンドのベーシスト、Weeksのプレイと質的には同じものを感じました。決して空間を音で埋め尽くすような手数勝負(これはこれで良いですが)ではなく、出音と同じくらい、あるいはそれ以上に音を出さない間合いを大切にする、そんな感じです。このスタイルが、GATSさんのソウルフルな楽曲と見事にfitしてました。


全体を通じて、とても楽しめるライブでした。その中でも一番良いと思ったのは、GATSさんのアコギによる弾き語りだったように思います。いくら楽器で精進しても、人の歌声よりも心に染み入る音というのはないんだろうと思った次第。音痴ゆえ、楽器に走った自分としては、どうにも歯がゆい・・・

■コンプレッサーの真空管交換

明けましておめでとうございます。皆様、今年もなにとぞよろしくお願いします。


ということで、ブログテーマ通り、最初はエフェクターの話で行ってみたいと思います。年末にコンプレッサー:Summit Audio TLA-50の真空管を交換してみました。装着する真空管によってコンプレッションの表情が微妙に変わっていくのが面白く、結構はまってしまいました。実は正直なところ、真空管を変えたところで、自分の愚耳にわかるほどの差なんて出ないと思っていたのですが、これが面白いように実によくわかるくらい違います。TLA50のような機材でも、出荷段階では比較的安価なチューブを載せており、チューブをフィーチャーした、もっと低価格の機材は推して知るべし、実は管を変えただけでポテンシャルがぐっと引き出せるのかも知れません。ただ、チューブを使ったドライブ系のエフェクトだけは、管のキャラクター(特にゲインレベル)が設計段階から組み込まれていると思われるため、交換したら歪みが弱くなったり音が硬くなったり、っていうことがあるので注意が必要です。


今回試した管は以下の3本の12AX-7/ECC83。


・純正


TLA50_default_tube_2

・独TELEFUNKEN製(いわゆるsmooth plate、ダイヤマーク付、詳細不明なるも60年代製)


telefunken_ECC83

・米SYLVANIA製(61年製)


sylvania_12AX7


まずは管の交換のため、TLA-50の天板を開けます。昨今の電子機器に比べると複雑とはいえない単純な回路ですが、やはりペダルタイプのスカスカな基板のコンプと比べると貫禄があるアピアランスです。


TLA50_internal


キャラクターがわかりやすいように、コンプレッションをちょっと強めに設定、使用機材は、ROSCOE SKB3006 → BELDEN8412 → TLA50 → BELDEN8412 → WALTER WOODS M-300 + epifani T210UL


まずは、改めて純正管。非常にニュートラルな印象を受けます。カラーが付かないというか、おそらくこれが純粋にTLA50の持つ素性を色付けせずに出力している音なんだろうと感じるものです。楽器用ではなく、例えばヴォーカルのマスタリング用等で使うのであれば、むしろこの方が使いやすいと思います。


次に、usedのTELEFUNKEN管。製造後すでに40年程経過して尚安定した性能を発揮していることを考えると、今後の使用にもさほどの不安はないと思っています。こちらの管は、どちらかと言うとハイに特徴があり、フラットな印象を保ちながら、ハイに煌びやかさが加わる感じです。


最後に、未使用のSYLVANIA製NOS管(軍用パッケージ、グリーン印字)。未使用だったため、今回試す事前に12時間ほど導通だけをさせましたが、まだ完全には馴染んでいないものと思います。それでも、純正品と比較すると、やはり独特のふくよかさがあります。ローはあまり印象は変わらないのですが、ハイに独特の倍音が加わり、ミドルは一層のまろみが加わった印象です。


ということで、それぞれの管の特徴を一言で言うならば以下の通りでしょうか。


・純正管 : フラット
・SYLVANIA管 : 音楽的なハイと、ふくよかなミッドレンジ
・TELEFUNKEN管 : 嫌味のないチューブ的ハイファイ感


ベース用に使うことを前提としているので、フラットよりは若干の味付けが欲しいところ、SYLVANIAかTELEFUNKENを使おうと思ってますが、どちらにするか、悩ましいところ。ブランドイメージで言うと断然TELEFUNKENなのですが、サウンド的な好みでいうと、SYLVANIAが一番はまる感じがしますので、しばらくはこれを使ってみようかと思います。


それにしても、なぜ真空管交換だけで、こんなに違いが出るんでしょうかね。純正管は最近製造された工業製品なので、様々な規制(素材、排水などの環境対策)のために使える材質が60年代とは違う、ということがあるのでしょう。SYLVANIAとTELEFUNKENについては、だいたい同じ年代の製造ですが、米国製と西ドイツ製ということで、素材はもちろん、製造プロセスなどもいろいろと異なるものと思います。それにしても米国製とドイツ製となると、ROSCOEとWARWICKも出元が一緒・・・ と思った次第です。これで英MULLARDの管を揃えれば、STATUSもカバー(苦笑)。

■コンプレッサー : Summit Audio TLA-50 TUBE LEVELER


20061222_2


週末、久しぶりにコンプの入れ替えをしました。つい最近までは、ずっとKeeley 4 Knob Compressorをボードに組み込んでいましたが、今回は楽器との相性・バランス等を考えての入れ替えです。


Keeleyは、性格的にとてもシャキっとした音で、若干鋭角で暴れる感じのコンプです。従い、クリーンで無機質なSTATUS STEALTHとの相性は抜群によいのですが、もともとgrowl感があるROSCOEやStingRayですと、ちょっと暴れすぎる(それはそれで良いのですが)部分もあるので、スムース&ナチュラルな圧縮感が持ち味のTLA-50を久々に使ってみることにしました。dbx MC6 Mini-Compという選択肢もあるのですが、MC6は、典型的なdbxサウンドで音圧が増えすぎる印象があるので、最終的にSummit Audio TLA-50 TUBE LEVELERをチョイス。


TLA50は以前、メインに使っていたものの、チューブ+チューブの組み合わせとなるアンプaguilar DB359とのマッチングがイマイチで、一時戦線離脱をしておりましたが、WALTER WOODSとのマッチングは思った通り、とても良好。WALTER WOODSのクリーンでリニアなサウンドに、TLA-50の艶感とナチュラルさが加わり、なんとも言えない質感と温かみ、それにチューブ独特の迫力あるパワー感が出てきます。


またTLA-50の設計として面白いのは、この種の機器としては珍しくバイパス回路があえてトゥルーバイパスにはなっておらず、コンプ回路だけをバイパスして12AX7の真空管回路は通すことによりウォーム感を付加するという、チューブバッファ的な機能を持っている点です。以前、フルチューブのaguilarアンプとの組み合わせでは、このような、別の言い方をすると「不完全」なバイパスでは具合が悪かったので、スイッチングシステムに組み入れてトゥルーバイパスにしていましたが、ソリッドなWALTER WOODSとの組み合わせだとこのチューブ回路が活きてくると思い、あえてセオリーをはずしてエフェクター類の最後段にマスタリングコンプ的に入れてみることにしました。


久しぶりのSummit Audioサウンド、存在感を強く主張することは全くなく、相変わらずのウォーム&ナチュラルで艶感のあるコンプレッション。今回も思ったのですが、やはり質感的にはEBS multicompRetrospec squeeze boxに通ずる印象があるものの、圧倒的にナチュラルです。3段切替式ではあるものの、コンプレッションのキャラクターを決定付けるアタックとリリースをちゃんとコントロールできるところに強みがあると改めて思いました。アタック立て気味(遅らせる)&ちょっと引っ張るリリース、が自分の定石です。


また、この類の機器は真空管の換装でサウンドキャラクターを自分の好みにいじったりすることができるのも楽しみの1つ。先日、1962年製の米sylvaniaの管を買ってきました。信頼できるお店で買った、自分が生まれる前のmade in U.S.A.の真空管、どんな表情の変化を見せるか、楽しみです。

■ROSCOE SKB3006

ROSCOE_SKB3006_8



ライブが視野に入ってきたこともあり(まだブッキングもしてませんが・・・)、ライブで使用する予定の楽器(StingRay、STEALTH、サムFL)のみで練習をしていましたが、久しぶりにゆっくりとROSCOE SKB3006を弾きこんでみました。実は、いま活動しているバンドに限って言うと、ROSCOEを使う場面はひょっとするとあまりないのかも知れないと思って、経済的な事情も手伝い一時は流動化も検討しましたが、今回じっくりと弾いてみて、改めてこの楽器の至高とも言える音の良さに接し、もうちょっとがんばってみようと思った次第です。


以前ご紹介をしましたが、specを再掲してみます。マドロンバール(本当にスゴイburl)トップ+メイプル+マホガニー+メイプル+マホガニーの5プライボディ。ネックはメイプル+チェリー+メイプル+パープルハート+メイプル+チェリー+メイプルの7プライでロッドの両サイドにカーボンロッドを内蔵、エボニー指板、ボルトオン。これにbartolini PU+NTMBサーキット(18v)。


改めてじっくりと弾き込んでみると、この楽器が様々な要素を高度なレベルで取り入れた、非常に複雑かつ洗練された表情を持っていることを痛感します。まず、非常にキレイな音であること。よく言われる通り、アコースティック楽器にも似た澄み渡る音。特にハイポジションでのアルペジオは格別です。次に暴れる性格も持ち合わせていること。スラップ、ピック、指弾き、どの奏法でも、特にローポジションでの演奏の際に顔を出すキャラクターです。わかりやすく言うと、指やピックで弦を摩擦する際や、ポジション移動の時に左手指がこすれるとき、スラップでは弦がフレットにあたった際に発する、ちょっと枯れた感じのゴリゴリと唸るような感じの音。ボルトオンの特性を最大限に活かした極上のジャズベースにも通ずるもので、この部分が一番ROSCOE SKB、あるいは、マドロントップ+マホバックボディにボルトオンネックを組み合わせたこの楽器の特徴を感じる部分です。あとは、これらのキレイでいながら枯れた唸るサウンドが、とんがり過ぎずに出力されること。カスタムbartoliniのセッティングの妙も手伝ってか、針先のようにとがった印象は決してなく、ほんのわずかに丸みを帯びながらも1つ1つの音がはっきりと珠のように出てきます。


ただ楽器と言うのはなかなかパーフェクトと言えるものが少ないようで、温度・湿度の変化に影響されずに当初の状態を維持するスタビリティが、絶対的なレベルでいうと、相当に高いレベル(経験的にはF○DERAよりも相対的に高い)を保ってはいるものの、ウッドマテリアルの楽器なので、STATUS STEALTHのような、少なくとも自分の手の触感程度ではセッティングの揺らぎを一切感じられない楽器と比べると、下がります。もちろん、湿度・温度管理も含め保管状態を万全にしてあげれば、ベストサウンドとベストセッティングを同時に手に入れられるんだと思いますが、アマチュアは、なかなかそこまではできないので・・・ 悩ましいところです。

■ERIC CLAPTON JAPAN TOUR 2006


CLAPTON_JAPAN_TOUR_2006


先週の金曜、行ってまいりました!クラプトンの武道館公演、追加公演のラス前。すでにかなりの公演数をこなしていたこともあり、正直言ってクラプトンには若干の疲れが見えなくもありませんでした。また、今回は本人を含めてギター×3、キーボード×2にベース&ドラムという大編成、しかも会場が武道館ということで、ちゃんとまとまって聴こえるのかな、という不安もありました。


全般的には、やはりギター3本というのはいささかガチャガチャ聴こえた感はあります。自分はクラプトン・サウンドというと、どちらかと言えばレスポール+マーシャルが好み(自分がベーシストだからかも知れませんが、ギターもファットな音が好き)で、シングルコイルのストラトでのソロは、ややもすると耳にキンキン来ることがあり、今回はそれがガチャガチャと聴こえた要因だったのかも知れません。それでも、そこはやはりクラプトン、フレージングは演歌ばりに鳴いておりました。


今回、個人的に自分にとっての最大の目玉は、ベース:Willie Weeks+ドラム:Steve Jordan のリズムセクション。少年時代、ロックを聴かずにジャズ・フュージョンで育ってしまった自分には、前ベーシストのNathan Eastの方が馴染みはあるのですが、そんな自分でもHathawayの「LIVE」くらいは聴いていたし、御大John Scofieldとの共演もあり、Willie Weeksに少なからず興味を持っていた次第です。Steve JordanはNYフュージョンシーンでも活躍していたし、特にSteve Khan、Anthony Jacksonと共演したEYEWITNESSは強力で、無謀にも高校時代バンドでコピーをしたこともありました。


そんなこんなで、やはりWillie Weeksはカッコ良かった。あれは62年製なんでしょうか、ナチュラルカラーのプレベaguilarアンプに直結(だと思います)。スピーカーキャビの前にマイクを立てていたので、ラインだけではなく、アンプの出音も卓に送っていたのかも知れません。以前はヴィンテージのampegを使っていて、プロの酷使に耐える安定性に欠けるということで現在はaguilarを使っているようですが、aguilarらしいファットな音、この組み合わせ、やはりベーシストにはたまりません。


ROSCOESTATUSWALTER WOODSを組み合わせてメインで使っている自分とは、ある意味対極的なサウンドであることは間違いありませんが、良いものは良い。特に、今回は短いながらもWeeksはソロをとってくれて、速弾きとかそいういったハデさはないものの、ゴムがしなるような極上のビートを、これまた極上のプレベサウンドで聴かせてくれました。素直に「カッコいい」と思うソロでした。ソロでは、音数でしか勝負できない自分と、これまた対極にあり、カッコいいとは何たるかを思い知らされた次第です。反省することしきりですが、なかなか、マネはできないよね・・・

■MXR micro amp vintage


MXR_microamp_vintage



いま使っているベースの中で、STEALTH、ROSCOE、サムは良いのですが、YAMAHA SLB200(ピエゾ)とStingRay(並列ハムバッカー)は、エフェクト類を効果(特にドライブ系とコンプ)を十分に引き出すに足るゲインがないため、ゲインを上げるエフェクトを、と思い調達したのが70年代後期~80年代初頭物と思しきMXR micro ampです。


機能として必要だったのは、いわゆるナチュラルブースターだったので、選択肢としては以前気に入って使用していたXotic RC-BOOSTERCAJ Smart Buffer、Fulltone FAT-BOOST、PARAOH Class-A Boost、あるいは現行版のMXR M-133MXR/CAEコラボモデルなどでも良かった訳ですが、今回はいままで使ったことがないもの、というのと、あとは、使途が余計な色付けをしたくないハイファイ系のSTEALTH、ROSCOE、サム用ではなく、SLBとStingRayの小さめの出力を、太くつややかにしたいという思いもあったので、試しにと思い、あえてvintage micro ampを選択してみました。推定年齢がStingRayと同い年っぽいという点も、漠然と相性がよさそうな感じがして、食指が伸びました。


ちなみにStingRayというと、大き目のごついハムバッカーを搭載したアピアランスもあって「パワフル!」というイメージが強く、実際のサウンドもその通りではありますが、PU並列接続+大型マグ+少コイル巻き数の組み合わせで、力強いローエンドと共に、広い帯域をナチュラルに再生することを目指している設計のようで、出力レベルそのものはシングルPUレベルです。これを9vの小さなプリアンプで増幅しているため絶対的な出力レベルそのものはSTEALTHやROSCOE、サムを含めた最近のアクティブベースと比べると小さい、というのが実情です。


micro ampというと、red hot chili peppersのJohnやFlea、日本では土屋正巳さんによる使用が有名ですが、特に土屋さんは現行ではなくvintageにこだわって使われているようです。そんな根拠なき根拠と、もともと買おうと思っていた新品のMXR/CAE MC-401と同程度の価格で入手できたということもあり選択しました。


フタをあけてみると、ケースの中からどこか懐かしい感じの古本のような香りがしてきました。基板をチェックしようと思ったものの、緩衝材のスポンジが完全に朽ちており、無理に剥がすとボロボロになりそうだったので剥がすのはやめておきました。でも、チラッとのぞいたところ、いかにもという感じの青いタンタルコンデンサーが見えて、ちょっとうれしくなりながら、電池だけをDURACELLに換えてフタをしめました。


音は、手元に現行のM-133がないため比較はできませんが、以前持っていたM-133の記憶と比較すると、ポイントは大きく2つ、明らかに太く甘めの音がする点、そしてM-133ではノブの操作にとてもリニアに追随していたブーストレベルの調節がそれほどリニアにはできない点、といったところです。それにしても、適度なレベルにすると、クリーンブーストなのに、どこかドライヴしているような味付けで、とてもいいなと思います。


ただ、難点はご存知の通り、ビンテージMXRお約束の、off/onインディケーターがついていない点。特にmicro ampはクリーンブースターなので、極端なブースト設定にでもしないかぎり、おそらくステージではoff/onの区別がつかないと思います。常時onにして、LED付きのループボックスにつなぐのが安全かなと思ったりしてます。

■STEALTH-2のために「ギター用」GIGケースを買いました


STEALTH_ESP_case


StingRayを買ったため、どうしても最近は6弦の方がおざなりになってましたが、一応ちゃんとSTEALTHROSCOEも弾くようにしています。今回は諸般の事情でSTEALTH用「ベース用」ではなく、「ギター用」のギグケースを買ってあげました。


STEALTHではバリバリにシンセを使うので、GKピックアップを取り付けていますが、STEALTHはヘッドレスであるため、GKピックアップが想定している取り付け方法に従うと、本体側のコントロール部(vol、bal、イコなど)が隠れてしまって操作できなくなったり、入力ジャックに干渉して挿せなくなったり、チューニングができなくなったり、純正ハードケースに収まらなくなったり、といういろいろな制約が出ます。ということで、以前ご紹介した通り、ボディの下・中央辺りに、いささかはみ出し気味にコントローラー部を両面テープで直接接着する、という取り付けをしていました。しかしながら、座って使うと、腿に突起部分が食い込んで痛い、というのと、ちょっと演奏姿勢を変えるだけで、コントローラーに余計な負荷をかけてしまい、上部のカバーが外れる、ということも頻繁にあり、抜本対策が必要だとはずっと思ってました。


そんなとき、たまたま他のベースの外出用にMooradianみたいなギグが1つ欲しいということで検討していて、ギグケースであればGKピックアップのコントローラーを金具を使って普通に取り付ける程度の容積増なら十分ケースに収まるな、でも、ヘッドレスのベースで収まりの良いギグバッグなんてあるんだろうか・・・ と思案しつつ、ひょっとするとヘッドレスベースの全長ってギターと変わらないんじゃないか、と思って調べてみた。そしたら、STEALTHの全長はチューナー部分も含めて約99cm、まさにストラトタイプなどのギターとほとんど変わりません。それならギター用のギグバックを使ってみよう、ということでベース用ではなく、ギター用のギグバッグを選択しました。


コストパフォーマンスと性能・使い勝手なども総合的に勘案し、以前から(ベース用が)欲しいなと思っていたESPの肉厚ウレタンのギター用ギグを買いました。かなり厚手のウレタンと丈夫なナイロン、そして持ち手や肩掛け、ファスナー等の細かい部分も手抜きがなく、開口部のファスナーの内側や底辺部分にもしっかりとウレタンが張り巡らされていて、ファスナーを締めても、ファスナーと楽器がすれて傷がつく等のことを心配しなくてもよい、しっかりとした作り込み、シンセ本体(GR-20)やケーブル類などが難なくすっぽり入る大型ポケット、使う側に立った配慮がいろいろと感じられる、細部まで行き届いている点がとても気に入っています。


STEALTHをいれると、写真のような感じになります。オーダーメイドのような完璧なフィッティング。ESPのギターケースを背負う姿、中にカーボングラファイト製のヘッドレスベースが入ってると思う人は多分いないでしょう。6弦なので、ケースから出してもギターだと思い続ける人も多いんでしょうね。どうでもいいけど・・・ いずれにしても、ESPギグ、ちょっと値が張りますが、Mooradianと比しても遜色のないちゃんとしたギグケースだと思います。

■'79 MUSICMAN StingRay その2


StingRay_4

週末、ゆっくりと時間を使って、StingRayを楽しみました。最近は、多弦・アクティブ(StingRayもアクティブではありますが・・・)ばかりを好んで使っていましたので、StingRayは本当に新鮮です。多弦ベースではないこともあり、ライブで使用することはないかも知れないと思っていましたが、バンドの楽曲で、この音がパーフェクトにハマる曲があり、4弦であることの制約はフレージングでなんとかカバーした上で、今度のライブでは2曲でStingRayを使おうと思ってます。


買ってきてすぐの時はアンプ直結での使用でしたが、今回はエフェクトボードも引っ張り出しての音出し。このStingRayにはRolandのGKピックアップを付けていませんので、シンセはバイパス、実質的にはコンプ(Keeley)、ZOOM B2(マルチ)、WH-1(赤ワミー)のみの使用。最初はallバイパスで基本の音作り。WALTER WOODSは前回同様、allフラット。ROSCOEもサムもSTEALTHも、ミッドの特定帯域を上げ気味にするのが自分の好みなのですが、StingRayでそれをやると良さが半減してしまいます。なぜかはわかりませんが、プレEBのStingRayは、その枯れ気味のミッドに妙味があり、それだけは人工的にいじらない方が良い、ということなのかも知れません。本体側のコントロールはハイはほんのちょっとで十分、ローを気持ち多めに足してあげます。これで、例の特徴的なStingRayサウンドがすぐに出てきます。1つ特徴的だったのがスピーカーの「動き」。スピーカーキャビはepifani T210-ULですが、割と小さめの音(WALTER WOODSのOUTPUT目盛り20%程度)でも、ULスピーカーのエッジが目で見てわかるくらい動いています。ROSCOEやSTEALTHでは見られなかった現象で、相対的に出力の低いパラレルハムバッカーにもかかわらずタダモノではない、と思った次第。


スラップ・指・ピックと、いろいろとやってみましたが、StingRayサウンドの要は、やはりミッドとハイだと思いました。ミッドはさっきも言ったように、StingRayの聖域なのかも知れません。一番「らしさ」を感じる部分です。そしてイコライザーのハイの設定も絶妙で、単純にハイが強調されるということではなく、ミッドの良さを更に引き出すためのハイという位置付けです。上げすぎると若干カリカリした印象になりますが、適度に使うと、ミッドの一番おいしいところを更に引き出す役割を担っているように思います。逆にローは完全な黒子で、ミッド~ハイでキャラクターが決まったサウンドの厚みを調整するという役回り。全体感としてはトンコントロールがそれぞれ独立して機能するということではなく、ハイ・ローの2つしかないコントロールをうまく組み合わせることにより、相対的にミッドを引き出すことができるようになっています。実に深い印象を受けます。


エフェクトも試してみます。keeleyコンプとの相性も良いようです。派手なスラップにちょっと強めの圧縮をかけると、とても気持ち良いサウンドが出てきます。ただし、ヘタなコンプを使うと大切な高域成分がスポイルされるような気もします。アタックを立て気味(つぶさずに、圧縮開始のタイミングを遅くする)にすることと、あとは、せっかくのStingRayなのでいいコンプを使ってあげる、というところでしょうか。マルチはまだあまり試してはいませんが、多少ドライブさせても良い感じになるかなと思います。オートワウやレゾナンスフィルターなんかも似合う気がするので、今後いろいろと使ってみたいと思っています。WHAMMYの相性は言うに及ばず、適時に適所で使えば、大きな効果が得られるはず。


ということで、次回ライブでの使用を前提とした音の作り込みをこれからもやって行きたいと思います。ちなみに、StingRayを使おうと思っている2曲、1曲はほぼ全編スラップ+一部2フィンガーの曲、もう1曲はもともと全編ピック弾きで一部速弾きもあるのですが、全部スラップでやることにし、速弾き部分はサムのアップダウンか、Doug Wimbishのように2フィンガーで叩く(こちらの方が、普通のサムダウンより倍音成分が豊かでゴリゴリした感じになるし、人差し指と中指を使う奏法のため、かなりのスピードでスラップができる)スタイルでやってみようかと思っています。StingRayの個性が十二分に活きる楽曲だと思うので、今からとても楽しみです。

■'79 MUSICMAN StingRay

StingRay_3

運命的と言わざるを得ない出会いがあり、無理を承知で買ってしまいました。1979 MUSICMAN StingRay NAT。自分はベーシストであるにもかかわらず、週/月刊系の愛読紙は週間サッカーマガジン(BM社)なので勉強不足でしたが、直近のベースマガジンStingRayの特集を組んでいたらしく、楽器店で購入したとき「めちゃめちゃ問い合わせが多い」と言ってました。そんな中で、自分の欲しいspec、状態、許容価格をすべて満足させる個体があり、いても立ってもいられず、早々に仕事を切り上げて都内某楽器店へ直行。そんなStingRayの再評価機運が高まっているとは露知らず、ある意味タッチの差で入手できたってのは、やはりそういう運命だったということで・・・


StingRay_7


実は、77~80年頃のStingRayは以前からずっと欲しいと思ってはいたものの、なかなか購入に踏み切れずにいました。直近で一番のマイブームは1年ほど前だったと思います。John Scofieldバンドのライブ盤をたまたま引っ張りだして聴いた時に、ベースのGary Graingerのサウンドに今さらながら「すげー良い音だなー」と思い、StingRay熱が再燃。日本の人見記念(ここはホントに音が良い)で開催されたライブですが、そのときGraingerが使っていたのは、確か77年製のStingRayだったと思います。PUのポールピースが長いやつ。ジャケットの写真をみて、ホントかな?と思いましたが、ま、本人が言ってることなので、そうなんでしょう。で、最近MP3プレーヤーにたまたまこのライブ盤の曲を取り込んで聴いたところ、また熱が・・・


で、このStingRay。1979年製、いわゆるプレEBのMUSIC MAN StingRay。自分自身よりはまだまだ若造(汗)ですが、相当使い込まれた跡が見られ、使用の過程で自然に塗装がはがれ木がこすれていて、再塗装やタッチもしていません。天然スーパーハードレリックとでもいいましょうか、そんな風貌をたたえ、まさに貫禄十分の一言。それにERNIE BALLの文字が入らない、あのBrothers Johnson風のMUSICMANヘッドロゴ。スペック的には、2ピースのアッシュボディ(重い)にメイプルネック、1vol+2toneサーキット。3本止めネックプレートで、いわゆるネックのティルト調整ができるタイプ。ブリッジはお約束の裏通し。ブリッジサドルのイモネジ1本とジャック(switchcraft製に交換)、それに打ち直されたフレット以外はすべてオリジナルパーツの模様。まず、その威風堂々とした貫禄と品格にやられました。


次に実際に手にして驚いたのは、その弾きやすさ。アッシュボディの重さは想定内で6弦サムベースを使う自分にとってはそれほどでもない重量でしたが、セッティングがバッチリでとにかく弾きやすくて、びっくり。StingRayはもともと構造的にROSCOEほどは極端に弦高を下げられないし、裏通しでテンションきつめだと結構弾きにくいんだろうなと思ったら、そんなことは微塵もない。ネックがダメになってる個体も多いと聞く中で、このネックの状態の良さはとびきり。ナット、ネック、ブリッジ、弦テンションと、すべてのバランスが取られたセッティングのため、この演奏性なのでしょう。また、コレクターから見ればいただけないと思うかも知れませんが、フレットがオリジナルの細いものではなく、若干太めのものにリフレットされており、信頼性もばっちり。


サウンドは言わずもがな、あのサウンドです。自分が普段使っている6弦アクティブのトーンコントロールと発想がまるで異なるイコライザーはとても使いやすい。ハイ・ローともに一旦完全に絞った上でそれぞれ上げていき、ハイは耳が痛くない程度に、ロー場ブーミーにならない程度に、聴感上自分が気持ち良いと思ったところがスイートスポットという、とてもわかりやすいコントロール。指、ピック、スラップ、どれをやってもとても心地よく、ベース弾きであることを幸せと思えるような音です。


色も、自分は楽器はナチュラル(異素材を含めて)か黒と決めているところに、どんずばのナチュラルカラー、オマケに期間限定(3日くらい)ネットオークション並の価格で、ちゃんと自分の手と目と耳で確かめた楽器をgetできるとなると、もう買うしかありません。早々に支払いを済ませ、帰宅。


家に帰って、一目散に自称「ベース部屋」へ。ケースから出してスタンドに立てかけ、WALTER WOODSの電源を入れ、セッティングはオールフラットに。StingRayにBELDEN8412のシールドケーブルをさして、WALTER WOODSに直結。既に夜10時過ぎでしたが、ご近所に申し訳ないと思いつつも、ちょっと大きめの音でサウンドチェック。うーん、ROSCOEやSTEALTHとはまた質が全く違いますが、ヨダレがたれてきそうな音・・・ ということで、続きはまた。

■ライブに向けた初期の事前準備 その2

機材_20061119


バンドの方もメンバーが定着し、ライブに向けてコンスタントな練習もしているので、個人練習にも気合いが入るようになってきました。やる曲も順番もだいたい詰まってきたので、最近は、週末に個人での通し練習と、課題の集中練習というサイクルに入ってきました。


写真は自宅での個人練習風景です。キャビ&アンプは基本的に固定で、エフェクトボードはいつもキャビの裏に立てかけて収納しています。エフェクトボードは縦においておくとマジックテープがずれたりするので、平置きにしたいのですが、子供の椅子やおやつ台になってしまうこともあるので、やむを得ずこうしています。キャビの横にはSLB200やBB-5000、ROSCOEなど、他の機材を収納してあり、これらも当然しょっちゅう引っ張り出すのですが、次回のライブはロックバンドでのライブなので、使用楽器はSTEALTHとサムフレットレスの2本ということで、この2本だけを使いました。ボードもだいぶスッキリしてきましたが、今回はどうしても曲中にシンセ音の変更をしたいので、外だしでMIDIフットコントローラーを追加しています。今回の使用機材はこんなところです。できればキャビは持って行きたくないのですが、ハコのキャビ次第(今回に限って言えば、ampegの8発だったりすると、スゴクうれしい)。それでも、サイレントベースを持って行かない分、今回の携行機材はまだ少ない方かも知れません。


あとは、準備を詰めていくだけですが、恐いのは機材の故障と配線切れ。ライブは必ず機材の搬入・搬出を伴うので、ライブ直前に機材がダメージを受けて壊れたりするとまずいなーと、いつも思います。特に、今回要になるWALTER WOODSとGR-20だけは壊れないように細心の注意を払いたいと思ってますので、人任せにしないようにしないと・・・ ボード内の配線切れも、ひとたび起きるとどこが切れているか探すのにすごく時間がかかるので、これも面倒です。George L'sは、予備のケーブルだけ持ってれば、ハンダ無しでも修復可能なので、この点は安心です。いつも1mのケーブルを余分に持って行くようにしています。


あとは、アンプのチャネルチェンジ(STEALTHとサムフレットレスでセッティングが違うので)用のA/Bボックスと、練習あるのみ。