ベーシストとエフェクター -11ページ目

Welcome! YAMAHA サイレントベース SLB200

SLB200


先日、訳あって愛器のWARWICK THUMB BASS 6stフレットレス化したことに伴い、このサムベースと、同じくアップライトの愛器 NS Design CR-4のサウンド面でのキャラかぶりが1つの課題になっていました。以前にもお話した通り、このNed SteinbergerのCR-4は素晴らしいサウンドを誇るアップライトで、エレキのフレットレスでもなく、ウッドベースでもなく、独自の音世界を持っている楽器です。一方、サムベースのフレットレスは予想以上の仕上がりで、サウンドも想定通りのgood sound。ブビンガボディからなるこのサムベースのフレットレスは、狙い通りアッシュやアルダーなどの一般材のフレットレスベースとは明らかにそのサウンド傾向が異なる反面、NS CR-4とキャラクターが大きくかぶります。結果は明らかで、エレキベースのプレイアビリティと6弦という音域の広さを考えると、類似する音がでるなら、この分野はエレベに譲らざるを得ません。もちろん、全体的な表現力で言うとNS CR-4には捨てがたいものがありますが、ここは思い切って別の方向に行こう、ということで巷で評判の良かったYAMAHAのサイレントベースSLB200を選びました。


今回のチョイスについては、あまり多くの選択肢はあげませんでした。選択基準は大きく言うと以下の2つのみです。


・エレキのフレットレスとは違う方向性。(いわゆるウッドベース寄りの音)
・エレキがメインなので、価格帯としては高くても20万円前後。


一応選ぶ前に、改めていろんなものを弾くには弾きました。SLB200に加え、同社製のSLB-100Carruther's SUB-1Baby Ego、なぜかNS CR-5Mなど。価格面を考慮して候補はもともと絞り込んであり、SLB200、SLB-100とSUB-1(もちろん中古)が最終選択肢。SLB-100は、試奏した環境が悪かったせいもあるかも知れませんが、あまりピンと来ず、SUB-1も同様だったので候補から外し、結局 SLB200になりました。SLB-100もSUB-1にしても決して悪い訳ではなく好みの問題と思いますが、特にハイポジション(サムポジ)でピエゾ特有のコンコンする感じが目立つ気がしました。アルコやスラップをやるのであれば良かったのかも知れませんが、落ち着いたトーンを求めていた自分としては、SLB200が一番しっくり来ました。


また世間の評判では仕上げ精度に個体差があり、作りが粗い個体もあるということだったので、最安値であったものの、通販は避けて楽器店で現物を見て触ってから購入しました。少なくとも自分のSLB200は、YAMAHAらしく作り込みがとてもしっかりしています。指板はあまりキレイなエボニーではないとの話も聞き及んでいましたが、BBの上位機種にも使われていたYAMAHAお得意のストライプド・エボニーでとてもキレイな縞模様です。他の材もメイプル、スプルース、マホと、基本的にはウッドベースと同様の材、フレームもビーチとアルミの組み合わせで、所有欲も充分に満足させてくれます。弦は、張りたてのダダリオ Helicore Pizzicatoのためか、まだ金属っぽい感じがありますが、弾き込むにつれてだんだん落ち着いてくると思います。(本当はお気に入りのトーマスティック・SPIROCOREを使いたいところですが、エレベ弦と違いおいそれと交換できる代物ではないので、Helicore Pizzicatoが死んでからにしたいと思います)


サウンドはスゴくいい、というほどではないとは思いますが、評判通り、なかなかのもので、充分満足できるものです。とても素直な出音で、特徴がないといえば悪く聞こえますが、妙なクセがなく、逆にどんなジャンルでも使いやすいと思います。学生時代にチェロやコントラバスを弾いていたこともあり、どうしてもそちらと比較をしてしまいますが、可搬性・静寂性・価格のうまいバランスの取り方がいかにもYAMAHAらしく、好感が持てます。デザイン的にも、立った状態で指弾きをすることを前提とすると、とても体とのフィット感もよく、弾きやすいです。


重量も8kg弱とこの手の楽器としては軽く、買ったあと都内の楽器店から満員電車にゆられて自宅まで持ち帰るのも、それほど苦にならない重量とサイズ。難点を挙げるとすれば、以下の点でしょうか。


○エンドピンを抜いて、フレームを外さないとケースに収納できない。
 (付けた状態のまま折りたたんで収納出来ると、尚よいな、と)
○ケースに収納するときに向きを間違えてしまう。(通常右利きのギター
 をハードケースにしまう場合、ヘッドを左、ボディを右に向けた状態で
 収納するのが一般的だと思いますが、SLB200は逆なのです)


逆に言うと、不満があってもこの程度で、難点らしい難点は見当たりません。あまりにクセがなくあっさりとしているので、メインとして使う方には物足りないと感じる場面もあるかも知れませんが、さすが天下のYAMAHA、この価格帯であれば十二分に満足できる実用的で大変良く出来たアップライトだと思います。

Roland V-BASSを中心に組んだシステム

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先日からV-BASSをいじってきて、だいぶ使い方や特性が分かってきたので、思い切ってV-BASSを中心にシステムを一気に組み替えてみました。自分なりの、V-BASSを使う上で留意すべきポイントは以下に集約されます。


①GKピックアップの信号をダイレクトに加工するため、基本的に出音の遅れはない。
②一方、GK-PU信号のダイレクト加工であるが故に、サウンド面では制約がある。
③各種ベースのシミュレートの質はとても高いが、ホンモノにはかなわない。
④エフェクトでは、コンプはいまいち、ドライブ系もなかなかgood。
⑤ピッチシフトは初代赤ワーミーに比べると若干落ちるが、現行ワーミーとほぼ同等レベル。
⑥cho、delay、reverbなどは、さすがRoland/BOSSで、文句なし。
⑦バイパス音が悪い。


①②は、結局はプライオリティの問題だと思います。シミュレート音やシンセ音を出音の遅れなしで出力するために、V-BASSはGK信号をダイレクト加工しているのだと理解しています。専用PUの信号そのものの加工なので、出音の遅れがなく、かつ高い演奏表現能力が実現できています。一方、GR系のようにGK信号を一旦MIDI信号の変換して内部音源を鳴らす仕組みの場合、出音の遅れや変換ミスは構造上避けられない宿命だと思います。その反面、サウンド面では制約から解き放たれ、それこそMIDI信号になるわけですから、極論するとどんな音でも出せるようになります。V-BASSを使ってしばらくすると、このV-BASSの思想がよくわかってきます。もちろんシチュエーションによってはGR系が良い時もありますがV-BASSの思想にはベーシストとして共感を覚えますケースバイケースです。


③は、あくまでもシミュレーションなので当たり前と言えば当たり前で、フレットレスやアップライトのサウンドは本当に良く出来ていると思いますが、ホンモノが持つ表現力の高さにはかないません。でも、これも使い方次第。1曲丸ごとフレットレスで通すなら、ベースを持ち替えた方が良いに決まってますが、1曲の中でシームレスにフレッテッド→フレットレスという表現や、ハイファイアクティブ→ヴィンテージPB等の表現をしたい場合、物理的に楽器の持ち替えは不可能です。でも、V-BASSはそんな夢を叶えてくれます。そういう意味で、各種シミュレーションは表現力を飛躍的に高めてくれるような気がします。活かすも殺すも使い手次第、ということだと思います。


④⑤⑥のエフェクト類については、基本的にRoland/BOSS直系なので、バイパス音がメインであれば、よほど多くを望まない限り、内蔵エフェクトで充分に対応可能だと思います。コンプだけは設定範囲に制約があるため、単体モノを使用することにしました。


⑦については、全てのエフェクトをOFF(FX BYPASS on)にして、GK信号レベルをゼロにした状態、つまりバイパスにしても、残念ながら源音とは変わってしまいます。ROSCOEが持っている、wet感を完全には排除していない適度に乾いたスラップサウンドや、ふくよかな指弾きサウンドが、そのサウンドである所以となるオイシイ部分がカットされている気がします。自分の聴感上だけかも知れないし、気のせいかも知れませんが、何回試しても明らかに艶やかさがなくなってしまうことが気になってしまったので、やむを得ずラインセレクターを入れてTrue Bypassが出来るようにしました。(ROSCOE + Walter Woodsの組み合わせでなければ、気付かなかったかも知れません。)


そんなことで、新しく組みあがったシステムはこんな感じです。


・V-BASS
・コンプ(今回は、dbx MC-6)

・ラインセレクター(某工房さんのハンドメイド、良く出来ています)
・チューナー(BOSS TU-12)
・George L'sのプラグ&ケーブル


数の面から言えば、前システムよりは大幅にシンプルになってますが、全体のサイズ・重量は以前と全然変わってません。むしろ、重くなったかも知れません・・・

Roland V-BASS + GK-3B

ROSCOE_with_GK3B


先週、ちょっと今までとは毛色が違うというか、現在の自分の機材、大げさにいうとサウンドシステムそのものに、根本的な影響を与えてしまう(大げさ)代物を入手しました。RolandのV-BASS。本当は、ドラムレスのアコースティックユニットでサウンドにより広がりを持たせるためにストリングスとかピアノの音も欲しいと思ってて、同じくRolandのGR-20辺りを狙っていたのですが、ちょっと追い銭をうつだけで新品が買える機会があったので、思い切ってV-BASSにしてみました。


噂に違わずスゴイです。使ってみる前は、いわゆる「ベースシンセ」というと、追随性がよくてもある一定の確率で何らかの異音(摩擦音とか倍音とか)に反応して思い通りに追随してくれないという印象がありました。現在自分が使っているAKAI deepimpactなどは、無加工のベースの信号からピッチを検出して内部音源を鳴らすという離れ業をかなり精緻にやってのけるエフェクトですが、それでも、たまにはハズします。また、弦の信号を一度MIDI信号に変換するタイプのものも、この変換プロセスが追随の遅れとなって出てきてしまうものが多かったように思います。ところが、このV-BASSGK-3Bの組み合わせは驚くほど追随性が良いです。追随性が良いというよりは、まるで、普通のマグネティックPUのごとく、追随性などという言葉すら忘れてしまうほど完璧についてきてくれます。これにはかなり驚きました。


PUの取り付けも、とても簡単(正確に言うと、面倒くさいけど複雑さとか困難さとかは一切ない)で、まとまった時間があればおそらくどなたでも取り付けが可能と思います。最初は音を出したくてしょうがない衝動に駆られるのですが、取り付け前に説明書を読むと、GKピックアップと弦間の距離まで指定されているので、ちゃんと取り付けないと音出しはムリと早々に諦めて取り付け作業をしました。楽器本体に傷を付けないように細心の注意を払いながら取り付けて、最後にコントローラー部をどこに固定するかをだいぶ思案したので、結局2時間程度かかりました。そのあと、ピックアップの感度設定(各弦毎に感度設定をします)をして合計3時間程度でしょうか。初めての作業にしては失敗もなくちゃんとできました。


いまはまだプリセット音で遊んでいるだけですが、これは確かに無限の可能性を感じます。元々はベースの生音とmixして使うためのストリングス系やブラス系の音が欲しかったのですが、アクティブ系JBの音やヴィンテージPBなども、驚くほどの再現性で、特にSTINGRAYをモデリングしたと思わしき音はホントに笑っちゃうくらい、そのまんまの音でした。ある意味お上品なROSCOEからSTINGRAYの荒々しい音が出てきて、しかも6弦なのでその音のままコード弾きも出来てしまうという、なんともフシギな感覚です。


問題はこれを使いこなすことと、既存のエフェクト類とどう折り合わせをつけるか、です。V-BASSにはエフェクト機能(cosmモデリング)も満載で、ヘタな単体エフェクトがかなわないくらいの出来。単体エフェクトの方が明らかに良いと思えるのはコンプとWHAMMYくらいです。さてこれからどうしよう・・・ 悩みが増えました。

3本のベース

roscoe_thumb_yamaha


たまたま、家に転がっているエレキベース3本をケースから同時に出したので、ちょっと並べて写真を撮ってみました。ROSCOE SKB3006、WARWICK THUMB BASS 6st FL、YAMAHA RBX-6JMです。


ROSCOEはメインで、サムベースはフレットレスのメイン、YAMAHAはスタジオ練習用に友人に持ってきてもらう「預けベース」(ゴメンね・・・)にしようと思って、先日中古購入したものです。(現在の預けベースのIBANEZ SR406はフレットレス化しようと思っています。)


さて、3本のベースを同時に出して弾いてみると、改めてそれらの設計思想とか、製造のプロセスとか、そしてその結果が演奏性やサウンドなどに良く出ていることがわかります。


サムYAMAHAに共通している点は、量産製品であるという点です。サムは量産ハイエンドと言われていていますし、YAMAHAも定価ベースで10万円台半ばで決して安価な部類のものではありません。YAMAHAのトップ材のフギュアドウッドの薄さにはある意味感服しますが、いずれも使用している材を含め、楽器としてとてもキレイな仕上がりを見せてくれます。ただ問題は楽器としての仕上げ精度。


ある程度高めの弦高であれば問題は表面化しませんが、弦高を下げていくと、セッティングの生命線と言えるネック精度の難が表面化します。従い一定のレベルを超えると、特定のフレット位置でビビったり、あるいは特定の音程だけ極端にサスティンが短くなったりします。元々オリジナル状態でフレッテッドだったサムベースも、同様の問題がありました。噂とは違い、ネックは結構強くて環境変化で状態が変わることはなかったのですが、あまり精度が出ない状態で固まっている、という感じでした。で、たまたまナットが壊れるというアクシデントがあり、この際フレットの摺り合わせを同時にしようと思ったのですが、結局フレットレス化することにしました。リペアからあがってきた際に、リペアマンからは「ネックの状態そのものはとても安定していたので、低音弦側のローフレット部とハイフレット部の指板を結構削りました」というコメントを頂きました。なので、フレットレス化しないという選択をした場合は、かなりのフレット摺り合わせをしないとベストなセッティングが出なかったのかも知れません。


YAMAHAも同様です。ROSCOEと同じ35インチスケールで、鳴りそのものはとても良く、ヘンな味付けのないあっさりとしながらもYAMAHAっぽいサウンドですが、リペア前のサムと同様、極端に弦高を下げると、ネックが付いてこれません。トラスロッドが2本搭載されていて、セッティング上ネックはかなり自由度高く設定できますが、フレット打ち込みの精度に量産品の限界が出ているような気がします。


一方のROSCOE。音は、キレイで、どっしりしてて、繊細で、fatで、相矛盾する要素をバランスよく内包しており、文句なし。加工精度は、さすがに完全ハンドメイドという感じで、ネックはいわずもがなで、フレットの1本1本にも神経と血管が通っていると思えるくらい、仕上げ精度が高いです。どんなに弦高を下げても、妙なビビりは出ないですし、鳴りが悪くなることもありません。完璧な仕上げで、その状態も安定しています。日本の売価設定はいささか高すぎるかも知れませんが、このセッティングのためなら、この値段でも高くないと思えてきます。弾けば弾くほど、わずかな差なのでしょうが、量産品との差が感覚的にどんどん大きくなってきます。


昨今、一昔前では考えられなかったような低価格で、エキゾティックウッドを使ったり、フィギュアドトップ仕様やスルーネック仕様、名の通ったブランドのPUやサーキットを搭載した多弦ベースがリリースされたりしていますが、改めて、高価な楽器(全てではありませんが)との差は、マテリアルやスペックにあるのではなく、実際に触れてみないと分からない絶対的な仕上げ精度の高さにあると思うわけです。

そろそろバイクの季節

DUCATI_M400_CHROMO


あまりに寒いので、この歳になると冬はなかなか億劫でバイクに乗る勇気が出ません。でも、放置プレイをし過ぎるとすぐにヘソを曲げるので、1週間に1回くらいはエンジン点火、月2ペースで近所を乗り回して、サスなどバイク全体の可動部品を動かしてあげるようにしていました。で、昨今だいぶ暖かくなってきたので、ベース、フットサルもいいけど、そろそろバイクも・・・ なんて思って、外観だけプチカスタム。


DUCATI M400 CROMOは、もともとクロームメッキのタンクとカーボンパーツを使った限定モデル。ホントは大型に乗りたいところですが、教習所に行くには時間が許さないというのと、400cc特有のライトな感覚と取り回しのしやすさも捨てがたいものがあるということで踏みとどまってます。2サイクルのレーサー50ccに乗った時はさすがにすぐにもっと排気量が欲しくなりましたが、400だと、より上を、という欲求はフシギとあまり沸いてきません。自分のことだからそのうち大型かもって思ってましたが、今のところ大丈夫そうです。


さて、話はそれましたが、プチカスタムの内容は以下の通りです。


・マフラー(伊Leo Vinceのわりと静かめのタイプ)
・リアフェンダー(ドライカーボン)
・ビキニカウル(たぶんウェットカーボン)
・ライト周り(クリアテール+LEDランプ、クリアウィンカー)


マフラーは購入したときに店頭で既に付けてもらったものです。前のバイク(DUCATI 400SS)ではTERMIGNONIの爆音レーシングマフラーを使っていましたが、いい歳こいて近所にご迷惑をおかけするのもなんだかな、って思ってたので、静かめで正解。リアフェンダーも購入したときに店頭で付けてもらったものですが、ドライカーボンのせいか、ホントにぴらぴらな薄さで折り目模様もとてもキレイです。ビキニカウルは、こいつの前に1週間の短命で散ったクロモについてたものを廃車前に形見で取り外したものです。事故でついた傷がありましたが、形見と思って一生懸命磨いた結果、近くで見ないとわからないくらいキレイに補修できました。ライト周りは、シーズン前にと思い、先週買ってきて取り付けたばかりなのでこの写真には写ってません。LEDテールライトはなかなかカッコ良いです。ウィンカーはとりあえずクリアに替えて、あとはこのウィンカーのLED化とヘッドライトのHID化で一通り完成、というプチカスタムプランです。


こうしてみると、なかなかカッコよくてソソられるものがありますが、ほとんど乗ってないのに手をかけるというのは、自分の「所有するだけでとりあえず満足」病の、なんというか「権化」のようなバイクだな、と思ったりもします・・・

Welcome Back! WARWICK Thumb Bass 6st Fretless

THUMB_BASS_6st_FL


先週後半、よくやくサムベース修理&フレットレス化から戻って参りました。今回お世話になったリペア屋さんには本当に良い仕事をして頂きました。写真を見るだけでもわかると思いますが、リペア完了の連絡をもらい、お店で実物を実際に手に取った瞬間に、その仕事のすばらしさを実感した次第です。我が家に帰って、完全に自分の好みになるように僅かな微調整をしただけで、セッティングもバッチリ決まってました。


さて、今回の修理&改造内容は以下の通りです。


・プリアンプ交換(純正→AGUILAR obp-3)
・ナット交換(カーボングラファイト)
・フレットレス化(特注仕様)


プリアンプ交換は自分でやりました。フレッテッド状態の時もそうだったんですが、純正プリは音があまりにキレイすぎて(オシャレな感じといえば良いでしょうか・・・)、サム独特のブリブリっとした感じが足りなかったので、交換しました。いろいろと情報収集をしてAGUILAR obp-3をチョイスしましたが、大正解でした。ミッドの効き具合もサムとベストマッチ。HIGH-LOWが2連スタック、MIDの周波数切替がプル式ノブという仕様ものもで、サムに穴を追加することなく収まりも良いです。唯一、HIGH-LOWの2連スタックポッドのノブにサム純正を流用できないので別途調達したという点以外は本当にマッチングが良いです。


次はナット交換。これはリペア屋さんにてやってもらいました。もともと、ビス2本で中に浮いている純正ナットには満足していませんでしたが、たまたま立てかけてあったサムを我が家の三男坊に倒されてナットがイカれてしまったので、良い機会と思い交換しました。素材はブラスとカーボンで悩みましたが、フレットを抜いた後に木肌色+黒の2色でデザイン上で統一したかったというのと、フレットレスにする場合ブラスだとやや固めの音になるということで、カーボンにしました。純正のカーボンと違い、新しく付けたのは炭素繊維が露出しているカーボングラファイトで見た目にもカッコ良いです。


そしてフレットレス化。今回はフレットを抜いた後に、若干ゆがみがあった指板の完全フラット化の為の研磨をしてもらったのと、「ぱっと見ライン無し」にしてもらいました。「ぱっと見ライン無し」というのは、6弦~5弦の真下までだけラインを入れてもらい5弦から先はライン無しにしてもらった仕様です。ライン部分はメイプル、ライン無し部分は機能を考えてカーボン樹脂で埋めてもらいました。デザイン的にも弾き易さの面からも、理想通りの仕上がりとなりました。


サウンドも申し分ありません、最高です。元々自分はサムの音が好きなので、当たり前といえば当たり前ですが、サムベースは本当にフレットレス仕様に向いてる楽器だと改めて思い知らされるような素晴らしい音です。弦は、SMITHのフラットワウンドを張ったので、エアー感は若干抑えた感じですが、ローフレットでブリブリ演奏するときの珠のような音と、ハイフレットでソロを取るときの何とも言えない適度なエアー感がものすごく心地よいです。Walter Woodsとの相性も良く、ROSCOEとはアンプのセッティングが異なるので、2ch独立のWalter Woodsの使い勝手の良さが活きてきそうです。


アコースティックな感じで使うことを想定していましたが、この音ならブリブリ弾き倒すロックでもバッチリ合いそうです。早くライブがやりたい! そんな思いを抱く、今日この頃です。

現在のエフェクトボード(2006年2月現在)

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一昨年までは結構な頻度で入れ替わっていたエフェクト群も、昨年に入ってからだいぶ定着の方向にあります。ということで、現在のボードの状況についてレポートします。以前とほとんど変更はなく、マイナーチェンジにとどまってます。それだけボードのメンバー(取締役会みたい・・・)がレギュラー化しているということでしょうか。ゴテゴテとたくさん組み入れることもせず、だいぶスッキリしました。


今はこんな感じになってます。


・Providence PEC-1(スイッチングシステム)
・FMR Audio RNLA7239(コンプレッサー)
・Fulltone BASS-DRIVE(オーバードライブ)
・Digitech WHAMMY WH-1(ワーミー)
・EBS UniChorus(コーラス)
・AKAI Deep Impact SB1(シンセ)
・KORG XVP-10(ヴォリュームペダル)
・BOSS TU-12H(チューナー)
・George L's(ケーブル、プラグ)
・duplex(エフェクトボード本体)


スイッチングシステムやラインセレクターの類は最近もどんどん新機種がリリースされており、百花繚乱の感がありますが、音質(バッファを含めて)や機能性(5ループ2系統+チューナーOUT+DC電源5out)を考えると、やっぱりこれが一番なのかな、と。RS422やPEC-2などの新機種の台頭もある中で、このPEC-1は重量やサイズの大きさなどの難はあるものの、捨てがたい魅力があります。


BOSSのチューナーは、某店で千円ポッキリで投売りされていたのを入手したものです。とても信頼性が高く見やすいのですが、Low-Bは基音で拾ってくれないのが玉に瑕。


ボリュームペダルは現在オリジナル状態、筐体がとても気に入っているのですがちょっと音ヤセするので、時間ができればそのうちポッドや配線材、ジャック類とかを交換するかも知れません。


ケーブルは全てGeorge L'sです。どちらかというとオーディオ的で、何も足さず何も加えずというイメージです。いまシールドとして使っているBELDEN8412もいいのですが、walter woodsアンプとの組み合わせを考えると、このGeorge L'sも良いかなと最近は思っています。また組み合わせて使用しているプラグもGeorge L's純正です。ハンダいらずで組み上げがラクというのもあるのですが、ストレート/L字ともにスペースをとらないのがポイントです。しめて10本で、それこそCAEやmonsterなどを使うととんでもない価格になりますが、George L'sで自作すれば、1本単価は千円程度なのでリーズナブル(あくまでも比較論ですが)なのも魅力です。作る楽しさも味わえるし。


おそらく使うものはこれくらいで、あとはあまり変わらないかなと思います(機種の入れ替えはあると思いますが)。モジュレーション系はあまり使わないのでコーラスは外すかも知れませんが、ワーミー、AKAIのベースシンセとオーバードライブだけは自己表現に欠かせない大事なTOOL、といったところです。

<Welcome! WALTER WOODS M-300 new アンプヘッド>

walter_woods_m300


先日、ROSCOE SKB3006を買ったばかりなのですが、このROSCOEのキレイな高域を活かしたいということで、つい勢いあまってこっちにまで手を出してしました。泣く子もだまるDクラスアンプのド定番、WALTER WOODS M-300です。


もともと、ベースアンプばベース用のアンプらしいセッティングを、というのが自分の好みで、ゆえにAGUILARのフルチューブを愛用しているわけですが、ROSCOEを使ってみると、AGUILARでは再生されないオイシイ部分があるんではないか、と思い至った次第です。


そこで、サブかメイン、どちらかはわかりませんが、とびっきりのトランジスタアンプが欲しくなって楽器店でいろいろと試してみました。いわゆるDクラスアンプをメインに。で、ご想像の通り、最後に残ったのがAcoustic Image(以下、A/I)とこのWALTER WOODS(以下、W/W)。


比べてみると、同じDクラスアンプでも、この2台には結構な違いがあることがよくわかります。誤解を恐れずに一言で言うと、A/IはDクラスであっても「ベースアンプ」、W/Wはお題目の通り「electracoustic」。A/I(特にハイパワー機のFOCUS)はフラット状態で、フラットな印象ながらも、ベースのベースらしい領域が前に出てくるようにセッティングされています。W/Wは、本当のフラットで究極の素っ気なさとでもいいましょうか、そんな感じです。なので、1st impressionとしてはA/Iの方が自分としては好みでした。ただ、よくよく聞いてみると、W/Wの頑ななまでの「フラット」、ナチュラルというよりは「ニュートラル」に対するこだわりというのか、下も上も何も加えず、何も切らずに出してくれているという安心感と、すごく難しいと思われる普通のことを普通に極めて高いレベルで処理しているという信頼感、そして、ウォーム感はAGUILARに任せようという、こちらの機材のバランスも手伝って、W/Wに決めました。


W/Wでももちろんウォーム感は普通以上に充分に出せますが、ホンモノのチューブアンプにはかないません。アンプ1台で全てこなさないといけない、かつベース(エレキ、アコ問わず)にしか使わないということであればA/Iの方がいいかも知れません。ちなみに全然関係ありませんが、自分は新しい機材を手に入れると、音だしをする前にフタを開けたくなる性分なのですが、このW/Wだけは怖くて開けられませんでした・・・


W/WとAGUILARを贅沢にも2台切替えながら音だしをしてみて、W/Wの恐ろしいまでの懐の広さを感じたと同時に、AGUILARのドライブ感やウォーム感、自然で上質なコンプレッションに改めて気づかされ、最高のチューブアンプであることを再認識した次第です。こんな高いもの2台も維持できそうもないけど・・・

コンプレッサー : FMR Audio RNLA7239

RNLA7239


FMR Audioのレヴェリングアンプ(コンプレッサー) RNLA7239です。この米FMR Audio社というのは「低価格ながら『実売20万円以上』するプロオーディオ機器に匹敵する音質を目指す」という、何ともわかりやすくて難易度の高い開発ポリシーを掲げている会社です。


同社製品ではRNC1773というコンプレッサーがレコーディングや宅録関係の方にとてもなじみがあると思います。このRNCは、とにかく「ナチュラル」を目指した機種で、妙なクセや色づけといったことが全くなされていないコンプのようです。一方このRNLA(really nice leveling ampの略)は、まさにその名の通り、LA2AやUREI1176等のヴィンテージ系のレヴェリングアンプのサウンドを目指したもので、意図的にヴィンテージテイストを付加するような味付けがなされています。従い、RNLAを通すと明確にサウンドのテイストが変化します。


サウンドは極上です。1176のようなヴィンテージコンプをノイズレスで、しかもより細かくアタックやスレッショルドをコントロールできる感じです。EBS multicompも味付け的にはパンチのあるチューブっぽい圧縮感がありますが、そこから独特のクセを取り除いた上で、細かい設定が出来るようになってます。


音のタイプ的には、以前使っていたSUMMIT AUDIO TLA50にも似ていますが、格段に軽くてコンパクトであること、より詳細なコントロールが出来ることがポイントです。リアルチューブではなく、そのイメージをシミュレートしているので、悪く言うとプラグインソフトをハード化したようなものではありますが、そのシミュレーションが秀逸でコントロール幅が広いので、実用に徹すると正にこの機材のようになるのではないかと思ったりします。自分の場合、最後はAGUILARのフルチューブを通るので、むしろこっちの方が使い勝手が良です。


安いというほど安いものではありませんが、ホンモノのヴィンテージマシンを買えばそれこそ20万円はくだらないし、メンテも大変。それを考えるととてもパフォーマンスと実用性のバランスが良いコンプです。

New BASS! ROSCOE SKB3006

roscoe_skb3006


皆さま、ご無沙汰しています。本当久しぶりの更新です。

仕事が忙しいせいもあるのですが、普段使用しているシステム環境が変わってしまったこともあり、更新が出来なくなってしまったのです。というわけで、別環境を使って久々の更新です。更新しない間に機材もマイナーチェンジしました。目立つところでは、


・コンプレッサー : FMR audio RNLA7239(これはメチャメチャいいです)
・スピーカー   : AGUILAR GS210


です。で、今回、不慮の事故で入院・大改造中の愛器:WARWICK THUMB BASS 6stに代わって、ついに念願のベースを手にしました。もう、とにかくいろいろな6弦ベースを弾き倒しました。で、最後まで迷ったのがKen Smithと、このROSCOE(ロスコー)。Smith・ROSCOEともに憧れのベースであり、いつかはと思っていました。Smithは、指弾きでは他の追随を許さない深い味わいのあるサウンドを出しますが、スラップ
がどうしても詰まったように感じます。ボディ材に起因のではと思い、代表的なウォルナット材だけではなく、メイプルもあわせて5本ほど試しましたが、これは材の影響だけではなく、Smithが持つ1つの大きな特徴であると思いました。スラップ音が悪いと言う訳ではなく、自分の好みがスコーンと抜けるスラップなので、Smithの指弾きサウンドはベスト中のベストの1本でしたが、最後はROSCOEを選びました。


このSKB3006。スペックは、マドロン(マドローナとも言う)バールトップ+メイプル+マホガニー+メイプル+マホの5プライボディ。ネックはメイプル+チェリー+メイプル+パープルハート+メイプル+チェリー+メイプルの7プライでロッドの左右にカーボンロッドを内蔵、指板はエボニーです。ジョイントはボルトオン。エレクトロニクスはbartolini PUにNTMBサーキット(18v)。ハードウェアはGOTOH+HIPSHOT。


音は、なんと言えば良いのでしょうか。とにかくキレイな音なのですが、キレイ過ぎずgrowlする感じが適度に残っています。性質そのものは全く違いますが、中域のブリブリ感はTHUMB BASSにも負けません。低域の豊かさは言わずもがなで、高域のきらびやかさも何ともいえません。指で弾けば、アコギのように澄み渡るし、スラップすればsadowskyも顔負けのヌケの良さ。少年時代にYAMAHAの楽器に多く触れてきた自分にとって「ボルトオン=普及機、スルーネック=高級機」という図式がどうしても忘れられませんでしたが、やはり自分がフレッテッドベースに望むサウンドはボルトオンにしか出せないし、このレベルの楽器になるとジョイントの別は全く関係なく、触っただけでクオリティの高さが伝わってきます。


特筆すべきは仕上げの精度。madron burlの美しさを最大限に活用できているフィニッシュの美しさもスゴイですが、セッティングがとにかく絶妙です。出荷段階でROSCOEが施しているのか、本邦代理店のINNERWOODさんが施しているのかはわかりませんが、めちゃめちゃローアクションで、1弦12フレット上は確実に1mmを切ってます。状態の良いfoderaも数本弾きましたが、それ以上のローアクションです。自分としては気持ちもうちょい弦高があっても良いかなとも思いますが、要は、これだけのローアクションを施しても問題なく演奏できる楽器に仕上がっているという、このROSCOEの素性の良さ、仕上げ精度の高さに驚きます。良質なハンドメイドブランドのなせる技を感服する次第です。


ROSCOEはまだそれほど日本では普及しているブランドではないと思います。以前(それこそ、自分の少年時代)は、ハードロックやメタル系のユーザをターゲットにした、どちらかというとギターの方が有名なブランドでしたが、今は全く異なります。日本でハイエンドというとfoderaSmithsadowskyなどがやはり真っ先に浮かびますが、現在と同じクオリティの仕事が継続されれば、ROSCOEも間違いなく日本でもメジャーになる気がします。あと余談ですが、弾く前の印象はそれほどでもなかったのにとても良いと思ったのが、Elric。Fender系の伝統的なサウンドを残しながら、独自の新しい音です。かなりポイントが高いです。