『チャイナタウン』を観ました。
私立探偵のギテスは、ロサンゼルスの水源電力局に勤めるモウレーの妻から浮気調査を依頼される。調査を始めるギテスは、モウレーは過去の事例からダムの建設には反対で、水不足に悩まされる農民から怒りを買っていた事を知る。
ギテスはモウレーの浮気現場をカメラに収めたものの、その直後にモウレーが何者かに殺されてしまう。しかも、仕事を依頼した先の女は、モウレー夫人に成りすました偽物だった。
本物のモウレー夫人であるイヴリンより正式に、夫の死の真相についての調査を依頼されるギテス。
調査を進める中、ロサンゼルスの水に関する数多の問題の実態に直面しながら、何か秘密を隠しているイブリンに惹かれ始めるギテスは……といったお話。
一人やもめの硬派な探偵が調査を進める中、依頼人の女性に惹かれるといったシチュエーションは、ハンフリー・ボガードさん=ボギーの作品を連想しますね。
さらに、ボギーの場合はシニカルでひと癖あるキャラが多かったけど、本作で主人公ジェイク・ギテスを演じるのはジャック・ニコルソンさんってんだから、ひと癖どころか、ふた癖もあるキャラです(笑)。いちいち憎まれ口を叩くような感じ。
そんなギテスが割と早い時間に顔に怪我を負い(←どうやって撮ったんだろう?)、しばらく大きめの絆創膏を貼りっぱなしになりますが、俳優は顔が命、顔を映してもらってこそ本懐であるにもかかわらず、これをやりのけるニコルソンさんの役者魂よ!
にしても、依頼人が女性だからって、仕事の垣根を越えて良い仲=一線を越えちゃうのってガッカリ&ウンザリしちゃうんですよねぇ。いかにも昔のハリウッド的な作風というか、劇とは言え、当時の女性はそんなにチョロいのかよと。
今回の鑑賞が初見だったんですが、正~直、チト分かりにくい→難しいというのが第一印象です。
ただ、何となくですが、リピート鑑賞すると面白さが分かってくるタイプの作品である事は、うっすら感じますね。
年齢だけはとっくに一丁前な俺ッチが言うのもダッセー話ですが(笑)、大人向けの映画とはこういう作品なんだろうなと。
こういう作品を、初見で理解した上で面白いと言える人ってのが映画の達人なんでしょうね。映画には、分かる人にしか読み取れない暗号のようなものがありますから…。
主人公ギテスが拳銃を使わないのは、本作の秀逸な点です。
探偵モノとなれば危険が迫るシーンは必ずあるし、護身のために発砲シーンがあっても当然なんですが、本作にはそれがない。
たった一人の個人事務所ではなく、秘書や部下を雇えるくらいの規模の探偵事務所ってのもいいですね。
依頼人でであるヒロインを演じるのはフェイ・ダナウェイさんは、本作のような秘密を持つミステリアスな役も似合いますね。
個人的にダナウェイさんと言えば『俺たちに明日はない』一択だったんですが、今後は本作を含めた二択にしますよ(笑)。
モウレーの浮気相手の身元を明かす際のワードは、嫌悪感すら感じさせたな…。
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Blu-ray版は、映像特典が一切ナシのド最低限仕様。日本語吹替音声さえありません、やれやれ。
にしても、チト字幕が読みにくく感じました。
“テレ屋”“(真相を)アバく”みたいに、カタカナで形容する表記が多く、今時の目で見ると変に見えてしまいますね。