New BASS! ROSCOE SKB3006 | ベーシストとエフェクター

New BASS! ROSCOE SKB3006

roscoe_skb3006


皆さま、ご無沙汰しています。本当久しぶりの更新です。

仕事が忙しいせいもあるのですが、普段使用しているシステム環境が変わってしまったこともあり、更新が出来なくなってしまったのです。というわけで、別環境を使って久々の更新です。更新しない間に機材もマイナーチェンジしました。目立つところでは、


・コンプレッサー : FMR audio RNLA7239(これはメチャメチャいいです)
・スピーカー   : AGUILAR GS210


です。で、今回、不慮の事故で入院・大改造中の愛器:WARWICK THUMB BASS 6stに代わって、ついに念願のベースを手にしました。もう、とにかくいろいろな6弦ベースを弾き倒しました。で、最後まで迷ったのがKen Smithと、このROSCOE(ロスコー)。Smith・ROSCOEともに憧れのベースであり、いつかはと思っていました。Smithは、指弾きでは他の追随を許さない深い味わいのあるサウンドを出しますが、スラップ
がどうしても詰まったように感じます。ボディ材に起因のではと思い、代表的なウォルナット材だけではなく、メイプルもあわせて5本ほど試しましたが、これは材の影響だけではなく、Smithが持つ1つの大きな特徴であると思いました。スラップ音が悪いと言う訳ではなく、自分の好みがスコーンと抜けるスラップなので、Smithの指弾きサウンドはベスト中のベストの1本でしたが、最後はROSCOEを選びました。


このSKB3006。スペックは、マドロン(マドローナとも言う)バールトップ+メイプル+マホガニー+メイプル+マホの5プライボディ。ネックはメイプル+チェリー+メイプル+パープルハート+メイプル+チェリー+メイプルの7プライでロッドの左右にカーボンロッドを内蔵、指板はエボニーです。ジョイントはボルトオン。エレクトロニクスはbartolini PUにNTMBサーキット(18v)。ハードウェアはGOTOH+HIPSHOT。


音は、なんと言えば良いのでしょうか。とにかくキレイな音なのですが、キレイ過ぎずgrowlする感じが適度に残っています。性質そのものは全く違いますが、中域のブリブリ感はTHUMB BASSにも負けません。低域の豊かさは言わずもがなで、高域のきらびやかさも何ともいえません。指で弾けば、アコギのように澄み渡るし、スラップすればsadowskyも顔負けのヌケの良さ。少年時代にYAMAHAの楽器に多く触れてきた自分にとって「ボルトオン=普及機、スルーネック=高級機」という図式がどうしても忘れられませんでしたが、やはり自分がフレッテッドベースに望むサウンドはボルトオンにしか出せないし、このレベルの楽器になるとジョイントの別は全く関係なく、触っただけでクオリティの高さが伝わってきます。


特筆すべきは仕上げの精度。madron burlの美しさを最大限に活用できているフィニッシュの美しさもスゴイですが、セッティングがとにかく絶妙です。出荷段階でROSCOEが施しているのか、本邦代理店のINNERWOODさんが施しているのかはわかりませんが、めちゃめちゃローアクションで、1弦12フレット上は確実に1mmを切ってます。状態の良いfoderaも数本弾きましたが、それ以上のローアクションです。自分としては気持ちもうちょい弦高があっても良いかなとも思いますが、要は、これだけのローアクションを施しても問題なく演奏できる楽器に仕上がっているという、このROSCOEの素性の良さ、仕上げ精度の高さに驚きます。良質なハンドメイドブランドのなせる技を感服する次第です。


ROSCOEはまだそれほど日本では普及しているブランドではないと思います。以前(それこそ、自分の少年時代)は、ハードロックやメタル系のユーザをターゲットにした、どちらかというとギターの方が有名なブランドでしたが、今は全く異なります。日本でハイエンドというとfoderaSmithsadowskyなどがやはり真っ先に浮かびますが、現在と同じクオリティの仕事が継続されれば、ROSCOEも間違いなく日本でもメジャーになる気がします。あと余談ですが、弾く前の印象はそれほどでもなかったのにとても良いと思ったのが、Elric。Fender系の伝統的なサウンドを残しながら、独自の新しい音です。かなりポイントが高いです。