観た、『見知らぬ乗客』~その2~ | Joon's blog

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また『見知らぬ乗客』を観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラから。

 

今回は吹替版での鑑賞。

ガイ=ファーリー・グレンジャーさんを担当するのは愛川欽也さん。

愛川さん=キンキンはキャリア初期には声優業をこなしていたようで、殊に洋画の吹き替えのようなシリアスな役になると、これがカッコ良いんですよ。昭和中期のイケボ声優と言っても過言ではないくらい。

他にも山田康雄さん、八奈見乗児さん、小原乃梨子さん、高橋和江さん等々が出演していて、アニメ作品ではコメディ系での活躍で有名な方々ですが、オチャラケが一切ない役を演じているのを聞いていると、いかにも大人向けの作品を観ている気分になれます。

 

ガイに交換殺人を持ちかけるブルーノは、初見の時からヤベー奴に思えましたが、見直す毎にアブねー度が増していきます。

映画史においてインパクトを残す殺人者キャラは数あれど、本作のブルーノはそんな名誉(?)を与えられていないというか、あまり有名じゃないのが不思議です。

冗談交じりの会話で交換殺人を持ち掛け、実行に移してしまう時点でマッドな人ですが、そこからガイに迫るあたりが不気味です。ジェファーソン記念碑から、そしてテニスの試合会場の客席からガイを見つめるカットとか、ゾッとしますね。

そんなブルーノの行動原理も、ガイに対して愛情を抱いていたからなんじゃないかと。

狂った行動もあくまでガイに良かれと思っての事で、決して嫌がらせではないというか。後半のブルーノの行動は、ガイにフラれた反動にも見えるんですよね。

 

アルフレッド・ヒッチコックさんの代表作として挙げられる事は少ないどころか、ほぼないけど、個人的には隠れた傑作だと思っています。

 

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吹替版はBlu-ray版に収録されています。

そういえば、次に観る時は映像特典として収録されているイギリス版を観るつもりだったんだよなぁ…。

 

 

☆ 追記 ☆

モヤモヤが収まらないので、イギリス版を観てみました。

劇場公開版の最後のシーンの有無の他には何が違うのか分かんない、かつ、観終えて作品の印象が変わるほどのものではありませんでした。

後日譚や余韻もなく、事件が解決した瞬間に映画が終わるというヒッチコックさんの作風を踏襲しているのはイギリス版なんでしょうがね。