■'79 MUSICMAN StingRay | ベーシストとエフェクター

■'79 MUSICMAN StingRay

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運命的と言わざるを得ない出会いがあり、無理を承知で買ってしまいました。1979 MUSICMAN StingRay NAT。自分はベーシストであるにもかかわらず、週/月刊系の愛読紙は週間サッカーマガジン(BM社)なので勉強不足でしたが、直近のベースマガジンStingRayの特集を組んでいたらしく、楽器店で購入したとき「めちゃめちゃ問い合わせが多い」と言ってました。そんな中で、自分の欲しいspec、状態、許容価格をすべて満足させる個体があり、いても立ってもいられず、早々に仕事を切り上げて都内某楽器店へ直行。そんなStingRayの再評価機運が高まっているとは露知らず、ある意味タッチの差で入手できたってのは、やはりそういう運命だったということで・・・


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実は、77~80年頃のStingRayは以前からずっと欲しいと思ってはいたものの、なかなか購入に踏み切れずにいました。直近で一番のマイブームは1年ほど前だったと思います。John Scofieldバンドのライブ盤をたまたま引っ張りだして聴いた時に、ベースのGary Graingerのサウンドに今さらながら「すげー良い音だなー」と思い、StingRay熱が再燃。日本の人見記念(ここはホントに音が良い)で開催されたライブですが、そのときGraingerが使っていたのは、確か77年製のStingRayだったと思います。PUのポールピースが長いやつ。ジャケットの写真をみて、ホントかな?と思いましたが、ま、本人が言ってることなので、そうなんでしょう。で、最近MP3プレーヤーにたまたまこのライブ盤の曲を取り込んで聴いたところ、また熱が・・・


で、このStingRay。1979年製、いわゆるプレEBのMUSIC MAN StingRay。自分自身よりはまだまだ若造(汗)ですが、相当使い込まれた跡が見られ、使用の過程で自然に塗装がはがれ木がこすれていて、再塗装やタッチもしていません。天然スーパーハードレリックとでもいいましょうか、そんな風貌をたたえ、まさに貫禄十分の一言。それにERNIE BALLの文字が入らない、あのBrothers Johnson風のMUSICMANヘッドロゴ。スペック的には、2ピースのアッシュボディ(重い)にメイプルネック、1vol+2toneサーキット。3本止めネックプレートで、いわゆるネックのティルト調整ができるタイプ。ブリッジはお約束の裏通し。ブリッジサドルのイモネジ1本とジャック(switchcraft製に交換)、それに打ち直されたフレット以外はすべてオリジナルパーツの模様。まず、その威風堂々とした貫禄と品格にやられました。


次に実際に手にして驚いたのは、その弾きやすさ。アッシュボディの重さは想定内で6弦サムベースを使う自分にとってはそれほどでもない重量でしたが、セッティングがバッチリでとにかく弾きやすくて、びっくり。StingRayはもともと構造的にROSCOEほどは極端に弦高を下げられないし、裏通しでテンションきつめだと結構弾きにくいんだろうなと思ったら、そんなことは微塵もない。ネックがダメになってる個体も多いと聞く中で、このネックの状態の良さはとびきり。ナット、ネック、ブリッジ、弦テンションと、すべてのバランスが取られたセッティングのため、この演奏性なのでしょう。また、コレクターから見ればいただけないと思うかも知れませんが、フレットがオリジナルの細いものではなく、若干太めのものにリフレットされており、信頼性もばっちり。


サウンドは言わずもがな、あのサウンドです。自分が普段使っている6弦アクティブのトーンコントロールと発想がまるで異なるイコライザーはとても使いやすい。ハイ・ローともに一旦完全に絞った上でそれぞれ上げていき、ハイは耳が痛くない程度に、ロー場ブーミーにならない程度に、聴感上自分が気持ち良いと思ったところがスイートスポットという、とてもわかりやすいコントロール。指、ピック、スラップ、どれをやってもとても心地よく、ベース弾きであることを幸せと思えるような音です。


色も、自分は楽器はナチュラル(異素材を含めて)か黒と決めているところに、どんずばのナチュラルカラー、オマケに期間限定(3日くらい)ネットオークション並の価格で、ちゃんと自分の手と目と耳で確かめた楽器をgetできるとなると、もう買うしかありません。早々に支払いを済ませ、帰宅。


家に帰って、一目散に自称「ベース部屋」へ。ケースから出してスタンドに立てかけ、WALTER WOODSの電源を入れ、セッティングはオールフラットに。StingRayにBELDEN8412のシールドケーブルをさして、WALTER WOODSに直結。既に夜10時過ぎでしたが、ご近所に申し訳ないと思いつつも、ちょっと大きめの音でサウンドチェック。うーん、ROSCOEやSTEALTHとはまた質が全く違いますが、ヨダレがたれてきそうな音・・・ ということで、続きはまた。