観た、『スターリングラード』 | Joon's blog

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『スターリングラード』を観ました。

 

1942年、ヨーロッパ広域を支配するドイツはロシアへの侵攻を開始した。

ロシア最後の砦であるスターリングラードに到着し早々に戦闘に参加した新兵ヴァシリは、僅かの時間に5人の敵将校を射殺。幼い頃より射撃の訓練を受けていたヴァシリの才能を見い出した政治将校ダニロフは、国の士気を上げるため彼をプロパガンダに利用する。ヴァシリは狙撃班に転属され、次々にドイツ将校を血祭りに上げる。

ヴァシリを危険視するドイツ軍はこの状況を打破すべく、高級将官であり狙撃手としても名高いケーニッヒをスターリングラードに派遣。敵の裏の裏を読み合う狙撃手同士の熾烈な争いが始まった……といったお話。

 

第2次世界大戦を舞台に、主人公ヴァシリ・ザイツェフは実在した人という事でセミフィクション作品になるんでしょう。

そんなヴァシリと敵兵ケーニッヒとの、狙撃手同士の対決を描いた作品という触れ込みですが、狙撃手はコソコソと身を隠しつつ遠距離から敵を狙うのが定石。そんなんで映画として盛り上がるのかいな?と思ったものですが、そんな懸念は無用どころか、特に廃工場での対決なんて緊張感があってハラハラします。

 

主人公ヴァシリは元は羊飼いで、幼い頃より狙撃の訓練を受けていました。

おそらく馬を襲うオオカミ退治の一環だったと思いますが、なるほど、俊敏に動くオオカミを相手にしていればいちいち臨機応変な対応を迫られるでしょうから、兵士としての大ベテランであるケーニッヒと互角に戦える理由になります。

銃の腕前はさておき、特に訓練もなく狙撃の場所取りや敵の位置の察知能力等に長けすぎていると感じたのでね。

 

ヴァシリへの対抗策としてドイツ軍が用意したのはケーニッヒ。少佐という高めの将校を戦場に引っ張り出すくらいですから、よほどの実力者なんだろうという想像通り、未だ衰え知らずのベテラン狙撃手です。

的確な射撃だけでなく、常に余裕があるように感じさせる悠々とした所作、誰であろうが裏切り者に容赦はしない鋼の精神等々、正々堂々とした悪役の典型です。演じるエド・ハリスさんの好演も相まって、これがカッコ良いんですよ。たぶん、『機動戦士ガンダム』のランバ・ラルよろしく、ライバル系のオジサンキャラが好きな人には確実に受けそうな感じ(笑)。

ヴァシリとは、あくまでライフルでによる狙撃対決にこだわり、敗北しそうになったからって苦し紛れに拳銃を使わないのも潔いんです。

 

市民からの志願兵であるターニャ=女性キャラが出てきちゃうと、また変な流れになっちゃうんだろうなと思いきや、やっぱり色恋ネタが出てきます。ヴァシリ✕ダニロフ✕ターニャという三角関係とかね、やれやれ。

まぁお互い人間であり男女ですからね、好き合うのは仕方ないとしても、男が多めに雑魚寝しているド真ん中でヤリ始めちゃうのってどうなんだよ。隣の兵士も寝てるフリをするしかないじゃん(笑)?

そんな甘ったるいシーンも幾度かありますが、そんなムードに水を差すどころか、まるで氷水をブッかけて強引に夢から覚まさせるようなケーニッヒの鬼畜っぷりが最高だ!

 

ジョークの一つも出てこないくらいに息詰まる空気が漂う本作ですが、息抜きできるシーンもありまして。

ヴァシリが所属する狙撃班のアジトで、とある兵士が放屁でロウソクの灯を消すという芸(?)を披露するシーンは思わず二度見までして爆笑しちゃったよね。

画面の奥の方でやってる程度なんだけど、シリアス一辺倒な雰囲気の中、こういうクソくだらないシーンはインパクトがあって好きです(笑)。

 

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Blu-ray版の映像特典は、おそらくDVDからそのまんま引き継いだメイキングや未公開シーン等です。