■ Dark City
ダニーは違法賭博場を経営していたが、警察の手入れを受けて廃業となった。
金に困ったダニーは仲間と共謀して、当地に仕事にきていたアーサーをインチキで騙して金を奪った。
しかし仲間の二人が何者かに殺された。犯人はエメラルドの指輪をしている。
ダニーは残ったもう一人の仲間とラス・ヴェガスに行って働く。しかし彼らの周りにエメラルド指輪男がウロウロしている。


製作年:1950、監督:William Dieterle、脚本:John Meredyth Lucas、Larry Marcus、原作:No Escape(Larry Marcus)


■ はじめに

邦題は「虐殺の町」「執拗なサイコ」の二つがある。

登場人物(キャスト)
 ダニー・ハーレイ/リチャード・ブラントン(チャールトン・ヘストン)
 フラン・ガーランド(リザベス・スコット) 歌手、ダニーの恋人
 オーギー(ジャック・ウェッブ) ダニーの賭博仲間
 バーニー(エド・ベグリー) ダニーの賭博仲間
 スウェード(ウォルター・サンド) ダニーの賭博仲間
 ソルジャー(ハリー・モーガン)

 アーサー・ウィナント(ドン・ディフォア)
 ヴィクトリア・ウィナント(ヴィヴェカ・リンドフォース) 妻
 ビリー・ウィナント(マーク・コイニング) 息子
 シドニー・ウィナント(マイク・マズルキ) アーサーの兄

 ガーヴェイ警部(ディーン・ジャガー)
 カーリー夫人(?) ウィナント家の隣の女性

リチャード・ブラントンの名前はラス・ヴェガスに来た時に使用している。

フラン(リザベス)の歌が五曲ほども流れる。グッド。ただし歌っている間に他の人の会話などが挟まれている。
 


■ あらすじ

◆ ダニーとフラン

ダニーは違法賭博場を経営している。それゆえいつ逮捕されるとも限らない身の上である。

またクラブ歌手のフランと付き合っている。付き合いは長く続いており、もう腐れ縁状態。

フランは結婚したいと思っているが、ダニーは自分が不安定な身分でもあり、フランに対して「お前は一人の女に過ぎない」みたいなことを言っている。

◆ アーサー・ウィナント

ダニーは自分の賭博場が手入れを受けて休業状態となり、金に困った。

アーサー・ウィナントは元空軍のビジネスマンでスポーツクラブの機材を調達に来た。そのための費用として5000ドルの小切手を持って来ている。

ダニーはアーサーの小切手に気がつく。アーサーをポーカーゲームに誘う。メンバーは二人の他にオーギー、バーニー、スウェード。

アーサーは325ドルの勝ち。しかし次の夜、アーサーは5000ドルの負けになる。アーサーは絶望的な顔をして小切手を渡した。

もちろん最初にアーサーに儲けさせたのは作戦である。

◆ アーサーは自殺、バーニーが殺された

翌日、アーサーの自殺死体が発見された。ダニーは警察の捜査を恐れて小切手の現金化を遅らせるように仲間と話した。

この事態にバーニーは動揺している。

夜、強い風が吹いている。開いた窓から風が吹き込んできた。バーニーは窓を閉めようと近づいた。

カーテンがバーニーの体に巻き付いた。そしてカーテンの後ろから太い腕がバーニーの首を絞めた。その指にはエメラルドの指輪。

◆ 警察の捜査

バーニーの死体が発見された。

ガーヴェイ警部はダニーとオーギーに会いに来て、アーサー、バーニーとの関係を追求した。警部はもちろん二人が関係していると睨んでいるのだが、証拠はないので曖昧な言い方をする。

ダニーは二人との関係を否定した。もちろん警部は信用していない。

また警部はアーサーの兄シドニーが当地に来ていることを知らせた。アーサーはシドニーへの手紙を残していたそうである。

警部はシドニーが凶悪な人物であると警告した。

◆ ヴィクトリアと会う

ダニーとオーギーはシドニーを見つけようとする。アーサーの妻ヴィクトリアに会うために来てホテルに泊まった。

家は売りに出されていたが、売れるまでは住むことができる。

ダニーは保険業者を装ってヴィクトリアを訪問した。「アーサーはシドニー宛の死亡保険を契約していた。シドニーが見つからないならば、あなた(ヴィクトリア)が受取人になる」。

しかしヴィクトリアは、そもそもシドニーを知らず、写真も持っていない。

ダニーとヴィクトリアは惹かれあう。二人はビリーを連れて遊園地やプラネタリウムに行った。

ビリーもダニーが好きなようだし、自分もダニーに惹かれた。

だがしかし、ダニーがアーサーと賭博をしたことを漏らしてしまうと、ヴィクトリアは怒ってダニーを追い出した。当たり前のことである。

◆ オーギーが殺された

ダニーはホテルに戻った。浴室にオーギーの死体が吊るされて揺れていた。

ホテルの従業員は二人の男の怒鳴り声を聞いたとのこと。

ダニーは当地の警察の事情聴取を受けた。ガーヴェイ警部が来てダニーを釈放するように要請した。

警部のターゲットはむしろシドニーのようである。

◆ ダニーはラス・ヴェガスへ

ダニーはヴィクトリアに会ってラス・ヴェガスへ行くことを伝えた。ダニーは失職しているのでヴェガスで働くためである。

ダニーはラス・ヴェガスへ向かった。相棒のソルジャーは先に来ていてカジノで働いている。

ソルジャーの紹介でダニーはカジノのマネージャーになった。

◆ 指輪男もラス・ヴェガスへ

ヴィクトリアの家。ある男が訪ねてきた。顔は分からないがエメラルドの指輪をしている。

ヴィクトリアはおらずビリーが応対した。ビリーは指輪男が探している人物がラス・ヴェガスへ行ったことを伝えた。

戻って来たヴィクトリアはフランに「ダニーに注意するように」と電話した。注、なぜ番号を知っているのか?

フランはダニーに連絡する。ダニーは「自分の身に何か起こったら、自分の金をヴィクトリアに」と依頼した。

それは自分がアーサーを破綻させた責任感であるが、フランはダニーがヴィクトリアを愛しているからだと解釈する。

ともあれフランはダニーにヴィクトリアからの警告を伝える。

ダニーが働いているカジノに指輪男がうろうろしていた。

ダニーは車を運転して帰宅する。跡を車がつけている。

◆ ダニーは警戒する

ダニーは泊っているモーテルに戻ってきた。襲撃に備えてカギを締めてドアの後ろにソファでバリケードを作った。

拳銃を出して警戒の態勢を取った。

だがしかし、指輪男=シドニーは先に忍び込んでいて洗面所の中からダニーを狙っていた。

◆ シドニーは死亡した

ヴィクトリアから電話がかかってきた。電話で話す。

シドニーは飛び出してきてダニーを襲った。拳銃は叩き落され格闘となった。二人が格闘している声と音がヴィクトリアに聞こえる。

しかしシドニーは大男の力持ちで、普通の人間が叶う相手ではない。

シドニーは取り出したロープでダニーの首を絞めた。シドニーの指にはエメラルドの指輪。

ダニーは気を失ったが、その時にガーヴェイ警部と部下が飛び込んできて、シドニーを射殺した。

◆ フランを追いかけた

フランはダニーの気持ちが自分には向いていないと判断してシカゴに行こうとしている。

空港に来て手続きをして、ゲートを抜けてタラップの下まできた。

そこにダニーが走って来た。二人は向き合ってモタモタしたが、係員が早く搭乗するように催促すると、搭乗を断って飛行機から離れた。
 


■ 出演作

◆ チャールトン・ヘストン
(1958)大いなる西部/Big Country
Mother Lode(大金塊)
(1950)執拗なサイコ/Dark City

リザベス・スコット
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1947)暗黒街の復讐/I Walk Alone
(1948)落とし穴/PITFALL
(1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears
(1950)執拗なサイコ/Dark City