医師のトムは故郷に戻って、金持ちのヘレンと知り合って結婚した。
ヘレンの伝手である病院に勤めることになった。だがその病院は金儲け主義で、経営方針に不満を持っている医師や看護師がいた。
ジム・クロウリー医師は辞職して炭鉱町の病院に移った。だが炭鉱事故が発生して、要請を受けたトムもジムと一緒に事故に対応した。
製作年:1953、監督:Irving Rapper、脚本:Irving Wallace、Horace McCoy、原作:Scalpel(1952、Horace McCoy)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
トム・オーウェン医師(チャールトン・ヘストン)
メアリー・オーウェン(ミルドレッド・ダンノック) トムの母親
フロイド・オーウェン(-) トムの弟、本作当時死亡
ダン・リーゾノーヴァー(レイ・コリンズ) 鉱山主
ヘレン・カーティス(リザベス・スコット) ダンの娘
ロジャー・ネルソン(マージョリー・ランボー) ヘレンの叔母
ホーマー・グリーソン医師(レスター・マシューズ)
ジム・クロウリー医師(アーサー・フランツ)
ジョーン・ラッシャー(ダイアン・フォスター) 看護師
レスター・スコビー医師(リース・ウィリアムズ)
リザベス・スコットはむしろ歌手として有名だが、映画出演も多く、また複雑な役も演じている。
■ あらすじ
◆ トムは故郷に戻った
トム・オーウェン医師は軍医。休暇でペンシルヴェニア州コールヴィルに帰郷した。
ダン・リーゾノーヴァーの炭鉱で技術者として働いていた弟のフロイドが事故で死亡していたことを知った。
さらにフロイドは悪事を働いていた。採掘に使う機械を業者から値切って購入しリベートを貰っていたこと、リーゾノーヴァーに借金をしていたこと。
トムはフロイドが迷惑をかけた金額を弁償すると申し出たが、リーゾノーヴァーは断った。だがトムはいずれ金を返すつもりである。
◆ グリーソン医師の病院へ
トムはパーティでリーゾノーヴァーの娘のヘレン・カーティスという女性に出会った。これまで二度離婚しているが金持ちである。二人はデートするようになった。
ヘレンは(ペンシルヴェニア州)ピッツバーグで医院を開業しているホーマー・グリーソン医師を紹介した。グリーソンはダンを「自分の医院にこないか?」と誘った。
トムは迷ったがフロイドの金のこともあるので引き受けることにした。給料は良い。母親のメアリーは軍での経歴を無駄にしたことを失望した。
◆ ヘレンと結婚した
トムはピッツバーグに移った。ジョーン・ラッシャーという看護師を面接して雇った。魅力的な容貌をしていたが、さらにしっかりとした考えの持ち主であった。
一方トムはヘレンと交際を始めた。
しばらくしてトムはヘレンにプロポーズした。リーゾノーヴァーは結婚に反対したが、それはトムに対する疑念ではなく、ヘレンの派手好きな性格を懸念したものであった。
ヘレンはプロポーズを承諾し、二人は結婚した
◆ 病院の問題点
ジョーンは安直に患者を多数引き受けて業績を上げようとするグリーソンの病院の運営や、トムの仕事ぶりに不満があるようだった。
ジム・クロウリーというまだ経験が浅い医師がいた。ジムも仕事に不満を持っているようであった。
そのうちにジムはコールヴィルのレスター・スコビー医師が経営する病院に移った。そして肺の病気に罹った炭鉱労働者を助けるようになった。
トムはグリーソンの病院で仕事を続けた。
◆ ネルソン夫人を助けた
病気になったロジャー・ネルソン夫人の世話をしていたヘレンから夫人の病状が悪化したとの連絡が入った。
トムはネルソン夫人を診察したが手術する必要があるとの結論。
夫人はグリーソンに執刀してもらうことを希望した。だがグリーソンは躊躇する。
実はグリーソンは病院の経営ばかりしており、10年も手術したことがなく、自信がないとのこと。
トムが執刀し夫人は回復した。だがなんとグリーソンは「自分が手術したことにしてくれ」ととんでもない要求をだした。
トムはいやいやながら、それを受け入れた。これらの経緯を見たジョーンは呆れて退職した。
◆ 炭坑での事故
このような状況の中でリーゾノーヴァーの炭鉱で爆発・落盤事故が発生した。坑内に取り残された労働者がいる。
急遽トムも要請を受けて駆け付けた。
ジムなどとともに坑内に入った。中には何人もの負傷者がいて手当てを待っている。
おまけにさらに落盤発生の恐れがあった。トムが手当てをしているそばで坑木が折れそうに軋んでいる。
ジムは続いて発生した落盤で致命傷を受けて死亡した。
負傷者を救出して坑外へ運び出した。
◆ トムは転勤した
トムはグリーソンの病院を辞めて、当地で働くことにした。収入は減ってしまう。
これに不満を持ったヘレンは離婚を要求し、二人は別れた。
トムはジムが勤務していた病院に転勤して出勤した。そこにはジョーンがいて、笑顔でトムを迎えた。
■ 出演作
◆ チャールトン・ヘストン
(1958)大いなる西部/Big Country
Mother Lode(大金塊)
(1950)執拗なサイコ、虐殺の町/Dark City
(1954)黒い絨毯/The Naked Jungle
(1958)黒い罠:凄腕の警部/Touch of Evil
(1957)三人のあらくれ者/Three Violent People
◆ リザベス・スコット
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)落とし穴/PITFALL
(1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears
(1950)執拗なサイコ、虐殺の町/Dark City
(1952)盗まれた顔/Stolen face
(1950)Paid in Full
(1947)大いなる別れ:殺された戦友の過去/Dead Reckoning