■MXR micro amp vintage | ベーシストとエフェクター

■MXR micro amp vintage


MXR_microamp_vintage



いま使っているベースの中で、STEALTH、ROSCOE、サムは良いのですが、YAMAHA SLB200(ピエゾ)とStingRay(並列ハムバッカー)は、エフェクト類を効果(特にドライブ系とコンプ)を十分に引き出すに足るゲインがないため、ゲインを上げるエフェクトを、と思い調達したのが70年代後期~80年代初頭物と思しきMXR micro ampです。


機能として必要だったのは、いわゆるナチュラルブースターだったので、選択肢としては以前気に入って使用していたXotic RC-BOOSTERCAJ Smart Buffer、Fulltone FAT-BOOST、PARAOH Class-A Boost、あるいは現行版のMXR M-133MXR/CAEコラボモデルなどでも良かった訳ですが、今回はいままで使ったことがないもの、というのと、あとは、使途が余計な色付けをしたくないハイファイ系のSTEALTH、ROSCOE、サム用ではなく、SLBとStingRayの小さめの出力を、太くつややかにしたいという思いもあったので、試しにと思い、あえてvintage micro ampを選択してみました。推定年齢がStingRayと同い年っぽいという点も、漠然と相性がよさそうな感じがして、食指が伸びました。


ちなみにStingRayというと、大き目のごついハムバッカーを搭載したアピアランスもあって「パワフル!」というイメージが強く、実際のサウンドもその通りではありますが、PU並列接続+大型マグ+少コイル巻き数の組み合わせで、力強いローエンドと共に、広い帯域をナチュラルに再生することを目指している設計のようで、出力レベルそのものはシングルPUレベルです。これを9vの小さなプリアンプで増幅しているため絶対的な出力レベルそのものはSTEALTHやROSCOE、サムを含めた最近のアクティブベースと比べると小さい、というのが実情です。


micro ampというと、red hot chili peppersのJohnやFlea、日本では土屋正巳さんによる使用が有名ですが、特に土屋さんは現行ではなくvintageにこだわって使われているようです。そんな根拠なき根拠と、もともと買おうと思っていた新品のMXR/CAE MC-401と同程度の価格で入手できたということもあり選択しました。


フタをあけてみると、ケースの中からどこか懐かしい感じの古本のような香りがしてきました。基板をチェックしようと思ったものの、緩衝材のスポンジが完全に朽ちており、無理に剥がすとボロボロになりそうだったので剥がすのはやめておきました。でも、チラッとのぞいたところ、いかにもという感じの青いタンタルコンデンサーが見えて、ちょっとうれしくなりながら、電池だけをDURACELLに換えてフタをしめました。


音は、手元に現行のM-133がないため比較はできませんが、以前持っていたM-133の記憶と比較すると、ポイントは大きく2つ、明らかに太く甘めの音がする点、そしてM-133ではノブの操作にとてもリニアに追随していたブーストレベルの調節がそれほどリニアにはできない点、といったところです。それにしても、適度なレベルにすると、クリーンブーストなのに、どこかドライヴしているような味付けで、とてもいいなと思います。


ただ、難点はご存知の通り、ビンテージMXRお約束の、off/onインディケーターがついていない点。特にmicro ampはクリーンブースターなので、極端なブースト設定にでもしないかぎり、おそらくステージではoff/onの区別がつかないと思います。常時onにして、LED付きのループボックスにつなぐのが安全かなと思ったりしてます。