Silver Lode

ダンとローズの結婚式が行われている。だがその場に連邦保安官が来て、ダンを殺人罪で逮捕しようとした。
ダンは「人は殺したが正当防衛」と主張し、当該地の保安官に電信で確認しようとした。
だが電信線が切断されており、疑いは晴らすことができず、人々はダンを疑い始めた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1954、監督:Allan Dwan、脚本:Karen DeWolf、原作:Karen DeWolf


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ダン・バラード(ジョン・ペイン) 牧場主
 ローズ・エヴァンス(リザベス・スコット) ダンの婚約者
 ザカリー・エヴァンス(Morris Ankrum) ローズの父親
 マイケル・エヴァンス(John Hudson) ローズの兄

 ドリー(Dolores Moran) 酒場経営
 ポール・ハーバート(Frank Sully) 電信技士
 フィールド牧師(Hugh Sanders)
 ジョンソン保安官(Harry Carey Jr.)
 クランストン判事(Robert Warwick)
 フレッド・マッカーティ(ダン・デュリエ) 連邦保安官
 ウーリー保安官代理(Emile Meyer)

ダン・デュリエは、いつも悪役が似合っている。ジョン・ペインは悪人も善人も演じる。アクション俳優だが、深みがある役もできる。歌手でもある。リサベス・スコットはむしろ歌手として有名だが、出演作は多く、複雑な役もこなす。

正確な時代設定は明示されていないが、南北戦争当時であれば、無線電信ではなく、有線電信である。
 


■ あらすじ

◆ 結婚式

シルヴァー・ロード(Silver Lode→銀鉱)の町。独立記念日が近いころ。

ダン・バラードとローズ・エヴァンスの結婚式が行われようとしている。

ダンには身寄りはないが、当地では信頼されている牧場主である。

エヴァンス家は当地の資産家で、町の人々は二人の結婚を喜んでいる。

◆ 連邦保安官がきた。

そこへ突然四人の男が乗り込んできた。連邦保安官のフレッド・マッカーティと名乗った。

保安官にもいろいろあるが、連邦保安官は州間にまたがる事件を担当する。

なんとダンを殺人罪で逮捕すると言い出した。

2年前、ディスカヴァリー市でダンがマッカーティの弟から2万ドルを賭博でまきあげ、背後から射殺したという容疑である。

居合わせた人々はダンがそんなことをするはずはないと怒り、拳銃を出してマッカーティに迫った。

◆ ダンは「正当防衛」と主張

だがダンは「彼の弟は殺したが、正当防衛」と殺したことは認めた。

マッカーティは「正当防衛ではない」と反論。

ダンはディスカヴァリー市の保安官に確認すれば分かると二時間の猶予を貰った。

だが電信線は切断されていた。補足。当時は無線電信ではなく、有線電信。

この状況となって、人々はむしろダンに疑いを持った。

◆ ダンは逃げ回った

当地の保安官も動き出した。また些細なことから喧嘩が発生し、ダンは相手を殴り倒した。

ダンは人々から疑われ、逃げ回る事態となった。みんな拳銃を持ってダンを追いかけた。この部分のアクションがやたらと長い。

◆ ダンを助ける人々

少数ながらダンを助ける人々がいた。一人はローズ。だが父親はもうダンを信用していない。

もう一人はドリー。

ローズやドリーに匿われたが、発見されて逃亡した。

そしてフィールド牧師。牧師は何も言わず、ダンを教会の中に入れた。

◆ 教会

ダンを追ってマッカーティが教会に来た。

中に入ろうとするが牧師が制止する。マッカーティと牧師が睨み合う。

だが強引にマッカーティがドアを蹴破った。

ダンは鐘塔に上った。マッカーティが追いかけた。

一方、ローズとドリーは電信所に行って電信の復旧を急がせた。

◆ 鐘楼の攻防

ダンとマッカーティは鐘を挟んで睨み合った。マッカーティは拳銃を構えた。ダンは武器を持っておらず、鐘の陰に隠れようとする。二人は鐘の周りをグルグル回る。

ダンは鐘を揺らした。マッカーティが引き金を引いた。だが弾は鐘に当たり反射し、マッカーティに当たった。

マッカーティは鐘塔から転落して死亡した。

◆ 電信が回復した

ちょうど、その時ローズとドリーとが電信文を持って来た。「ダンは正当防衛、マッカーティは偽保安官で殺人と強盗の罪」との内容。

またダンが拳銃を持っておらず、マッカーティが自分の弾に当たったことも証明された。

◆ 本当のラスト

なぜこのようなストーリーにしたのかは、私には疑問であるが、ローズとドリーが持って来た電信文は実は偽である。

二人の要求をうけて、電信技士が「こんなことをしたら違法だ」といいながら偽の電信文を作成する。

その後、本当に電信が回復し、同内容の電信文が送られてきた。

しかしともかく、ダンの疑いは晴れて、市民の信頼は回復した。

ローズとの結婚式が行われた。

 


■ 出演作

リザベス・スコット
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)落とし穴/PITFALL
(1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears
(1950)執拗なサイコ、虐殺の町/Dark City
(1952)盗まれた顔/Stolen face
(1950)Paid in Full
(1947)大いなる別れ:殺された戦友の過去/Dead Reckoning
(1953)炭鉱町の医師/Bad For Each Other

ジョン・ペイン
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1947)三十四丁目の奇跡/Miracle on 34th Street
(1950)大城塞/Tripoli (1950)
(1952)カリブの海賊/Caribbean
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1953)七つの海の狼/Pirates of the Seven Seas
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream
(1953)南部魂は消えず、立ち向かう男/THE VANQUISHED
(1951)六人の脱獄囚/Passage West
(1953)七つの海の狼/Raiders of the Seven Seas
(1954)ララミーへの鉄道:縄張りを荒らすな/Rails Into Laramie
(1951)欲望の河/Crosswinds