Welcome! Status Graphite STEALTH-2 Headless 6st. | ベーシストとエフェクター

Welcome! Status Graphite STEALTH-2 Headless 6st.

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みなさま、大変ご無沙汰いたしております。久しぶりの更新です。待ちに待ったNew Bassが、サッカー発祥の地 Englandより到着しました。Status Graphite STEALTH-2 Headless 6stです。日本ではあまりメジャーではないので馴染みの薄いブランドですが、かなり以前からグラファイトネックを活用したギターやベース、ネックの作っているイングランドの老舗で、有名どころではスラップ王 Mark KingがALEMBICと共に愛用しています。


ステイタスには多様なラインアップがありますが、かなり大雑把にいうと、「ウッドネック+ウッドボディ」「グラファイトネック+ウッドボディ」「オールグラファイト」に分類され、このSTEALTH-2という機種は、オールグラファイト(カーボンファイバー)の一体焼成モノになります。(ちなみに、STEALTHとSTEALTH-2の違いは98年頃を境にしているようで、最も大きな違いはトラスロッドの有無のようです。もちろんSTEALTH-2はロッド内蔵です。)


カーボンファイバーというのは基材になる素材の違いや製法によって様々なようですが(自分はあまり詳しくありません・・・)、このSTEALTHは織成グラファイト布をラミネートして焼成したものとのこと。国内での取次店へのオーダーの事前に同社といろいろとやり取りをした中で、加工難易度が高く、工具がすぐにダメになる話を伺い、いわゆる樹脂形成されたものだとその強度が基材となる樹脂に依存することになるため、焼成物だと判断しました。表面はポリウレタンあるいはラッカー塗装のようです。加工難易度等の話が出て来たのは、僕がこのベースにRolandのディバイデッドPUを付ける場所を設けるためにPUの移設可能性の話をしたため。(結局、特別なことはせず、サムベースのフレットレスと同様の取り付け方をすることにしました。)ちなみにカーボングラファイトというのは、自分がフェテイシズムを感じるくらい好きな素材で、バイクの外装などにもカーボンを多用してますし、以前はクルマのボンネットをカーボンに換装しようと思って周囲に止められた経緯があります。軽くて強靭、緻密で立体感のある織目を持つ美しい外観と質感、スポーツ分野(用具からシューズ、モータースポーツまで)から宇宙航空分野まで幅広く使われるこの素材は、他の素材にはない「物語性」があります。


僕のSTEALTH2のお気に入りポイントは以下の点です。


・どこまでもクリーンでタイト、良い意味で無機質を極めていること。
 (炭素で組成されているので実際には有機物ですが)
・とにかくネックがフラットで、低弦高セッティングに適していること。
・指弾きのブリブリ感が、PUバランサーの設定によって、往年のサムベース的
 感触になったり、STEINBERGER XL的感触になったりすること。
・スラップのビキビキ感が、どこまでもメタリックでソリッドであること。
 往年のspectorに通ずる、適度な深みを持った特徴的なゴリゴリ感があること。
・木質系のベースと比較して、1~6弦まで、より同じ質感で鳴ってくれること。
・継ぎ目のないカーボンファイバー一体形成の6弦ヘッドレス、つまり「非常識」
 であること。
・圧倒的にライトウェイトであること(6弦なのに4.2kg!)。
・STEALTHに限って言うと、今まで使っている人を見たことがないこと。
・自分の美学にピッタリはまるアピアランス(キモカワイイ系?)であること。


ただ心配なこともあります。木質系の楽器は、歴史が物語るように、入念に作られているものでメンテをちゃんとしてあげれば、いつまででも良い状態を保ちます。しかしながら、カーボングラファイトのエレキベースは、10年後にどういう状態になっていて、あるいは鳴りが変わることがあるのか等、少なくとも自分にとっては未知の部分が多い。STEALTHからSTEALTH2にバージョンアップする際にトラスロッドが採用されたのも、おそらくは、いくらカーボングラファイトといえども、調整が全くいらないほどのスタビリティが長期間にわたって維持できる訳でないない、というところからきてるんだと思います。知らない、と言うのは不安感の一番の要因です。まあ、価格が価格なので、ヘンなことにはならないとは思いますけどね・・・


「木のベース」の魅力は、徐々に熟していくことによる「経年変化」だとすると、カーボンファイバーのベース」に自分が求めるものは、いつまでも続く「不変性。これからもずっと、同じ状態で、同じ音を出し続けて欲しい、そう願っています。


そういえば、自分の手元にこの楽器が届くのと前後して、春先からnetに掲載されていた本機と同型のベースが忽然と姿を消してしまいました。でもよくよく見ると、その個体と自分の手元のあるものは、穴加工の位置や細かい仕様が微妙に違ったりして、同一の個体ではない模様。そうすると、こんなへんてこりんなベース(失礼)をgetされた方が他にも居られるということでしょうか・・・ とても強い興味を感じております。