kazのヒーロー(その5) : Scott Henderson | ベーシストとエフェクター

kazのヒーロー(その5) : Scott Henderson

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久しぶりに、僕のヒーローの紹介です。いきなり話がそれますが、最近フレットレスベースの演奏イメージを作るのに良い素材を、と考えて、真っ先に浮かんだのが御大JacoGary Willisでした。Gary Willisは80年代からScott Hendersonと組んで、いわゆるハードフュージョン系のユニット「Tribal Tech」で活動していたベーシストです。そんなことから改めてScott Hendersonの音源をいろいろと聞き漁った次第です。


学生時代、「地味でヘン=ジミヘン=Jimi Hendrix」「少しヘン=スコヘン=Scott Henderson」などと、おバカなことを言ってましたが、最初に彼の演奏を聞いたのは、The Chick Corea Elektric Bandでの演奏です。このチックのアルバムの中では、スコヘンとCarlos Riosが曲を分け合って演奏しています。Riosの演奏(Side Walkのソロが好きです)も大したものですが、このアルバムに「King Cockroach」(ゴキブリ大王?)という曲があって、そのスコヘンのギターソロを聴いて、早弾きなどよりも、むしろ白玉音符の使い方や音を出す・出さないの間合いや、ミュートのタイミング(音の切り方)、コードの中での独特の出音の選択などが全て絶妙でまいったのが最初でした。ギタリストの中でも、自分はこのスコヘンと並んでJohn Scofieldが好きなのですが、そういう意味では、ブルースにオリジンを持つミュージシャンが全般的に好みなのかも知れません。


スコヘンは1954年の米国人、もう52歳になります。幼少の頃はツェッペリンやJBなどの楽曲をやり、Jimmy PageやJeff Beck、ジミヘン、Ritchie Blackmoreなどの他、多くのブルース系ギタリストに傾倒していたといいます。大学卒業後にフロリダからロスに拠点を移し、そこで、Chick Corea、Jean-Luc Ponty、Jeff Berlin、そしてウェザーリポートの御大Joe Zawinul等と活動するようになり、それと並行して、Gary Willisらと自身のユニット「Tribal Tech」を組み、このユニットはつい先ごろまで、ずっと続いていました。(今でも継続されているかも知れませんが、BassのWillisの引越しのため(?)にHenderson+Willisの組み合わせが継続できなくなり、ベーシストを変えざるを得なかったと聞きます。)


彼は、91年にGuitar World誌より#1 Jazz Guitaristに選出され、翌92年には Guitar Player誌でも#1 Jazz Guitaristに選出されています。その栄誉の系譜を見ると、いかにも彼がジャスギタリストであるかのようにも見受けられますが、僕が彼を好きなのは、その根底にブルースとロックを強く感じるからです。彼のギターを聴いていると、ジャスギタリストと言ってるのは世間だけで、自分は知ったこっちゃないと言わんばかりに、ジャズのフォーマットを軽く飛び越えて、ジャンルがどうだとか、そういうレベルを超越したところにいるような気がします。


ふと気付くと、フレットレスベースの参考素材を探して「Tribal Tech」に行き着いたのに、なぜかGary Willisではなくスコヘンのソロのコピーをトライしてたりします(ベースでこなせるシロモノではないけど、学生のころ、フレージングの幅を広げたいと思ってよくやってました)・・・ ちなみにTribal Tech絡みで、最近好んで聞いているのが「Dr. Hee」「Reality Check」です。