Joon's blog -23ページ目

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『スターリングラード』を観ました。

 

1942年、ヨーロッパ広域を支配するドイツはロシアへの侵攻を開始した。

ロシア最後の砦であるスターリングラードに到着し早々に戦闘に参加した新兵ヴァシリは、僅かの時間に5人の敵将校を射殺。幼い頃より射撃の訓練を受けていたヴァシリの才能を見い出した政治将校ダニロフは、国の士気を上げるため彼をプロパガンダに利用する。ヴァシリは狙撃班に転属され、次々にドイツ将校を血祭りに上げる。

ヴァシリを危険視するドイツ軍はこの状況を打破すべく、高級将官であり狙撃手としても名高いケーニッヒをスターリングラードに派遣。敵の裏の裏を読み合う狙撃手同士の熾烈な争いが始まった……といったお話。

 

第2次世界大戦を舞台に、主人公ヴァシリ・ザイツェフは実在した人という事でセミフィクション作品になるんでしょう。

そんなヴァシリと敵兵ケーニッヒとの、狙撃手同士の対決を描いた作品という触れ込みですが、狙撃手はコソコソと身を隠しつつ遠距離から敵を狙うのが定石。そんなんで映画として盛り上がるのかいな?と思ったものですが、そんな懸念は無用どころか、特に廃工場での対決なんて緊張感があってハラハラします。

 

主人公ヴァシリは元は羊飼いで、幼い頃より狙撃の訓練を受けていました。

おそらく馬を襲うオオカミ退治の一環だったと思いますが、なるほど、俊敏に動くオオカミを相手にしていればいちいち臨機応変な対応を迫られるでしょうから、兵士としての大ベテランであるケーニッヒと互角に戦える理由になります。

銃の腕前はさておき、特に訓練もなく狙撃の場所取りや敵の位置の察知能力等に長けすぎていると感じたのでね。

 

ヴァシリへの対抗策としてドイツ軍が用意したのはケーニッヒ。少佐という高めの将校を戦場に引っ張り出すくらいですから、よほどの実力者なんだろうという想像通り、未だ衰え知らずのベテラン狙撃手です。

的確な射撃だけでなく、常に余裕があるように感じさせる悠々とした所作、誰であろうが裏切り者に容赦はしない鋼の精神等々、正々堂々とした悪役の典型です。演じるエド・ハリスさんの好演も相まって、これがカッコ良いんですよ。たぶん、『機動戦士ガンダム』のランバ・ラルよろしく、ライバル系のオジサンキャラが好きな人には確実に受けそうな感じ(笑)。

ヴァシリとは、あくまでライフルでによる狙撃対決にこだわり、敗北しそうになったからって苦し紛れに拳銃を使わないのも潔いんです。

 

市民からの志願兵であるターニャ=女性キャラが出てきちゃうと、また変な流れになっちゃうんだろうなと思いきや、やっぱり色恋ネタが出てきます。ヴァシリ✕ダニロフ✕ターニャという三角関係とかね、やれやれ。

まぁお互い人間であり男女ですからね、好き合うのは仕方ないとしても、男が多めに雑魚寝しているド真ん中でヤリ始めちゃうのってどうなんだよ。隣の兵士も寝てるフリをするしかないじゃん(笑)?

そんな甘ったるいシーンも幾度かありますが、そんなムードに水を差すどころか、まるで氷水をブッかけて強引に夢から覚まさせるようなケーニッヒの鬼畜っぷりが最高だ!

 

ジョークの一つも出てこないくらいに息詰まる空気が漂う本作ですが、息抜きできるシーンもありまして。

ヴァシリが所属する狙撃班のアジトで、とある兵士が放屁でロウソクの灯を消すという芸(?)を披露するシーンは思わず二度見までして爆笑しちゃったよね。

画面の奥の方でやってる程度なんだけど、シリアス一辺倒な雰囲気の中、こういうクソくだらないシーンはインパクトがあって好きです(笑)。

 

*******************

*******************

*******************

Blu-ray版の映像特典は、おそらくDVDからそのまんま引き継いだメイキングや未公開シーン等です。

また『見知らぬ乗客』を観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラから。

 

今回は吹替版での鑑賞。

ガイ=ファーリー・グレンジャーさんを担当するのは愛川欽也さん。

愛川さん=キンキンはキャリア初期には声優業をこなしていたようで、殊に洋画の吹き替えのようなシリアスな役になると、これがカッコ良いんですよ。昭和中期のイケボ声優と言っても過言ではないくらい。

他にも山田康雄さん、八奈見乗児さん、小原乃梨子さん、高橋和江さん等々が出演していて、アニメ作品ではコメディ系での活躍で有名な方々ですが、オチャラケが一切ない役を演じているのを聞いていると、いかにも大人向けの作品を観ている気分になれます。

 

ガイに交換殺人を持ちかけるブルーノは、初見の時からヤベー奴に思えましたが、見直す毎にアブねー度が増していきます。

映画史においてインパクトを残す殺人者キャラは数あれど、本作のブルーノはそんな名誉(?)を与えられていないというか、あまり有名じゃないのが不思議です。

冗談交じりの会話で交換殺人を持ち掛け、実行に移してしまう時点でマッドな人ですが、そこからガイに迫るあたりが不気味です。ジェファーソン記念碑から、そしてテニスの試合会場の客席からガイを見つめるカットとか、ゾッとしますね。

そんなブルーノの行動原理も、ガイに対して愛情を抱いていたからなんじゃないかと。

狂った行動もあくまでガイに良かれと思っての事で、決して嫌がらせではないというか。後半のブルーノの行動は、ガイにフラれた反動にも見えるんですよね。

 

アルフレッド・ヒッチコックさんの代表作として挙げられる事は少ないどころか、ほぼないけど、個人的には隠れた傑作だと思っています。

 

***************

***************

***************

吹替版はBlu-ray版に収録されています。

そういえば、次に観る時は映像特典として収録されているイギリス版を観るつもりだったんだよなぁ…。

 

 

☆ 追記 ☆

モヤモヤが収まらないので、イギリス版を観てみました。

劇場公開版の最後のシーンの有無の他には何が違うのか分かんない、かつ、観終えて作品の印象が変わるほどのものではありませんでした。

後日譚や余韻もなく、事件が解決した瞬間に映画が終わるというヒッチコックさんの作風を踏襲しているのはイギリス版なんでしょうがね。

『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』 を観ました。

 

タカとユージが捕らえた凶悪犯、城島が病院から脱走した。
その頃、港署の深町課長は県警からの呼び出しを受け、過激な捜査を続けるタカとユージに辞職を言い渡すよう勧告される。
当のタカとユージは、馴染みのバーに現れた伊達という男の正体が国際的なテロリスト集団NETの幹部である事を知る。そして城島もNETの一員だった。
伊達は横浜市に対し100億円の現金を要求、これが叶わない場合は横浜に向けた巨大タンカーを爆破するという。
解雇を告げられながらも愛する横浜を守るため、タカとユージは伊達が待つタンカーに乗り込み……といったお話。

本作はテレビスペシャルとの連動企画という事で、そっちを見ていないと置いてけぼりを食らいがちなものですが、そんな懸念も無用なものでした。

城島についてもう少し知ってみたい人はテレビSP版を見てみる程度で十分だと思います。

タカとユージの後輩である透は頼りない後輩という、どちらかと言えばお笑い担当のキャラですが、今作でのオトボケぶりはチト目に余るものがあります。
お笑い担当はいいけど、バイクに乗るシーンとかタンカーに潜入するシーンなんて、まるで小学生に媚びるかのようでわざとらしいんだよ。
薫のやりすぎ感にも眉を顰める人は多そうですが(笑)、今作の透はそれ以上に鬱陶しい!

まさかミサイルを相手に奮闘するとは思わなかった前作に次いで、今作では元傭兵のテロリスト集団と戦う羽目になるタカとユージ。
クライマックスではタンカーに乗り込み、伊達の率いるテロリストと戦うのはいいけど、タカとユージが強すぎるのか、傭兵たちが弱すぎるのか、どちらにしても無理がありすぎです。せめて警察or自衛隊からの増援が何人か来ればまだしも…。
傭兵というからにはそれなりに軍人としての経験もあるだろうに、せいぜい街中で拳銃や乗り物を駆使する程度の、しかもたった二人の刑事に壊滅させられるとは目も当てられません
もうジェームズ・ボンド化が止まらん(笑)!

巨大タンカーが横浜に突っ込みそうになるという、あぶデカ史上最大のスケール。
とは言え『スピード2』よろしく、実際に横浜の港に乗り上げる事はない安心感はあるよね、色んな意味で(笑)。
タンカーがベイブリッジの下を通過する画はスペクタクルを感じさせていいですね。

ゲストキャラの津山を演じるマイク真木さんがいいですね。かつては凄腕の傭兵であり教官でもあったようですが、この辺に関しての描写があると良かったですね。
マイクさんと言えばバイク好きで知られているからか、津山が経営しているバーの前にバイクが停めてあるのがニヤリとさせます。
ショットガンは撃たなくてもいいので、タカと並走するシーンなんてのがあって欲しかったなぁ。
 

****************

****************

****************

****************

また『ナバロンの要塞』を観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラ

 

一つの映画を何回も見るなんて時間の無駄と考える人も世の中にはいますが、複数回も見ると、前に観た時には分かりにくかった事に気付けたり、退屈だった箇所が面白く感じるようになったり、主人公以外のキャラを注視できるようになったり、新たな発見に富んだ楽しみ方ができるのが好きです。

今回の鑑賞では、必ず眠くなる船の難破シーンを興味深く観終えられたんだから、自分で自分を誉めてやりますよ(笑)。
嵐が強まってから、甲板を始め、船がどんどん破損していく中、オタオタしたりいちいち誰かの指示を仰ぐようなキャラがいないため、各キャラの挙動を気にしながら見ていれば意外と睡魔を跳ね返せるようです。
そこから見進めて気が付いたんですが……船が難破&大破→崖を上り終えるまでの、けっこうな長い時間にセリフが一切ない事に驚きます。
逆を言えば、セリフがない→大したドラマがないせいで退屈に感じてしまうのかもしれません。

序盤でソッコー重傷を負うフランクリン。
上官であるジェンセンより運の良さを評価されていましたが、本作で描かれる作戦行動中はまったく運がありません(笑)。ナバロン島へ向かう際に船が難破したのは、ある意味、操船していたフランクリンの運のなさも一つの原因だしね。
その後、崖からの滑落によって重傷を負うだけでなく、挙げ句には負傷箇所が脱疽(or壊疽)を起こすという不運っぷり。映画史レベルで見ても、負傷しても傷が化膿するキャラなんてなかなかいませんからね(笑)。
不運の連鎖が繋がりすぎる、かなりの気の毒キャラです。

 

タイトルにもなっているナバロン島の長距離砲(のセット)は、何度見てもその巨大っぷりに圧倒されます……が、出来がいいのはそのくらいで、他の特撮関連は意外と力が入ってないようです。
特にミニチュアを使った撮影、今回の鑑賞では長距離砲の爆破→ナバロン島の崩落シーンで、背景の幕が見えちゃったものでね(笑)。
ただ、本作は1961年の作品である事を鑑みれば、ある程度は仕方ないかな?

 

ざっくり言えば本作は、目標を破壊するために敵地の奥深くに潜入する工作員の冒険譚で、硬派で男臭いお話であるべきと願うんですがね、そこは映画というエンターテインメントの宿命か、女性キャラの登場は免れず、レジスタンスに参加しているマリアとアンナが登場します。

となると、やっぱり出てくるマロリーとアンナのムーディーなキスシーンとか本当に邪魔で(笑)。

これとは逆に、マリアはいいキャラですね。

男たちの足を引っ張る事はないどころか、男たちがスパイの処置について女々しい言い合いをしているどころか、それを黙って見守っているだけの状況を終わらせたり、なかなかいい仕事をしてくれます。

スタブロとのロマンスもあるけど、唐突&淡白な告白から始まるものの(笑)イチャつくシーンは皆無で、人生の半分も過ぎた大人の恋愛って雰囲気が好きです。

新天地に向かう事なく、苦しい状況下に身を置きながら共に暮らすであろう二人には応援の拍手を送りたくなりますね。

 

にしても、本作ってリメイクを企画すれば楽に通りそうな作品なのに、未だにそんな作品が現れていないのはチト意外ですね。

仮に現代版としてリメイクしたとして、工作員にはアジア系や黒人、女性という個性豊かな6人が集まるんでしょうね、しょーもね~…。

 

*************

*************

*************

おおっ……いよいよ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が映像ソフト化するようです。

 

”安いは正義&高いは懐疑”を唱える俺ッチとしては珍しく、意外に安めに感じました。詳しくは公式サイトで確認してもらうとして…。

 DVD 4000円

 Blu-ray 5000円

 4K-UHD 7000円

***************

***************

***************

***************

定価、かつ、税込価格でこの値段は軽く驚きじゃない? だって、メーカーはバンダイだぜ(笑)?

これはガンダムに限らずなんだけど、老若男女=万人に向けた作品こそ薄利多売で儲けるべきというより、儲かると思うんですよ。

「ちょっと気になるけど高いからパス」という考えを持たせてしまうと、作品(やコンテンツ)に対する心象も悪くなるしね……って、バカ価格が巷で盛り上がっている『シン・仮面ライダー』よ、オメーの事を言ってんだぞ? キングレコードに罪は(あまり)なく、バンダイよりも東映ビデオが悪いと個人的に邪推していますが…。

 

そしてバンダイなら、ガンプラを含めた特典付きの豪華版はプレバンで販売というお馴染みのパターンは、もちろん欠かさないよね。

ちなみにこの豪華版は27500円との事ですが(ひえ〜…)、付属するガンプラ=マイティーストライクフリーダムはみんな大好きクリアバージョンのようです。ライジングとイモータルとディスティニーのクリアバージョンを揃えた人は、謎の義務感でこれを買うのかな(と同時に怒ってそう)?

ディスクやら特典やらは要らないけど、ガンプラだけを目当てに買う人もいるんだろうな。近頃のガンプラバカは怖ぇから…。


それはさておき、映像作品として本作を欲しいと思う一部の人が、おそらくカチンと来るであろう点が一つ。

***************

***************

↑は、本編のみの通常版に色々な特典を加えた特装限定版ですが、この仕様はBlu-rayにしかありません。

つまり、特典付きのDVDor4K-UHD版はないという事です。

先に述べた、クソ高っけー豪華版であってもディスクはBlu-rayってんだから、特に4K-UHD勢が騒ぎ出す予感しかありません(笑)。

ここで、

「ガンプラは要らないけど、特典は欲しい!」

「ネットで見れるからガンプラだけ欲しい!」

という2つの派閥が生まれるんでしょうね。

メーカーがこういう抱き合わせ方をするんだから、とりあえず買って要らないものは売り飛ばす……これこそ転売のあるべき姿だと思うんだよ。ちょっとしたシェアというかね。

まぁ何にせよ、メルカリもまだまだ安泰だな。あーあ。

個人的にプリキュアシンガーと言えば、工藤真由さん一択なんですよ。

『ハートキャッチ☆パラダイス!』を永遠に聴いていられるのが俺ッチの隠れた特技です。

 

くどまゆさんは俺ッチの中の殿堂入りを果たしているのでさておき、近年、それに追い付きそうなのがMachicoさんです。

吉武千颯[ヨシタケ・チハヤ]さんもいいですね(歌い方がパワフル!)。

 

とうにいい歳こいてるのも相まって、プリキュア関連はせいぜい劇場版のBlu-rayくらいにしかお金を落としませんが、Machicoさんのプリキュア限定ベストアルバムを、チト遅ればせながら買っちゃったよね。

タイトルもズバリ、『Machico♡プリキュアのうた!』。

これはまだマシな方だけど、通販サイト等で見る限り、プリキュアのCDってどうしてああもジャケットに手を抜くんだろうな。

 

そして、まさかの、

CDケースにヒビ割れ…。

ケースなら別に気にしないけどね、引きが悪いというか、ツキがないという意味で2秒くらい落ち込みます。

 

…で、Machicoさんのプリキュアソングと言えば、『ヒーリングっど♥プリキュア』の初期ED=『ミラクルっと♥Link Ring!』ですよ。

背景が四季折々に変化する映像もいいけど、歌が好きなんだよね。

ようやくこれをフルコーラスで聴けるようになったので、ヘビロテ上等!

 

不勉強なので今さら知ったんですが、Machicoさんってけっこうな数のアニソンを歌ってるどころか、声優業もやってるんですね。

近年では主題歌シンガーと声優を交えたライブの開催が定着化してきたようだし、歌だけでなく、いつか声優として本編にも出演するかな?

 

**************

**************

…あらっ、俺ッチが買った通常版はもうないみたい。

 

では最後に、歌マネを披露して当記事は終了です。

♪デ~リシャス、えがぼ~、かみしめたら~♪

『あぶない刑事リターンズ』を観ました。

 

今夜も横浜の街に起こる犯罪を取り締まるタカとユージは、高級クラブの爆破に巻き込まれる。

爆弾マニアである唐木が絡んでいると睨んだユージは、銀行の頭取が集まるホテルで何かが起こる事を知る。タカとユージは人質になった頭取たちを救出したものの、犯人グループの男たちに逃げられてしまう。

犯人グループはブレーメンと名乗り、世界の転覆を図るリーダーの柊は唐木の腹違いの兄弟でもあった。

ブレーメンのアジトに忍び込んだタカとユージはブレーメンの新たな計画、旧ソ連のミサイルを国内に持ち込み原子力発電所に向けて発射しようとしている事を知り……といったお話。

 

劇場版『あぶない刑事』の第4作目です。

これまで順調に楽しめていましたが、今作ではやや失速というか、ちょっとハズした感が否めません。

映画としてもどこか調子が良くないというか、タカとユージが中華街のお祭りに紛れ込んでしまうシーンのあたりで、そう感じ始めました。

 

前作でほぼ壊滅させてしまったレギュラー敵組織の銀星会も使えないし、新たな組織を登場させたいのは分かるんですが、ちょっと幼稚なんだよね。

“ブレーメン”という組織名のみならず(『ブレーメンの音楽隊』が由来という寒さ!)、組織にエンブレムがあったり、それをアジトの壁にデカデカと貼ったりして、まるでニチアサ作品の敵アジトのような雰囲気

さらにネットでホームページを公開したり、よっぽど形から入るタイプなんだろうなと(笑)。

世の中を変えるという名目の元で大きな犯罪を企みますが、まさかミサイルを使うなんて『あぶデカ』の世界観から逸脱させすぎじゃない? ちょっと、いや、かなりハメを外しすぎているというか、タカとユージはジェームズ・ボンドじゃないんですよと。

OO7シリーズで例えれば、『ムーンレイカー』のようなポジションにある作品だと思います。

 

ハズしているというか、どこかしっくりこないのは車。覆面パトカーですね。

タカ&ユージの隠れた相棒(?)レパードではないにしても、なぜ外車、なぜアルファロメオなのかと。日産じゃなくても、せめて国産車を使えなかったものですかねぇ?

またOO7例えになりますが、ボンドがBMW=ドイツ車に乗ってた頃を思い出してモヤッとします。

 

さらに違和感があるのは、キーパーソンとなるヒロインが登場しない点ですかね。

麻美というホステスがいるにはいるけど、作品の縦筋にはほんのちょっとしか関わらないし、あまりにも役不足です。

おかげで、それを除いた数少ない女っ気である薫が、謎な衣装も含めて(笑)まぁ際立って際立って…。

 

1996年の作品という事で、いよいよCGを導入したがっているのが見て取れます。

そりゃ今の目で見れば目も当てられない出来ですがね、現在のCG(を含めた映像技術)の方が遥かにマシだと思うなら、こういう作品で培った経験が活きているという事です。

96年という時代の割に、HMD=ヘッドマウントディスプレイの登場は意外かも?

 

悪役を演じる井原剛志さんはなかなかイイ感じです。ちょっと寒い役を、芝居でどうにか引き上げているようなね。

特にクライマックス、ユージ=柴田恭兵さんとのサシでの決闘はなかなかの見どころです。

アクションといえば、序盤の悪役である唐木を演じる倉田てつをさんのキャスティングも嬉しいですね。…おっと、それ以上の事は言いませんよ(笑)?

こちらもユージとの対決シーンがありますが、さすがの立ち回りです。さらに言えば、かなりマッドなアブねー奴を巧く演じていたと思います。倉田さんは俳優業を止めちゃうのは勿体ないんだよなぁ…。

 

*****************

*****************

*****************

 ※作品の感想ではありませんので悪しからず

 

…って事で、『仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド』のBlu-rayを買ったんですよ。

Blu-rayを買ったのにケースはDVDのトールケースというナメっぷりが、もうカッチーンでね。

ここ数年の東映ビデオの商法には、もはや怒りを通り越して失笑モノです。笑えねーよ。

東映ビデオの全ての商品が未だにトールケースってんなら話は分かるけど、Blu-ray用のケースで売ってる商品もあるんだし、そういう中途半端なところが謎というか、イラッとさせるんだよ。

 

*****************

*****************

*****************

*****************

商品形態が多すぎて、もう何が何だか…。

全てBlu-ray版ですが、↑↑↑はオモチャ付きの豪華版、↑↑は特典ディスク&CD付きの特別版、↑は本編ディスクのみの通常版という商品群です。詳しく知りたい人はメーカーHPまでどーぞ。

特別版が欲しかったけど、やっぱり特典ディスクはDVDだったので止めました。

わざわざBlu-ray版を買ってるのに特典ディスクはDVDという、こういうクズ商法に殺意の矢を向ける人は少なくないだろうに…。

 

――そんな感じで、作品をソフト化するのは良いにしても、嫌らしい売り方のせいで、近頃の東映ビデオは本当に感じの悪いメーカーに成り下がりましたね。オモチャを抱き合わせるようになってから、商法が暴走してますよ(後にはもっと強烈なものもあるようですが)。

客の足元の見るコツをバンダイに教わったみたいで(笑)企業イメージがスゲー悪く感じます。客が望む事の、わざわざ正反対な真似をして挑発してるような感じとかね。

物語として楽しむ客は多いけど、作品とオモチャが常にリンクしている客=オモチャバカの存在が大きくなってきた証左なのかな。

 

ついでに言えば、変身ヒーロー作品ばかりではなく、たまには古い名画をBlu-ray化したら?

まぁ、その辺は本家よりも遥かに熱量が高い海外メーカーにしか期待していませんがね…。

またまた『チャイナタウン』を観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラから。

 

ようやく本作の面白さ(の断片)が分かってきました。と同時に、こりゃ1回見ただけじゃ分かりにくいよとも思いました。

というのも、これはBlu-ray版『エイリアン』を観た際にも綴ったんですが、あそこまで酷くはないけど、字幕の情報量がやけに少ないんですよ。

何回も観て、ある程度の台詞が頭の中に入っている人に向けて、どこまで字幕の量をスリム&省略できるかに注力したような、一見さんにとっては超不親切な仕様です。

割と有名らしい”忘れろ、ここはチャイナタウンだ”というセリフも『チャイナタウンだよ』というアッサリぶりで、何のこっちゃって感じ(笑)。

お話が複雑な作品とこういう簡素化字幕が結び付くと、下手をすれば駄作として評価が下される事にも繋がるんじゃないかと。分かりにくかったからって、分かろうとするためにわざわざ再見する人なんかあまりいませんからね。

『ストリート・オブ・ファイヤー』のBlu-ray版よろしく、別バージョンの字幕も収録してくれるといいんだけどなぁ。

 

ギテスの言葉の端々にチャイナタウンというワードが出てきますが、その様子は特に明確には描かれないものの、ギテスの心が荒んでしまった一因であり、苦々しい思い出がある街である事は見て取れます。

ギテスの過去に何があったかを知ろうにも、意外にも本作は映画オリジナル脚本との事なので、分かりにくい部分は原作を読んで補完するという真似はできません。

わざわざ回想シーンなんて見せないあたりが映画的で良いんですよ。

 

ギテスの探偵事務所はけっこう広く(賃貸かもしれないけど)、社員&秘書を雇えるあたり、映画に登場する探偵にしては割と大きい規模でやっているようです。

ジャック・ニコルソンさんが演じてるせいかチト評判も悪いようだけど(笑)、探偵としてのギテスは一流のようですからね。

それを表す描写として、車で移動した時間を知るためタイヤの下に懐中時計を置いたり(時計が壊れて止まった時刻が車が移動した時間)、車の片方のブレーキランプを壊して他の車と見間違えないようにしたり、これをクドクド説明せず、いつもやっている事のようにサラッと描くのがクールです。

 

ノア・クロスは映画史に残る悪役とされているようですが、そんな事を言ってるのはネット特有の面白半分な過剰な誇張に思えるものの、なるほど、そう思われるのも当然です。

そんな悪役として憎まれるのは、住民を陥れて利水関連でボロ儲けした事、または娘イブリンに対する仕打ちのどっちなんだろう?

どちらも悪どい事に変わりはないけど、後者に関する方が同情票(?)が集まりそう…。

 

**********

**********

**********

『もっともあぶない刑事』を観ました。

 

拳銃の密造現場を押さえたタカとユージ。

どうやら拳銃は横浜を根城とする暴力団、銀星会に流れているようだが、銀星会会長の前尾は白を切り通す。

そんな折、15年前に貿易商が二人組に殺された事件が再浮上。前尾の怒りを買い、町のチンピラから次々と命を狙われるタカとユージは、ほとぼりが冷めるまでこの事件を担当する事に。

事件を知る、県警の出世頭である本多を訪ねたタカとユージ。事件当時の本多は刑事であり、犯人の一人は射殺したものの、時効の成立まであと4日になりながら、もう一人の片割れは未だ見つかっていない。

捜査を続ける中、タカとユージはもう一人の犯人である北野と遭遇、そして前尾と本多に繋がりがある事を知ってしまい……といったお話。

 

テレビ版ではちょいちょい登場する銀星会。変身ヒーロー番組で言うところの悪の組織のようなポジションにある暴力団です。

そんな銀星会がいよいよ劇場版デビュー(?)し、テレビ版からの因縁に決着をつける瞬間が近付きます。テレビ版で初めて銀星会の名が出た回(3話だったかな?)、そして本作の脚本も柏原寛司さんというのも興味深いですね。

特にタカは銀星会の名を聞くだけでピリッとし、どうにか排斥しようと執着しますが、その理由は謎のまま(まだ全話を観れてませんが、タカの怒りの根源となる理由は語られなさそう)。

そこで発端となるエピソードをわざわざ語るような真似をしない作風がクールですが、お話が横道に逸れまくってしまい、本筋になるべき銀星会自体があまりフィーチャーされていないのがモヤッとします。諸悪の根源たる銀星会会長の前尾なんか、最初と最後くらいにしか出番がないし。

積年の恨みがある敵組織との決着をつける話なんだから、もう少し銀星会(の構成員)の出番を増やしても良かったんじゃないかな?

余談ながら、“8933”というナンバーの車に乗る前尾って、お茶目というか誇りを持っているというか…(笑)。

 

『あぶデカ』と言えば真っ先にタカとユージ、次いで透の名が挙がりますが、さらに薫も外せないレギュラーキャラです。

今作にもなると浅野温子さんのハイテンションな芝居も定着し、薫が大暴走キャラと化しています。

もはや必然性どころか意味すらない(笑)コスプレ姿を見て、今作から『あぶデカ』に入った一見さんは、実は薫が警察の人であると納得しているんだろうかと(笑)。

薫が世界観をブチ壊していると感じる人も少なくなさそうですが、個人的にはクール&ハードボイルドばかりではない、ああいうコミカルなシーンを含んでこそ『あぶデカ』の世界観だと思っています。

世の中には『あぶデカ』きっかけで警察官になった人も少なからずいるようですが、薫に憧れて応募する人はいたのかな…(笑)。

 

…ところで、町を歩いているだけで殺し屋に狙われるシチュエーションと言い、ラストカットの台詞と言い、『俺がハマーだ!』の影響が見え隠れするのは気のせいでしょうかね?

 

*****************

*****************

*****************