ベーシストとエフェクター -9ページ目

■ギターシンセ : Roland GR-20 Ver2.0

GR-20



週末、家族の買い物の道すがら某有名リサイクルショップ○○○オフに立ち寄って、何気なく楽器コーナーを見ていたら、GK-3欠品のため激安価格がつけられていたRoland GR-20を発見しました。自分はベーシストなのでGK-3は元々不要だし、GK-3Bは持ってるし、なんといってもちょっとしたマルチエフェクターを買う程度の価格にもかかわらず、ベースモードが標準装備されている最新型のVersion 2搭載機であることに魅力を感じて、購入。


早速、夜中にセッティング。STEALTHのGRピックアップは、極力PU本体をブリッジに近づけるべく、リバース(1弦と6弦を逆にして、コントローラーとの接続ケーブルがネック側に出てくる)状態で取り付けたのですが、V-BASSでは許してくれるこのセッティング、GR-20では認められておらず、やむを得ずノーマルに変更。ケーブルの太さ+α(3mmくらい)分、ブリッジから遠くなってしまいましたが、しょうがありません(ノ_-。)


セッティングは、V-BASSのように細かくなく、各弦の信号レベルの設定(sensitivity)のみ。V-BASSは、これ以外にも、スケール長、各弦のブリッジからの距離をmm単位で設定したり、PUのノーマル・リバース切り替えやフェーズ切り替え等、あらゆる事項をセットするので、おそらく、この設定の粗細の違いが音に現れるのかな、と感じました。


簡単な設定を終えて、すぐに音出し。いろんな音が出てくる、出てくる。楽しくてしょうがない。バンクはPIANO、ORGAN/KYB、BASS/GUITAR、BRASS、WIND、STRINGS/ORCHESTRA、SYNTH/LEAD、VOICE/PAD、ETHNIC、RHYTHM/PERCと10種に分かれており、合計469種のプリセットパッチが登録されている、とのこと(まだそんなに鳴らしてない)。このプリセットパッチをベースに、エフェクト(chorus、delay/reverb)とアタック、リリースをコントロール、またパッチによっては、freqとresonanceのコントロールも可能で、コレだけあれば、相当な表現力を手に入れることができます。


バンドの新曲で、ギターソロのバックでベースがアルペジオをとるというアイデアが作曲者から出ていて、元々V-BASSのストリングスタイプの音を加工して生音にかぶせて使おうと思っていたのですが、GR-20だと、生音を残しながら、アタックにベルやエレピの音をかぶせて、サスティン部分にレゾナンスのかかったストリングスやブラス・ヴォイスを重ねる、といったこともできるので、今回はGR-20を使おうと思います。


ただ、GR-20でシンセベースの音を使おうとすると、追随性の難が出てきます。V-BASSとGRの発音構造の違いから来ると思うのですが、V-BASSは見事なシンベの音をこともなげにベースプレイとほぼ同じタイミングで表現してくれる一方、GRの場合は高音域(コード弾きに使う音域)では実害はないものの、モロにベースラインに使う低音域では、相当アタックが遅れてしまいます。GRでシンベを使う場合は、アタックはベースの生音に任せて、シンセ音は敢えてアタックを消してリリース部分だけをかぶせるスタイルをとることになりそうです。でも、V-BASSとGR-20・・・ また機材過多になってきました。サウンドバラエティを犠牲にせず、生音の良さを大事にしつつ、機能的にはシンプルを追求し始めた矢先ですので、ちょっと対策を講ずる必要がありそうです。

■STEALTH-2にRoland GKピックアップを取り付けました

STEALTH_4


昨日、夜なべでSTEALTHGK-3Bを取り付けてみました。収まりが良いような悪いような・・・ ああだこうだと、試行錯誤をしながら実に3時間もかけてしまいました。


当初は、ROSCOEやサムベースと同様、ブリッジの上に浮かせるスタイルで取り付けようと思って取り付けてみたところ、ブリッジチューナーであるためチューニングに想定以上の難があることが判明。スムースなチューニングと両立させるためにブリッジから3cmくらい浮かせて取り付けたら、今度はチューニングのジャマはしないものの、ケースに全く収まらないという状態になりました。


ということで、他の取り付け場所をいろいろと思案、低音弦側のボディに持っていこうとすると、今度は肘があたったり、演奏のジャマになったり・・・ ボディ裏という手もあるのですが、そうすると、これまたケースに収まらなくなる。結局、立っても、座っても、指・ピック・スラップでもジャマにならず、ケースにもちゃんと収まる位置、ということで、こんな取り付け位置になりました。実用面での収まりは解決しましたが、今度はビジュアル的な収まりが悪ような。ぱっと見は、コントロールの一部に見え・・・ないか。今後の検討課題です。

Status Graphite STEALTH-2 Headless 6st. その3

STEALTH-3


先日いろいろとSTEALTHの写真を撮りまくったので、後姿でも・・・ woven graphiteという言葉で表記されるマテリアルのなまめかしさを一番感じる部分が、この後姿です。自分は、木材・皮革といった天然素材の天然であるが故の特性の不規則性やばらつき感が大好きである一方、アルミやステンレス、クローム、そしてカーボングラファイトといった人工素材の無機性や規則性、特性の均一性・均質性も大好きです。従って、ROSCOEのburl madronのような、いかにも自然のなせる業である木材の病理コブ模様にもなんとも言えず惹かれる一方、写真のように均一な織目が狂いなく規則正しく整然と並んでいる、いかにも人工的なカーボングラファイトの模様にも、これまたとても惹かれます。この織目模様、ステージで照明に当たると、どんな感じに見えるんでしょう。今から、楽しみです。

Status Graphite STEALTH-2 Headless 6st. その2

STEALTH-2


STEALTH2が我が家に到着してから、まだ2週も経ってないのですが、一応家に帰ってから毎日数分は弾くようにしてます(アンプから音を出せる時間には残念ながら帰れませんが)。出音のイメージも耳が覚えているようになりました。やはり音は非常にフラット。生音も結構大きめで、ボディがちゃんと鳴ってる感じがします。フラットな特性は木質ボディではないからなのかはわかりませんが、やっぱりいろんなベースを弾いてきた中で、このベースにしか出せない音というのはあるような気がします。


PUはSTATUSオリジナルのハムキャンセリングになります。他のPUを乗せたことがある訳ではないので、ボディ材の影響度合いは不明ですが、印象としてはEMGのPUに近いです。bartoliniっぽさはない。サーキットもSTATUSオリジナルのもので、他のプリアンプのようにポッドとジャックがボディに固定されていて、プリアンプとはポッドがポイント配線されているというタイプではなく、サーキットが1つの大きい基板になっていて、ポッドもそこに直付けされ、ポッドを本体に固定することによって、サーキットボード全体がボディと固定されるという仕組みになっています(アイデアとしてはTUNEのサーキットに似ている)。


コントロールはvolume、PU balancer、treble、bass、それにスイッチ式のtreble boosterがついています。treble boosterがオフの状態でも結構トレブリーなので、これを使うことは自分はないと思います。また、他のベースでもそうですが、自分はEQはほぼフラットにしていて、いじるとしてもmidをほんの少しだけあげるだけなので、EQを使うこともほとんどないと思います。PU balancerはちょっと変えるだけで、音のキャラがけっこう大きく変化します。今のところ、スラップサウンドはほんのわずかにフロント寄りにset、指弾き・ピックはほんのわずかにリア寄りにsetするのがbestのようです。


あと、最初に音出しをするときに思ったのですが、音質がフラットでクリアであるためか、エフェクトのかかり具合が想定以上にいい感じがします。コンプなども、他のベースでは問題なくても、同じセッティングだと(inputゲインのみ楽器に合わせて調整)思った以上に潰れてしまう。スラップなどは、コンプをかけなくても十分にダイナミック感やドライブ感が出せるし、手元でのダイナミズムのコントロールも思いのまま。すべてのニュアンスがビビッドに出音に表れます。そういう意味では、ライブパフォーマンスを強く意識したであろうことを強く感じるアーキテクチャながら、純粋に楽器として、相当優秀で高いレベルにあると思います。ただ、前にも言いましたが、ミッドもフラットなので、サムベースなどと比べると、絶対値として音の重さが若干足りない感じもします。フラットな特性なので、コード弾きの音とかはすごくキレイで、それはそれでよいのですが、やっぱ「べエス」なんで、ちょっとだけミッドを上げてやる必要があるようです。


チューナーの仕組みは、弦によってはお尻からねじが飛び出していることから察するに、とても単純そうです。今度、弦交換でもする際に、詳しく見てみたいと思います。

Welcome! Status Graphite STEALTH-2 Headless 6st.

Status_stealth2_6st


みなさま、大変ご無沙汰いたしております。久しぶりの更新です。待ちに待ったNew Bassが、サッカー発祥の地 Englandより到着しました。Status Graphite STEALTH-2 Headless 6stです。日本ではあまりメジャーではないので馴染みの薄いブランドですが、かなり以前からグラファイトネックを活用したギターやベース、ネックの作っているイングランドの老舗で、有名どころではスラップ王 Mark KingがALEMBICと共に愛用しています。


ステイタスには多様なラインアップがありますが、かなり大雑把にいうと、「ウッドネック+ウッドボディ」「グラファイトネック+ウッドボディ」「オールグラファイト」に分類され、このSTEALTH-2という機種は、オールグラファイト(カーボンファイバー)の一体焼成モノになります。(ちなみに、STEALTHとSTEALTH-2の違いは98年頃を境にしているようで、最も大きな違いはトラスロッドの有無のようです。もちろんSTEALTH-2はロッド内蔵です。)


カーボンファイバーというのは基材になる素材の違いや製法によって様々なようですが(自分はあまり詳しくありません・・・)、このSTEALTHは織成グラファイト布をラミネートして焼成したものとのこと。国内での取次店へのオーダーの事前に同社といろいろとやり取りをした中で、加工難易度が高く、工具がすぐにダメになる話を伺い、いわゆる樹脂形成されたものだとその強度が基材となる樹脂に依存することになるため、焼成物だと判断しました。表面はポリウレタンあるいはラッカー塗装のようです。加工難易度等の話が出て来たのは、僕がこのベースにRolandのディバイデッドPUを付ける場所を設けるためにPUの移設可能性の話をしたため。(結局、特別なことはせず、サムベースのフレットレスと同様の取り付け方をすることにしました。)ちなみにカーボングラファイトというのは、自分がフェテイシズムを感じるくらい好きな素材で、バイクの外装などにもカーボンを多用してますし、以前はクルマのボンネットをカーボンに換装しようと思って周囲に止められた経緯があります。軽くて強靭、緻密で立体感のある織目を持つ美しい外観と質感、スポーツ分野(用具からシューズ、モータースポーツまで)から宇宙航空分野まで幅広く使われるこの素材は、他の素材にはない「物語性」があります。


僕のSTEALTH2のお気に入りポイントは以下の点です。


・どこまでもクリーンでタイト、良い意味で無機質を極めていること。
 (炭素で組成されているので実際には有機物ですが)
・とにかくネックがフラットで、低弦高セッティングに適していること。
・指弾きのブリブリ感が、PUバランサーの設定によって、往年のサムベース的
 感触になったり、STEINBERGER XL的感触になったりすること。
・スラップのビキビキ感が、どこまでもメタリックでソリッドであること。
 往年のspectorに通ずる、適度な深みを持った特徴的なゴリゴリ感があること。
・木質系のベースと比較して、1~6弦まで、より同じ質感で鳴ってくれること。
・継ぎ目のないカーボンファイバー一体形成の6弦ヘッドレス、つまり「非常識」
 であること。
・圧倒的にライトウェイトであること(6弦なのに4.2kg!)。
・STEALTHに限って言うと、今まで使っている人を見たことがないこと。
・自分の美学にピッタリはまるアピアランス(キモカワイイ系?)であること。


ただ心配なこともあります。木質系の楽器は、歴史が物語るように、入念に作られているものでメンテをちゃんとしてあげれば、いつまででも良い状態を保ちます。しかしながら、カーボングラファイトのエレキベースは、10年後にどういう状態になっていて、あるいは鳴りが変わることがあるのか等、少なくとも自分にとっては未知の部分が多い。STEALTHからSTEALTH2にバージョンアップする際にトラスロッドが採用されたのも、おそらくは、いくらカーボングラファイトといえども、調整が全くいらないほどのスタビリティが長期間にわたって維持できる訳でないない、というところからきてるんだと思います。知らない、と言うのは不安感の一番の要因です。まあ、価格が価格なので、ヘンなことにはならないとは思いますけどね・・・


「木のベース」の魅力は、徐々に熟していくことによる「経年変化」だとすると、カーボンファイバーのベース」に自分が求めるものは、いつまでも続く「不変性。これからもずっと、同じ状態で、同じ音を出し続けて欲しい、そう願っています。


そういえば、自分の手元にこの楽器が届くのと前後して、春先からnetに掲載されていた本機と同型のベースが忽然と姿を消してしまいました。でもよくよく見ると、その個体と自分の手元のあるものは、穴加工の位置や細かい仕様が微妙に違ったりして、同一の個体ではない模様。そうすると、こんなへんてこりんなベース(失礼)をgetされた方が他にも居られるということでしょうか・・・ とても強い興味を感じております。

ツーリング: 信州・八ヶ岳メルヘン街道~ビーナスライン

信州tour2006


先週末は久しぶり(1年ぶりくらい)に友人と長距離ツーリングに出かけてまいりました。(写真は、メルヘン街道最高地点、麦草峠に佇む愛車)


土曜の6時に起床、朝食をとって着替え7時に出発。普段DUCATIは1週間以上放置すると1発ではエンジンがかからないのですが、2週間前にオイル交換(MOTUL synthetic)したせいか、1発で快調に始動。千葉県内より待ち合せ場所の新宿までは下道で行き、笹塚から首都高へ。


コースとしては、笹塚(首都高)~八王子(中央道)~小淵沢で中央道を降り、清里経由でR141→R299と走り、メルヘン街道→麦草峠(標高2127m!)→蓼科→ビーナスライン→車山高原、諏訪湖を回って諏訪ICから中央道へ、という、実に500kmを越えるロングツーリング。


標高2127mを越える麦草峠で、気圧が低く酸素濃度が薄いせいか、一旦とめたエンジンがかからないという、ひやひやする場面もありましたが(これだからイタ車は困る・・・)、長野県内は終日快晴で楽しいツーリングでした。途中でLOTUS ELISEが50台以上連なって走る姿に遭遇したり、TVR軍団とすれ違ったり、COPENが束になって走ってきたり、いろいろな人がいるなーと思いながら、自然を満喫。


ただ、いささか距離が長すぎました。友人も自分の30代半ばを越える年齢。1日で500kmオーバーは、やはりちょっとムリがあったようです。自分は、週末フットボーラー(?)なので、当日の夜はくたくたでしたが、翌日痛かったのは二の腕だけ、友人は3日間太ももが痛かったようです。談合坂で晩飯を食いながら、今後は300km前後にしようと反省しながらも、楽しい一日を過ごしました。

スピーカーキャビネット: EPIFANI T210UL

WW+EPIFANI


本当はこの組み合わせはなんとか避けたかったのですが・・・ AGUILAR GS210キャビのサウンドにはとても満足しているんだけど、重量(28kg)に若干の不満があるというのは以前にもお話した通りです。そこで、一般論として210よりも軽い112フォーマットのキャビを探していたのですが、たまたまEPIFANI T210ULを試す機会があり、その音もさることながら、コンパクトさ(サイズということではなく、デザイン的なまとまり具合)と軽量さに惹かれて即買してしまいました。


もともと自分がなぜ112が欲しかったかというと「軽量」「パンチ」の2点です。210より112が軽いのは常識的なのであえて説明はしませんが、このパンチと言うのは、なかなか難しいものがあります。これも一般論になりますが、10インチ×1だとパンチはあるがボトムが足りない、15インチだとボトムは十分だかパンチが足りない、ということで、12インチ×1あるいは10インチ×2がベストチョイスと単純に思っていた訳です。そして、ちょっと前までは重量もあまり気にしなかったのでAGUILARの210を選択したのですが、寄る年波には勝てず「重量」というファクターが音と同じくらい重要になってきました。そこで12インチキャビをいろいろと物色していた次第です。


ところが、たまたま物色中にこの12インチの候補の1つであったEPIFANI T112ULと一緒に並べられた、底面積が同一と思われる見た目にもとてもコンパクトにパッケージングされたT210ULと対面しました。とにかく、見た目のコンパクトさと合理的なパッケージに強い興味を持ちました。通常の210フォーマットのキャビは、重ねることを前提としているためか、押しなべて横長のデザインになってます。ところが、アマチュアである自分は重ねて使わないと間に合わない様な状況になることはまずないし、そうであれば、単体で活きるデザインの方が使い勝手がはるかにいい。加えて、重ねないと言うことになると、WALTER WOODS M-300のポテンシャルを過不足なく使いきれる4Ωが良い。そういうあらゆる要素を凝縮して持っていたのがこのT210ULだった、という訳です。重量の面で不満がないのであれば、自分的には210であってもなんら問題はなく、結果的にこのようなチョイスになりました。同じ210フォーマットでありながら、10kg程度の減量に成功、ライブ前の機材運搬だけでライブ当日の体力の多くを使い果たしてしまうといったことを心配する必要は全くなさそうです。


次はサウンドです。ふくよかなロー~ミッド、ナチュラルで煌びやかはハイ、なんとも良いようがありません。良い意味で、ものすごく生々しさがあります。ROSCOEの音も、ヨダレが出るくらい良い音です。(試奏時はFODERAを使いましたが、何度弾いても、FODERAは、やっぱり良いと思えない・・・ 自分がオカシイんだと思いますが・・・)ただ、ミッドのゴリゴリ感が足りない点と、ローが若干締まりに欠けてちょっと出すぎの感がある点にわずかに不満が残りますが、このサイズとサウンドでこの重量であれば、自分にとってはベストバランスです。AGUILARのキャビがあと10kg軽ければな・・・ とは思いますが。

kazのヒーロー(その5) : Scott Henderson

scott_henderson


久しぶりに、僕のヒーローの紹介です。いきなり話がそれますが、最近フレットレスベースの演奏イメージを作るのに良い素材を、と考えて、真っ先に浮かんだのが御大JacoGary Willisでした。Gary Willisは80年代からScott Hendersonと組んで、いわゆるハードフュージョン系のユニット「Tribal Tech」で活動していたベーシストです。そんなことから改めてScott Hendersonの音源をいろいろと聞き漁った次第です。


学生時代、「地味でヘン=ジミヘン=Jimi Hendrix」「少しヘン=スコヘン=Scott Henderson」などと、おバカなことを言ってましたが、最初に彼の演奏を聞いたのは、The Chick Corea Elektric Bandでの演奏です。このチックのアルバムの中では、スコヘンとCarlos Riosが曲を分け合って演奏しています。Riosの演奏(Side Walkのソロが好きです)も大したものですが、このアルバムに「King Cockroach」(ゴキブリ大王?)という曲があって、そのスコヘンのギターソロを聴いて、早弾きなどよりも、むしろ白玉音符の使い方や音を出す・出さないの間合いや、ミュートのタイミング(音の切り方)、コードの中での独特の出音の選択などが全て絶妙でまいったのが最初でした。ギタリストの中でも、自分はこのスコヘンと並んでJohn Scofieldが好きなのですが、そういう意味では、ブルースにオリジンを持つミュージシャンが全般的に好みなのかも知れません。


スコヘンは1954年の米国人、もう52歳になります。幼少の頃はツェッペリンやJBなどの楽曲をやり、Jimmy PageやJeff Beck、ジミヘン、Ritchie Blackmoreなどの他、多くのブルース系ギタリストに傾倒していたといいます。大学卒業後にフロリダからロスに拠点を移し、そこで、Chick Corea、Jean-Luc Ponty、Jeff Berlin、そしてウェザーリポートの御大Joe Zawinul等と活動するようになり、それと並行して、Gary Willisらと自身のユニット「Tribal Tech」を組み、このユニットはつい先ごろまで、ずっと続いていました。(今でも継続されているかも知れませんが、BassのWillisの引越しのため(?)にHenderson+Willisの組み合わせが継続できなくなり、ベーシストを変えざるを得なかったと聞きます。)


彼は、91年にGuitar World誌より#1 Jazz Guitaristに選出され、翌92年には Guitar Player誌でも#1 Jazz Guitaristに選出されています。その栄誉の系譜を見ると、いかにも彼がジャスギタリストであるかのようにも見受けられますが、僕が彼を好きなのは、その根底にブルースとロックを強く感じるからです。彼のギターを聴いていると、ジャスギタリストと言ってるのは世間だけで、自分は知ったこっちゃないと言わんばかりに、ジャズのフォーマットを軽く飛び越えて、ジャンルがどうだとか、そういうレベルを超越したところにいるような気がします。


ふと気付くと、フレットレスベースの参考素材を探して「Tribal Tech」に行き着いたのに、なぜかGary Willisではなくスコヘンのソロのコピーをトライしてたりします(ベースでこなせるシロモノではないけど、学生のころ、フレージングの幅を広げたいと思ってよくやってました)・・・ ちなみにTribal Tech絡みで、最近好んで聞いているのが「Dr. Hee」「Reality Check」です。

ミニカー

minicar 僕は回りからよく「趣味が多い」と言われます。仕事は仕事で一生懸命やります。だから、その分、切り替えるときは趣味の世界にもどっぷりと、というのが自分の信条。ところが、その趣味が多すぎると、逆にストレスになってくることもあるんです。というのも、楽器やバイクなどは、定期的に触ってあげないと調子が悪くなってしまうから。時間が限られている中で、あのベースとこのベースを弾いてあげなきゃ、とか、バイクのエンジンかけてあげなきゃ、ということになる。で、それができないと、ストレスになる。ストレス発散のための趣味がストレスの発生源になるのは本末転倒なんですけどね。だからといってやめろといわれても、はなっからやめる気がないから、これはもうしょうがない。


そんな中でも、一番手間がかからず、ケアしてあげなくても文句ひとつ言わないのがミニカー。昔から、結構いろいろと集めてて、最近はだいぶ減らしてスリム化しましたが、まだまだたくさんあります。完全に我が家のサイドボートの一角を乗っ取ってます。ここは主として1:43サイズの棚で1:64サイズのものは別のところに置いてあるので、実はもっとあります。また、写真に写っているのは表の1列目だけで、裏側にあと2~3列くらいある。最初は自分がクルマを乗り換えるときに、手放すクルマのミニカーを買う、という習慣から始まったのですが、それがいつのまにかその基本から大きく逸脱。良くもまあ、ここまで集めたものだと、自分でもあきれます。結構レア物もあるので、全部売り払ったら、おそらくベースがもう1本買えそう


さて、なんでこんな話をするかと言うと、実はまた、前から欲しかったベースを1本新たにオーダーし、その資金調達に思い悩んでいるからです。ウッディーなROSCOEやサムベースとは対極的なベースなので、買い換える気はないのですが・・・ ミニカーに手を出さざるを得ないか・・・ New Bassの到着までは数ヶ月かかると思いますが、その際は、またご紹介します。

WARWICK Thumb Bass 6st Fretless その2

THUMB_with_GK3B_2


自分がメインとして使っているベースは現在、


・ROSCOE SKB3006
・WARWICK Thumb Bass 6st Fretless
・YAMAHA SLB200


の3本で、本来はフレッテッドエレキがメインなのですが、最近、どうしてもサムフレットレスばかり弾いてしまいます。サムベースのフレットレスというのは、すごい魔力があって、弾いているだけで本当に幸せになれる、そんな音を出してくれます。自分がベースの練習をするのは、だいたい週末の21時から22時半ころまで。昨日はたまたま自分の好きな女優が出てる映画(ミラ・ジョヴォヴィッチが出てた)をTVでやってたのでほんのちょっとしか練習できませんでしたが・・・


いつもの手順はこんな感じです。キャビにかけてある大判のバスタオル2枚(カバーをかけておかないとキャビ本体やスピーカーがホコリだらけになって大変なのでいつもバスタオルをかけてます)を取り、次にWALTER WOODSをハードケースから引っぱり出してキャビの上に設置し、スピーカーケーブルを接続、アンプの電源を入れる。その次は、エフェクトボード(V-BASS)をキャビの裏から引っぱり出して床に置き、フタをあけて電源投入後、ボートのoutをアンプに接続。その後、ROSCOE、サム、SLB200を順番にケースから出して、スタンドに置く。で、以前は大抵ROSCOEに手を伸ばし、場合によってはROSCOEだけで終わって、他のベースはそのまましまう、という場合も多くありました。ただ、最近はこれが、サムに先に手が伸び、そのままサムを弾いただけで終わってしまう、というパタンになってます。


以前にもご紹介しました通り、このサムは2003年製で、ブビンガボディ+オヴァンコールネック+エボニー指板の現行仕様です。フレッテッドであったオリジナル状態は、以前のウェンジネック&指板のそれと比較すると、やはりかなり現代的でソフィスティケイトされた印象でした。もちろんこれが悪い訳ではなく、サムベースの正常進化の賜物なのですが、フレッテッドならもっとしっくり来るベースがある(ROSCOEなど)ということで、フレットレス化+AGUILARプリアンプ搭載となった訳です。返す返すも、このリペアの選択が大当たりだったことをしみじみと感じています。弦はKEN SMITHのフラットワウンド弦。張り立て当初は、強い金属音があり、これが落ち着かない場合はいっそラウンド弦の方が良いかなとも思ってましたが、張ってから3ヶ月ほど過ぎて、とても良い感じに落ち着いてきました。張ってから半年してもなかなか落ち着かないウッドベースの弦と比較すると早く落ち着きました。かといって普通のエレベ弦のように「死んだ」という状態ではなく、自分としては、かなり評価が高い弦です。


極論すると、フレットレスサウンドの要は中域と高域だと思います。そういう意味で、このサムのフレットレスは、自分が望む要素を全て持っています。中域に関しては、サウンドの厚みとキャラクターを構成する最重要な部分だとの認識です。フレットレスの場合は、元来サウンドがやわらかいので、ローで厚みを出そうとすると音像がぼやけてしまいます。だからミッドで厚みがちゃんとでることが重要だと思うのです。また、キャラクターに関しては言わずもがなで、サムベースの珠のようなツブ立ちの良い音が、そのままフレットレスサウンドとして出てきます。これについては、サム6弦の材構成・PU配置・AGUILARプリもさることながら、SMITHの弦も大きく作用している気がします。高域に関しては、やわらかいフレットレスのサウンドキャラクターを持ちながらも、輪郭をはっきりと聴かせないといけないし、だからといってあまりトゲトゲしくなってもいけない、という二律背反を克服する難しさがあります。これについても、このサムはパーフェクトで、オヴァンコールネックとエボニー指板という、ウェンジよりもハイミッド~ハイが出やすいと言われる材の効用が大きいのではないかと考えています。以前、ウェンジネックのサムフレットレスを弾いたことがありますが、フレッテッドだと最高と思えた珠のような音が、フレットレスだとどうしても甘すぎて、前に出てこない音になってしまう印象がありました。その問題を現行仕様のサムは見事にクリアしています。従い、フレットレス仕様であることを前提にすると、オヴァンコールネック+エボニー指板・スルーネックというコンストラクションが大成功していると思う訳です。


ということで、サムフレットレスばかり弾いてますが、自称スラッパーとしては、このままではスラップの腕がなまるのがコワイので、ROSCOEもちゃんと弾かないと・・・